年 度 経 営 計 画 の 評 価

年 度 経 営 計 画 の 評 価
平成26年度
Ⅰ 前年度計画の自己評価
山口県信用保証協会
1 業務環境
(1)地域経済及び中小企業の動向
内閣府発表の「月例経済報告」によれば、平成26年度の国内景気は、年度当初は消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減が
みられましたが、その反動も一巡し、秋以降は一部に弱さがみられるものの緩やかな回復基調が続いています。
一方、県内景気は、日本銀行下関支店発表の「山口県金融経済情勢」によれば、全国的な動きと同様に年度当初から消費税率引上
げに伴う駆け込み需要の反動減がみられ、一時下方修正がなされましたが、秋以降は一部に弱さがみられるものの、全体としては緩
やかに回復しているという状態が続いているとされています。
(2)中小企業向け融資の動向
山口県実施の「県内中小企業景況調査」によれば、借入金難度 DI については、長期・短期ともに年度当初から年度末にかけてマ
イナス幅が縮小するとともに、全国に比べてマイナス幅は縮小しているものの、年間を通じてマイナス圏で推移する状況にあるなど、
中小企業向け融資を取り巻く環境としては、引き続き厳しい情勢下にあったことが窺えます。
(3)山口県内中小企業の資金繰り状況
財務省中国財務局山口財務事務所発表の「法人企業景気予測調査結果」によれば、資金繰りは第 3 四半期を除いて「改善」したと
する企業が「悪化」したとする企業を上回りました。
しかし、山口県実施の「県内中小企業景況調査」によれば、資金繰りDIは全国に比べてマイナス幅は縮小したものの、年間を通
じてマイナス圏で推移し、更に年度末においては年度当初に比べてマイナス幅が拡大するなど、県内中小企業の資金繰りは依然とし
て厳しい情勢下にあったことが窺えます。
-1-
(4)山口県内中小企業の設備投資動向
財務省中国財務局山口財務事務所発表の「法人企業景気予測調査結果」によれば、平成26年度の設備投資は、大企業及び中堅企
業では前年度を上回りましたが、中小企業では前年度を大幅に下回りました。
このことを反映してか、当協会の保証承諾における設備資金の実績は、前年度比99.0%と横這いで推移し、保証承諾全体に占
める構成割合もほぼ前年度並みの6.1%で、従前に比べれば若干増加傾向にはあるものの低水準のままとなっています。
(5)山口県内の雇用情勢
日本銀行下関支店発表の「山口県金融経済情勢」によれば、平成26年度の県内の雇用情勢は全国を若干下回るものの着実な改善
を続けており、有効求人倍率も1倍を超える推移となりました。
また、財務省中国財務局山口財務事務所発表の「山口県内の経済情勢」や「法人企業景気予測調査結果」においても、雇用情勢は
緩やかに改善しており、「不足気味」とする企業が「過剰気味」とする企業を上回り、当面の見通しでも「不足気味」とする企業が
超過する見通しにあります。
-2-
2 重点課題について
(1)保証部門
1)利便性の向上、保証制度の多様化への対応
7月に、創業後日が浅く比較的信用力の小さい中小企業・小規模事業者(以下、
「中小企業者等」という。
)に対する円滑な資金調
達の実現に向け、より一層の支援を図ることを目的に創設した「創業ファイブ保証」の保証承諾実績は、317件、10億2,61
5万円となっています。
さらに、優良層を対象とした「クォリファイド保証」、ミドルリスク層を対象とした「スモールビジネス保証」及びその中間層を
カバーする汎用性のある「きららサポート保証」といった独自商品を取り揃え、あらゆる階層の多様なニーズへ対応し、中小企業者
等への幅広くタイムリーな資金供給等にも努めました。
これら4制度の保証承諾実績は、合計496億円となり、保証承諾全体の40%弱となりました。
保証承諾全体の約99%が第三者保証人を徴求しない保証となっています。また、「経営者保証に関するガイドライン」の趣旨に
沿った対応にも取り組むこととしていますが、経営者保証ガイドライン対応保証制度の申込実績はありませんでした。
また、中小企業者等への幅広い支援による利便性の向上を図るため、日本政策金融公庫と創業支援をはじめとした業務連携に係る
覚書を締結しました。
2)政策保証の推進
国等が進める政策保証について積極的に推進し、中小企業者等の金融の円滑化と経営の安定の支援に努めています。
創業・創業等関連保証については「創業ファイブ保証」の創設や県、市町の創業に係る保証制度を積極的に活用し、保証承諾実績
は、486件、16億8,144万円となり、前年同期比で182.3%となりました。
経営力強化保証制度の保証承諾実績は、302件、75億6,131万円(うち県制度:269件、66億5,491万円)と、
全国でもトップクラスの実績となっています。
借換保証制度(以下、
「借換保証」という。
)の保証承諾実績は、2,722件、488億3,145万円となり、保証承諾全体の
40%弱となりました。
一方、業況の悪化している中小企業者等向けの経営安定関連保証の保証承諾実績は、411件、76億6,065万円(うち県制
度:264件、50億9,865万円)となりました。
-3-
県を事務局とする金融機関店舗表彰制度「やまぐち金融サポート大賞」のポイント対象である県制度を積極的に推進するとともに、
上位10店舗を対象とした表彰にも協力しました。
3)保証浸透率向上に向けた取組み
「やまぐち金融サポート大賞」や、7月から9月の保証推進キャンペーン「ギャランティ・2014」及び個別金融機関との独自
キャンペーンの実施に加え、完済先への保証利用に対する感謝の意を込めたダイレクトメールの送付、保証利用中の金融機関毎に作
成するリストに基づき、向こう6ヵ月以内に完済が見込まれる先に対する資金需要等に係る該当金融機関への確認要請等、本年度も
保証浸透率向上に向け積極的に取り組みました。
また、「創業ファイブ保証」の創設や、商工会議所主催の創業塾への講師派遣、金融機関をはじめとする関係機関と連携した国等
の創業関連保証制度の積極的な推進による新規取引先の開拓も図りました。
この結果、保証先数は前年度末に比べ363先の増加で、全国で唯一3年連続の伸長となり、対前年比でも102.7%と全国で
最大となり、保証浸透率は、前年度末に比べ0.9ポイント増加して32.4%となりました。
これに加えて、当協会役員等が、地元金融機関本店等を直接訪問の上、情報の共有化及び信用保証の推進に係る協力要請等を行い
ました。
(2)期中管理部門
1)経営支援・再生支援の整備、強化
①関係諸機関との連携強化
本年度も関係諸機関との連携を強化し、中小企業者等の経営支援・再生支援に取り組みました。
7月と3月に、やまぐちネットワーク会議において中小企業者等の金融の円滑化の推進等について情報交換を行いました。
個別の中小企業者等を支援するために開催しているやまぐちサポート会議の実績は、51企業70回、再生支援協議会に関する
バンクミーティングの実績は、59企業92回となりました。
また、専門家派遣については山口県経営支援プラットホームにおける派遣可能構成機関としての登録をしており、実績は1企業
2回でした。
-4-
②サポート体制の充実
経営支援室実施の企業訪問事業のみならず、各営業店で実施している巡回訪問事業や通常の窓口相談業務等においても、中小企
業経営診断システム(COMMON-MSS)を積極的に活用し、よりきめ細やかなサポート体制の充実を図りました。
なお、本年度の訪問事業の実績は125企業130回でした。
また、期中支援の強化の一環として実施している経営安定関連保証5号利用における金融機関からの業況報告については、前年
度下期分1,328先、本年度上期分1,418先の報告書を全て受領し、各営業店へ分析結果を添えて情報提供しました。
③経営改善計画策定支援事業にかかる補助事業の継続
国が実施する「認定支援機関による経営改善計画策定支援事業」を利用し、自ら経営改善に取り組もうとする意欲のある中小企
業者等への支援の一助として、昨年度より「『認定支援機関による経営改善計画策定支援事業』に係る補助事業実施要領」に基づき、
自己負担分の一部補助を行っています。
当該事業にかかる本年度の申込実績は41件(累計96件)です。
また、交付実績は累計60件、535万円となりました。
2)期中管理の強化、充実
四半期毎に大口条件変更先のリストを各営業店へ配布し、業況の注視と情報収集等を行うとともに、営業店から毎月提出されるリ
スク管理口一覧表に基づき、必要に応じて本店管理課が再調査を指示する等、期中管理の徹底を図りました。
また、営業店が金融機関との情報共有を図り、毎月の代位弁済見込先リスト等を通して調査に取り組むことで、代位弁済動向の早
期把握に努めました。
期中管理担当者への実践的な研修も実施して、担当者の能力向上も図りました。
これに加え、当協会役員等が、地元金融機関本店等を直接訪問の上、代位弁済の抑制について金融機関営業店への周知徹底及び指
導を要請するとともに、情報交換を実施しました。
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(3)回収部門
1)回収の合理化・効率化
回収業務について、よりきめ細やかに取り組むため、代位弁済から2ヵ月以内に大規模店(山口営業店、下関支店、周南支店)か
ら回収方針並びに回収方針分類を求め、必要に応じて本店管理課が指導する等、回収の促進を図りました。
また、有効なデータの再利用による回収の効率化を進めるべく5月から9月まで実施したキャンペーンを通じデータの整備を行い
ました。
4月より運用を開始したコンビニ収納により、顧客の利便性を向上させるなど、一層の回収促進に取り組みました。
保証協会債権回収株式会社山口営業所との連携強化を図るため、本店管理課との協議会を随時開催するとともに、同社社員向けの
研修会を2回開催しました。
(4)その他間接部門
1)事務体制の改善
COMMON改善プロジェクトで示された、
「機能改善」、
「保証料業務統一化の方向性」、
「バックアップセンターのあり様」の各
方針や改善内容を分析し、業務体制・事務処理等の検討に着手しました。
2)危機管理向上に向けた取組み
緊急時においてもスムーズな行動ができるよう各部署において、事業継続計画(BCP)や帰宅困難者対応マニュアル、情報漏
洩対応マニュアル、業務事務手作業マニュアル等の勉強会を通して認識の共有を図りました。
また、
「緊急時における職員召集MEMO」の配布や避難場所の確認を行うとともに、気象庁の訓練キットを利用した大規模地震
に係る避難訓練等を実施しました。
老朽化が著しく、危機管理上問題があると考えていた下関支店の建替えに向けて、隣接地を購入する等、準備を進めました。
業務上のデータについては、アクセスできる利用者の限定、データのバックアップ等により、情報セキュリティ上の安全性の確
保に努めました。
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3)組織力の強化への取組み
全国信用保証協会連合会の研修計画に沿った各種研修会へ適宜職員を参加させるとともに、外部セミナーや研修会等にも積極的
に参加しました。
職員8名(初級4名・中級4名)が、全国信用保証協会連合会の信用調査検定試験に合格しました。
研修会等の開催実績は、総務部主催が6回、審査課主催が8回、管理課主催が7回、経営支援室主催が2回でした。
また、債権法改正に備え顧問弁護士、管理課、回収担当者による債権法改正勉強会を5回開催しました。
本年度の通信教育受講者は、職員延べ59名でした。
4)コンプライアンスに関する取組み
平成26年度のコンプライアンス・プログラムに基づき、コンプライアンスの推進を実施しました。
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3 事業計画について
保証承諾は、9,812件、1,291億37万円、計画値1,350億円に対する達成率は95.6%となりました。
この要因としては、創業ファイブ保証等の創業に関連する保証への積極的な取組みや、金融機関との共同キャンペーン等により新規
先への保証承諾件数が増加する一方、創業に係る保証が増加していること等に関連して、1件あたりの保証金額が小口化したこと等が
影響したものと考えます。
なお、1件あたりの保証承諾は、1,316万円と、前年度に比べ91万円の減少となりました。
保証債務残高は、26,265件、2,658億9,396万円、計画値2,700億円に対する達成率は98.5%となりました。
この要因としては、保証承諾は計画値を下回る結果となったものの、保証先数の増加に伴う純増と、借換保証や返済緩和等を目的と
した条件変更の利用により保証債務残高の落込みが小さかったものと考えます。
なお、1件あたりの保証債務残高は、1,012万円と、前年度に比べ26万円の減少となりました。
代位弁済は、381件、33億2,319万円、計画値60億円に対する発生率は55.4%となりました。
返済緩和債権の保証債務残高については金融円滑化法施行前の水準に戻っておらず、代位弁済の増加を想定していましたが、県内の
倒産発生件数が前年比で減少し、かつ大型の倒産も少なかった影響からか、当協会の代位弁済についても小口化し、計画値を下回る結
果となったものと考えます。
求償権の実際回収(対債務者回収)は、14億1,630万円、計画値13億円に対する達成率は108.9%となりました。
この要因としては、担保及び第三者保証人に依存しない保証の浸透、法的整理に係る代位弁済の増加等、回収における環境は一段と
厳しさを増しているものの、引き続き不動産に係る回収が高い水準で推移したこと、回収の合理化・効率化に向け注力してきたことが
功を奏したものと考えます
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4 収支計画について
当期収支差額は、代位弁済が当初計画の1/2程度に納まったことを主要因として、8億5,917万円となり、年度経営計画を大
幅に上回る結果となりました。
5 財務計画について
「基金」については、本年度も新たな出捐金等はなく、変動はありませんでした。
「基金準備金」については、「当期収支差額」8億5,917万円のうち、4億3,017万円を繰り入れし、129億6,160
万円となり、この結果、「基金」と「基金準備金」を合計した「基本財産」は、200億6,275万円となりました。
また、今後の収益環境の悪化等への対策として、当期収支差額8億5,917万円のうち、基金準備金に繰り入れた4億3,017
万円を控除した4億2,900万円を収支差額変動準備金に繰り入れし、その残高は77億1,500万円となりました。
-9-
<年度経営計画の自己評価>
保証部門は、保証承諾、保証債務残高及び保証債務平均残高のいずれも計画未達であったものの、保証浸透率向上に向けた各種取組
みの積極的な実施により、過去2年度に引き続き、3年連続で保証先数が増加したことは評価できるものと考えます。
また、国等が進める政策保証の一つである経営力強化保証の積極的な活用に努め、全国でもトップクラスの実績を収めていることに
ついても評価できるものと考えます。
期中管理部門は、返済緩和等を目的とした条件変更債務の占める割合に特段の良化が見られない中、各種会議への参加等による関係
諸機関との連携強化、中小企業経営診断システム(COMMON-MSS)の活用等によるサポート体制の充実や、経営改善計画策定支
援事業に係る補助事業の継続等により、代位弁済は計画の1/2程度に納まりました。
また、「やまぐち中小企業・小規模事業者経営支援強化事業」の計画策定に着手し、経営の安定に何らかの支障をきたしている中小
企業者等の経営状況の改善を促進するよう取り組もうとしています。
一方で、中小企業者等の経営環境等を考慮すれば、未だ高止まりしている条件変更債務に関連する代位弁済の増加懸念もあることか
ら、今後とも経営支援・再生支援への積極的な対応に加え、期中管理の強化等による代位弁済の抑制に努める必要があるものと考えま
す。
回収部門は、昨年度に引き続き不動産による回収が高い水準で推移したことに加え、回収の合理化・効率化に向け注力してきたこと
も奏功し、結果的に計画を上回ったことは評価できるものと考えます。
しかしながら、回収における環境は一段と厳しさを増してきており、今後ともより一層の回収の合理化・効率化、及び職員の資質向
上に努めるなど、計画達成に向けた各種取組みにも注力する必要があるものと考えます。
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<外部評価委員会の意見等>
当協会においては、関西大学・石田成則教授(山口大学非常勤講師)、西岡税理士事務所・西岡辰己税理士及び県庁西門口法律事務
所・中山修司弁護士により構成される「外部評価委員会」の意見、アドバイスを踏まえ、今般この「年度経営計画の評価」を作成いた
しました。
≪外部評価委員会評価書≫
平成26年度年度経営計画に係る外部評価委員会評価
山口県信用保証協会における、平成26年度年度経営計画に係る外部評価委員会の評価は以下のとおりです。
平成26年度は、平成24年度から平成26年度までの3ヵ年間における中期事業計画の最終年度でしたが、概ね計画通りの取組みが
行われています。また、各部門における重点課題の履行状況についても、各課題に計画的かつ積極的に取り組んでいることは評価できま
す。
以下、個別の評価は次のとおりです。
①財務面について
当期収支差額は、8億5,917万円と当初計画を大きく上回る結果となり、この一部を基金準備金に繰り入れたことにより基金
の増強と合わせて、財務内容の充実が図られています。経営諸比率においても、財務の健全性を示す「支払準備資産保有率」及び「求
償権による基本財産固定率」等の数値は全国的にも上位に位置しており、特に問題はありません。
②業務面について
保証部門は、保証浸透率向上に向けた各種取組みの積極的な実施もあり、3年連続して保証先数が増加したこと、及び政策保証の
一つである「経営力強化保証」について、引き続き全国でもトップクラスの実績を収められていることは評価できます。
しかし、保証先数以外の項目では計画未達であり、今年度は金融機関との更なる連携等による計画達成が必要です。
- 11 -
管理部門は、代位弁済が年度経営計画内に納まったことは評価できますが、未だ厳しさの続く中小企業者等の経営環境及び返済緩
和債権の保証債務残高が金融円滑化法施行前の水準に戻っていないこと等を考慮すれば今後の代位弁済動向への注視が必要と考え
ます。
また、実際回収が年度経営計画を大幅に上回ったことや顧客の利便性向上のためのコンビニ収納開始は評価できますが、一段と厳
しい回収環境となりつつあることから、引き続き合理化・効率化、及び職員の資質向上に向け注力する必要があるものと考えます。
③県内中小企業者等への対応について
中小企業者等の利便性の向上のため、創業後日が浅く比較的信用力の小さい中小企業者等へ、より一層の支援を図ることを目的と
した「創業ファイブ保証」を創設するなど、各階層に合わせた独自商品等を提供し、幅広くタイムリーな資金供給に努めるとともに、
保証承諾のほぼ全てが第三者保証人を徴求しない保証となるなど、中小企業の視点に立った取組みが進められています。
また、中小企業者等への幅広い支援による利便性の向上を図るため、日本政策金融公庫と創業支援をはじめとした業務連携等、金
融機関との密接な連携に努めたことも評価できます。
④業務体制の改善等について
外部または内部での研修への参加等による人材の育成や経営支援体制の強化など、業務体制・事務処理等の改善に取り組まれてい
ることは評価できます。
事業継続計画(BCP)を有効に機能させるために、勉強会を通して認識の共有を図り、各部署による避難場所の確認及び大規模
地震に備えた避難訓練の実施等に取り組んでいることは評価できますが、不測の事態はいつどこで起こるのか誰にも予期できません。
従って、そのような事態に陥った際に、公的な保証機関としての責務が果たせるよう、今後とも脆弱な事項や強化すべきと考える事
項等への組織的かつ継続的な対応を検討・実施する必要があります。
⑤コンプライアンスに関する取組みについて
協会においては、毎年度、コンプライアンス・プログラムを策定され、同プログラムに沿った推進活動等にも積極的に取り組まれ
ています。
しかし、コンプライアンスへの取組みに「終わり」というものはありませんので、今後とも策定されたコンプライアンス・プログ
- 12 -
ラムに従い、役職員一丸となり積極的かつ継続的に推進活動等へ取り組まれる必要があるものと考えます。
最後に、信用補完制度を取り巻く環境については、一段と厳しい状況となることが予想されますが、今後とも協会へ期待されるであろ
う役割を認識し、県内中小企業者等の金融の円滑化と経営の安定に資する取組みについて、積極的かつ組織的に遂行されることを期待し
ます。
平成27年7月13日
山口県信用保証協会 外部評価委員会
- 13 -
委員長
石 田
成 則
委
員
西 岡
辰 己
委
員
中 山
修 司
Ⅱ 事業計画
山口県信用保証協会
年 度
項 目
保
証
金 額
承
前年度実績(26年度)
前年度計画(26年度)
金 額
対計画比
当年度計画(27年度)
対前年度
実績比
金 額
対前年度
計画比
対前年度
実績比
諾
135,000
129,100
95.6
97.6
133,000
98.5
103.0
保 証 債 務 残 高
270,000
265,894
98.5
98.4
265,000
98.1
99.7
保証債務平均残高
269,000
263,473
97.9
97.7
263,000
97.8
99.8
代
位
弁
済
6,000
3,323
55.4
102.4
6,000
100.0
180.6
実
際
回
収
1,300
1,416
108.9
94.9
1,100
84.6
77.7
求 償 権 残 高
1,961
745
38.0
50.9
1,774
90.5
238.1
(注1)代位弁済は元利合計値
(注2)実際回収はサービサー委託分も含む
- 14 -
Ⅲ 収支計画
山口県信用保証協会
項 目
経常収入
保 証 料
運用資産収入
責任共有負担金
そ の 他
経常支出
業 務 費
借入金利息
信用保険料
責任共有負担金納付金
雑 支 出
経常収支差額
経常外収入
償却求償権回収金
責任準備金戻入
求償権償却準備金戻入
求償権補てん金戻入
そ の 他
経常外支出
求償権償却
責任準備金繰入
求償権償却準備金繰入
そ の 他
経常外収支差額
制度改革促進基金取崩額
収支差額変動準備金取崩額
当 期 収 支 差 額
収支差額変動準備金繰入額
基 金 準 備 金 繰 入 額
基 金 準 備 金 取 崩 額
基
金
取
崩
額
金 額
3,309
2,350
386
240
333
2,499
1,193
0
1,260
36
10
810
7,154
120
1,636
495
4,902
1
7,566
5,302
1,647
570
47
-412
80
0
478
239
239
0
0
(単位:百万円、%)
当年度計画(27年度)
前年度実績(26年度)
年 度 前年度計画(26年度)
金 額
3,239
2,263
387
246
343
2,439
1,124
0
1,283
29
3
800
5,540
137
1,653
498
3,242
9
5,571
3,659
1,614
277
21
-31
91
0
860
429
430
0
0
対計画比
対前年度
実績比
97.9
96.3
100.3
102.5
103.0
97.6
94.2
-
101.8
80.6
30.0
98.8
77.4
114.2
101.0
100.6
66.1
900.0
73.6
69.0
98.0
48.6
44.7
7.5
113.8
-
179.9
179.5
179.9
-
-
- 15 -
96.3
99.9
95.3
80.7
88.6
100.7
103.1
-
104.1
29.9
100.0
84.9
106.9
81.5
99.3
82.2
118.2
450.0
103.5
115.1
97.6
55.6
41.2
15.5
105.8
-
103.9
103.9
103.6
-
-
保証債務
平残比
1.23
0.86
0.15
0.09
0.13
0.93
0.43
0.00
0.49
0.01
0.00
0.30
2.10
0.05
0.63
0.19
1.23
0.00
2.11
1.39
0.61
0.11
0.01
-0.01
0.03
0.00
0.33
0.16
0.16
0.00
0.00
金 額
3,365
2,460
386
200
319
2,605
1,195
0
1,400
10
760
6,302
123
1,629
237
4,312
1
6,767
4,612
1,617
486
52
-465
80
0
375
187
188
0
0
対前年度
計画比
101.7
104.7
100.0
83.3
95.8
104.2
100.2
-
111.1
100.0
93.8
88.1
102.5
99.6
47.9
88.0
100.0
89.4
87.0
98.2
85.3
110.6
112.9
100.0
-
78.5
78.2
78.7
-
-
対前年度
実績比
103.9
108.7
99.7
81.3
93.0
106.8
106.3
-
109.1
333.3
95.0
113.8
89.8
98.5
47.6
133.0
11.1
121.5
126.0
100.2
175.5
247.6
1,500.0
87.9
-
43.6
43.6
43.7
-
-
保証債務
平残比
1.28
0.94
0.15
0.08
0.12
0.99
0.45
0.00
0.53
0.00
0.00
0.29
2.40
0.05
0.62
0.09
1.64
0.00
2.57
1.75
0.61
0.18
0.02
-0.18
0.03
0.00
0.14
0.07
0.07
0.00
0.00
Ⅳ 財務計画
山口県信用保証協会
(単位:百万円、%)
年 度 前年度計画 前年度実績
(26年度)
(26年度)
項 目
年
金
度
融
中
機
出
関
え
等
ん
負
金
担
・
金
(単位:百万円、%)
当年度計画
対計画比
対前年度
実績比
(27年度)
対前年度
計画比
対前年度
実績比
項 目
年 度 前年度実績
(26年度)
県
0
0
-
-
0
-
-
市 町 村
0
0
-
-
0
-
-
金融機関等
0
0
-
-
0
-
-
合 計
0
0
-
-
0
-
-
保証料補給
崩
0
0
-
-
0
-
-
保証料補給
基 金 準 備 金 繰 入
239
430
78.7
43.7
損失補償補填金
基 金 準 備 金 取 崩
0
0
-
-
事務補助金
基 金
7,101
7,101
100.0
100.0
7,101
100.0
100.0
基金準備金
12,765
12,962
101.5
103.4
13,173
103.2
101.6
合 計
19,866
20,063
101.0
102.2
20,274
102.0
101.1
制度改革促進基金造成
70
84
120.0
87.5
70
100.0
83.3
制度改革促進基金取崩
80
91
113.8
105.8
80
100.0
87.9
制度改革促進基金期末残高
246
248
100.8
97.3
244
99.2
98.4
収支差額変動準備金繰入
239
429
179.5
103.9
187
78.2
43.6
収支差額変動準備金取崩
0
0
-
-
収支差額変動準備金期末残高
7,520
7,715
基
期
末
基
本
財
産
金
取
179.9
-
-
102.5
103.6
-
-
105.9
188
0
0
7,926
- 16 -
105.3
102.7
国からの財政援助
基金補助金
地方公共団体からの財政援助
(「保証料」計上分)
(「事務補助金」計上分)
(保証料補給分を除く)
借入金運用益
対前年度
実績比
84
120.0
84
120.0
504
127.0
81
135.0
212
105.0
211
156.3
0
-
0
-
Ⅴ 経営諸比率
山口県信用保証協会
(単位 : %)
項 目
保
証
平
前年度計画 前年度実績
(26年度) (26年度)
算 式
均
料
率
対計画比
増減
対前年度
実績比増減
当年度計画
(27年度)
対前年度
対前年度
計画比増減 実績比増減
保証料収入/保証債務平均残高
0.87
0.86
-0.01
0.02
0.94
0.07
0.07
運
用
資
産
収
入
の
保 証 債 務 平残 に対 す る 割合
運用資産収入/保証債務平均残高
0.14
0.15
0.01
0.00
0.15
0.01
0.00
経
経費【業務費+雑支出】/保証債務平均残高
0.45
0.43
-0.02
0.02
0.46
0.01
0.03
費
率
(
人
件
費
率
)
人件費/保証債務平均残高
0.29
0.29
0.00
0.01
0.29
0.00
0.00
(
物
件
費
率
)
物件費【経費-人件費】/保証債務平均残高
0.16
0.14
-0.02
0.02
0.17
0.01
0.03
信
用
保
険
料
の
保 証 債 務 平残 に対 す る 割合
信用保険料/保証債務平均残高
0.47
0.49
0.02
0.03
0.53
0.06
0.04
支 払 準 備 資 産 保 有 率
(流動資産-借入金)/保証債務残高
11.85
12.69
0.84
0.71
12.45
0.60
-0.24
固
事業用不動産/基本財産
1.87
2.19
0.32
0.07
2.05
0.18
-0.14
35.77
35.39
-0.38
-0.78
35.02
-0.75
-0.37
7.01
2.33
-4.68
-2.58
6.35
-0.66
4.02
1,961
745
1,774
13.60
13.25
13.07
2.23
1.26
-0.97
0.06
2.28
0.05
1.02
2.60
7.99
5.39
3.13
4.29
1.69
-3.70
定
比
率
基金の基本財産に占める割合
基金/基本財産
求償権による基本財産固定率
(求償権残高-求償権償却準備金)/基本財産
基
代
本
財
位
産
実
弁
際
済
倍
率
保証債務残高/基本財産
率
代位弁済額(元利計)/保証債務平均残高
回収(元本)
/(期首求償権+期中代位弁済(元利計))
(注) 1.基本財産とは、決算処理後のものとする。
回
収
率
2.基本財産固定率欄の下段には、計算根拠となる各年度末ごとの求償権残高の実数(単位:百万円)を記入する。
- 17 -