西南学院小学校 学校長メッセージ 「学校通信 Wings 2015 年 11 月号」 あなたは、小麦の収穫の初穂の時に、七週祭を祝いなさい。年の終わりに、取り入 れの祭りを祝いなさい。(旧約聖書 出エジプト記 第34章22節) 小学校では 5 日にサンクスギビングチャペル(収穫感謝礼拝)を計画しています。日本の教会 では収穫感謝日と呼んで礼拝を守りますが、アメリカでは 11 月の第 4 木曜日は感謝祭 Thanksgiving Day と呼ばれる祝日になります。感謝祭の起こりはイギリスからマサチューセッツ 州のプリマス植民地に移住したピルグリムファーザーズの最初の収穫を記念する行事と言われて います。彼らが到着した 1620 年の冬は大変厳しく、大勢の死者を出しましたが、近隣に居住して いたインディアンのワンパノアグ族の助力により生き延びることが出来ました。翌年の秋は、と りわけ収穫が多かったため、彼らはワンパノアグ族を招待し、神の恵みに感謝して共にご馳走を いただいたことが始まりであるとされています。植民地で祝われた感謝祭は食事会というよりも むしろ教会で礼拝を行い、神に感謝を捧げる宗教的な意味合いが強かったと言われています。し かし現代アメリカの感謝祭では、宗教的な意味合いはかなり弱くなっており、彼らの意識の中で は、たくさんの親族や友人が集まる大規模な食事会であり、大切な家族行事のひとつと位置づけ られています。特に感謝祭前日と感謝祭後の日曜日は交通機関が 1 年の中でも大混雑・大渋滞と なるそうです。感謝祭の翌日の金曜日も Black Friday として祝日扱いとなっています。 キリスト教の本質は「手放す」ことだと言っておられる牧師がおられます。 「あなたのパンを水 の上に投げよ、多くの日の後、あなたはそれを得るからである」 (伝道の書 11:1)と聖書は語り ます。イギリスから渡って来た見知らぬ人々に対して、ワンパノアグ族の人々は、 「自分たちが冬 を越すために大切に保管していた食料を、ぽんと見知らぬ人に与えた。」というのです。しかし、 いつの間に私たちの生き方は変わってしまったのでしょう。もっと欲しい、もっと持ちたいと思 い、持ちすぎて両手がふさがっています。結局、誰の手も握れなくなって見知らぬ人との出会い もなくなっています。サンクスギビングの時を覚えて、もう一度、神様か ら与えられた食べ物のありがたさとと共に、見知らぬ方々と出会える ように、また遠くの国で飢餓に苦しんでいる人たちの友になれたらい いなと思います。子どもたちと共に、サンクスギビングの意味を考えた いと思っています。 (和佐野)
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