こちらから

第 20 回直列共振と
回直列共振と Q(2)
第 19 回からの続きです。
さて,特定の周波数のみというのは実際には困難ですが,その特定の周波数(つまり,共振
周波数)前後の電流をよく流し,他の周波数の電流はあまり流さないようにしたい。こうい
ったとは,直列共振によって実現できます。
どの程度,その周波数の前後”だけ”なのかを表す目印になるのが,この Q なのです。“前
後”が狭いか広いか。狭ければ Q は大きく,低ければ Q は小さいです。
Q の大小で,下図のように周波数に対する電流のグラフが変わるのです。
I
Q小
E
R
fr
I
E
R
f
Q大
fr
f
この Q ですが,グラフでは,ようするに共振周波数付近でのとんがりの度合い(とんがりの
度合いですから,尖鋭度というのですね)です。
尖(とが)る,鋭(するど)いですよね。鋭く尖っている度合いということでしょう。尖鋭度と
いう言葉に納得していただけるでしょう。
次に,数式でこのとんがり度合いをどう表すかをみてみましょう。
共振時に,L に加わる電圧の何倍が R に加わるかで表すのです。共振時は,C に加わる電圧
と L に加わる電圧は同じ(位相は 180°異なりますが,大きさは同じ)ですから,C に加わる
電圧の何倍が R に加わるかと思っても構いませんよ。
Q=
2πf LI
2πf L
=
RI
R
f=fr では、2π
Q=
=
なので
ともかけます。
さて,これで直列共振の Q について,理解を深めていただけましたでしょうか?