資料 3 別添 1 (案) 2030 アジェンダにおける持続可能な開発目標(SDGs)の実施促進に向けて ~先進事例に関する情報交換の仕組みの必要性について~ 平成 27 年 11 月 地球環境局国際連携課 1.背景 (1)SDGs には多くの環境関連ゴール・ターゲットが含まれる。 本年 9 月 25 日の国連総会において、「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」が採択 された。2030 アジェンダの核となる「持続可能な開発目標」 (SDGs)は、17 ゴール(大目標)・ 169 ターゲット(個別目標)から成る。 17 ゴールの多くが環境と密接に関連し(持続可能な消費と生産、気候変動、生物多様性 等) 、環境と関連がないように見受けられるゴールの中でも、ゴールの下に位置づけられた 個別のターゲットに環境と関連しているものが多いことがわかる。 このため、環境省として、環境に関連するゴール・ターゲットについては、その国内外に おける実施に向け、取組を促進していく必要がある。 (2)実施に向けて多様な主体が関与。 個別のゴール・ターゲットの実施には多様な主体の関与が必要であり、また、そのパート ナーシップの構築及び運用が推奨されている。パートナーシップを構築するためには、まず、 多様な主体が各ゴール・ターゲットに関してどのような活動を行っているかについて相互に 知ることが必要である。 (3)実施に向けた取組は多様であり、先進事例を見つつ、創意工夫が必要。 2016 年から 15 年間という中長期の目標であることから、多くのゴール・ターゲットが叙 述的であり、また究極的な内容を掲げている。このため、目標を達成するために採るべき活 動やその行程は書かれていない。 このため、SDGs の各ゴール・ターゲットを達成するための手段や手法は、当該ゴール・ ターゲットに関係する各主体の取組内容や地域の実情等に応じて多様な内容が考えられる。 一方で、SDGs を CSR あるいは実業の中で実現する手段については、各主体の選択肢が多 数あり得るが故に、むしろ、具体的な活動を決定しづらいという声も聞かれる。また、選択 した活動について正の評価が得られるかについての心配・懸念が生じることもある。 このため、多くの関係する主体が先進的な取組として評価する先進事例について、実施に 至った経緯やモチベーション、効果、関係者との連携の方法等について発表・共有すること は、先んじて取組を実施する者(first mover)の活動が規範として認識される(advantage) ことを促すとともに、また、その規範内容を参考に、他者が自身の強みに照らして SDGs の 実施内容を検討することにも資すると考えられる。 2. 「ステークホルダーズ・ミーティング」(仮称)の設置 環境関連の各ゴール/ターゲットを達成するための手段は、主体や地域の実情等に応じた 多様な方策が考えられる。一方、各主体は方策のアイデアやその実施内容について評価を求 めることが多い。さらに、アイデアやその実施内容について具体的なイメージを持たない場 合もある。このため、多様な主体による多様な取組を共有し、認め合う場を提供することが 実施を促進するのに有効と考えられる。 そこで、SDGs の浸透と実施を促進するため、以下を達成すべく、「ステークホルダーズ・ ミーティング」(仮称)を設置してはどうか。 (1)多様な取組を相互に認め合うとともに、更なる取組に弾みをつけ、また、優れた活動 を規範として、現時点では SDGs の実施を検討している段階の主体に、自身の独自活 動の展開について能動的に考える場、多様なセクターの協働を促進していく場を提供 する。 (2)G7 富山環境大臣会合等における国際的な議論も見据え、こうした取組の一層の推進・ 改善と、国際的な展開の可能性を追求する。 3.実施概要 SDGs の実施に率先して取り組む企業、市民団体、研究者、地方公共団体、各省庁等のス テークホルダーが一堂に会し、お互いの事例の共有や意見交換、さらには広く一般への広 報を行う公開の場(ステークホルダーズ・ミーティング:仮称)を、個別のゴールやター ゲットごとに開催。 取組事例を、ウェブサイト・メディアを通じ、全国から自薦・他薦で募集。その中から 選定した事例について、事例内容だけでなく、構築プロセスの重要点、パートナーシップ の多様性等を、ステークホルダー・ミーティングで共有。 また、ウェブサイトにて、会合成果・優れた事例を国内外に発信。 さらに、参加者の合意が得られた場合に限り、インターネットで会合の様子を配信する ことが可能なケースもあろう。 なお、会合の構成員については、ゴール・ターゲットごとの検討について一貫性を持た せるため、環境関係の SDGs の実施に当たっての鍵となる分野から構成員を選定し、固定す るとともに、議論するゴール・ターゲットごとに知見や経験を持つ者に参加を求める。 こうした取組については、有識者や実施者等の関係者の意見を聞きながら、より有効な 形に修正していく。 4.ミーティングの進め方のイメージ (1)報告 会合事務局より、取り上げる SDGs 各ゴール・ターゲットに関する動向(国内の検討 状況、国際的な議論の成果、各国等の取組み、SDGs と関わりのあるイニシアティブや 指標の把握も含む)を共有(必要に応じ、各ゴールに沿った施策の国内外での実施状 況の共有も含む) (2)取組事例紹介 率先して取り組む企業、市民団体、研究者、地方公共団体等の取組事例を共有。 (3)意見交換 更なる取組に弾みをつけるための方策(参加者間・多様なステークホルダー間の協働 強化のための方策や、現時点では取り組んでいない方へ行動を促すための方策の検討 も含む)を意見交換。 (4)傍聴者からの質問への回答 公開で開催するため、傍聴者からの質問があれば、参加者が回答。 4.構成員の分野 構成員として参画をお願いする分野としては以下が考えられるのではないか。 ・SDGs 実施のための活動を行っている企業連合の代表 ・SDGs 実施のための活動事例をまとめた、金融業界の代表 ・環境関係の SDGs の実施に関する知見を有する研究者 ・環境関係の SDGsの実施に関与する市民団体 ・環境関係の SDGs の実施に関与する官公庁 5.今後の予定 平成 27 年度内にワーキンググループを再度開催し、ステークホルダーズ・ミーティング (仮称)の内容及び進め方、優先的に取り上げるべきゴール・ターゲット等について検討。 平成 28 年度から2年間程度、3ヶ月に1回程度を目安に開催。 以上
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