別紙 今般事案の発生原因について ・貸出機器で受診されたデータは、当機構が管理するサーバーで一度処理され た後、受診結果の印刷データとして当該貸出機器に送信・蓄積されるシステム となっていた。印刷データは、印刷が実行されれば自動的に削除され、印刷が 実行されなかった場合にはプリンタデバイス内に印刷ジョブとして蓄積される ことから、情報漏えい防止の観点から、当機構では機器の返却時に貸出先事業 者のプリンタデバイスを削除する等の処理を職員に指示していた。 しかしながら、①情報漏えい防止策として指示していた「貸出先事業者のプリ ンタデバイスを削除すること」に関連し、従前の貸出先事業者のプリンタデバ イスを削除する操作を行ったにもかかわらず実際には削除されなかったこと、 ②①の結果として残ってしまった従前の貸出先事業者のプリンタデバイスに、 無関係な印刷ジョブが滞留していたため、貸出機器を利用した事業者様の支店 間のネットワークプリンタにおいて誤印刷が発生したことが判明した。以下、 個々の事態を招いた理由について詳述する。 (1)プリンタデバイスの削除操作を行ったにもかかわらず削除されなかった 理由 Windows 特有の機能により、滞留している印刷ジョブがあれば、当該プ リンタデバイスは完全には削除されず、Windows が再起動されたと同時に 当該プリンタデバイスも復活するという現象が起こっていた。 担当職員は貸出先事業者のプリンタデバイス手順を実行し、画面上も アイコンが消えて当該プリンタデバイスが削除されたように見えたため、 当該プリンタデバイスが実際上残ることが想定できなかった。 情報漏えい防止策としてプリンタデバイス削除を指示した当機構本部 もこの Windows の現象を承知していなかったため、印刷データの滞留防 止策としては結果的に不十分な手順であったことが判明した。 (2)無関係な印刷ジョブが従前の貸出先事業者のプリンタデバイスに滞留し ていた理由 今般事案を発生させた支所においては、当該貸出機器を主に出張診断 用に使用しており、また、出張診断時には、支所プリンタを持参せずに、 診断票をPDFで画面表示させて、それを見ながらカウンセリングを実 施するという独自の運用を行っていた。このため、通常の設定として、 支所のプリンタデバイス設定を行っていなかった。 したがって、貸出機器の返却時において、通常使用するプリンタとし て当該支所のプリンタデバイスを設定することなく出張診断が行われ、 代わりに直前の貸出先のプリンタデバイスが通常使用するプリンタの設 別紙 定として残ったまま、当該デバイスに出張診断にかかる未完了の印刷ジ ョブが滞留することとなった。 なお、情報漏洩防止策として「支所プリンタを通常使用するプリンタ としての設定を行うこと」をあわせて指示していたところであり、この 手順が指示どおり実施されていれば、未完了の印刷ジョブがあったとし ても支所プリンタデバイスに滞留するため、外部プリンタからの誤印刷 は発生しなかったと考えられる。 以上
© Copyright 2024 ExpyDoc