インターフェース - ハイデンハイン

ハイデンハインエンコーダの
インターフェース
2015.2
インターフェース
エンコーダと後続電子機器間では伝送方法を
明確に定義しているため、各種インターフェース
により信頼性のある情報伝送が可能です。
ハイデンハインでは多くの汎用後続電子機器の
インターフェースに対応したエンコーダを用意して
います。各事例において可能なインターフェース
は、特にエンコーダの測定方式により異なります。
測定方式
インクリメンタル測定方式では、位置情報を任意
の基点からの増加量(測定分解能)をカウントする
ことによって得ることができます。位置を決定する
ために絶対的な基準が必要となるため、原点信号
も出力します。一般にインクリメンタル測定方式で
使用するエンコーダはインクリメンタル信号を出力
します。インターフェースユニットを持つインクリメン
タルエンコーダの中には、カウント機能を持つ製品
があります。一度、原点を通過すると、絶対位置
値を確立しシリアルインターフェース経由で伝送
します。
注意
特別仕様のエンコーダでは、シールドに関連
するような、他のインターフェース特性を持つ
こともできます。
アブソリュート測定方式では、絶対位置情報を
直接スケール目盛から得ることができます。電
源をONするとすぐにエンコーダからの位置情報
を入手でき、また後続電子部によって随時呼び
出すことが可能です。
アブソリュート測定方式で使用するエンコーダは
位置値を出力します。アブソリュートインターフェー
スの種類によってはインクリメンタル信号を同時
に出力するものもあります。
インターフェースユニット
ハイデンハイン製インターフェースユニットは、
エンコーダ信号を後続電子機器に中継します。
後続電子部がハイデンハイン製エンコーダから
の出力信号を直接受信できない場合や高い分
割倍率を必要とする場合に使用できます。
詳細はInterface Electronics Product
Overviewを参照してください。
アブソリュートエンコーダは原点復帰をする必要
ありません。連結した生産システム、搬送ライン、
もしくは多くの測定軸を搭載する機械で、特に便
利です。また、耐EMC性にも優れています。
このカタログの発行により、前版カタログと
の差替えをお願いいたします。
ハイデンハインへの注文は契約時の最新
カタログを御覧ください。
2
目次
インクリメンタル信号
正弦波信号
矩形波信号
1 VPP
電圧信号、高い内挿分割が可能
4
11 µAPP
電流信号、内挿分割可能
6
TTL
RS 422、通常 5 V
7
HTL
通常 10 V ~ 30 V
10
HTLs
通常 10 V ~ 30 V、反転信号なし
EnDat
双方向インターフェース
位置値
シリアルインターフェース
12
インクリメンタル信号付き
インクリメンタル信号なし
15
シーメンス
他社制御装置用インターフェース インクリメンタル信号なし
ファナック
他社制御装置用インターフェース インクリメンタル信号なし
三菱
他社制御装置用インターフェース インクリメンタル信号なし
パナソニック
他社制御装置用インターフェース インクリメンタル信号なし
安川
他社制御装置用インターフェース インクリメンタル信号なし
PROFIBUS-DP
フィールドバス
インクリメンタル信号なし
16
PROFINET IO
イーサネットベースフィールドバス
インクリメンタル信号なし
18
SSI
同期シリアルインターフェース
インクリメンタル信号付き
20
その他信号
磁極検出位置信号
リミット/ホーミング信号
磁極検出位置信号(矩形波出力)
22
磁極検出位置信号(正弦波出力)
23
リミットスイッチ
24
リミットスイッチ/ホーミングトラック
25
参考情報
インターフェースユニット
26
診断・検査機器
28
電気的仕様
32
3
インクリメンタル信号
» 1 VPP 正弦波信号
ハイデンハインエンコーダで»1 VPPインター
フェース形式のものは、高い内挿分割を可能とす
る電圧信号を出力します。
正弦波インクリメンタル信号A相とB相は90°elec.
の位相差を有し、信号振幅は通常1 VPPです。
図で表示した出力信号のシーケンス(B相がA
相に遅れて出力)は、個別の寸法図に示され
る方向に動作した際に得られる信号です。
原点信号Rの有効信号成分G(イラスト)は約0.5 V
です。原点のすぐ隣では、原点出力信号が最大で
1.7 V減少し、定常時信号値Hに減少します。その
ため、後続電子部では所定位置以外での原点信
号の検出はされません。信号レベルが低くなって
も、信号振幅G分の信号ピークは現れます。
信号振幅は、エンコーダ製品仕様に記載の供給
電圧を供給した時のものです。このデータは、対と
なる出力の間を120で終端した時の差動測定
値を表しています。信号振幅は、走査周波数の
増加につれて減少します。
カットオフ周波数とは、原信号に対して出力信
号振幅がある比率まで維持できる走査周波数
を示します。
• –3 dB  信号振幅の70 %
• –6 dB  信号振幅の50 %
インターフェース
正弦波電圧信号»1 VPP
インクリメンタル信号
2個の疑似正弦波信号AとB
信号レベル M:
非対称性 |P – N|/2M:
信号比率 MA/MB:
位相角 |j1 + j2|/2:
0.6 ~ 1.2 VPP; 通常 1 VPP
≦ 0.065
0.8~1.25
90°± 10°elec.
1個または複数個のピーク信号R
有効成分 G:
定常時信号値 H:
スレッシュホールドレベル E、F:
ゼロクロスオーバー K、L:
≧ 0.2 V
≦ 1.7 V
0.04 V ~ 0.68 V
180°± 90°elec.
原点信号
接続ケーブル
ケーブル長
伝達遅延時間
ハイデンハイン製シールドケーブル
例 PUR [4(2 x 0.14 mm2) + (4 x 0.5 mm2)]
最大150 m キャパシタンス90 pF/mの時
6 ns/m
これらの値は後続電子回路設計の際に使用することが可能です。エンコーダの公差は全て仕様
欄に記載してあります。ベアリングを内蔵しないエンコーダの場合は、取付け時に公差を小さくして
おくことをお勧めします。(取付説明書を参照ください)
信号周期
360° elec.
信号の説明文中のデータは、–3 dBカットオフ
周波数の20 %までの速度で移動させた場合
に適用されます。
内挿分割/測定分解能
通常、1 VPPインターフェース出力信号は、十分
に高い精度を得るために後続電子部にて内挿分
割されます。速度制御用途では、低速時でも十
分な速度情報が得られるように1000倍以上まで
内挿分割数を上げて使用するのが一般的です。
位置計測用途での測定分解能は、製品仕様書
内で推奨されています。特別なアプリケーション
に対しては他の分解能も可能です。
短絡
20 °C
125 °C
1個の出力
< 3 min
< 1 min
全ての出力
< 20 s
<5s
代替信号波形
(規定値)
A、B、R はオシロスコープにて差動で測定される
カットオフ周波数
出力信号周波数に対する
典型的な信号振幅カーブ
(エンコーダにより異なる)
信号振幅 [%]
短絡への耐性
出力信号が短絡した状態では使用しないでくだ
さい。例外:供給電圧DC 5 V ±5 %のエンコー
ダは、1個の信号出力が0 VまたはUPへ一時的に
短絡してもエンコーダに不具合は起こりません。
出力信号の周波数[kHz]
カットオフ周波数-3dB
カットオフ周波数-6dB
4
インクリメンタル信号の監視
以下の値は信号レベルMをモニターする際に
使用することをお勧めします。
下限値:
0.30 VPP
上限値:
1.35 VPP
インクリメンタル信号 A
インクリメンタル信号の大きさを、例えば、位置を示
す円の半径値によって監視することができます。
オシロスコープのXYグラフにおいて、出力信号A
とBをリサージュ波形で表示します。理想的な正
弦波信号は直径Mの円を表示します。この場合、
位置を示すr は½Mに対応します。
その場合の計算式は r = (A2+B2) です。
時間 [t] 
(ただし、 0.3 V < 2r < 1.35 V の時)
時間 [t]
後続電子部の入力回路
回路定数
オペアンプ 例:MC 34074
Z0 = 120 
R1 = 10 k と C1 = 100 pF
R2 = 34.8 k と C2 = 10 pF
UB = ±15 V
U1 ≒ U0
回路の –3dB カットオフ周波数
≈ 450 kHz
≈ 50 kHz (C1 = 1000 pF、
C2 = 82 pFの時)
50kHzとなる回路定数は回路のバンド幅を減
少させます。そうすることにより耐ノイズ性が向
上します。
インクリメンタル信号 B
インクリメンタル信号
原点信号
エンコーダ
後続電子部
LIP 281 エンコーダ
後続電子部
Ra < 100 、通常24 
Ca < 50 pF
SIa < 1 mA
U0 = 2.5 V ± 0.5 V
(供給電源の0 Vを基準とする)
回路の出力信号
Ua = 3.48 VPP 通常
ゲイン 3.48
後続電子部の入力回路
(高い信号周波数用)
インクリメンタル信号
原点信号
LIP 281などの高い信号周波数のエンコーダでは、
特別な入力回路が必要となります。
Ra < 100 、通常24 
Ca < 50 pF
SIa < 1 mA
U0 = 2.5 V ± 0.5 V
回路定数
オペアンプ 例:AD 8138
Z0 = 120 
R1 = 681 ; R2 = 1 k; R3 = 464 
C0 = 15 pF; C1 = 10 pF
+UB = 5 V; –UB = 0 V もしくは –5 V
(供給電源の0 Vを基準とする)
回路の –3dB カットオフ周波数
≈ 10 MHz
回路の出力信号
Ua = 通常1.47 VPP
ゲイン 1.47
5
インクリメンタル信号
» 11 µAPP 正弦波信号
ハイデンハインエンコーダで»11 µAPPインター
フェース形式のものは電流信号を出力します。
これは、ハイデンハイン製のデジタルカウンタND
またはインターフェースユニットEXEへの接続用
の信号です。
インターフェース
正弦波電流信号 » 11 µAPP
インクリメンタル信号
2個の擬似正弦波信号 I1 とI2
信号レベル M:
非対称性 IP – NI/2M:
信号比率 MA/MB:
位相角 |j1 + j2|/2:
7 ~16 µAPP/通常 11 µAPP
≦ 0.065
0.8~1.25
90°± 10°elec.
1個以上のピーク信号I0
有効成分 G:
スレッシュホールドレベル E、F:
ゼロクロスオーバー K、L:
2 µA ~ 8.5 µA
≧ 0.4 µA
180°± 90°elec.
正弦波インクリメンタル信号I1およびI2は、位相差
90°(elec.)そして信号レベルが通常11 µAPPです。
図で表示した出力信号のシーケンス(I2がI1に遅
れて出力)は、各製品寸法図に示される方向に
動作した際や長さゲージのプランジャーを引き込
む際に得られます。
原点信号 I0の有効成分Gは約5.5 µAです。
信号振幅は、エンコーダ製品仕様に記載の供
給電圧を供給した時のものです。このデータは、
対となる出力の差動測定値を表しています。信
号振幅は、走査周波数の増加につれて減少し
ます。カットオフ周波数とは、原信号に対して
出力信号振幅がある比率まで維持できる走査
周波数を示します。
• カットオフ周波数-3 dB:
信号振幅の70 %
• カットオフ周波数-6 dB:
信号振幅の50 %
原点信号
接続ケーブル
ケーブル長
伝達遅延時間
ハイデンハイン製シールドケーブル
PUR [3(2 x 0.14 mm2) + (2 x 1 mm2)]
最大30 m、キャパシタンス90 pF/m の時
6 ns/m
信号周期
360° elec.
内挿分割/測定分解能
通常、11 µAPPインターフェース出力信号は、十
分に高い分解能を得るために、ハイデンハイン製
の表示カウンタNDやインターフェースユニットEXE
などの後続電子機器にて内挿分割されます。
(規定値)
6
 TTL 矩形波信号
ハイデンハインエンコーダで  TTLインター
フェース形式のものは、正弦波走査信号を分割
して、または分割なしで、デジタル化する回路を
内蔵しています。
インクリメンタル信号は、90°(elec.)の位相差を
もった矩形波パルスUa1、Ua2として送信されま
す。原点信号は1個以上の原点パルスUa0から
なり、これらはインクリメンタル信号によりゲートが
かけられています。さらに、内蔵電子回路では
反転信号¢、£、¤を発生し、ノイズに強い
信号伝送が行えます。図で表示した信号シーケ
ンス(すなわちUa2がUa1に遅れて出力される)
は、個別の寸法図に示されている方向に動作
した際に得られる信号です。
アラーム信号¥は電源ラインの断線や光源
の異常などの故障状況を知らせます。これは
自動生産プロセスでの機械停止などの目的に
使用できます。
1、2、もしくは4逓倍評価後のインクリメンタル信
号Ua1とUa2の連続する2つのエッジ間の距離が、
測定分解能となります。
後続電子部は、矩形波パルスの各エッジを検出
できるように設計しなければなりません。仕様の
項目の表に記載されている最小エッジ間隔a
は、図で示した入力回路に1mのケーブルを使
用し、差動ラインレシーバの出力で測定した場
合に適用されます。
インターフェース
矩形波信号« TTL
インクリメンタル信号
2 個のTTL矩形波信号 Ua1、Ua2 とその反転信号 ¢、£
原点信号
パルス幅
遅延時間
1個以上のTTL矩形波パルス Ua0 とその反転パルス ¤
90° elec.(他のパルス幅については、ご相談ください)
|td| ≦ 50 ns
アラーム信号
パルス幅
1個のTTL矩形波パルス¥
異常発生時:LOW (オプションとして:Ua1/Ua2 ハイインピーダンス)
正常動作時:HIGH
tS ≧ 20 ms
信号振幅
差動ラインドライバ(EIA規格RS-422準拠)
許容負荷
差動出力間
Z0 ≧ 100 
出力あたり最大負荷 (ERN 1x23:10 mA)
|IL| ≦ 20 mA
Cload ≦ 1000 pF
0 Vに対して
出力は、0 Vへの短絡に対して保護されています。
スイッチング時間
(10 % ~ 90 %)
t+ / t– ≦ 30 ns (通常10 ns )
ケーブル1mおよび推奨入力回路を使用時
接続ケーブル
ハイデンハイン製シールドケーブル
2
2
例 PUR [4(2 x 0.14 mm ) + (4 x 0.5 mm )]
最大100 m (¥は最大50 m) キャパシタンス 90 pF/m の時
通常6 ns/m
ケーブル長
伝達遅延時間
信号周期 360° elec.
異常発生時
4逓倍評価後の
測定分解能
注意
原点信号、アラーム信号、反転信号を出力
しないエンコーダもあります。これに関しては
コネクタ ピン配列を参照してください。
反転信号¢、£、¤ は表示していません
7
クロック同期出力信号は5倍(もしくはそれ以上)
の内挿分割をもつエンコーダやインターフェース
ユニットに標準でついています。これらは内部ク
ロック源からエッジ間隔aを得ます。同時にクロッ
ク周波数がインクリメンタル信号(1 VPPや11 µAPP)
の許容入力周波数や最大許容走査速度、最
大許容回転速度を決定します。
1
anom =
4 · IPF · fenom
anom 名目上のエッジ間隔
IPF
分割倍率
fenom 名目上の入力周波数
内部クロックの公差は出力信号のエッジ間隔 a
と入力周波数fe、すなわち走査速度や回転速
度に影響を与えます。
エッジ間隔の値は既にこれらの公差を5%として
考慮しています。名目上のエッジ間隔でなく、最
小エッジ間隔 aminを記載しています。
一方、最大許容入力周波数は少なくとも5%の
公差を考慮しなければなりません。このため最
大許容走査速度や最大許容回転速度は、そ
れに応じて減少します。
一般に内挿分割のないエンコーダやインターフェース
はクロック同期出力ではありません。最大許容
入力周波数での最小エッジ間隔 aminが仕様に
記載されています。入力周波数が減少した場合、
エッジ間隔はそれに応じて増加します。
計算例1
リニアエンコーダLIDA 400
要件: 分解能 0.5 µm、走査速度 1 m/s、出力信号 TTL、後続電子機器までのケーブル長25 m
この時の後続電子機器が処理しなければいけない最小エッジ間隔を算出
内挿倍率の選択
目盛間隔20 µm :分解能0.5 µm =
後続電子機器での評価
内挿倍率
エッジ間隔の選択
走査速度
+ 許容値 5 %
仕様から選択:
LIDA 400
最小エッジ間隔
40分割
4逓倍
10倍
60 m/min (1 m/sに相当)
63 m/min
120 m/min (仕様に記載)
0.22 µs (仕様に記載)
後続電子機器が処理しなければいけないエッジ間隔の決定
ケーブル長により異なる伝送時間
0.2 ns(1mあたり)
ケーブル長25 mの場合
5 ns
エッジ間隔
0.215 µs
安全率 10%を減算
0.022 µs
後続電子機器が
処理しなければいけない最小エッジ間隔
0.193 µs
計算例2
角度エンコーダERA 4000 (目盛線本数32 768 本)
要件: 分解能 0.1”、出力信号 TTL (インターフェースユニットIBVが必要)、
ケーブル長(IBVと後続電子機器間)
= 20 m
後続電子機器が処理できなければ
ならない最小エッジ間隔
= 0.5 µs (入力周波数 = 2 MHz)
この時の許容回転速度を算出
さらに、ケーブル中の伝達遅延時間により、ケー
ブルの長さ1mに付き0.2nsずつエッジ間隔が減
少します。カウントエラーを防止するためには、
10%のマージンを考慮し、得られたエッジ間隔
の90%の大きさでも処理できるように後続電子
部を設計しなければなりません。
以下内容に注意してください。
最大許容回転数または最大走査速度を絶
対に超えないでください。カウントエラーになり
ます。
内挿倍率の選択
目盛線本数32 768本(の1本)に相当する信号周期
信号周期 40”を分解能 0.1”に
後続電子機器での評価
IBV内での内挿倍率
40”
400分割
4逓倍
100倍
エッジ間隔の算出
後続電子機器が処理できなければならないエッジ間隔
この値は求めるエッジ間隔の90 %の値になります。
したがって、エッジ間隔は
ケーブル長により異なる伝送時間
ケーブル長20 mの場合
IBV 102の最小エッジ間隔
0.556 µs
0.2 ns(1mあたり)
4 ns
≧ 0.56 µs
入力周波数の選択
製品情報によると、IBV 102の入力周波数と
エッジ間隔 aは設定が可能です。
適切なエッジ間隔
入力周波数(内挿倍率100倍において)
0.585 µs
4 kHz
0.5 µs
許容回転速度の算出
公差 5%を減算
3.8 kHz
これは1秒あたりの信号3 800 もしくは1分あたりの信号228 000に相当します。
ERA 4000の目盛線本数が32 768本であるため
最大許容回転速度
6.95 rpm
8
許容ケーブル長
エッジ間隔との関係
ケーブル長 [m] 
後続電子部にTTL矩形波信号を伝送する際の
許容ケーブル長は、エッジ間隔 aによって決ま
ります。アラーム検出を使用しない場合は最大
100 m、アラーム検出信号を使用する場合は
最大50 mです。ただし、これにはエンコーダへ
の供給電圧(仕様の項目を参照)が保証されて
いなければなりません。センサ線はエンコーダ側
での電圧測定に使用することができ、必要であ
れば、自動補正システムにより電圧を修正する
目的で使用できます。
(リモートセンシングによる電源供給)
¥なし
¥あり
これより長いケーブルに関しては、お問い合わ
せください。
エッジ間隔 [µs] 
後続電子部の入力回路
回路定数
IC1 = 推奨の差動ラインレシーバ
DS 26 C 32 AT
エッジ間隔がa > 0.1 µsの場合:
AM 26 LS 32
MC 3486
SN 75 ALS 193
R1
R2
Z0
C1
インクリメンタル信号
原点信号
エンコーダ
後続電子部
アラーム信号
= 4.7 k
= 1.8 k
= 120 
= 220 pF (耐ノイズ性の改善用)
9
インクリメンタル信号
 HTL 矩形波信号
ハイデンハインエンコーダで  HTL インター
フェース形式のものは、正弦波走査信号を分割
して、または分割なしで、デジタル化する回路を
内蔵しています。
インクリメンタル信号は、90°(elec.)の位相差を
もった矩形波パルスUa1、Ua2として送信されま
す。原点信号は1個以上の原点パルスUa0から
なり、これらはインクリメンタル信号によりゲートが
かけられています。さらに、内蔵電子回路では
反転信号¢、£、¤を発生し、ノイズに強い
信号伝送が行えます。
(HTLsには適用されません)
図で表示した信号シーケンス(すなわちUa2が
Ua1に遅れて出力される)は、個別の寸法図に
示されている方向に動作した際に得られる信
号です。
アラーム信号¥は電源ラインの断線や光源
の異常などの故障状況を知らせます。これは
自動生産プロセスでの機械停止などの目的に
使用できます。
1、2、もしくは4逓倍評価後のインクリメンタル
信号Ua1とUa2の連続する2つのエッジ間の距
離が、測定分解能となります。
後続電子部は、矩形波パルスの各エッジを検
出できるように設計しなければなりません。
仕様の項目表に記載されている最小エッジ間
隔 aは、差動入力回路の出力で測定した場合
に適用されます。カウントエラーを防止するため
には、後続電子部を、得られたエッジ間隔 aの
90 %の大きさでも処理できる設計にしなけれ
ばなりません。
インターフェース
« HTL、« HTLs 矩形波信号
インクリメンタル信号
2 個のHTL 矩形波信号Ua1、Ua2とその反転信号 ¢、£
(HTLsには¢、£がありません)
原点信号
1個以上の HTL 矩形波パルスUa0 とその反転パルス¤
(HTLs には ¤がありません)
90° elec.(他のパルス幅については、ご相談ください)
|td| ≦ 50 ns
パルス幅
遅延時間
アラーム信号
パルス幅
信号レベル
1個のHTL矩形波パルス ¥
異常発生時:LOW
正常動作時:HIGH
tS ≧ 20 ms
UH ≧ 21 V (–IH = 20 mAにおいて)
UL ≦ 2.8 V ( IL = 20 mAにおいて)
UP = 24 V電源付
(ケーブルなし)
許容負荷
|IL| ≦ 100 mA 出力当たり最大負荷(¥を除く)
Cload ≦ 10 nF
0 Vに対して
出力の短絡保護は、0 V および UPへの短絡後、最大1分
(¥を除く)
スイッチング時間
(10 % ~ 90 %)
t+/t– ≦ 200 ns ( ¥を除く)
ケーブル1 mおよび推奨入力回路を使用時
接続ケーブル
ハイデンハイン製シールドケーブル
2
2
例 PUR [4(2 × 0.14 mm ) + (4 × 0.5 mm )]
最大300 m (HTLs 最大100 m)
キャパシタンス90 pF/m の時
6 ns/m
ケーブル長
伝達遅延時間
信号周期 360° elec.
異常発生時
最大の許容回転数 または 走査速度は絶対に
超えてはなりません。カウントエラーになります。
4逓倍評価後の
測定分解能
反転信号¢、£、¤ は表示していません
HTL
HTLs
ケーブル長 [m] 
HTL出力インクリメンタルエンコーダの許容ケー
ブル長は、エンコーダの出力周波数、供給電
源、使用温度によって異なります。
HTL出力信号エンコーダの消費電流は、出力
周波数と後続電子部までのケーブル長によっ
て異なります。
出力信号の周波数[kHz] 
10
後続電子部の入力回路
HTL
インクリメンタル信号
原点信号
エンコーダ
後続電子部
アラーム信号
HTLs
インクリメンタル信号
原点信号
エンコーダ
後続電子部
アラーム信号
11
位置値
シリアルインターフェース
EnDatインターフェースは、エンコーダ用のデジ
タル双方向インターフェースです。インクリメンタ
ルエンコーダの位置値の伝送と、エンコーダに
保存された情報の読み出し または更新が可能
で、新しい情報を保存することもできます。シリ
アル伝送方式のため、4本の信号線だけで処理
できます。データは後続電子部からのクロック信
号と同期して伝送されます。伝送のタイプ(位置
値、パラメータ、診断等)は、後続電子部がエン
コーダへ送るモードコマンドで選択します。
EnDat 2.2モードコマンドのみでしか利用できな
い機能があります。
バージョン履歴と互換性
90年代の中頃から使用されているEnDat 2.1
インターフェースのバージョンはEnDat 2.2(新
しいアプリケーションに推奨)にアップグレードし
ています。EnDat 2.2は、通信、コマンドセット、
時間条件においてEnDat 2.1と互換性を持つ
だけでなく、大きな長所も提供します。例えば、
別のコマンドを送らなくとも付加情報(センサの
測定値、診断結果など)を位置値と一緒に伝
達することが可能です。これにより対応するエ
ンコーダの種類(例、バッテリーバックアップ式
やインクリメンタルエンコーダなど)を増やすこと
が可能です。インターフェースプロトコルを拡張
し、時間条件(クロック周波数、処理時間、リカ
バリー時間)を最適化しました。
対応しているエンコーダ型式
現在、EnDat 2.2インターフェースは以下のエ
ンコーダ型式に対応しています。(この情報はエ
ンコーダメモリ領域から読み出すことも可能です)
• インクリメンタルリニアエンコーダ
• アブソリュートリニアエンコーダ
• インクリメンタル角度・ロータリエンコーダ
(シングルターン)
• アブソリュート角度・ロータリエンコーダ
(シングルターン)
• マルチターンロータリエンコーダ
• バッテリーバックアップ式
マルチターンロータリエンコーダ
場合によっては、それぞれ各種エンコーダ型式
別(EnDat仕様書を参照してください)にパラメー
タを解釈したり、EnDat付加情報を処理しなけ
ればなりません。(例、インクリメンタルもしくはバッ
テリーバックアップ式など)
インターフェース
EnDat双方向シリアル
データ転送
位置値、パラメータ、付加情報
データ入力
EIA規格RS 485準拠の差動ラインレシーバ、CLOCKとCLOCK、
DATA とDATA 信号
データ出力
EIA規格RS485準拠の差動ラインドライバ、DATAとDATA信号
位置値
矢印にて示された動作方向の時に加算 (図面を参照)
インクリメンタル信号
エンコーダにより異なる
» 1 VPP、TTL、HTL (各インクリメンタル信号を参照してください)
区分
区分は主な仕様と以下情報を定義しています。
• 電源範囲
• コマンドセット
• インクリメンタル信号の有無
• 最大クロック周波数
区分の2文字目はインターフェースの世代を示
します。現世代のエンコーダでは、エンコーダメ
モリから区分の読出しが可能です。
インクリメンタル信号
インクリメンタル信号を出力するエンコーダも用
意しています。通常、これらは位置値の分解能
を高くしたり、2台目の後続電子機器に接続す
るのに使用されます。現世代のエンコーダは内
部で高分解能処理を行うため、インクリメンタル
信号を必要としません。区分ではエンコーダがイ
ンクリメンタル信号を出力しているかを示します。
• EnDat 01 1 VPP インクリメンタル信号あり
• EnDat H HTLインクリメンタル信号あり
• EnDatT TTL インクリメンタル信号あり
• EnDat21 インクリメンタル信号なし
• EnDat02 1 VPP インクリメンタル信号あり
• EnDat22 インクリメンタル信号なし
EnDat01/02に関する備考:
信号周期はエンコーダメモリ内に保存されてい
ます。
供給電圧
エンコーダ供給電圧の定格値はインターフェー
スにより異なります。
EnDat01
EnDat21
5 V ± 0.25 V
EnDat02
EnDat22
3.6 V ~ 5.25 V もしくは
14 V
EnDatH
10 V ~ 30 V
EnDatT
4.75 V ~ 30 V
例外については各仕様に記載されています。
コマンドセット
コマンドセットには、エンコーダと後続電子機器間
の情報交換を定義したモードコマンドが記載され
ています。EnDat 2.2コマンドセットはEnDat 2.1の
モードコマンド全てを含んでいます。さらにEnDat 2.2
は付加情報選択用のモードコマンドも可能です。
また、クローズドループ制御でのメモリアクセスも可
能にします。EnDat 2.2のコマンドセットがEnDat 2.1
にしか対応していないエンコーダに送信されると
エラーメッセージを発します。対応するコマンドセッ
トはエンコーダのメモリ領域に保存しています。
• EnDat01/21/H/T
コマンドセット 2.1
もしくは 2.2
• EnDat02/22
コマンドセット 2.2
さらに詳しい情報は、
技術情報EnDatを参照してください。
12
ケーブル長 [m]
クロック周波数
クロック周波数は100 kHzから2 MHzの間で変
更可能です。
(ケーブル長により異なります。最長150m。)
後続電子部の伝達遅延補正を行うことで、最高
16 MHzのクロック周波数を使用することが可能
です。また、クロック周波数を8 MHz以下にする
ことで、最長100 mまで伝送可能です。
区分EnDat x2のエンコーダでは、最大クロック
周波数をエンコーダのメモリに記憶しています。
他のエンコーダでは最大クロック周波数は2 MHz
です。伝達遅延補正は区分EnDat 21とEnDat 22
でのみ対応しています。EnDat 02については、
備考を参照してください。
EnDat 2.1、EnDat 2.2 伝達遅延補正なし
クロック周波数[kHz]
EnDat 2.2 伝達遅延補正あり
EnDat01
EnDatT
EnDatH
≦ 2 MHz
(図の“伝達遅延補正な
し”を参照してください)
EnDat21
≦ 2 MHz
EnDat02
≦ 2 MHzもしくは
≦ 8 MHzもしくは16MHz
(備考を参照ください)
EnDat22
≦ 8 MHzもしくは16MHz
長距離ケーブル伝送とともにクロック周波数最
高16MHzでの高速伝送を実現するには、ケー
ブルに高い技術的要求が課されます。
データ伝送技術上の理由で、エンコーダに直接
接続したアダプタケーブルは、20mより長くでき
ません。これ以上のケーブル長は、最長6mの
アダプタケーブルと延長ケーブルを組合せて使用
してください。一般に、各クロック周波数に応じて
全伝送経路を設計しなければなりません。
EnDat02に関する備考
EnDat02エンコーダは、プラグインケーブルを使
えることが特徴です。アダプタケーブルを選ぶ際
には、エンコーダがインクリメンタル信号を出力す
るかどうかを決定する必要があります。これはク
ロック周波数の最大値にも影響します。
インクリメンタル信号「あり」のアダプタケーブルの
場合、最高クロック周波数は2 MHzに制限され
ます。EnDat 01を参照してください。インクリメン
タル信号「なし」のアダプタケーブルの場合、最
高クロック周波数16MHzが可能です。
正確な値はエンコーダメモリに保存されています。
ある条件下では、ケーブル長は最長300mまで対応可能です。(お問い合わせください)
位置値
位置値は、付加情報「あり」または「なし」を選
択して伝送できます。
計算時間tcalを経過した後、後続電子機器に伝
送されます。計算時間は、エンコーダの許容最
高クロック周波数8 MHz以下で確認できます。
付加情報
位置値は送信のタイプを選択(MRSコードを使
用)することにより、付加情報のデータ1または2
として呼び出すことができます。各エンコーダが
対応している付加情報はエンコーダパラメータ
の中に保存されています。
位置値として必要なビット数のみを伝送します。
そのビット数はエンコーダ型式により異なり、自
動パラメータ設定用にエンコーダから呼び出す
ことができます。
付加情報の内容は以下の通りです。
通常の操作モード
EnDat 2.1操作モード:
このモードはインクリメンタル信号も出力するエン
コーダ用です。絶対位置値はインクリメンタル値
と同時に出力され、双方とも位置値の計算に使
用されます。一方、制御ループ内の位置値はイ
ンクリメンタル信号をもとに生成されます。
EnDat 2.1モードコマンドのみ対応しています。
EnDat 2.2操作モード:
このモードはピュアシリアル信号出力のエンコー
ダ用です。位置値は各制御サイクル内にてエン
コーダから呼び出されます。EnDat 2.2モードコマ
ンドは通常、位置値を呼び出すことに使用され、
EnDat 2.1モードコマンドはスイッチオン後のパラ
メータ読み出し、および書き出しに使用されます。
EnDat 2.2インターフェースは、位置と付加情
報を送信し、各処理機能(例えば、パラメータの
読込み/書込み、エラーメッセージのリセットなど)
をクローズドループ内で実行します。
ステータス情報、アドレス、データ
• WRN – 警告
• RM – 原点ビット
• Busy – パラメータ要求
付加情報1
• 診断
• 位置値 2
• メモリパラメータ
• MRSコードの確認
• テスト値
• 温度
• 追加センサ
付加情報2
• 磁極検出位置信号
• 加速度
• リミットポジション信号
• 非同期位置値
• オペレーティングステータスエラー源
• タイムスタンプ
13
メモリ領域
エンコーダは、後続電子部によって使用可能な
いくつかのメモリ領域を用意しており、メモリ領域
の一部はエンコーダ・メーカ、OEMメーカ、ある
いはエンドユーザが書き込みを行うことが可能
です。パラメータデータは、パラメータメモリに記
憶されます。パラメータメモリへの書込み回数
には制限があるため、繰り返しのデータ保存に
は対応していません。メモリ領域の中には書込
み禁止にすることが可能なものもあります。
(エンコーダメーカしかリセットができません)
パラメータは各種メモリ領域で保存されます。
例えば、以下の通りです。
• エンコーダの固有情報
• OEMメーカの情報
(例えば、モータの“電子ID ラベル”)
• オペレーティングパラメータ
(データのシフト量、診断設定など)
• オペレーティングステータス
(アラームや警告の詳細)
EnDatインターフェースの監視と診断機能によ
りエンコーダの詳しい検査が可能です。
• エラーメッセージ
• 警告
• 評価番号をもとにしたオンライン診断
(EnDat 2.2)
• 取付けインターフェース
後続電子部の入力回路
アブソリュートエンコーダ
後続電子部
アブソリュート位
置値
エンコーダメーカのパラメータ
オペレーティング オペレーティング OEMメーカの
パラメータ
ステータス
パラメータ
EnDat 2.1
EnDat 2.2
» 1 VPP B*)
*) エンコーダにより異なる
(代表例1 VPP)
機能安全 – 基本原理
EnDat 2.2インターフェースは、安全対応のアプ
リケーションにおけるエンコーダの使用をサポー
トしています。DIN EN ISO 13 849-1(以前は
EN 954-1)、EN 61 508 と EN 61 800-5-2と
が、その基礎となっている規格です。これらの
規格では、組み込まれている部品やサブシス
テムの故障確率に基づき、安全を指向したシ
ステムの評価が記述されています。
このモジュール的アプローチは、安全対応のシ
ステムを構築するメーカーがシステム全体を構
築する際に役立ちます。なぜなら、あらかじめ
適合しているサブシステムを使ってシステムの
構築を始めることができるからです。
データ転送
エンコーダ
後続電子部
回路定数
IC1=RS 485 差動ラインレシーバとドライバ
Z0 = 120 
インクリメンタル信号
エンコーダにより異なる
(例 1 VPP)
1 VPP
14
» 1 VPP A*)
EnDatインターフェース
インクリメンタル
信号*)
他社制御装置用シリアルインターフェース
シーメンス
ハイデンハインのエンコーダで、型式の最後にS
が付いているものは、下記インターフェース搭載
のシーメンス社製制御装置に対応しております。
• DRIVE-CLiQインターフェース
区分 DQ01
ファナック
ハイデンハインのエンコーダで、型式の最後にF
が付いているものは、下記インターフェース搭載
のファナック社製制御装置に対応しております。
• ファナック インタフェース
区分: インタフェース
(標準および高速度、2対通信)
• ファナック iインタフェース
区分: iインタフェース(高速度、1対通信)
インタフェース(標準および高速度、
2対通信)と互換性があります
三菱
ハイデンハインのエンコーダで、型式の最後にM
が付いているものは、下記インターフェース搭載
の三菱電機社製制御装置に対応しております。
三菱高速シリアルインターフェース
• 区分: Mitsu01
4線式
• 区分: Mitsu02-4
Generation 1、4線式
• 区分: Mitsu02-2
Generation 1、2線式
• 区分: Mitsu03-4
Generation 2、4線式
安川
ハイデンハインのエンコーダで、型式の最後にY
が付いているものは、下記インターフェース搭載
の安川社製制御装置に対応しております。
• 安川シリアルインターフェース
区分: YEC02
パナソニック
ハイデンハインのエンコーダで、型式の最後にP
が付いているものは、下記インターフェース搭載
のパナソニック社製制御装置に対応しております。
• パナソニックシリアルインターフェース
区分: Pana01
DRIVE-CLiQはSIEMENS AG社の登録商標です。
15
位置値
PROFIBUS-DP シリアルインターフェース
PROFIBUS-DP
PROFIBUSは、 国際規格 EN 50 170 準拠の
非専有型オープンフィールドバスです。フィール
ドバスシステム経由でセンサを接続することに
より、エンコーダと後続電子部の間のケーブル
配線のコストと回線の数が最小限に抑えられて
います。
トポロジーとバス割当
PROFIBUS-DPは、リニア構造を有します。最大
転送速度12 Mbit/sが可能です。モノマスター
システムとマルチマスターシステムの両方が可
能です。各マスターは、各自のスレーブにしか
配信できません(ポーリング)。各スレーブは、マ
スターに周期的にポーリングされます。ここで、
スレーブとは、例えば、アブソリュートロータリエ
ンコーダ、リニアエンコーダなどのセンサデバイ
スや、インバータのような制御装置を指します。
例:アブソリュートリニアエンコーダLC 115
例:シングルターンロータリ
エンコーダROC 425
スレーブ5
ゲートウェイ
ゲートウェイ
スレーブ2
マスター1
例:モータおよび
インバータ
スレーブ4
例:アブソリュート角度エンコーダRCN 8000
PROFIBUS-DP のバス構成
初期設定
システム設定に必要とされるハイデンハイン製
エンコーダの特性は、デバイス識別記録(GSD)
とも呼ばれる“電子データシート”としてゲートウェイ
の中に収納されています。このデバイス識別記
録(GSD)ファイルには、各デバイスの特性が、
厳密に規定されたフォーマットで完全にかつ明確
に記述されています。これにより用途にあわせ
てエンコーダをバスシステムに簡単に統合す
ることが可能です。
設定
PROFIBUS-DP機器を、ユーザーの希望に合う
ように設定し、パラメータを割当てることができ
ます。GSDファイルの助けにより設定ツールに
セットされると、これらはマスターに保存されます。
したがって、ネットワークが起動する度に、
PROFIBUS-DPデバイスが設定されます。この
ためデバイスの置き換えが簡単になります。
設定データの編集もしくは再入力の必要もありま
せん。
16
スレーブ3
スレーブ1
物理的特性
PROFIBUS-DPの電気的特性は、RS - 485規格
に従います。バス配線接続は、シールドされ、
各端部がアクティブバス終端されたツイストペ
アケーブルです。
2種類のGSDファイルを用意しています。
• DP-V0プロファイル用GSDファイル
• DP-V1およびDP-V2プロファイル用
GSDファイル
例:マルチターンロータリエンコーダROQ 437
* EnDat インターフェース搭載
PROFIBUS-DPプロファイル
PNO(PROFIBUSユーザー団体)は、アブソリュー
トエンコーダをPROFIBUS-DPに接続するための
標準的な非専有型プロファイルを定義しました。
これによりこれらの標準化されたプロファイルを
使用する全てのシステムにおいて高い柔軟性
と簡単な設定が可能になります。
DP-V0 プロファイル
このプロファイルはPNO(ドイツ・カールスルーエ)
から注文番号3.062にてお求めになることがで
きます。プロファイルに定義された等級は2種類
あり、クラス1は最小限のサポートを提供し、クラ
ス2は一部オプションの追加機能を提供します。
DP-V1およびDP-V2プロファイル
このプロファイルはPNO(ドイツ・カールスルーエ)
から注文番号3.162にてお求めになることがで
きます。このプロファイルも2つのデバイスクラス
に区別されています。
• クラス3(基本機能) および
• クラス4
(全範囲のスケーリングおよびプリセット機能付)
必須機能のクラス3およびクラス4に加え、オプ
ション機能が定義されています。
サポート機能
分散化したフィールドバスにおいて特に必要な
ものは、診断機能(例: 警告とアラーム)、そして
エンコーダのタイプ、分解能および測定範囲に
関するデータを記した電子IDラベルです。
さらに、カウント方向逆転、プリセット/ゼロシフ
トそして分解能変更(スケーリング)などのプロ
グラミング機能も可能です。エンコーダの動作
時間と速度を記録することもできます。
PROFIBUS-DP 搭載エンコーダ
PROFIBUS-DPインターフェース内蔵アブソリュー
トエンコーダは、直接PROFIBUSに接続できます。
供給電圧と通信バスの動作ステータスがエン
コーダの裏面にあるLEDで表示されます。
バスのハウジング内にあるコーディングスイッチ
を使用して、アドレス(0~99)の定義や終端抵
抗の選択が簡単に行えます。ロータリエンコーダ
がPROFIBUS-DP上の終端デバイスの場合、
かつ外部終端抵抗が使用されていない場合、終
端抵抗を有効にする必要があります。
DP-V0クラスの機能
特性
データワード幅
等級
ロータリエンコーダ
リニアエンコーダ
≦ 16ビット ≦ 31ビット1) ≦ 31ビット1)
位置値、ピュアバイナリコード
1.2
3
3
3
データワード長
1.2
16
32
32
スケーリング機能
測定分解能/回転
総分解能
2
2
3
3
3
3
–
–
カウント方向の反転
1.2
3
3
–
プリセット
(出力データ16もしくは32ビット)
2
3
3
3
診断機能
警告とアラーム
2
3
3
3
動作時間記録
2
3
3
3
速度
2
3
3 2)
–
プロファイルバージョン
2
3
3
3
シリアル番号
2
3
3
3
2)
1)
データワード幅 > 31 ビットの場合、上位31 ビットのみ伝送
出力データの 32ビット設定および入力データの32+16ビット設定が必要
2)
DP-V1、DP-V2クラスの機能
特性
データワード幅
等級
ロータリエンコーダ
≦ 32ビット > 32ビット
リニアエンコーダ
メッセージ量
3.4
81-84
84
81-84
スケーリング機能
4
3
3
–
カウント方向の反転
4
3
3
–
プリセット/基準点シフト
4
3
3
3
非周期パラメータ
3.4
3
3
3
チャンネル関連の診断
(アラームチャンネル経由)
3.4
3
3
3
動作時間記録
3.4
3
1)
3 1)
3 1)
速度
3.4
3
1)
3 1)
–
プロファイルバージョン
3.4
3
3
3
シリアル番号
3.4
3
3
3
1)
DP V2では未サポート
17
位置値
PROFINET IO シリアルインターフェース
PROFINET IO
PROFINET IOは産業用のオープンなイーサネッ
ト規格です。実績のあるPROFIBUS-DPをもとに
しながら、物理的な伝送媒体として高速イーサ
ネット技術を採用、I/O入出力データの高速通
信に適しています。同時にリクエストデータ、パ
ラメータ、各種IT機能コマンドの送信も可能に
します。
IO デバイス
IO デバイス
その他
フィールド
デバイス
PROFINETはローカルの各種フィールドデバイス
をコントローラへの接続を可能にし、コントローラ
と各種フィールドデバイス間のデータ交換、さら
にパラメータ設定と診断も可能にします。
PROFINET技術はモジュール内に配置されます。
ユーザーがカスケード機能を選択することが可
能です。これらの機能はデータ交換の類とは本
質的に異なり、速度に関する高度な要求に応
えます。
トポロジーとバス割当
PROFINET-IOシステムは以下で構成されてい
ます。
• IO コントローラ
(コントローラ/PLC、自動化作業を制御する)
• IO デバイス
(ローカルの各種フィールドデバイス、
例: ロータリエンコーダ)
• IO スーパーバイザ
(開発もしくは診断ツール、
例: PCもしくはプログラミング機器)
PROFINET IOは、プロバイダ/コンシューマモデ
ルに従って機能し、各イーサネット・ピア間の通
信をサポートしています。長所は、プロバイダ側
が相手先に確認をしないでデータを送信する
点です。
物理的特性
ハイデンハインエンコーダは、シールドされたツ
イストペアケーブルを通じ、100BASE-TX
(IEEE 802.3 Clause 25)に準じてPROFINETに
接続されます。伝送速度は100 Mbit/sです。
(高速イーサネット)
PROFINETプロファイル
ハイデンハインのエンコーダは、プロファイル
3.162(バージョン4.1)での定義を満たします。
デバイスプロファイルはエンコーダの機能を記述
しています。クラス 4 (フルスケーリングとプリセット)
機能がサポートされています。
PROFINETに関するさらに詳しい情報は、
PNO(PROFIBUSユーザー団体)から入手が
可能です。
18
IO デバイス
イ-サネット
PLC
PC/PG
IO コントローラ
IO スーパーバイザ
サポート機能
等級
ロータリエンコーダ
シングルターン マルチターン
位置値
3.4
3
3
アイソクロナスモード
3.4
3
3
クラス4の機能
スケーリング機能
1回転あたりの測定単位
全測定範囲
サイクリック操作(バイナリスケーリング)
ノンサイクリック操作
プリセット
コードシーケンス
プリセット制御 G1_XIST1
4
4
4
4
4
4
4
4
4
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
互換モード(エンコーダプロファイル V.3.1)
3.4
3
3
稼動時間
3.4
3
3
速度
3.4
3
3
プロファイルバージョン
3.4
3
3
オフセット値の永久保存
4
3
3
識別/保守(I & M)
3
3
外部ファームウェアアップグレード
3
3
初期設定
PROFINETインターフェース搭載のエンコーダを
稼動させるために、デバイス識別記録(GSD)を
ダウンロードし、設定ソフトウェアにインポートする
必要があります。GSDにはPROFINET-IOデバイ
ス用に必要な実行パラメータが含まれています。
設定
プロファイルには、利用可能な機能、および特定
のデバイス向けやロータリエンコーダ等のアプリ
ケーション向けのPROFINETの動作特性が予
め設定されています。これらは、PROFIBUS &
PROFINETインターナショナル(PI)のワークグルー
プにより定義され、発行されています。
開放性、相互運用性、そして可換性には、プロ
ファイルが重要になります。これによりメーカーの
異なる同種デバイスを標準化された方法で確
実に動作させることができます。
PROFINETインターフェース搭載エンコーダ
PROFINETインターフェース内蔵アブソリュート
エンコーダは、直接ネットワークに接続できます。
アドレスは、PROFINETのプロトコル経由で自動
的に配信されます。PROFINET-IOフィールドバ
スは、各デバイスのMACアドレスによりネットワー
ク内でアドレスが割り当てられます。
エンコーダの背面には2つの2色LEDがあり、バ
スとデバイスの診断に使用できます。
終端用に終端抵抗は必要ありません。
19
位置値
SSIシリアルインターフェース
MSB(最上位のビット)で始まるアブソリュート位
置値は、制御系のクロック信号と同期してデータ
ライン(DATA)を介して転送されます。
SSI標準データワード長は、シングルターンエン
コーダの場合13 ビット、マルチターンエンコーダ
の場合25 ビットです。アブソリュート位置値に加
えて、インクリメンタル信号が伝送されます。
信号の詳細については、インクリメンタル信号
の項目を参照ください。
インターフェース
SSI シリアル
区分
シングルターン: SSI 39r1
マルチターン: SSI 41r1
データ転送
アブソリュート位置値
データ入力
EIA規格RS485準拠の差動ラインレシーバ、CLOCKとCLOCK信号
データ出力
EIA規格RS485準拠の差動ラインドライバ、DATAとDATA信号
コード
グレイコード
位置値加算
フランジ側から見て右回転の時(インターフェースを介して切替可)
インクリメンタル信号
エンコーダにより異なる
» 1 VPP、TTL、HTL(各インクリメンタル信号を参照してください)
プログラミング入力
回転方向とゼロリセット(ECN/EQN 4xx、ROC/ROQ 4xx用)
非アクティブ
アクティブ
LOW < 0.25 x UP
HIGH > 0.6 x UP
注意:
プログラミング入力は、常に抵抗で終端されて
いる必要があります。
("後続電子部の入力回路"の項目を参照)
接続ケーブル
ハイデンハイン製シールドケーブル
例 PUR [(4 x 0.14 mm2) + 4(2 x 0.14 mm2) + (4 x 0.5 mm2)]
最大100 m キャパシタンス90 pF/mの時
6 ns/m
完全なデータワードの制御サイクル
転送が行われない時、クロックとデータラインは
HIGHレベルになります。内部で周期的に生成
される位置値がクロック信号の最初の立ち下が
りエッジで記憶されます。データ転送は、次に
続くクロックの立ち上がりエッジで始まります。
データ転送
• ゼロリセット(基準値設定)
立ち上がりパルス(tmin > 12 ms)をピン5に印
加すると、現在位置がゼロにセットされます。
データワードを完全に1語分転送した後、データ
ラインは、エンコーダが次の測定値呼出しの準備
が整うまでの時間(t2)、Lowレベルのままです。
SSI 39r1もしくはSSI 41r1インターフェース搭載
のエンコーダは、さらに後続のクロック停止時間
tRを必要とします。
もし、この時間内(t2 もしくは t2+tR)に他のデータ
出力要求(CLOCK)が受信されると、同じ値が
再度出力されます。
もし、データ出力が中断されると(CLOCK = High、
t ≧ t2の時)、新しい位置値がクロックの次の立
下りエッジで記憶されます。続く立ち上がりエッ
ジで後続電子部にデータが取り込まれます。
ケーブル長
伝達遅延時間
T = 1 ~ 10 µs
tcal 仕様の項目を参照
t1 ≦ 0.4 µs
(ケーブルなし)
t2 = 17 ~ 20 µs
tR ≧ 5 µs
n = データワード長
13 ビット(ECN/ROC)
25 ビット(EQN/ROQ)
CLOCK と DATAは表示し
ていません
許容クロック周波数と
ケーブル長の関係
クロック周波数[kHz]
ロータリエンコーダECN/EQN 4xxおよびROC/
ROQ 4xxの以下の機能は、供給電源UPを加
えることにより、プログラミング入力を介して作動
します。
• 回転の方向
ピン2にHIGHレベルを印加し続ける(tmin > 1 ms)
と、位置値が加算される回転方向が反対にな
ります。
ケーブル長 [m] 
20
インクリメンタル信号
インクリメンタル信号を出力するエンコーダもあ
ります。通常、これらは位置値の分解能を高く
したり、2台目の後続電子機器に接続するのに
使用されます。一般にこれらは1VPPインクリメン
タル信号です。以下の区分が例外です。
• SSI41H HTLインクリメンタル信号あり
• SSI41T
TTLインクリメンタル信号あり
後続電子部の入力回路
データ転送
エンコーダ
後続電子部
回路定数
IC1 = 差動ラインレシーバとドライバ
例
SN 65 LBC 176
LT 485
Z0 = 120 
C3 = 330 pF (耐ノイズ性の改善用)
インクリメンタル信号
例 1 VPP
コネクタを介しての
プログラミング
ECN/EQN 4xx
ROC/ROQ 4xx 用
ゼロリセット
回転方向
21
その他信号
磁極検出位置信号(矩形波出力)
磁極検出位置信号(矩形波出力)U、VおよびW
は、異なる3つのトラックから生成されます。これ
らはTTLレベルの矩形波にて出力されます。
インターフェース
矩形波信号 TTL
磁極検出位置信号
3個の矩形波信号U、V、Wとその反転信号 U、V、W
パルス幅(機械角)
信号レベル
2x180°、3x120°、または 4x90°
(他はお問合せください)
インクリメンタル信号  TTL参照
インクリメンタル信号
インクリメンタル信号  TTL参照
接続ケーブル
ハイデンハイン製シールドケーブル
2
2
例 PUR [6(2 x 0.14 mm ) + (4 x 0.5 mm )]
最大100 m (492 ft)
6 ns/m
ケーブル長
伝達遅延時間
磁極検出位置信号
(機械角)
22
磁極検出位置信号(正弦波出力)
磁極検出位置信号CおよびDは、Z1トラックと
呼ばれる1 回転あたり1 周期のサイン波および
コサイン波で生成されています。これらの信号は、
1 VPP (1 kにおいて)の信号振幅です。
推奨する後続電子部の入力回路は» 1 VPP
インターフェースと同じです。しかし、終端抵抗Z0
は、120 ではなく1 kです。
インターフェース
正弦波電圧信号»1 VPP
磁極検出位置信号
2個の正弦波信号Cと D
信号レベルに関しては、インクリメンタル信号 » 1 VPPを参照してく
ださい。
インクリメンタル信号
インクリメンタル信号 » 1 VPP参照
接続ケーブル
ハイデンハイン製シールドケーブル
2
2
2
例PUR [4(2 x 0.14 mm ) + (4 x 0.14 mm ) + (4 x 0.5 mm )]
最大150 m (492 ft)
6 ns/m
ケーブル長
伝達遅延時間
Z1トラックによる電気的整流
位置値の出力
アナログスイッチ
A/Dコンバータ
1回転
大まかなアブソリュート位置値
Z1トラック
インクリメンタル信号
EEPROM
およびカウンタ
インクリメンタル信号
マルチプレクサ 内挿分割回路
原点信号
正確なアブソリュート位置値
23
その他信号
リミットスイッチ
LIDA 400等のリミットスイッチ機能付きリニアエン
コーダには、スケール両端に2個のリミットスイッチ
を搭載しストローク限界の検出や、ホーミングト
ラックの生成が可能です。リミットスイッチは、接
着した磁石のS極N極を判別することにより左限/
右限を区別します。磁石の配置により、ホーミン
グトラックを作ることも可能です。
リミットスイッチからの信号は異なる信号線によ
り出力され、直接利用することができます。
LIDA 47x
出力信号
リミットスイッチL1とL2毎にTTL矩形波パルス
(アクティブhigh)
信号振幅
プッシュプル出力段からのTTL コレクタ接地回路からのTTL
(例 74 HCT 1G 08)
(5 Vに対して負荷抵抗10 k)
許容負荷
IaL ≦ 4 mA
IaH ≦ 4 mA
スイッチング時間
(10 % ~ 90 %)
許容ケーブル長
公差
L1/L2 =リミットスイッチ1と2の
出力信号スイッチ間隔の公差: ± 2 mm
s = 測定長(ML)開始点
1 = リミットスイッチ1のマグネットN
2 = リミットスイッチ2のマグネットS
後続電子部の入力回路
回路定数
IC3 例 74AC14
R3 = 1.5 k
24
LIDA 48x
LIDA 400
リミットスイッチ
立上り時間 t+ ≦ 50 ns
立下り時間 t– ≦ 50 ns
3 mケーブルの推奨入力回
路で計測
最大 20 m
t+ ≦ 10 µs
t– ≦ 3 µs
3 mケーブルの推奨入力回
路で計測
リミットスイッチ/ホーミングトラック
リニアエンコーダLIF 4x1等は、位置検出用イン
クリメンタル目盛に加え、ホーミングトラックとスト
ローク限界を検出するリミットスイッチを備えて
います。
リミット信号Lとホーミング信号Hは、それぞれ異
なる信号線が使用され、TTL矩形波にて出力
され、直接利用することができます。
LIF 4x1
出力信号
ホーミングトラックHとリミットスイッチL毎にTTL矩形波パルス
信号振幅
TTL
UH ≧ 3.8 V ( –IH = 8 mAにおいて)
UL ≦ 0.45 V ( IL = 8 mAにおいて)
許容負荷
R≧680 k
IILI ≦ 8 mA
許容ケーブル長
最大 10 m
公差
r = 原点位置
s = 測定長 (ML) 開始点
LI = リミットマーク、調整可能
h = ホーミング機能用スイッチ点
Ho = ホーミング機能用トリガー点
後続電子部の入力回路
回路定数
IC3例 74AC14
R3 = 4.7 k
リミットスイッチ
ホーミングトラック
LIF 400シリーズ
25
参考情報
インターフェースユニット
ハイデンハイン製インターフェースユニットは、
エンコーダ信号を後続電子機器に中継します。
後続電子部がハイデンハイン製エンコーダから
の出力信号を直接受信できない場合や高い
分割倍率を必要とする場合に使用できます。
インターフェースユニットの入力信号
ハイデンハイン製インターフェースユニットには
正弦波アナログ出力の1 VPP(電圧信号)もしくは
11 µAPP(電流信号)を接続することができます。
EnDatもしくはSSIシリアルインターフェース搭載の
エンコーダも接続可能なインターフェースユニット
も用意しています。
インターフェースユニットの出力信号
以下の信号形式を出力するインターフェースユニット
を用意しています。
• TTL矩形波信号
• EnDat 2.2
• DRIVE-CLiQ
• ファナックシリアルインターフェース
• 三菱高速シリアルインターフェース
• 安川シリアルインターフェース
• PROFIBUS
ボックスタイプ
コネクタタイプ
正弦波入力信号の内挿分割
インターフェースユニット内では、信号変換の他
に正弦波信号を内挿分割することも可能です。
これにより高い分解能が達成できるため、位置
決め精度の向上やより高い品質の制御が可能
になります。
位置値の生成
インターフェースユニットの中にはカウント機能を
搭載したものを用意しています。絶対番地化原
点付き目盛において、最後に通過した原点位置
を基準とした絶対位置値を生成し、後続電子部
に出力します。
組込み基板タイプ
DINレール取付けタイプ
26
出力
形状 – 保護等級
内挿分割1)
型式
ボックスタイプ – IP 65
5/10倍
IBV 101
20/25/50/100倍
IBV 102
分割なし
IBV 600
25/50/100/200/400倍
IBV 660 B
コネクタタイプ – IP 40
5/10/20/25/50/100倍
APE 371
組込み基板タイプ – IP 00
5/10倍
IDP 181
20/25/50/100倍
IDP 182
5/10倍
EXE 101
20/25/50/100倍
EXE 102
なし/5倍
EXE 602 E
25/50/100/200/400倍
EXE 660 B
組込み基板タイプ – IP 00
5倍
IDP 101
ボックスタイプ – IP 65
2倍
IBV 6072
5/10倍
IBV 6172
5/10倍 および
20/25/50/100倍
IBV 6272
ボックスタイプ – IP 65
≦ 16 384分割
EIB 192
コネクタタイプ – IP 40
≦ 16 384分割
EIB 392
2
ボックスタイプ – IP 65
≦ 16 384分割
EIB 1512
入力
インターフェース
軸数
インターフェース
軸数
 TTL
1
» 1 VPP
1
» 11 µAPP
 TTL/
» 1 VPP
切換可
EnDat 2.2
2
1
1
1
» 1 VPP
» 1 VPP
1
ボックスタイプ – IP 65
DRIVE-CLiQ
1
EnDat 2.2
1
ボックスタイプ – IP 65
–
EIB 2391 S
ファナック
シリアル
インターフェース
1
» 1 VPP
1
ボックスタイプ – IP 65
≦ 16 384分割
EIB 192 F
コネクタタイプ – IP 40
≦ 16 384分割
EIB 392 F
2
ボックスタイプ – IP 65
≦ 16 384分割
EIB 1592 F
1
ボックスタイプ – IP 65
≦ 16 384分割
EIB 192 M
コネクタタイプ – IP 40
≦ 16 384分割
EIB 392 M
2
ボックスタイプ – IP 65
≦ 16 384分割
EIB 1592 M
1
コネクタタイプ – IP 40
–
EIB 3391 Y
1
DINレール取付けタイプ
–
PROFIBUS
ゲートウェイ
三菱
高速シリアル
インターフェース
1
» 1 VPP
安川シリアル
インターフェース
1
EnDat 2.22)
PROFIBUS-DP
1
EnDat 2.1
1)
切換可
2)
EnDat 2.2
分解能5nmのLIC 4100と分解能50 nmと100 nmのLIC 2100のみ
27
診断・検査機器
ハイデンハイン製エンコーダは、調整、監視、診断
に必要な全ての情報を出力します。入手可能な
情報は、エンコーダの種類(アブソリュートまたは
インクリメンタル)、および出力インターフェース
の種類により異なります。
インクリメンタルエンコーダは、主に1 VPP、TTL
もしくはHTLインターフェースを搭載しています。
TTLおよびHTL出力のエンコーダは内部で信号
振幅の監視を行い、簡単なアラーム信号を生
成します。1 VPP信号の場合は、別の検査用機
器もしくは後続電子機器(アナログ診断インター
フェース)の処理機能を用いてのみ出力信号の
解析を行うことが可能です。
アブソリュートエンコーダは、シリアルデータ伝送
を行います。インターフェースの種類により異な
りますが、1 VPPのインクリメンタル信号を出力で
きるアブソリュートエンコーダもあります。エンコー
ダ内部で総合的に信号の監視を行います。
シリアルインターフェースを経由して、監視結果
(特に評価番号を用いた場合)を位置値とともに
後続電子機器(デジタル診断インターフェース)
に伝送することが可能です。伝送できる情報は
以下の通りです。
• エラーメッセージ:
位置値が不正確である
• 警告:
エンコーダにあらかじめ設定した限界値に達
している
• 評価番号:
– エンコーダに保存されている詳細情報
– 全てのハイデンハイン製エンコーダの
スケーリングを統一
– 周期的出力が可能
これら機能により後続電子機器がクローズドルー
プ制御であってもエンコーダの現在の状況を簡
単に評価することが可能です。
ハイデンハインは、エンコーダの解析に適してい
る検査機器PWMやPWTを用意しています。
診断方法には以下の2種類があり、検査機器の
接続方法により異なります。
• エンコーダ診断:
エンコーダに検査機器を直接接続する。
これによりエンコーダを総合的に解析するこ
とが可能です。
• 制御ループ内での診断:
例えば適切な検査用アダプタを通して、PWM
をクローズド制御ループ内に組込むことが可
能です。これによりエンコーダを搭載した機械
またはシステムを運転中でのリアルタイム診
断が可能です。機能はインターフェースの種
類により異なります。
制御ループ内での診断(評価番号やエンコーダのアナログ信号を表示)
PWM 20/ATS ソフトウェアを用いた診断
PWM 20/ATS ソフトウェアを用いた調整
28
概要
ハイデンハイン検査機器
1)
インターフェース
出力信号
PWM 20
PWM 9
PWT 1x
EnDat
位置値
インクリメンタル信号
対応
対応
未対応
対応
未対応
未対応
ファナック
位置値
対応
未対応
未対応
三菱
位置値
対応
未対応
未対応
DRIVE-CLiQ
位置値
対応
未対応
未対応
安川
位置値
対応
未対応
未対応
SSI
位置値
インクリメンタル信号
対応
対応
未対応
対応
未対応
未対応
1 VPP
インクリメンタル信号
対応
対応
PWT 18
11 µAPP
インクリメンタル信号
対応
対応
PWT 10
TTL
インクリメンタル信号
対応
対応
PWT 17
HTL
インクリメンタル信号
対応
対応
未対応
磁極検出位置信号
磁極検出位置信号(矩形波出力)
磁極検出位置信号(正弦波出力)
計画中
対応
対応
対応
未対応
未対応
1)
2)
2)
PWTは取付け・調整用
信号アダプタ経由
PWM9はハイデンハインのインクリメンタルエン
コーダをチェック・調整する測定装置です。
各種エンコーダ信号のチェックに使用できるよ
うに各種拡張モジュールを用意しています。
測定値は、LCDモニタに表示されます。
ソフトキーを使って簡単に
操作できます。
PWM 9
入力
11µAPP; 1VPP; TTL; HTL; EnDat*/SSI*/磁極検出位置信号
用の拡張モジュール(インターフェースボード)
*位置値またはパラメータの表示なし
機能
• 信号振幅、消費電力、動作電圧、出力周波数の測定
• インクリメンタル信号(信号振幅、位相角、on/off比)と
原点信号(幅と位置)のグラフ表示
• 原点検出、故障検出、カウント方向のシンボル表示
• 汎用カウンタ、1~1024倍の内挿分割を選択可能
• オープンタイプリニアエンコーダ用信号調整
出力
• 後続電子部に接続し信号を入力
• オシロスコープ接続用のBNCソケットコネクタ
供給電圧
DC 10 ~ 30 V、最大 15 W
寸法
150 mm × 205 mm × 96 mm
29
PWTは、ハイデンハインのインクリメンタルエン
コーダを取付ける際にお使いいただくエンコーダ
の調整用機器です。出力信号はその公差範囲
を示す棒グラフの形で表示されます。
PWM 20
ハイデンハイン製エンコーダの診断および調整
用として、PWM 20とATSソフトウェアとをセット
で用意しています。
PWT 10
PWT 17
PWT 18
エンコーダ入力
» 11 µAPP
 TTL
» 1 VPP
機能
信号振幅の測定
信号形状の公差確認
原点信号の振幅と位置確認
供給電圧
電源ユニットを介して(同梱)
寸法
114 mm x 64 mm x 29 mm
PWM 20
エンコーダ入力
• EnDat 2.1またはEnDat 2.2
(インクリメンタル信号「あり」もしくは「なし」のアブソリュート値)
• DRIVE-CLiQ
• ファナックシリアルインターフェース
• 三菱高速シリアルインターフェース
• 安川シリアルインターフェース
• SSI
• 1 VPP/TTL/11 µAPP
インターフェース
USB 2.0
供給電圧
AC 100 ~240 V もしくは DC 24 V
寸法
258 mm x 154 mm x 55 mm
ATS
表示言語
ドイツ語 または 英語を選択
機能
•
•
•
•
•
•
システム要件
PC(デュアルコアプロセッサ搭載、クロック周波数 2 GHz以上)
RAM容量 2 GB以上
対応OS:Windows XP、Vista、7 (32ビット版/64ビット版)、8
200 MBのハードディスク空き容量
位置値表示
接続用対話画面
診断
EBI/ECI/EQI、LIP 200、LIC 4000等用取付け操作ガイド
付加機能(エンコーダによりサポートされている場合)
メモリ内容
DRIVE-CLiQはSIEMENS AG社の登録商標です。
30
APS 27は、TTLインターフェース付きLIDA 27x
の取付け公差を評価するためのエンコーダ用
診断キットです。検査は、LIDA 27xをPS 27
テストコネクタを介して後続電子部に接続するか、
または直接PG 27テストユニットで操作して行
います。
インクリメンタル信号および原点パルス用のLED
がそれぞれ緑色の場合は、取付けが正しいこと
を示しています。LEDが赤の場合は、取付けの
再確認が必要です。
アダプタコネクタSA 27は、超高精度オープン
タイプリニアエンコーダLIP 372のAPEに接続し
て正弦波走査信号を取りだすコネクタです。
ピンが外に出ているので標準的な計測ケーブ
ルを介し、オシロスコープに接続することができ
ます。
APS 27
エンコーダ
LIDA 277/LIDA 279
機能
TTL信号の良/不良判定
(インクリメンタル信号および原点パルス)
供給電圧
後続電子部または電源ユニット(納入品目に含まれる)を介して
梱包品
PS 27 テストコネクタ
PG 27 テストユニット
PG 27用電源ユニット(110 ~ 240 V、アダプタプラグを含む)
遮光フィルム
SA 27
エンコーダ
LIP 372
機能
オシロスコープの接続用測定ポイント
供給電圧
エンコーダを介して
寸法
≈ 30 mm x 30 mm
31
電気的仕様
適用範囲
この電気的仕様はハイデンハイン製のエンコーダ
に適用されます。本内容からの差異については
製品仕様に記載されます。
供給電圧範囲を拡張したエンコーダでは、電源
線での電圧降下∆Uが非線型な消費電流特性を
持つことを考慮する必要があります。
(次のページを参照ください)
供給電圧範囲の拡張がないエンコーダ(供給
電圧は通常5 V)では、電源線での電圧降下∆U
を以下のように計算できます。
供給電圧
ハイデンハイン製エンコーダは、供給電圧が
PELVシステム(保護特別低電圧、EN 50 178)か
ら供給される後続電子機器に接続してください。
ハイデンハイン製エンコーダは以下のいずれかの
場合にのみ、IEC 61010-1の要求を満たします。1)
• IEC 610103rd Ed., Section 9.4による
電流制限を持つ2次回路、もしくは
2nd Ed.
, Section 2.5による
IEC 60950-1
電力制限を持つ2次回路
から電源が供給される
• UL 1310ので規定されるClass 2の2次回路
から電源が供給される
エンコーダには供給電圧として安定した直流電圧
UPが必要です。各エンコーダに必要な消費電流
や消費電力については、各製品仕様に記載さ
れています。なお、直流電圧に含まれる最大
許容リプルは下記の通りです。
• 高周波干渉成分
UPP < 250 mV (dU/dt > 5 V/µsの時)
• 低周波数成分リプル
UPP < 100 mV
∆U = 2 ·
1.05 · LC
· IM · 10–3
56 · AP
ここで、
∆U
電圧降下 (V)
LC
ケーブル長 (m)
AP
電源線の断面積 (mm2)
(各種ケーブル仕様を参照)
IM
消費電流 (mA)
2
出力線および入力線
1.05 ツイスト線による長さ係数
56
銅の導電率
電圧降下が既知の場合、エンコーダにおける
電圧、エンコーダの消費電流、さらにエンコーダ
の消費電力や後続電子機器からの供給電源
など、エンコーダや後続電子機器が必要とする
パラメータを計算することが可能です。
エンコーダの電源投入時またはオフ時の注意点
出力信号は電源投入後tSOT時間経過した後
に有効になります。tSOT時間中に、出力信号は
下表に記載されている最大電圧値に達します。
電源投入後経過時間tSOTは、インターフェース
により異なります。
インターフェース 電源投入後 最大電圧
経過時間
1.3 s
1 VPP
5.5 V
11 µAPP
TTL
HTL
UPmax
EnDat
5.5 V
SSI
UPmax
PROFIBUS-DP
2s
5.5 V
PROFINET
10 s
UPmax
もし、電源がオフの場合またはUPminを下回っ
た場合には、出力信号は無効となります。
さらに、インターフェース固有の電源投入時ま
たはオフ時の特性を考慮する必要があります。
エンコーダと後続電子機器の間にインターフェー
スユニットを配置した場合、このユニットの電源
投入時またはオフ時の特性も考慮する必要が
あります。
しかし、リプルを含め供給電圧の使用範囲を越
えてはいけません。
リスタート中、エンコーダ電圧値を0.2 V以下として
立上げ時間(tSOT)を確保しなければなりません。
ただし、ハイデンハインがサポートしている他の
インターフェースについてはここでは記載してい
ません。
これらの値は、エンコーダ側にて測定される電圧
に適用されます。エンコーダに供給される電圧
は、センサ線を使い監視、調整することができま
す(センサ線が使用可能な場合)。調整可能な
電源を確保できない場合、センサ線を補助電
源線として並列接続することで、電圧降下を
低減することができます。
エンコーダの消費電流と消費電力を計算する
際には実際にエンコーダに加えられる電圧UPを
考慮する必要があります。この電圧は、後続電
子機器からの供給電圧UEから電源線での電圧
降下∆Uを差し引いた値となります。
供給電源の過渡応答および電源投入時/電源オフ時の挙動
UPmax
UPmin
UPP
0
出力信号無効
1)
32
有効
IEC 61010-13rdEd., Section 9.4の代わりに、DIN EN 61010-1, EN61010-1, UL 61010-1と
CAN/CSA-C22.2 No. 61010-1における同様の章が適用可能です。
IEC 60950-12nd Ed., Section 2.5の代わりに、DIN EN60950-1, EN60950-1, UL60950-1,
CAN/CSA-C22.2 No. 60950-1における同様の章が適用可能です。
無効
供給電圧範囲を拡張したエンコーダ
後続電子機器の出力電力に対するケーブル長の影響(代表例)
最小および最大供給電圧時における最大消費
電力は製品仕様に記載されています。この最
大消費電力の導出には以下の項目が考慮さ
れています。
• 推奨受信回路を使用
• ケーブル長:1 m
• 経年変化および温度の影響
• クロック周波数とサイクル時間に対するエン
コーダの適切な使用
比較および検査目的のために、通常の周囲温
度かつ無負荷(供給電源のみ接続)の使用条
件下における通常供給電圧(または定格電圧)
に対する電流または消費電力の通常値も記載
されています。
後続電子機器の出力電力(正規化)
供給電圧範囲を拡張したエンコーダでは消費
電流と供給電圧は比例関係になりません。
一方、消費電力は、ほぼ比例変化します。
(消費電流および消費電力図を参照ください)
供給電圧[V]
エンコーダ/アダプタケーブル
接続ケーブル
全体
この情報は参考値であり、事前に断りなく変更
することがあります。最大消費電力は供給電
源の選定の際に使用されます。
消費電力と必要電流(正規化)
供給電圧に対する消費電力および消費電流(代表例)
供給電圧[V]
エンコーダの消費電力(5 V時の値で正規化)
エンコーダの消費電流(5V時の値で正規化)
33
エンコーダの実際の消費電力と後続電子機器
の必要出力電力を、電源線での供給電圧の
電圧降下を考慮して、次の4ステップを経て算
出できます。
ステップ1: 供給電源線の抵抗
電源線の抵抗値(アダプタケーブルおよびエン
コーダケーブル)は次式により計算されます。
RL = 2 ·
1.05 · LC
56 · AP
ステップ4: 後続電子機器とエンコーダ用の
パラメータ
エンコーダでの電圧:
UP = UE – ¹U
エンコーダの必要電流:
¹U
IM =
RL
エンコーダの消費電力:
PM = UP · IM
後続電子機器の出力電力:
PE = UE · IM
ステップ2: 電圧降下算出係数
b = –RL ·
PMmax – PMmin
– UE
UPmax – UPmin
c = PMmin · RL + PMmax – PMmin · RL · (UE – UPmin)
UPmax – UPmin
ここで、
RL
供給電源線の抵抗()
LC
ケーブル長(m)
AP
電源線の断面積(mm2)
(各種ケーブル仕様を参照)
2
出力線および入力線
1.05 ツイスト線による長さ係数
56
銅の導電率
PMmin、
PMmax 最小供給電圧時および最大供給電圧時
における最大消費電力(W)
UPmin、
UPmax エンコーダの最小もしくは最大供給電
圧値(V)
UE
後続電子機器の供給電圧値(V)
∆U
ケーブルでの電圧降下(V)
UP
エンコーダにおける電圧(V)
IM
エンコーダの必要電流(mA)
PM
エンコーダの消費電力(W)
PE
後続電子機器の出力電力(W)
ステップ3: 係数b と c をもとにした電圧降下
2
¹U = –0.5 · (b + b – 4 · c)
エンコーダをインターフェースユニット経由で
後続電子機器と接続する場合、エンコーダとイ
ンターフェースユニットの各消費電力量を合計
してシステム全体の消費電力を算出する必要
があります。
エンコーダなどの測定機器Mを後続電子機器Eに接続:
インターフェースユニットの種類により異なります
が、インターフェースユニットのスイッチング電源
の効率に関する補正係数(各製品仕様を参照く
ださい)の考慮が必要な場合があります。
DRIVE-CLiQインターフェース搭載のエンコーダ
は定格電圧DC 24Vで設計されています。
後続電子機器メーカーは供給電圧の許容値と
してDC 20.4V~28.8Vを指定しています。
DRIVE-CLiQ搭載のハイデンハイン製エンコーダ
はさらに広い電圧範囲を許容しており(製品仕
様を参照ください)、DC 36.0Vまで短時間での
使用が可能です。
DC 28.8V~36.0 Vの電圧範囲では、消費電
力がより高くなることが予想されます。
34
エンコーダなどの測定機器Mと後続電子機器Eの間にインターフェースユニットを配置:
計算例
ここでの具体例を用いて使用エンコーダの適
切なパラメータを決定することができます。
LC 415
ケーブル長 3 m
使用エンコーダ
LC 415
• 供給電圧は DC 3.6 V ~ 14 V(仕様参照)
• 消費電力14 Vにおいて:≦ 1.5 W;
3.6 Vにおいて:1.1 W (仕様参照)
使用ケーブル
アダプタケーブル (L1)
• ケーブル長LC1 = 3 m
• ケーブル径4.5 mm
• AP = 0.14 mm2(接続部品とケーブル参照)
接続ケーブル (L2)
• ケーブル長 LC2 = 15 m
• ケーブル径 4.5 mm
• AP = 0.34 mm2(接続部品とケーブル参照)
後続電子機器による制約
• センサ線を電源線と接続し断面積を2倍に
して使用
• 後続電子機器の供給電圧 UE = 4.9 V
ケーブル長 15 m
後続電子部
UE = 4.9 V
ステップ1: 供給電源線の抵抗
R
RL1
RL1
RL
= 2 x (1.05 x LK)/(56 x 2AP)
= 0.402 
= 0.827 
= 1.229 
ステップ2: 電圧降下算出係数
b = –RL · PMmax – PMmin – UE
UPmax – UPmin
b = – 1.229 x (1.5 – 1.1)/(14 – 3.6) – 4.9
b = – 4.947
c = PMmin · RL +
PMmax – PMmin
· RL · (UE – UPmin)
UPmax – UPmin
c = 1.1 x 1.229 + (1.5 – 1.1)/(14 – 3.6) x 1.229 (4.9 – 3.6)]
c = 1.413
ステップ3:係数b と c をもとにした電圧降下
¹U = –0.5 · (b + b2 – 4 · c )
¹U = – 0.5 ×[–4.947+ ((–4.947)2– 4 x 1.413)]
¹U = 0.304 V
ステップ4: 後続電子機器とエンコーダ用のパラメータ
エンコーダにおける電圧
UP = UE – ¹U
UP = 4.9 V – 0.304 V
UP = 4.596 V
エンコーダでの電圧が3.6 Vより大きいため 許容範囲内。
エンコーダの必要電流
IM = ¹U/ RL
IM = 0.304 V/1.229 
IM = 248 mA
エンコーダの消費電力
PM = UP x IM
PM = 4.596 V x 248 mA
PM = 1138 mW
後続電子機器の出力電力 PE = UE x IM
PE = 4.9 V x 248 mA
PE = 1214 mW
35
電気的許容速度/走査速度
ケーブル
エンコーダの最大許容回転数または走査速度
を、下記要素から求めることができます。
• 機械的許容回転数 / 走査速度
および
• 電気的許容回転数 / 走査速度
バージョン
ほとんど全てのハイデンハインエンコーダケーブル
やアダプタおよび接続ケーブルはポリウレタン
(PUR)で覆われています。さらに特殊エラストマー
(EPG)、特殊熱可塑性エラストマー(TPE)やポリ塩
化ビニル(PVC)も使用しています。
これらケーブルはカタログ上にて"PUR"、"EPG"、
"TPE"、"PVC"と区別しています。
正弦波出力信号のインクリメンタルエンコーダでは、
電気的許容回転数/走査速度が–3dB/–6dBカッ
トオフ周波数もしくは後続電子部の許容入力周
波数により制限されます。
矩形波出力信号のインクリメンタルエンコーダでは、
電気的許容回転数/走査速度が下記の要素に
より制限されます。
– エンコーダの最大許容走査/出力周波数
fmax および
– 後続電子部の読み取り可能な
最小エッジ間隔 a
角度エンコーダ/ロータリエンコーダの場合
f
3
nmax = max · 60 · 10
z
リニアエンコーダの場合
–3
vmax = fmax · SP · 60 · 10
ここで、
nmax 電気的許容回転数 (min–1)
vmax 電気的許容走査速度 (m/min)
fmax エンコーダの最大走査/出力周波数
または、
後続電子部の最大入力周波数(kHz)
z
角度エンコーダ/ロータリエンコーダの
360°ごとの目盛線本数
SP
リニアエンコーダの信号周期(µm)
曲げて固定する
耐久性
PURケーブルは、EN 60 811-2-1に定める耐油性、
耐水性およびEN 50 363-10-2に定める耐細菌性を
有しています。このケーブルは、PVCおよびシリコ
ンを含むことなく、UL規格に適合しております。UL
認定番号AWM STYLE 20963 80 °C 30 V E63216
が、ケーブルに印字されています。
EPGケーブルは、高温での使用に適しており、
EN 60811-2-1に定める耐油性およびEN 50363-10-2
に定める耐水性を有しています。このケーブルは
PVC、シリコンおよびハロゲンを含みません。
PURケーブルと比べて、耐溶剤性、耐ガス性、
耐屈曲性、耐ねじれ性があります。
PVCケーブルは耐油性があり、UL認定番号
AWM E64638 STYLE20789 105C VW-1SC NIKKO
が、ケーブルに印字されています。
網スリーブ付TPE被膜線は耐油性があります。
ケーブル
材質
繰り返し曲げる
繰り返し曲げる
温度範囲
曲げて固定する
PUR -40 °C ~ 80 °C
PUR
¬ 4.3 mm
-10 °C ~ 80 °C
EPG -40 °C ~ 120 °C –
TPE -40 °C ~ 120 °C –
PVC -20 °C ~ 90 °C
-10 °C ~ 90 °C
加水性や環境条件が厳しくない場合、一部の
PURケーブルで100 °Cまで使用可能なものも
あります。必要な際には、弊社営業部までお問
い合わせください。
曲げ半径 R
曲げて固定する
¬ 3.7 mm
繰り返し曲げる
繰り返し曲げる
8 mm
≧ 40 mm
≧ 10 mm
≧ 50 mm
≧
¬ 4.5 mm
¬ 4.5 mm
EPG
≧ 18 mm
–
¬ 5.1 mm
PUR
≧ 10 mm
≧ 50 mm
¬ 5.5 mm
PVC
お問合せください
お問合せください
¬ 6 mm
PUR
≧ 20 mm
≧ 75 mm
¬ 6.8 mm
≧ 40 mm
≧ 100 mm
1)
≧ 35 mm
≧ 75 mm
1)
≧ 100 mm
≧ 100 mm
≧ 10 mm
–
¬ 8 mm
¬ 10 mm
¬ 14 mm
網スリーブ付
TPE被膜線
1)
金属保護
36
TPE
ケーブル長
製品仕様に記載されたケーブル長は、ハイデ
ンハイン製ケーブルおよび推奨する後続電子
部の入力回路を使用した場合にのみ適用され
ます。
アブソリュートリニアおよび角度エンコーダの
最大ケーブル長
ハイデンハインのリニアエンコーダのインターフェー
スは長いケーブルを使用でき、最長150mまで許
される場合もあります。しかし、ケーブル長が長くな
ると電源線の電圧降下が大きくなります。
この電圧降下値は、電源線の断面積、ケーブ
ル長の一般基準やエンコーダの消費電流によ
り異なります。
特に長いケーブルでエンコーダの消費電流が
大きい場合(主にアブソリュートリニア/角度エン
コーダ)、電圧降下によりエンコーダの供給電圧
が最小許容値以下になってしまいます。
対策:
• ケーブル長が長い場合には、ワイヤ断面積
の大きいものを選択する
• 細いケーブルでワイヤ断面積が小さいものを
使用する場合は、可能な限りケーブル長を
短くする
• 電力制御機能のない後続電子機器の場合
は電源線とセンサ線を接続する。これにより
断面積を2倍にします。
• 供給電圧UPができるだけ高いものを選択する
例 DC 5.25 V
注意
データ伝送技術上の理由で、エンコーダに直
接接続したアダプタケーブル(例 ¬ ≦ 4.5 mm)
は、20 mより長くできません。これ以上のケーブ
ル長は、最長6 mのアダプタケーブルと延長ケー
ブル(¬ 6 mm)を組合せて使用してください。
電圧降下に加え、その他の基準(例:クロック
周波数)が最大許容ケーブル長を制限する
ことがあります。
長距離ケーブル伝送とともにクロック周波数
最高16MHzでの高速伝送を実現するには、
ケーブルに高い技術的要求が課されます。
ハイデンハイン製ケーブルは、これらの要求
に応えるべく、用途に応じた特別なケーブル
を製造しています。当社はハイデンハイン製
ケーブルの使用を推奨しています。
37
製品
後続電子機器の供給電圧
UP
アダプタケーブル 接続ケーブル
¬ 4.5 mm用
¬ 6 mm用
1)
全ケーブル長
20 m/17 m
–
20 m/17 m
6 m/6 m
68 m/26 m
74 m/32 m
1 m/1 m
80 m/39 m
81 m/40 m
20 m/20 m
–
20 m/20 m
6 m/6 m
83 m/34 m
89 m/40 m
1 m/1 m
95 m/46 m
96 m/47 m
DC 12 V
6 m/6 m
94 m/94 m
最長/最長
後続電子機器の供給電圧
UP
モータに組込む 接続ケーブル
アダプタケーブル ¬ 6 mm用
全ケーブル長
ECN 1325 DC 5 V
EQN 1337
DC 5.25 V
0.3 m
最長/64 m
最長/64 m
0.3 m
最長/75 m
最長/75 m
製品
後続電子機器の供給電圧
UP
エンコーダ
ケーブル
接続ケーブル
¬ 6 mm用
全ケーブル長
LIC 4000
DC 5 V
3m
最長/45 m
最長/48 m
1m
最長/53 m
最長/54 m
3m
最長/55 m
最長/58 m
1m
最長/63 m
最長/64 m
RCN 8000 DC 5 V
DC 5.25 V
製品
DC 5.25 V
斜体文字: センサ線は接続されていません
最長: 電圧降下が理由によるケーブル長の制限はありません
1)
電圧降下により、理論上使用可能な長さのケーブルを使用できません。
DRIVE-CLiQは最大ケーブル長100 mまで可
能ですが、いくつかの影響要因により許容ケー
ブル長が短くなります。
• DRIVE-CLiQカップリングの接続数
• アダプタケーブルもしくは接続ケーブルの長さ
係数
• ハイデンハインエンコーダのプラグ式アダプタ
ケーブル
• 補正係数付ハイデンハインアダプタケーブル
の長さ
最大ケーブル長は以下のように算出できます。
4
nMG · 5 m + · LAC +Σ ki · Li + nC · 5 m ≦ 100 m
3
i
ki:
Li:
nC:
nMG:
4/3:
LAC:
1)
信号線 iのケーブル長補正係数1)
(4/3、ハイデンハインケーブルの係数)
信号線 iの全長1)
接続数
エンコーダの影響、例 プラグ式アダプ
タケーブル使用時 n = 1
ハイデンハイン製アダプタケーブルの
ケーブル長補正係数
ハイデンハイン製アダプタケーブルの
ケーブル長
後続電子機器メーカの技術資料を参照して
ください。
38
電気保安と電磁両立性
電気保安
エンコーダのハウジングは内部回路と絶縁され
ています。定格サージ電圧は500 Vです。
(EN 60 664-1による)
ミクロ環境において汚染度2が維持されなけれ
ばなりません。
(EN 60 664-1を参照ください)
電磁両立性(EMC)
正しく取付けられ、ハイデンハイン製ケーブルが
使用されている場合、ハインデンハイン製エン
コーダは下記の一般規格に関するEMC指令
2004/108/ECに規定された電磁両立性の要
求を満たします。
• ノイズイミュニティー (IEC 61000-6-2)
具体的な基本規格は以下のとおり
– ESD
EN 61000-4-2
– 電磁界
EN 61000-4-3
– バースト
EN 61000-4-4
– サージ
EN 61000-4-5
– 伝導妨害
EN 61000-4-6
– 電力周波数磁界
EN 61000-4-8
– 電圧ディップ、短時間停電
EN 61000-4-11
• エミッション
EN 61000-6-4:
具体的な製品(群)規格は以下のとおり
– IT機器
EN 55022
電気的障害源
電気的障害は主に静電結合もしくは誘導結合
が原因で起こります。誘導結合は、信号線や
入出力端子を通してシステムに侵入すること
があります。
通常、電気的障害源として考えられるものは、
次の通りです。
• 変圧器、ブレーキ、および電動機による強力
な磁界
• リレー、電磁開閉器、電磁弁
• 高周波装置、パルス装置、およびスイッチン
グ電源部の漂遊磁界
• 上記装置のAC電力線およびリード線
各種対策
トラブルが発生しない動作を保証するために、
必ず以下の対策を講じてください。他の方法を
実施する場合には、電気安全やEMCに関して
機器特有の対策が必要となります。
• ハイデンハイン製ケーブルを必ず使用してく
ださい。電源線における電圧降下を考慮し
てください。
• コネクタや端子箱のような接続部品は金属
製筺体のものを使用してください。これらの
部品にはエンコーダへの信号伝送および電
圧供給のみを許容しています。(ハイデンハ
インのハイブリッドモータケーブルを除く)
• エンコーダ、接続部品および後続電子機器の
それぞれのハウジングをケーブルのシールドで
接続してください。確実にシールドが全面接触
(360°)するようにしてください。1箇所以上に
電気的接続をしているエンコーダについては、
各製品の取付説明書等を参照してください。
• 二重シールドケーブルについては、内部シー
ルドは外部シールドと分離されていなければ
なりません。内部シールドは後続電子機器の
0 Vに接続してください。エンコーダ内やケー
ブル内で内部シールドと外部シールドを接続
しないでください。
• 取付け手順のとおり、シールドを機能接地に
接続してください。
• 他の金属面とシールド(例、コネクタハウジング)
が接触しないようにしてください。ケーブル配
線の際に注意してください。
• 信号ケーブルを電磁障害の発生源(開閉器
類、モータ、インバータ、電磁弁等の誘導性
の装置)の近くに配線しないでください。
– 信号ケーブルとノイズ源は、100 mmの空間
を置いて設置するか、金属ダクト内に設置す
る場合には接地金属隔離板を使用するこ
とにより、通常は十分に分離することができ
ます。
– スイッチング電源内のインダクタから少なく
とも200mm離して設置してください。
• システム全体で補償電流が予想される場合
には、別の導体接続により同電位にする必要
があります。シールドには、導体接続により同
電位にする機能がありません。
• エンコーダへの電源供給は必ずPELVシステム
(EN 50178)から行なってください。低インピー
ダンスの高周波接地(EN 60204-1 Chapter
EMC)を行なってください。
• 11 µAPP信号出力のエンコーダ:
延長ケーブルには、ハイデンハイン製ケーブル
(ID 244 955-01、最長30m)のみを使用して
ください。
電磁障害物からの最小間隔
代替シールドクランプ
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39
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