新・地方自治ニュース 2015 No.16 (2015 年 11 月 25 日) 行政管理から地域経営への機能進化と行動志向 政策視野広い 地域経営 グローバル単位 圏域単位 ICT、マイナ 2010 年代 質的改革 外 部 化 コスト削減 管理志向型 2000 年代 公共サービス の効率化 1990 年代 パートナー シップ 行動志向 地域単位 ンバー等 行政単位 庁内管理効率 業務改善等 1980 年代 事業単位 行政管理 政策視野:狭い 基礎自治体の機能が大きく変化しつつある。それは、従来の管理志向型から行動志向型への本格的 転換、そして同時に政策視野の拡大である。管理志向型とは、地方自治体の継続業務や義務的業務を 中心に目標を着実に達成するため、既存の枠組みを堅持しながら進行管理を行うことを中心とし、政 策対象のコアを行政の組織内で展開する行政管理モデルである。この管理志向型の行政機能は、環境 変化が少ない中で進行管理を行うには適しているものの、その限界としては、①新たな手段の構想に は及びづらいこと、②外部変化に伴う未経験な現象を対象として取り扱う視点に不足すること、③既 存枠組みを堅持し、容易に選択できる範囲で代替案を構想しやすいこと、などがある。このため、政 策視野が広がり様々な利害関係が輻輳する中で既存の枠組みを転換、あるいは未経験な現象に対処す ることには適さない。ルーティン業務等も含め、地方自治体全体に行動志向型の機能を組み込むには、 社会経済情勢の構造的環境変化に対応しつつ、PDCA サイクルを踏まえ政策手段の進化を図る行動志 向が不可欠となっている。それにより、基礎自治体の行政管理から地域経営へ進化することが可能と なる。この地域経営では、まず自らの地域を自ら観察できるメッシュ情報が必要となる。しかし、国 を頂点とする縦割り構造の中で地域ごとに分断しつつ、分断された地域のメッシュ情報の集積はほと んど実現してこなかった。しかし、グローバル化が進展する今日、①官民を通じた地域メッシュ情報 のマクロ的活用、②それに基づく地域企業の付加価値向上等重要な課題となっており、この点の充実 が図られてはじめて、地域経営や地方版総合戦略の実効性ある展開が可能となる。ICT 技術の活用に よるメッシュ情報の集積は、東京に一極集中するマネジメント機能の分散にも資する。 © 2015 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
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