❖科目名 Course Title 人間と文化「ムーミン谷の仲間たち」 ❖担当教員 Instructor 池田 文人 ❖開講学期 Semester ❖履修可能人数 Capacity 2 制限なし(遠隔) ❖対象学年 Year ❖単位数 Number of Credits 1~ 1 1名以上(対面) ❖授業形態 Type of Class 講義 ❖キーワード Key Words ムーミン物語,交流分析,コミュニケーション,対人関係,自立と自律 ❖授業の目的 Course Objectives ムーミンはカバではありません!作者 Tove Jansson によればムーミンたちは「小さな生 き物」であり,私たち一人一人なのです.ほんわかしたキャラクターたちですが,原作で語 られる物語には,私たちが生きる上で大切なメッセージが込められています.それは「他者 と積極的に関わることで本当に自立できる」ということです.このメッセージを,コミュニ ケーションの心理学とも呼ばれる交流分析を用いて読み解きます.交流分析は自分への気 づきにより自分を変えて行くための実践的な心理学です.過去と他人は変えられません.変 えられるのは今の自分だけです.しかし自分が変われば未来と他人は変わります.ムーミン たちがどうやって自分たちを変えていったのかを読み解き,私たちが自分自身を変える勇 気をもらいましょう. ❖授業概要 Course Description 北欧のフィンランドは学力世界一だけでなく,国際競争力も世界トップクラスです.いず れも優れた教育の賜物です.その教育の秘密は,フィンランドで生まれたムーミン物語にも 隠されています.コミュニケーションの心理学と呼ばれる交流分析を用いて,その秘密を解 き明かします.豊かな人生を送るためのメッセージをムーミン谷から受け取りましょう. ❖到達目標 Course Goals (1)交流分析を構成する 7 つの分野(構造分析,対話分析,人生脚本分析,ゲーム分析, 人生態度理論,ストローク理論,時間の構造化理論)のそれぞれの概要を説明できる (2)ムーミン物語の原作全 9 巻(「小さなトロールと大きな洪水」 「ムーミン谷のすい星」 「楽しいムーミン一家」「ムーミンパパの思い出」「ムーミン谷の夏まつり」「ムーミ ン谷の仲間たち」 「ムーミン谷の冬」 「ムーミンパパ,海へいく」 「ムーミン谷の 11 月」) のそれぞれについて概要を説明できる (3)ムーミン物語に交流分析を適用して,物語に込められたメッセージを読み解くことが できる (4)交流分析を自分自身に適用し,自己分析ができる. (5)その自己分析に基づき,どうしたら自分を変えることができるのかという具体的な行 動目標を考案できる. ❖授業計画 Course Schedule 1 講目:オリエンテーションです.ムーミン物語が生まれた経緯,全 9 作品の概要について 説明します.また,ムーミン物語が生まれたフィンランドは学力世界一として有名 ですが,そのフィンランドの教育とムーミン物語の類似性についてお話します.ま た,交流分析は,精神分析の口語版,あるいはコミュニケーションの心理学とも呼 ばれており,自分を知り自分を変えることで豊かな対人関係を築くことを目標にし ています.この交流分析の概要を説明し,ムーミン物語の共通性についてお話しま す. 2 講目:構造分析について解説します.構造分析とは,3つの自我状態および 5 つの自我機 能がどのようなバランス(エゴグラム)で働いているかを分析するものです.自分 のエゴグラムを作成します. 3 講目:構造分析を『ムーミン谷の仲間たち』の中の 1 編に適用し,物語に込められたメッ セージを読み解きます. 4 講目:対話分析について解説します.対話分析とは,自分と相手の会話のやりとりがどの 自我機能からどの自我機能へ向けてやり取りされているのかを分析するものです. 3 種類の対話について,自分のこれまでの経験を分析します. 5 講目:対話分析を『ムーミン谷の仲間たち』の中の 1 編に適用し,物語に込められたメッ セージを読み解きます. 6 講目:人生態度理論について解説します.人生態度理論とは,物事に対する私たちの態度 には 4 つあり,それらを行ったり来たりしているものの,人にはそれぞれ好みの態 度があるというものです.自分自身の人生態度の傾向について分析します. 7 講目:人生態度理論を『ムーミン谷の仲間たち』の中の 1 編に適用し,物語に込められた メッセージを読み解きます. 8 講目:ストローク理論について解説します.ストロークとは存在を認知したことを示す刺 激です.私たちは他者からストロークを得るために生きています.ストロークはお 金と同様に経済法則が成り立ちます.自分自身のストロークの傾向について分析し ます. 9 講目:ストローク理論を『ムーミン谷の仲間たち』の中の 1 編に適用し,物語に込められ たメッセージを読み解きます. 10 講目:時間の構造化理論について解説します.私たちは退屈に耐えられません.そこで 私たちは知らず知らずのうちに 6 つの時間の使い方によって構造化して時を過ご しています.自分自身の時間の構造化の傾向について分析します. 11 講目:時間の構造化理論を『ムーミン谷の仲間たち』の中の 1 編に適用し,物語に込め られたメッセージを読み解きます. 12 講目:ゲーム分析について解説します.ゲームとは心理的な駆け引きのことであり,将 棋やコンピュータ・ゲームなどと同様にルールがあります.自分自身の過去の経 験についてゲーム分析をします. 13 講目:ゲーム分析を『ムーミン谷の仲間たち』の中の 1 編に適用し,物語に込められた メッセージを読み解きます. 14 講目:人生脚本分析について解説します.人生脚本とは,私たちが幼少期の頃に選択し た一生の見取図のようなものです.幼少に選んだ脚本を強化するような生き方を してきています.自分自身の人生脚本について分析します. 15 講目:人生脚本分析を『ムーミン谷の仲間たち』の中の 1 編に適用し,物語に込められ たメッセージを読み解きます. 最後にレポート課題を出します. 「ムーミン谷の仲間たち」の中の 1 編に対して, 交流分析の 7 つの分野を総動員して考察した結果をまとめてください. ❖成績評価 Grading System 各授業後のレポート 15 回分(5 点×15 回=75 点)と最終レポート一回分(25 点)で評 価します.評価の観点は,①論理性,②多視点性,③オリジナリティ,④具体性,⑤知識, の 5 つです. ❖テキスト Textbooks ムーミン谷の仲間たち / トーベ・ヤンソン : 講談社 同出版社から複数タイプのものが出版されていますが,どれでも構いません. ❖参考書 Reading List ❖準備学習 Homework 予習:次の授業資料もしくは短編一つを次回までに読んでくる 復習:その日の授業内容についてレポートを書く ❖オフィスアワーOffice Hour ❖連絡先(E-mail)E-mail ❖質問・相談への対応方法 Contact Information ❖履修上の注意 Notes ❖備考 Other Information ※対面での履修については,講義室の状況によって履修者数を制限する可能性があります。 ※「対象学年」と「単位数」は,科目提供大学における数字であり,受講大学に応じて異なるので, 所属大学で確認してください。 ※「履修可能人数」は,科目提供大学以外の人数であり,遠隔と対面それぞれの受講形態で履修で きる人数を示しています。(例.5(遠隔),5(対面):遠隔授業で5名,対面授業で5名まで 履修可能。)
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