「互いの良さを認め合い、学び合う学級経営」 「互いの良さを認め合い、学び合う学級経営」 ~インタビュータイムの取り組み~ 1 はじめに 本校の子どもたちは素直で明るい子が多く、学習においても与えられた課題に一生懸命取り組む 真面目さをもっている。また、学校行事や学年全体など、大きな集団として力を発揮できる勝負強 さももっている。しかし、その一方で、集団の中に埋没してしまい、自分の判断で主体的に行動し たり、自分の意見や考えを表現したりする力が十分には身に付いていないのが現状である。 本校の学校教育目標は、 『 「自ら学び続ける東っ子」の育成』 、サブテーマを<認め合い、支え合い、 磨き合い、共に生き合う 仲間づくり>としている。生活、学習の両面において“主体的に行動し、 互いを認め合い、学び合う学校”とはどんな学校か。そして、そんな学校を創りあげるには、どん な学級を経営していかなければならないのかということを、全職員で話し合ってきた。 そこで、 “児童一人一人が主体的に学び、互いに高め合う授業づくり”を目指して研究を進めてい くことにした。 2 概要と実態 学級経営の目的は、学級を“集団”として成長させることと、児童一人一人の“個”を成長させ ることである。学級経営において、 「学級づくり」と「授業づくり」は車の両輪のようなものである と考える。この二つが相互に影響し合って、学級が成長していくものと考える。 本校の実態から見る、児童に身に付けさせたい態度や力は以下の通りである。 《学級づくり》 ・友だちのことをより良く理解し、互いを認め合う、温かな人間関係を構築しようとする態度。 ・集団に埋もれることなく、自分に自信をもち、自分の思いを伝える豊かな表現力。 《授業づくり》 ・自分の考えをもち、立場を明確にして話し合い、考えを高め合う力。 この両面での成長を期待し、 「お互いを受け入れる温かな人間関係の構築」と「話す・聞く力の基 礎を伸ばす」ことを目的として、 “インタビュータイム”を取り入れることにした。また、 “個”と “集団”の成長が相互に作用することで、よりよい学級経営へとつながっていくものと考える。 ≪インタビュータイムのねらい≫ インタビュータイムのねらい≫ 3 実践の内容 ① 学級の友だちをより良く理解し、温かく受け入れる人間関係づくり ≪仲間づくり≫ ② 自分自身を受け入れてもらえる安心感と、友だちと関わろうとする意欲の向上≪自尊感情≫ ③ 友だちの思いや考えを正確に受け止め、話をつなげる力を身に付ける≪話す・聞く力≫ ≪インタビュータイムの取り組み≫ ○教育課程外の朝の 10 分間の時間(チャレンジタイム)を活用する。 ○インタビューテーマの年間計画を元に系統的に取り組む。 ○〔水曜〕 :インタビューテーマに沿って、自分の考えを書く ○〔木曜〕 :インタビュータイム ○インタビュータイムのふり返りをする ※インタビューの形態、ペア決め、ふり返りの方法、ふり返りシートの形式については、基本形 応じて各学級担任で工夫しながら実施していく。 はあるが、発達段階や児童の実態に 【インタビュータイムの流れ】 インタビュータイムの流れ】(10 分間) グループ)を確認し、今日のテーマを確認する(1分) ② 今日のめあてを確認する(30 秒) 例)「あいづちを打ちながら」 「相手の方をしっかり見て話す」 「○回以上、質問をする」 「A 君の宿題のやり方のいい所を3つ以上聞き取る」 ③ テーマに応じた、聞き方の話型の提示(30 秒) 例)どうして~? どれくらい~? どうやって~? どんなところが~? いつから~? ④ 児童 A が聞き手となって、インタビュータイムを始める(目標時間2分) ⑤ 聞いて分かったことや、思ったことを相手に伝える。(30 秒) ⑥ 児童 B が聞き手となって、インタビュータイムを始める(目標時間2分) ⑦ 聞いて分かったことや、思ったことを相手に伝える。(30 秒) ⑧ 今日のインタビューをふり返る〔教師主導〕(2分) ○うまくインタビューできていたペアを意図的に指名して、聞き取った内容について話させる。 ○テーマに沿った質問を全体に投げかけ、分かったことや、思ったことを話させる。 ⑨ インタビュータイムのふりかえりをする〔児童〕(1分)※ペアでの相互評価 ① インタビューするペア( 4 まとめと今後の課題 み 最 果 なかった子や、話すことに苦手意識をもっていた子が、話そうとする前向きな姿勢をもち、少しず つ話せるようになってきていることである。学級内の人間関係に関係なく、互いの思いを聞き合う ことで、これまで知らなかった友だちの新たな面を発見したり、友だちと話すことを楽しいと感じ たりと、インタビュータイムを通して子どもたちのつながりが少しずつ深まってきているのを感じ る。児童の感想からも、自分を受け止めてもらえる、認めてもらえるという安心感を多くの子が感 じてくれていることが何より嬉しい成果である。 また、 「よい聞き手」を育てることを意識して取り組んできたことで、児童は聞く姿勢や質問の内 容を考えながら“くわしく聞く”ことと、“くわしく答える”ことを繰り返し経験し、「話す・聞く 力」が少しずつ向上してきている。さらに、学習においても、立場を明確にして自分の意見が発言 できるようになり、ペアやグループなどの少人数による対話が自然にできるようになってきている。 今後は、インタビュータイムを通して伸ばしてきた“対話する力”を、授業の中の意見を交流す インタビュータイムの取り組 の も大きな成 は、これまでおとなしくてあまり自発的に話さ る場面で発揮し、児童相互に学び合い、高め合う学習へとつなげていきたい。児童が“主体的に学 喜 じ 指して、今後もさらに研鑽を積んでいきたい。 楽 び合い” 、 “全員が分かる びを感 ” 、 “友だちと学び合うことが しい”と思える学級づくりを目
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