( 様 式4 ) 別紙2 論 文 審査 の 結 果 の 要 旨 学 位 申請 者 坂 本 秀 樹 本 論文 は , 「 タ グ チ メ ソ ッ ドを 用 い た 生 産 管 理 に 関す る ソ フ ト ウ エ ア の 開発 と そ の 適 用性 の 評 価 」と 題 し ,7 章 よ り 構成 さ れ て い る .第 1 章「緒 論 」で は ,論 文 の位 置 づ け ,研 究背 景 ,品 質工 学( タ グ チ メ ソ ッド ),論 文構 成 に つ い て説 明 し て い る .第 2 章「品 質 工 学 に 生 産マネージメント機能を添加したものづくり支援ソフトウエアの開発」では,品質工学と 生産性マネージメントから成るソフトウエアを開発し,設計パラメータの最適組合せを推 定する手法を可能にした.評価として,マグネシウム合金のプレス成形におけるスプリン グバック量を対象として,加工精度,加工時間,生産コスト,歩留まりをそれぞれ優先し た 場 合の 最 適 加 工 条 件 の 推 定に つ い て 検 討 し , そ の有 効 性 を 確 認 し た . 第 3 章「 誤 差 因子 の 分 散を 考 慮 し た ソ フ ト ウ エア の 高 精 度 化 」 で は , 第 2 章 で 開 発 し た ソ フト ウ エ ア を 高精 度化するためのソフトウエアを開発した.いくつかの数学モデルを用いて,その高精度化 の た めの ソ フ ト ウ エ ア の 改 造が 有 効 で あ る こ と を 確認 し た . 第 4 章 「 等 級化 ・ 延 滞 金 ・損 失関数を考慮したソフトウエアの高機能化」では,製品が最大利益を得るために等級化, 延滞金,損失関数が計算できるソフトウエアを開発し,紙コプターの実験を行ってソフト ウ エ アが 高 品 位 化 と 多 機 能 化に 有 効 で あ る こ と を 確認 し た . 第 5 章 「 逆 解法 に よ る 制 御因 子と誤差因子の寄与率の評価のソフトウエアの開発」では,制御因子の各水準が誤差因子 の影響下で最終対象とする機能(特性値)にどのような影響力を持つかを推定するソフト ウエアを開発した.その評価のために,紙コプターの実験を行った.とくに制御因子に有 機 物 と し て “紙 ”と “紙 コ プ タ ー 製 作 作 業 者 ”を セ ッ ト し , そ の 影 響 力 の 評 価 の 程 度 を 調 べ , 有 機 物の 影 響 力 の 評 価 に も 有効 に 利 用 で き る こ と を確 認 し た . 第 6 章 「 ロバ ス ト 性 の ある 最適条件を迅速に探索するイノベーションツールの開発」では,対象となる機能を最高水 準にするための制御因子の水準値を,短時間・容易に探索できるソフトウエアの開発を行 った.評価のために,有機物である人間の感性領域の最適化の理論構築と条件探索の実験 を 行 い,作 業 時 間 を 1/15 まで 短 縮 で き,イ ノ ベ ー ショ ン の た め の ツ ー ル とし て の 有 効 性 を 確 認 した . 第 7 章 「 結 論 」 では , 本 研 究 で 得 ら れ た結 果 を ま と め た . 以上のように,品質工学をベースに最適生産マネージメント,その手法の高精度化と多 機能化,制御因子と誤差因子の影響の推定,制御因子の関数化による開発の迅速化をそれ ぞ れ 可能 に す る ソ フ ト ウ エ アが 開 発 さ れ , そ の 有 効性 が 確 認 で き た . よって,本論文は工学上及び工業上貢献するところが大きく,博士(工学)の学位論文 と し て十 分 な 価 値 を 有 す る もの と 認 め る 。 審 査委 員 主 査 田 辺 郁 男 印
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