252件( 32%) 452件( 58%) 69件( 9%) 6件,(1%) 167件( 22%) 477

第38回全国特別支援学校知的障害教育校長会北海道(札幌)大会情報交換資料集計結果
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
教育支援部 主任研究員 武富 博文
Ⅴ「カリキュラム・マネジメントについて」
1 教育課程の「編成」に関する規定・マニュアルについて
0
100
200
①教育課程の「編成」に関する校内の手
引やルールが明文化されている
300
400
252件( 32%)
②教育課程の「編成」に関する校内の手
引やルールは,明文化されていないが
共通理解されている
452件( 58%)
③教育課程の「編成」に関する校内の手
引やルールは,特に共通理解されてい
ない
無回答
500
69件( 9%)
6件,(1%)
N=779
Fig.1 教育課程の「編成」に関する校内の手引やルールの共通理解の状況
各項目の件数を総回答件数(N=779)で除したものに 100 を掛けて小数第1位を四捨五入した(以下
の質問項目についても同じ処理を行った)結果,
「教育課程の『編成』に関する校内の手引やルールは,
明文化されていないが共通理解されている」と回答した割合が最も高く 452 件(58%)であった。次い
で「教育課程の『編成』に関する校内の手引やルールが明文化されている」と回答した割合が高く,252
件(32%)であった。
2
教育課程の「改善」に関する規定・マニュアルについて
0
①教育課程の「改善」に関する校内の手引や
ルールが明文化されている
100
200
300
400
500
167件( 22%)
②教育課程の「改善」に関する校内の手引や
ルールは,明文化されていないが共通理解さ
れている
③教育課程の「改善」に関する校内の手引や
ルールは,特に共通理解されていない
無回答
600
477件( 61%)
120件(15%)
15件,(2%)
N=779
Fig.2 教育課程の「改善」に関する校内の手引やルールの共通理解の状況
「教育課程の『改善』に関する校内の手引やルールは,明文化されていないが共通理解されている」
と回答した割合が最も高く,477 件(61%)であった。
3
教育課程の「編成」に関するスケジュールについて
0
100
200
300
①教育課程の「編成」に関するス
ケジュールが明文化されている
342件( 44%)
②教育課程の「編成」に関するス
ケジュールは,明文化されていな
いが共通理解されている
360件( 46%)
③教育課程の「編成」に関するス
ケジュールは,特に共通理解され
ていない
無回答
400
63件(8%)
14件(2%)
N=779
Fig.3 教育課程の「編成」に関するスケジュールの共通理解の状況
「教育課程の『編成』に関するスケジュールは,明文化されていないが共通理解されている」と回答
した割合が最も高く,360 件(46%)であった。次いで,ほぼ同様の割合である 342 件(44%)で「教
育課程の『編成』に関するスケジュールが明文化されている」と回答していた。
また,63 件(8%)の学校で「教育課程の『編成』に関するスケジュールは,特に共通理解されてい
ない」とする回答も見られた。
4
教育課程の「改善」に関するスケジュールについて
0
100
200
①教育課程の「改善」に関するス
ケジュールが明文化されている
300
無回答
500
276件(36%)
②教育課程の「改善」に関するス
ケジュールは,明文化されていな
いが共通理解されている
③教育課程の「改善」に関するス
ケジュールは,特に共通理解され
ていない
400
384件(49%)
103件(13%)
16件(2%)
N=779
Fig.4 教育課程の「改善」に関するスケジュールの共通理解の状況
「教育課程の『改善』に関するスケジュールは,明文化されていないが共通理解されている」と回答し
た割合が最も高く,384 件(49%)であった。次いで,
「教育課程の『改善』に関するスケジュールが明
文化されている」と回答した割合が 276 件(36%)であった。
また,103 件(13%)の学校で「教育課程の『改善』に関するスケジュールは,特に共通理解されて
いない」とする回答も見られた。
5
各教科等の年間指導計画の活用状況について
0
200
400
600
①各教科等の年間指導計画を校内の教職員
のみで活用している
559件(72%)
②各教科等の年間指導計画を保護者へ公開
している
105件( 13%)
③各教科等の年間指導計画を保護者へ公開
し、保護者会等で説明している
70件(9%)
④各教科等の年間指導計画を保護者を含め
た外部に公開・説明している
29件( 4%)
⑤年間指導計画は特に作成していない
7件(1%)
無回答
9件(1%)
N=779
Fig.5 各教科等の年間指導計画の活用状況
「各教科等の年間指導計画を校内の教職員のみで活用している」と回答した割合が最も高く,559 件
(72%)となっていた。次いで割合が高いのは,
「各教科等の年間指導計画を保護者へ公開している」
と回答した学校で 105 件(13%)となっていた。
外部への公開・説明も含めて,保護者に対して公開している学校の割合は,全体の 25%程度を占めて
いた。
6
教育課程を運営・管理する校内組織(委員会・会議等の)有無について
0
100
①学部・学科等の内部のみを運営・管理
する組織を設置している
200
300
165件(21%)
②学部・学科等を横断して運営・管理す
る組織のみを設置している
244件(31%)
③学部・学科等の内部と学部・学科等を
横断して運営・管理する組織の両方を設
置している
④運営・管理する組織を設置していない
無回答
400
340件( 44%)
23件(3%)
7件(1%)
N=779
Fig.6 教育課程を運営・管理する校内組織(委員会・会議等の)有無
「学部・学科等の内部と学部・学科等を横断して運営・管理する組織の両方を設置している」と回答
した割合が最も高く,340件(44%)となっていた。次いで割合が高いのは,
「学部・学科等を横断して
運営・管理する組織のみを設置している」と回答した学校で,244件(31%)となっていた。
また,23件(3%)の学校では,教育課程を「運営・管理する組織を設置していない」とする回答も
見られた。
7
学校全体の教育課程の改善状況について
0
100
①まったく改善されていない
1件(0%)
②ほとんど改善されていない
7件(1%)
③どちらかと言えば改善されていない
200
300
400
55件(7%)
262件(34%)
④どちらかと言えば改善されている
412件(53%)
⑤おおむね改善されている
⑥とてもよく改善されている
無回答
500
34件(4%)
8件(1%)
N=779
Fig.7 学校全体の教育課程の改善状況
「おおむね改善されている」と回答した割合が最も高く,412 件(53%)となっていた。次いで,
「ど
ちらかと言えば改善されている」と回答した割合が 262 件(34%)であった。
「とてもよく改善されて
いる」と回答した 34 件(4%)を合わせると,全体の 90%は改善されていると回答していた。
8
考察
1) 教育課程の編成や改善に関する「手引やルールの明文化や共通理解」
教育課程の編成や改善に関する「手引やルールの明文化や共通理解」について「編成」と「改善」で
は,どのような差異があるかを調べるためにクロス集計を行った(Table1)
。尚,この際,無回答は集
計から除外して再集計を行った。
χ二乗検定を行ったところ有意差が認められ(χ2=31.626, df=2, p<.001),教育課程の「改善」に関
する「校内の手引きやルールが明文化されている」と回答した割合は,「編成」の際に比べて低い状況
となっていた。また,
「校内の手引やルールは,特に共通理解されていない」と回答する割合は,
「編成」
の際より「改善」の際の割合が高くなっている状況が伺えた。
Table1.教育課程の編成・改善と手引やルールの明文化や共通理解のクロス表
校内の手引や 校内の手引やルー 校内の手引やルー
ルールが明文化 ルは,明文化されて ルは,特に共通理
されている
いないが共通理解 解されていない
されている
教育課程の
編成について
教育課程の
改善について
合計
度数
期待度数
割合
調整済み残差
度数
期待度数
割合
調整済み残差
度数
期待度数
割合
252
210.7
32.6%
4.7
167
208.3
21.9%
-4.7
419
419.0
27.3%
452
467.2
58.5%
-1.6
477
461.8
62.4%
1.6
929
929.0
60.4%
69
95.1
8.9%
-4.0
120
93.9
15.7%
4.0
189
189.0
12.3%
合計
773
773.0
100.0%
764
764.0
100.0%
1537
1537.0
100.0%
2) 教育課程の編成や改善に関する「スケジュールの明文化や共通理解」
教育課程の編成や改善に関する「スケジュールの明文化や共通理解」について「編成」と「改善」で
は,どのような差異があるかを調べるためにクロス集計を行った(Table2)
。尚,前項目同様この際,
無回答は集計から除外して再集計を行った。
χ二乗検定を行ったところ有意差が認められ(χ2=17.459, df=2, p<.001)
,教育課程の「改善」に関
する「スケジュールが明文化されている」と回答した割合は,「編成」の際に比べて低い状況となって
いた。また,
「スケジュールは,特に共通理解されていない」と回答する割合は,
「編成」の際より「改
善」の際の割合が高くなっている状況が伺えた。
Table2.教育課程の編成・改善とスケジュールの明文化や共通理解のクロス表
校内のスケ
校内のスケ
スケジュールは,
ジュールが明文 ジュールは,明 特に共通理解さ
化されている 文化されていな れていない
いが共通理解さ
れている
教育課程の 度数
342
360
63
編成について 期待度数
309.4
372.5
83.1
割合
44.7%
47.1%
8.2%
調整済み残差
3.4
-1.3
-3.3
教育課程の 度数
276
384
103
改善について 期待度数
308.6
371.5
82.9
割合
36.2%
50.3%
13.5%
調整済み残差
-3.4
1.3
3.3
合計
度数
618
744
166
期待度数
618.0
744.0
166.0
割合
40.4%
48.7%
10.9%
合計
765
765.0
100.0%
763
763.0
100.0%
1528
1528.0
100.0%
3) 教育課程を運営・管理する校内組織の有無と学校全体の教育課程の改善状況
教育課程を運営・管理する校内組織の有無と学校全体の教育課程の改善状況についてどのような関係
が認められるかを確認するためにクロス集計を行った。
学部・学科等の内部と学部・学科等を横断して運営・管理する組織の両方を設置している学校では,
教育課程の改善について肯定的な回答を示す割合が,各回答の中で最も高い割合となっていた。
Table3.教育課程を運営・管理する校内組織の有無と学校全体の教育課程の改善状況のクロス表
まったく改善 ほとんど改 どちらかと言 どちらかと言 おおむね改 とてもよく改
されていな 善されてい えば改善さ えば改善さ 善されてい 善されてい
い
ない
れていない れている
る
る
合計
学部・学科等の内部のみを
運営・管理する組織を設置
している
学部・学科等を横断して運
営・管理する組織のみを設
置している
学部・学科等の内部と学部・
学科等を横断して運営・管
理する組織の両方を設置し
ている
運営・管理する組織を設置
していない
度数
0
4
11
62
80
8
165
割合
.0%
57.1%
20.0%
23.8%
19.4%
23.5%
21.5%
合計
度数
0
0
24
72
138
9
243
割合
.0%
.0%
43.6%
27.7%
33.5%
26.5%
31.6%
度数
1
2
17
114
188
17
339
100.0%
28.6%
30.9%
43.8%
45.6%
50.0%
44.1%
度数
0
1
3
12
6
0
22
割合
.0%
14.3%
5.5%
4.6%
1.5%
.0%
2.9%
度数
1
7
55
260
412
34
769
割合
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
割合