2015年度入試の出題傾向

特集 地理
2015年度入試の出題傾向
学校法人 河合塾 講師 佐 藤 裕 治
1.はじめに
2015年度のセンター試験で,地理Bの受験者数は前年度
表1 全統記述模試(河合塾)の地歴・公民科の選択者(私大文系)
に比べ389人増加し,146,922人とセンター試験史上最多を
世界史B 日本史B 地理B
更新した(図1)。神奈川県の日本史必修化などの影響か
日本史Bの受験生が2,053人増加したため,地歴科・公民
科の科目中最多受験者数にはならかったが,理系志向の高
まりのなか,理系生の多くが地理Bを選択した。一方で,
私立大学では地歴科・公民科が受験科目にありながら,地
理が選択できない大学が多く,地理選択者の数は河合塾の
のは3%程度にすぎない(表1)
。デジタル化が進み,地
図の利用や図表を用いた表現などの地理的技能の育成が求
められ,グローバルな視点からの地域理解が求められる時
代にあって,受験に不要だからといって高校で地理をきち
んと学習する機会がないのは,地理に関わるものとして,
残念でならない。そうしたなか,九州大学文学部では,こ
れまで二次試験の科目のなかった地歴科が2015年度入試よ
り新た入試科目に加わり,世界史B,日本史Bとともに地
人
250,000
2.8
1.3
12.9
64,938
2013年度
28.2
52.7
3.3
2.1
13.8
64,783
2014年度
28.2
54.3
2.8
1.8
12.9
65,253
注)いずれの年も第2回(9月実施)の地歴・公民科の受験者総数に占める割合(%)。
表2 地理B(本試)出題分野別一覧
2010 2011 2012 2013 2014 2015
◎
◎
◎
◎
◎
◎
地形
○
○
○
○
○
○
気候
○
○
○
○
○
○
植生・土壌
○
○
○
○
○
○
自然災害
○
○
○
資源と産業
◎
◎
◎
◎
農業
○
○
◎
○
○
◎
林業・水産業
○
○
エネルギー・鉱産資源
○
○
○
○
自然環境
工業
生活と文化
村落・都市
0
消費・余暇活動
地域調査
地形図
国際交流
国家・国家群
日本史B
交通・通信
地理B
世界史B
貿易・直接投資・援助
地球的課題
人口・食料問題
政治・経済
○
◎
○
○
○
◎
◎
○
○
◎
○
○
◎
○
○
倫理
環境・エネルギー問題
倫理,政治・経済
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015年度
民族・領土問題
地誌
アジア
2.センター試験の出題傾向
アフリカ
■地理Bの平均点が11点低下
CIS
ヨーロッパ
オセアニア
日本
化と都市村落」
,
「地誌」
,
「現代世界の諸課題」
,
「地域調査」
題されてきた。2015年度は,工業に関しては,第4問問4
地理・地図資料◦2015年度2学期①号
●
○
◎
○
○
○
○
◎
●
○
○
◎
○
◎
◎
◎
○
○
○
◎
○
◎
○
◎
○
○
○
○
○
○
○
◎
○
○
○
○
◎
●
○
◎
○
○
◎
○
○
○
○
◎
○
○
○
●
○
○
○
○
○
●
○
65.1
66.4
62.2
61.9
69.7
複合地域
平均点
◎
○
○
○
南アメリカ
〜15年度の課程では「自然環境」
,
「資源と産業」
,
「生活文
式が定着しており(表2)
,地域・分野のかたよりなく出
◎
○
北アメリカ
センター試験の地理Bの出題分野は,大問6題で,2006
の各分野から1題ずつ,ほぼこの順番で大問を構成する形
○
○
○
◎
○
都市・居住問題
3
○
地図・図法
現代社会
100,000
50,000
受験者総数(人)
55.1
文化・衣食住
200,000
150,000
地歴・公民
27.9
理Bでの受験が可能となった。
図1 センター試験受験者数の推移(地歴・公民科)
政治・経済
2012年度
国公立二次・私大対応の模試(全統記述模試)でも私大文
系の受験で,地歴科・公民科の科目のうち地理を選択した
倫理
○
○
◎
○
○
○
◎
●
注)◎大問のテーマ ●地誌の大問で取り上げられた地域 ○小問のテーマ・地域
58.6
表3 過去10年間のセンター試験(地理B,地理Aは2015年度のみ)の解答形式と素材形式
地理B
2006
2007
正誤文判定*1
14
組み合わせ解答*1
13
図
18
(内地形図*2)
(1)
表
2008
12(13)
2009
2010
地理A
2011
2012
2013
2014
2015
2015
15
15
15
6
13
10
19
11
12
12
18
11
13
16
10
8
22
20
27
26
24
23
19
17
20
17
(3)
(2)
(2)
(3)
(3)
(4)
(3)
(2)
(2)
(2)
3
4
4
*3
1
0
0
ページ数
33
35
34
38
40
35
35
31
32
34
29
35
36
36
37
36
35
35
35
36
36
34
65.1
58.4
66.4
64.5
65.1
66.4
62.2
61.9
69.7
58.6
51.4
写真
*4
マーク数
平均点
2
5
2(5)
2(5)
6
1(3)
6
12(13) 11(12) 11(12)
5(10)
7
7
1(4)
3(6)
4
6
3(9)
4(9)
注)図・表・写真の数は,問題中のそれぞれ番号の合計を示す。
*1組み合わせ形式の正誤文判定を含み,括弧内はマーク数を示す。*2地勢図を含む。*3括弧内は写真の枚数を示す。*4空白のページは含まない。
(例題1,次頁)でブラジルの都市の説明で一部触れた以
表4 地歴・公民科のセンター試験平均点
外は出題がなかった。解答と素材の形式(表3)でみると,
2014年度
図表など資料の分量や形式には大きな変化はない。
2015年度
平均点
標準偏差
平均点
標準偏差
世界史B
68.38
19.75
65.64
22.67
日本史B
66.32
19.31
62.01
18.16
5問で,昨年度の15問に比べ大幅に減っている(表5・6,
地理B
69.68
14.54
58.59
15.22
次頁)。センター試験は平均点60点前後を目標に作成され
倫理,政治・経済
67.29
14.85
59.57
14.82
平均点は前年度に比べ11.09点下がり,58.59点と2007年
の58.41点以来の低い水準であった(表4)
。大幅に難化し
た理由は,正答率(河合塾推計)が40%を下まわる問題が
5問と過去10年間で最も多く,80%を超える平易な問題は
るといわれるが,その点からみれば,今年度も極端に難し
いわけではなく,得点も正規分布に近い分布を示しており,
正答率の低い問題でもレベル別では差がみられ学力の識別
【地理B(年度別)】
(人数)
16,000
図2 センター試験の年度別得点分布(河合塾センターリサーチによる)
【日本史B(年度別)
】
2015年度 人数 122,920 平均点 59.0 標準偏差 15.1
2014年度 人数 121,219 平均点 70.0 標準偏差 14.4
14,000
2014
年度
10,000
8,000
8,000
6,000
6,000
2015年度
4,000
4,000
2015年度
0
20
40
60
80
100
7,000
0
(得点率)
【世界史B(年度別)】
(人数)
2014年度
2,000
2,000
2015年度 人数 71,030 平均点 66.9 標準偏差 22.0
2014年度 人数 70,595 平均点 69.4 標準偏差 19.2
0
20
40
60
80
100
(得点率)
【倫理,政治・経済(年度別)
】
(人数)
5,000
2015年度 人数 39,707 平均点 60.7 標準偏差 14.6
2014年度 人数 39,353 平均点 68.1 標準偏差 14.6
4,500
6,000
4,000
5,000
3,500
3,000
4,000
2,500
3,000
2015年度
2,000
1,500
2,000
0
20
40
2015年度
1,000
2014年度
1,000
0
12,000
2015年度 人数 132,352 平均点 62.9 標準偏差 17.9
2014年度 人数 125,987 平均点 67.5 標準偏差 18.9
10,000
12,000
0
(人数)
500
60
80
100
(得点率)
0
2014年度
0
20
40
60
80
100
(得点率)
地理・地図資料◦2015年度2学期①号
4
表5 再現答案による設問別正答率(河合塾調べ)
(2015年度センター試験地理B)
設問 解答
番号 番号
正答率
設問 解答
番号 番号
正答率
設問 解答
番号 番号
正答率
正答率(%)
2013 年度
2014 年度
マーク数
マーク数
2015 年度
マーク数
(構成比)
(構成比)
(構成比)
53.9
25
32.1
0 ~ 10
0
35.0
26
46.5
10 ~ 20
1
3
0
2
3
46.7
15
34.2
27
81.1
4
75.3
16
69.1
28
62.2
20 ~ 30
0
(8.6%)
0
(5.6%)
5
79.6
17
70.9
29
52.6
30 ~ 40
2
6
44.0
18
65.4
30
75.6
40 ~ 50
4
小計
61.9
小計
55.9
小計
56.7
50 ~ 60
6 (28.6%) 6 (19.4%) 6 (30.6%)
7
53.9
19
44.7
31
93.7
60 ~ 70
9
70 ~ 80
3 (34.2%) 8 (33.3%) 10 (41.7%)
80 ~ 90
8
69.6
36.7
10
77.1
11
83.4
12
小計
20
65.0
21
48.7
22
26.6
23
52.0
72.5
24
65.3
小計
第 6 問
8
9
第 5 問
13
14
第 4 問
第 2 問
79.1
56.9
第 3 問
第 1 問
1
2
32
91.4
33
75.6
34
85.1
35
76.5
59.9
36
78.2
48.6
小計
82.9
合計
62.5
注)サンプル数は3,719人(現役生2,531人,高卒生1,188人)。
サンプルの平均点は61.9で,地理B受験生全体の平均点(58.6)より
3.3点高い。
大問ごとの小計,合計は得点率を示す。
力も高いことから,全体的にはよくできた問題と評価でき
る。しかし,受験生が地歴科・公民科の選択科目として考
えると,以前から指摘される「地理Bは高得点が難しい」
という問題は一向に解消されていない。世界史Bでは平均
点は2.5点低下しているものの90点以上の高得点者はむし
ろ増加しており,日本史Bでもかなりの高得点者がみられ
る。これに対して地理Bでは90点以上の高得点者はごくわ
ずかである(図2,前頁)
。世界史,日本史の選択者は文
系が多く,センター試験だけでなく,国公立二次や私大で
も世界史,日本史で受験するものが多い。一方,地理の選
択者の多くは理系で,センター試験でしか地理を使わない
ため,日本史,世界史の選択者に比べ受験勉強にかける時
間が少ないとしても,この点は改善してほしい。今年度の
問題で,とくに正答率が低かった問題は地誌的知識を問う
ものが多く,思考力を試す問題で正解できても,やや細か
な知識の不足から高得点を逃した受験生も多かったのでは
ないかと思われる。地理が高得点の取りにくい科目との評
価が定着し,地理を選択する受験生が減少する事態になら
ないような配慮を望みたい。
■正答率の低い問題
今年度の地理Bで最も正答率の低かったのは第4問問4
(例題1)であった。これはブラジルの三つの大都市(マ
ナオス,ベロオリゾンテ,ブラジリア)の特徴を述べた文
と地図上の位置の組み合わせを答えさせるもので,正答率
は全体で3割を下まわり,
上位層でも4割程度であった(表
7)
。3都市とも内陸に立地するため,地図上で位置を特定
しにくく,とくにベロオリゾンテは難しかったと思われる。
5
表6 センター試験地理Bの正答率別問題数(河合塾再現答案による)
地理・地図資料◦2015年度2学期①号
90 ~ 100
0
0
2
10
12
10
1
4
10
0
5
1 (13.4%)
4
7
12
15
5
5
3
11
15
5
2 (28.6%) 5 (41.7%) 2 (13.4%)
サンプル平均点
65.1
72.9
61.9
全受験生平均点
61.9
69.7
58.6
例題1 センター試験 地理B 本試 第4問 問4 22
例題2 センター試験 地理B 本試 第3問 問3 15
表7 正答率の低い問題 第4問 問4 例題1のマーク率
①
②
③
④
⑤
⑥
上位層
15.4
39.5
5.0
26.3
2.1
11.6
中位層
22.2
21.0
9.7
32.5
2.5
11.9
下位層
20.3
13.9
15.1
31.4
5.8
13.3
全体
19.2
26.6
9.0
29.9
3.0
12.1
※偏差値:上位層55.0以上,中位層45.0〜54.9,下位層44.9以下(以下同)。
※赤字が正解。
表8 正答率の低い問題 第3問 問3 例題2の各都市のマーク率
上位層
ア
A(ニュータウン) 54.6
B(迷路型)
C(囲郭都市)
イ
ア
イ
3.1 42.3 57.9
1.9 96.1
43.5
中位層
ウ
2.0
ア
イ
ウ
9.3 32.7 53.6 19.2 27.0
6.4 88.3
0.8 55.7 35.6
下位層
ウ
5.2 11.8 73.8 14.2
2.3 62.0 34.4
6.8 58.6
※赤字が正解。
その他で,正答率が4割を下まわったのは,4か国の生
活習慣や医療制度などに関する統計表からアラブ首長国連
邦を選ぶ第5問問1,首都が人口最大都市でない国(ニュ
ージーランド)を選ぶ第3問問2,土地生産性と労働生産
性の散布図からオランダを選ぶ第2問問3など,やや細か
な知識が問われる問題が多かった。
また,上位層でも正答率が低かったのが,都市の街路形
態に関する第3問問3(例題2)で,B(迷路型)の判定
は,平易であり下位層でも73.8%が識別できたが,ニュー
タウンと囲郭都市の判別は難しかったようで,上位層で
55.7%,中位層では62.0%が市街地内部の道路が整然とし
例題3 センター試験 地理B 本試 第1問 問2 2
ているCを計画的に建設された都市と判断している(表
8)。イギリスのニュータウンでの,住宅地内の車の通り
抜けを避けるクルドサック(袋小路)や,主要道路の交差
点の信号をなくしスムーズな車の流れを促すラウンドアバ
ウト(円形交差点)などは,ほとんど学習する機会はなく,
多くの受験生が計画的都市の街路形態は整然としていると
判断したと思われ,せっかくおもしろい素材を使いながら
出題の趣旨が伝わりにくかったようだ。
■差がつく「思考力を試す」問題
例題3(第1問問2)は,東経20度と東経120度の経線
上の1月と7月の月降水量の分布図の判定を求める問題で,
2002年度地理B追試第1問問1でも同じ二つの経線上の1
月と7月の月平均気温の分布図の判定が問われた。降水量
の分布やその季節変化を,緯度,海陸分布,大気の大循環,
季節風の影響などから総合
的に判断するもので,気候
の判読のスキルと思考力を
答率(表9)でも上位層(S,
A,B)での識別力にすぐ
れていることがわかる。
中位層 下位層
試す良問で,レベル別の正
上位層
の基本的な知識をもとに図
表9 レベル別得点差の大きな問題
第1問 問2例題3の正答率
レベル(偏差値) 正答率
S(65.0~)
91.0
A(60.0~64.9) 78.8
B(55.0~59.9) 65.2
C(50.0~54.9) 55.8
D(45.0~49.9) 46.8
E(40.0~44.9) 42.3
F(~39.9)
24.6
全体
56.9
地理・地図資料◦2015年度2学期①号
6
同様にレベル別で正答率の差が大きかったのが例題4
(第1問問6)で,火山噴火による災害は発生件数が少な
いため,地震の震源の分布 表10 レベル別得点差の大きな問題
第1問 問6例題4の正答率
と火山分布の違いを判断さ
異なる視点から判定された
中 で も 正 答 率 に 差 があり
(表10)学力の違いが得点
中位層 下位層
可能性はあるが,上位層の
上位層
せるというねらいとはやや
差に表れる問題といえる。
レベル(偏差値) 正答率
S(65.0~)
81.3
A(60.0~64.9) 60.3
B(55.0~59.9) 51.7
C(50.0~54.9) 42.3
D(45.0~49.9) 35.7
E(40.0~44.9) 27.6
F(~39.9)
17.4
全体
44.0
3.国公立二次・私大の出題傾向
■自然災害に関する問題
近年,各地で地震,火山活動,熱帯低気圧などによる大
規模な自然災害が頻発しているが,こうした自然災害の理
解や防災を考えるうえで,地理が重要な役割を果たす科目
であることを示すねらいもあるのか,今年度は自然災害を
テーマとした問題がめだった。例題4で取り上げたように
センター試験でも自然災害の国・地域別発生件数の分布図
の判定を求める問題が出題された。表11は,自然災害を
大問のテーマとする国公立大二次・私大の問題の内容を示
したものである。いずれも自然災害発生のメカニズムやそ
の特徴などを述べた長い文章の空欄補充や,用語の説明な
どの内容で,知識を問うものが多く,地理的技能や思考力
を試す問題があまりみられないのは,やや残念な気がする。
表11 自然災害に関する問題例
大学
内容
■プレートと地震・火山に関する文章の空欄補充。
高崎経済大
(前期)
■火山の有効活用方法の説明。
■首都直下の大地震が発生した場合の都心部で想定される被害と,
被害を最小限にとどめるための北関東など大都市圏周辺地域が担
うと期待される役割の説明。
■日本の自然災害(火山・地震・水害)に関する文章の空欄補充。
成城大
(文芸)
■液状化のメカニズムを説明させる。
■リアス海岸で津波の被害が大きくなる理由を説明させる。
■霞堤,遊水池,ハザードマップの名称を答える。
■自然災害(地震・火山・熱帯低気圧・熱波・寒波)に関する文
明治学院大
(2/1実施)
章の空欄補充。
■2004年スマトラ沖地震津波が最も早く到達したアフリカの国の
判定。
■液状化,熱帯低気圧に関する文章の正誤判定。
■近年アジア諸国で発生した3つの自然災害(2004年スマトラ沖
早稲田大
(教育)
地震,2011年チャオプラヤ川大洪水,2014年広島市北部土砂災害)
に関する文章の空欄補充。
■土石流,東北地方太平洋沖地震,ハザードマップの名称を答え
させる。
西南学院大
(2/9実施)
7
■地震と災害に関する文章(2004年スマトラ沖地震,2011年東北
地方太平洋沖地震,1944年東南海地震,1946年南海地震,1923年
関東大震災)の空欄補充。
地理・地図資料◦2015年度2学期①号
例題4 センター試験 地理B 本試 第1問 問6 6
防災という視点も重要なので,問題に実際のハザードマ
例題5 首都大東京 2 問4
ップを使用するなどの工夫が望まれるが,自治体が作成し
ているハザードマップは多くがカラー印刷されており,モ
ノクロ印刷の入試問題では対応が難しいかもしれない。地
形図も平成25年図式から多色刷りに移行している。北海道
大など一部の大学では,すでにカラー印刷された図版が用
いられているが,センター試験も含め入試問題で地形図や
主題図などのカラー化を本格的に検討してほしい。
■工夫されたグラフを使った問題
地理という科目では,さまざまな事象を地図やグラフで
可視化する工夫が重要視され,そうしたスキルを身につけ
られることが他科目に比べて強みになっている。入試問題
でも受験生が初めてみるような図表が示され,図表を読み
取る力が試され,知識だけではなく思考力も試す良問を生
んでいる。
例題5(首都大東京)は,日本の三大都市圏と東北およ
び九州における総人口と65歳以上の人口を散布図で示し,
例題6 東京大 第3問 設問B
1970年から2010年の変化を示したもので,使用したデータ
は基本的なもので,グラフの表現方法もきわめてシンプル
である。しかしそこからは,三大都市圏と地方の高齢化の
進み方の違い,地域の人口規模と高齢化の関連性,高齢化
率が20%を超えた時期などが非常にわかりやすく表現され
ている。グラフの判読を通して,どのような事象が示され
ているかを考える,まさに思考力が試されている問題とい
える。
例題6(東京大)で示されたグラフも人口に関する6つ
のデータについて1950年から2010年の推移を示したもので,
この期間における最小値が0,最大値が100になるように値
を変換して示している。一見雑然としたグラフであるが,
大きく異なる数値のデータを同じグラフ上に表現でき,し
かもある年の数値を100とする指数を用いて示した場合に
ありがちな線の重なりが少なく,各指標の変化の傾向がは
っきり読み取れ,各データの推移に関する基本的な知識が
あれば判別が可能である。
また,北海道大(3問2)では,北極地域の日照時間に
関する問題で,横に時間軸(1月1日〜12月31日)
,縦に
空間軸(北緯60度〜90度)をとり,
日照時間(厳密には「可
照時間」または「雲の影響のない大気圏上端の日照時間」
とすべきか)の等値線を示したグラフ(アイソプレスグラ
フ)から北緯80度の地点で太陽が一日中沈まない期間の判
定を求めている。こうしたグラフは,多くの受験生にとっ
ては初見であるが,グラフが意味している内容がきちんと
理解できれば平易な問題であり,地域調査などを通じて地
理的事象の最適な表現方法を工夫させる学習が必要であろ
う。
地理・地図資料◦2015年度2学期①号
8
4.論述問題の形式とテーマ
100字程度で解答させる大学が多い。論述問題の内容は多
様だが,要因や背景などを問う問題や事象や地域を比較し
表12は,2015年度の国公立大の二次試験で出題された
て説明させる形式が多く,用語集などで覚えたことをその
論述問題の内容と分量を示したものである。論述問題とい
まま答えるような単純な用語の説明をさせる問題はむしろ
っても,20字程度の短いものから400字に及ぶものまで,
まれである。
『新詳 資料地理の研究』はさまざまなテーマ
その分量は大学によって異なる。全体的にみると,資料を
に関する興味深い図表が示され,その要因や背景に関する
判読させたり,指定語句を与えたりしてテーマを絞って
簡潔な解説は,論述問題の演習に活用できる。
表12ー1 国立大二次の論述問題の分量とテーマ:その1(2015年度)
論述
問題数
北海道大学
筑波大学
(地球学類)
筑波大学
(地球学類以外)
東京大学
東京学芸大学
一橋大学
9
3
4
総字数
550字
程度
900字
1600字
9
テーマ(設問内容)
■地形図読図〔農業的土地利用の特色と地形の関連。集落が立地する地形の説明〕。■ハブ空港の説明。■1965年と2007
年の輸出額構成比のグラフをもとに,マレーシアの貿易形態の変化の説明(指定語句:水平貿易,垂直貿易)。■先端技
術産業の集積により進む技術革新の説明。■北極海の沿岸国間で争いが続く背景(指定語句:地球温暖化,排他的経済
50~100 水域)
。■オゾン層破壊が人の健康に及ぼす影響。■2004年以降のEU加盟国の特徴。■トルコからドイツへの留学生が
多い背景。
60字
300字
■地形図読図〔2つの地形図について海岸地形と土地利用,集落立地の特徴と両地域の海岸地形が異なる要因の説明〕。
■上越,仙台,パリ,札幌のハイサーグラフをもとに,仙台と比較した上越の気候の特徴とその形成要因,札幌と比較
したパリの気候の特徴とその形成要因の説明。■アメリカ合衆国の農業の特徴を日本の農業と比較しながら説明(指定
語句:アグリビジネス,経営規模,穀物生産,適地適作,労働生産性)。
400字
■地形図読図〔地形,土地利用,集落立地の特徴の説明〕
。■5都市の雨温図から読み取れる気候の特徴の説明と地図上
の位置の判定。■日本とASEAN・EU・中国との間の輸出入品上位5品目を示した表の地域判定とその根拠および,第
二次世界大戦後における日本の貿易の特徴と課題についての説明。■オーストラリアにおける外国生まれの人口の内訳
の変化を示したグラフを参考に,オーストラリア社会の変化とそれにともなう諸課題の説明(指定語句:イギリス,移民,
経済的な結びつき,多文化社会,白豪主義)。
60字
■新旧地形図の読図〔1916年の台地と低地の土地利用とその自然的・社会的理由。1951年における台地の土地利用の変
化の内容と,それを可能にした技術の説明。2002年における低地と台地の土地利用の変化の内容と,変化を引き起こし
た諸要因の説明〕
。■アジアの湿潤な地域の山岳における植生分布図をもとに,低緯度地域の垂直分布で落葉広葉樹林が
存在しない理由(指定語句:年較差・低温・落葉)。■日本の針葉樹林帯で,多くの森林が分布するにもかかわらず木材
生産があまり行われていない理由。■東南アジアの常緑広葉樹林での焼畑で,従来は維持されてきた森林面積が近年大
幅に減少している理由。■モロッコと南アフリカの主要輸出相手国の特徴とその背景。■大幅な輸出超過を示すナイジ
ェリアの経済・社会発展上の課題。■アフリカ諸国で中国からの輸入が急増している背景。■日本の生鮮野菜の輸入で,
中国からはたまねぎ,韓国からはジャンボピーマンが増加した理由を自然的・社会的条件に触れて説明。■メキシコと
ニュージーランドからかぼちゃが輸入されている理由を自然的条件に触れて説明。■日本の大都市内の3つの区の人口
密度と就業者の職業構成(常住地ベース,従業地ベース)のグラフを判定し,都心と住工混在地域で1960〜1970年代に
人口密度が急速に低下した理由。■都心で1990年代後半以降人口密度が上昇に転じた理由。■1950〜2010年の日本の人
口に関する6つの指標の変化を示したグラフの判定と,1950〜1960年,2000〜2010年に1市区町村当たりの人口が変化
した共通の理由。■大阪・名古屋大都市圏において中心市からの通勤者数と中心市以外からの通勤者数の構成比に違い
が生じた理由(指定語句:中枢管理機能,住宅地開発)。■東京大都市圏と大阪大都市圏の郊外住宅地化とその後の変化
についての説明(指定語句:距離帯,団塊世代,地価)。
1020字
16
■扇状地と三角州の形成される場所,堆積物,傾斜,河川水の流れ方の特徴や違いの説明。■ナイル川河口の海岸線の
位置の変化を示したグラフをもとに,海岸線の変化を生じさせた要因の説明。■ニューデリーの気候表をもとにケッペ
ンの気候区分の判定と判定過程の説明。■先進国におけるモータリゼーションによる大気汚染に対する対策の説明。■
発展途上国の都市におけるスラムの形成要因やスラムで生じている問題。■首都圏における都道府県別昼夜間人口比率
1400字 120字
を示した図から読み取れる特徴とそれが生じた要因(指定語句:都市機能,住宅地,地価)。■EU域内におけるユーロ
程度
60〜400 導入のメリット。■EUの共通農業政策の特徴とそれによって域内で生じた問題点。■アフリカにおける栄養不足人口の
割合,1人当たり名目GDP,年平均人口増加率,国連平和維持活動実施国・地域を示した図をもとに,栄養不足人口の
割合の地域的差異とその要因や背景を説明。■フェアトレードの説明。■世界における穀物期末在庫率の推移を示した
図をもとに,変化の特徴と要因や背景を説明。
11
■地図を参考にして,コンゴ民主共和国で採掘される銅やコバルトが外国の港を使って輸出されている理由の説明。■
ニッケルの主要採掘国,主要精錬国,主要消費国の表から日本,インドネシア,オーストラリアを判定し,その理由を
説明。■中国による希土類の輸出規制に関する新聞記事と中国の希土類の輸出数量枠,日本の希土類輸入相手国の変化
を示す表をもとに,日本における希土類の輸入に関するリスクとその対応について説明。■インドにおける小麦,米,
綿花の栽培について,ムンバイ,バンガロール,チェンナイ,ハイデラバードの4都市を頂点とする四角形に含まれる
地域で生産の多い作物の判定とその理由の説明。■日本とブラジル,ロシア,インド,中国,南アフリカとの間の貿易
100字
1075字
額の変化を示す表から,インドを判定しその理由を説明。■インド,タイ,メキシコの自動車産業を比較したグラフか
50〜150 らインドを判定しその理由を説明。■インドの宗教別人口構成表から宗教名(シーク教)を答え,その特徴とインド国
内における地理的分布を説明。■ドイツ歌謡(故郷を離るる歌)の歌詞から,故郷から別離しなければならなくなった
人物の子供時代における日常の生活圏にある地形ないし地物を2つ挙げ,その人物が抱くメンタルマップが別離に際し
どのようにつくられていっているかを説明。■尾瀬ヶ原のような湿原の形成過程と,発電ダム湖として適している自然
地理的要因の説明。■沼田街道に自動車が通れるよう開発することが,当時の檜枝岐村の産業に必要と考えられた理由。
■観光収入が地域経済を支えるようになり,道路開発を求める声が消えた自然保護以外の理由。
10
■4つの写真から石灰岩地域の景観を選びその根拠を説明。■石灰岩を集水域に有する河川の水質の特徴。■石灰岩か
らラテライト性土壌が形成されるプロセスについて気候等に留意して説明。■日本列島において泥炭が最も広く分布す
る都道府県名とその理由を形成要因に留意して説明。■リン酸の関連化合物を使用することによって生じる環境問題を
説明。■日本の高度経済成長期に非大都市圏から大都市圏へ人口移動が生じた背景。■東京圏の3市区(市原市,
多摩市,
中央区)の男女別人口推移を示した図を判定し,多摩市の小学校で児童数が減少している背景を説明。■小笠原諸島の
西之島の形成過程の説明。■小笠原諸島に動植物の固有種が多い理由。■コスタリカでエコツーリズムが盛んになった
経緯(指定語句:鉄鉱石,熱帯雨林,モノカルチャー)。
700字
程度
福井大学
平均字数
16
500〜
新潟大学
1題あたり
8
30〜90
60字
20〜90
■日本の農業の特徴(指定語句:土地生産性,労働生産性)。■戦後の日本で減反政策が導入された経緯。■遺伝子組み
換え作物の特徴。■アラル海が縮小した原因(指定語句:砂漠気候,ステップ気候,流入量,蒸発量)。■アメリカ合衆
国における黒人およびヨーロッパ系白人の分布傾向。■グレートプレーンズの農業の説明。■アメリカ合衆国北東部の
1140字
100〜250 鉄鋼業地域の立地条件(鉄山,炭田,製鉄所の相互の位置関係,鉄鉱・石炭の輸送路を含む)の解説。■第二次世界大
戦後のアメリカ合衆国の工業及び先端技術産業の発展(指定語句:鉄鋼業,石油・石炭,自動車工業,太平洋岸,サン
ベルト,航空宇宙産業,多国籍企業,シリコンヴァレー,デトロイト,ボストン,就業構造)。
140字
地理・地図資料◦2015年度2学期①号
表12ー2 国立大二次の論述問題の分量とテーマ:その2(2015年度)
論述
問題数
信州大学
愛知教育大学
5
8
総字数
700字
800字
程度
1題あたり
テーマ(設問内容)
平均字数
140字
■地形図読図〔河川の流向とその理由。地形の名称と氾濫時の特徴,堆積物,土地利用の特徴。〕■アルプスヒマラヤ造
山帯に見られる地形やその周辺で採掘される資源の特徴(指定語句:造山運動,褶曲,起伏,地震)。■図中の地域(ク
ルディスタン)に居住する民族の説明(指定語句:居住地域,宗教,人口,国家)。■地図中の国(トルコ,グルジア,
アゼルバイジャン,クウェート,イラン)に関する統計表の国を判定し,その理由を説明。
■パリ盆地でケスタ地形を利用した農業の説明。■アメリカ北東沿岸部が五大湖のおかげでいちはやく経済発展に成功
した理由。■図に示された2つのタイプの三角州(鳥趾状,カスプ状)の形状の違いが生まれる理由。■地形図読図〔地
100字
形(河岸段丘)の判定と形成過程の説明〕。■マレーシアのブミプトラ政策の説明。■ベトナムの加盟でASEANの政策
50〜150 が変化した理由。■1960年代以降のブラジルの経済発展がいかに達成されたかを説明(指定語句:モノカルチャー経済,
輸入代替化,重化学工業化,MERCOSUR)。■アメリカ合衆国の社会の理想が「人種のるつぼ」から「民族のサラダボ
ウル」に変化した理由。
11
■オーストラリア北東部とチリ南部の海岸地形の比較。■太平洋の東岸と西岸の2地点の気温の年較差に違いがみられ
る理由。■地形図読図〔土地利用の特徴を地形(河岸段丘)と関連させ説明〕。■日本の再生可能エネルギーを2つ挙げ,
その特徴を説明。■アブラヤシ,カカオ豆,コーヒー豆の生産・加工・消費が集中する地域を挙げ,なぜ特定の地域に
集中する傾向があるかを説明(指定語句:アグリビジネス,原産地,植民地,プランテーション,熱帯)。■APEC参加
1200字 100字
国・地域について,農業従事者1人当たり穀物生産量と耕地面積当たり肥料使用量を示したグラフ上にみられる2つの
程度
50〜200 グループ間の農業生産上の特徴の相違を説明(指定語句:生産性)。■アジア,アメリカ,ヨーロッパとそれらに含ま
れる地域群について1人1日当たりの食料供給栄養量の推移を示したグラフをもとに,地域群を判定しその判断理由を
説明。■EECとEURATOMの発足目的。■EUでとられている人やものの動きを促す工夫を,関税撤廃以外に2つ説明。
■人やものの動きを促す工夫の結果,EU加盟国が直面した新たな問題。■EUの共通農業政策とその課題(指定語句:
保護政策,新規加盟国,財政)。
京都大学
13
■地形図読図〔島(隆起サンゴ)を流れる河川の特徴。地形の特徴を全般的形状,傾斜の緩急の変化,北東部と南西部
の海岸の違いに注目して説明〕。■サンゴ礁のもつ経済機能を2つ挙げ,それが成り立つ理由を説明。■国の経済規模と
貿易の比重との間にみられる一般的な対応関係の説明。■国別の輸出と輸入の主要品目を示した表を参照し,垂直貿易
について説明。■自由貿易協定(FTA)の説明。■コンテナ取扱量上位10港の推移を示した表をもとに1990〜2010年に
みられた地域的変化を説明。■アフリカで直線の国境線が引かれた自然環境に関わる理由と歴史的な事情に関わる理由。
■コンゴ川とザンベジ川の分水界付近で鉱業が発展した背景を,1970年以降の中国との関係に留意して説明。■南アフ
リカ共和国で人種差別政策廃止後も残されている課題。■アメリカ合衆国中央部の黒色土が分布する地域の農業の特徴。
■タイガとよばれる植生の特徴。■ヒマラヤ山脈南斜面の衛星写真をもとに,円弧状の稜線の名称と成因。■衛星写真
に示された湖の地形名と成因。
大阪大学
5
名古屋大学
和歌山大学
九州大学
500字
40字
程度
20〜80
900字
■ケッペンが植生に注目して気候区分を行った理由とウェゲナーの大陸移動説にケッペンが与えた影響について説明。
■砂漠が形成される複数の要因の説明。■1980年代以降の中国の経済成長の過程を地域政策・工業政策にふれながら説明。
100〜250 ■中国で経済成長と並行して生じた人口・社会・経済・環境など諸問題の説明。
225字
16
■新旧地形図の読図〔植生の分布。ため池分布と地形条件の関わり。農業的土地利用と地形条件の関わり。道路網の変化。
鉄道網の変化。高校・大学の立地とその変化。地名の変化とその要因〕。■イスラム教徒の服装文化の特徴。■西アジア
を伝統的に「中東・中近東」と呼ぶ考え方の説明。■カフカス地方の農業の内容を具体的に説明。■カフカス地方の民
(不明) (不明)
族紛争の事例を一つ挙げて説明。■パレスチナにユダヤ人が移住することになった理由。■シリアがアラブ連盟の加盟
資格を停止された理由。■自動車の販売業と賃貸(レンタカー)業の立地傾向の違いとその理由。■日本の自動車工業が
アメリカやヨーロッパなどの先進国で現地生産を行うようになった背景。■FTAの説明。■ナショナルトラストの説明。
5
■6か国について示した輸出品の構成比と輸出額の表をもとに,その共通点に着目して2か国ずつ3つのグループに分
け,それぞれにみられる経済の特徴を説明(指定語句:OPEC,モノカルチャー経済,輸出指向型工業)。■第二次世界
大戦後の世界における国家間の経済関係と問題点(指定語句:後発発展途上国,南北問題,南南問題)
。■オーストラリ
180字
900字
アの農牧業の特徴(指定語句:大鑽井盆地,牧牛,サトウキビ,小麦)。■1960年と2010年のオーストラリアの輸出品と
100~300 輸出相手国を示したグラフをもとに,この50年間オーストラリアの輸出品と輸出相手国の変化とその理由を説明。■オ
セアニアの太平洋の島々における近年の産業の特徴と現在直面する問題点を説明(■指定語句:サンゴ礁,海面上昇,
観光)。
表12ー3 公立大二次の論述問題の分量とテーマ(2015年度)
論述
問題数
高崎経済大学
(前期)
高崎経済大学
(中期)
首都大学東京
(文系)
首都大学東京
(理系)
6
5
総字数
1題あたり
テーマ(設問内容)
平均字数
300字
50字
程度
前後
300字
60字
程度
前後
■火山の有用な活用法を2つ挙げて説明。■首都直下の大地震が発生した場合の都心部で想定される被害と被害を最小
限にとどめるのに北関東など大都市圏周辺地域が担うと期待される役割。■合計特殊出生率の説明。■合計特殊出生率
の低下が進むことで生じる社会問題。■日本の地場産業地域を取り巻く経済的環境が年々厳しくなっている要因。
■「緑の革命」の具体的内容。■インドでIT産業が発達した理由。■製造業において,企業の多国籍化が進む2つの理由。
■リャノの説明。■フィヨルドの説明。
(推測) (推測)
11
■日本海を流れる暖流が日本の気候や植生に与える影響を2つ挙げて説明。■日本のある島の5地点の海岸断面図をも
とに,現在の海面より高いところに波食棚や海食洞がみられる理由を2つ挙げて説明。■写真から森林の名称(マング
ローブ林)を答え,人々がこの森林を生活に利用してきた例を2つ挙げて説明。■液状化現象の内容と起こりやすい地
100字
形・地質条件の説明。■中国とオーストラリアにおいて鉄鉱石の貿易に違いが生じる理由。■日本の銅鉱石の自給率と
1200字
前後
輸入量の推移をしめすグラフをもとに,1960年代〜1970年代にかけて国内の銅鉱産出をとりまく自然条件,社会条件の
程度
50〜200 変化について,環境問題も含めて説明。■鉱産資源保全のための消費国の取り組みと課題。■地図中の3か国(モロッコ,
(推測)
アルジェリア,チュニジア)における人口50万人以上の都市の分布の特徴と自然条件からみた要因。■3か国の北部沿
(推測) 岸地域における農業の特徴を気候条件に言及し説明。■3か国とその南のセネガル,マリ,ニジェールの民族的な相違
点と宗教的な類似点を説明。■3か国から多くの人々が旧宗主国のフランスへ渡った目的と,フランスから多くの人々
が3か国を訪れる主な目的。
9
■地形図読図〔縮尺の判定とその根拠。橋から観察できる特徴的な3つの地形と土地利用の関係。2つの集落の立地の
違いについて,地形や道路,集落形態や集落の新旧などから説明。図中のセメント工場の原料とその運搬方法,原料の
採掘や運搬によって生じる環境問題〕。■アジア,アフリカ,ヨーロッパの人口ピラミッドの特徴。■アジア,アフリカ,
程度
前後
ヨーロッパの出生率と死亡率の推移を示したグラフの判定と人口の自然増減について考えられることの説明。■第二次
世界大戦後の日本の人口ピラミッドの変化。■1970〜2010年の日本の三大都市圏の総人口と65歳以上人口の推移のグラ
(推測) (推測)
フをもとに,すべての地域に共通する高齢化の傾向と地域間の高齢化の相違について説明。■都道府県別社会増加率の
階級区分図をもとにそれぞれの時期の社会増減の特徴を説明。
900字
100字
本コーナーは,学校法人 河合塾様にご協力いただきました。
地理・地図資料◦2015年度2学期①号
10