照明の常識を変える VISA(可変照射立体角)照明 VISA

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照明の常識を変える
VISA
(可変照射立体角)
照明
VISA-Method Lighting
(Variable Irradiation Solid Angle)
マシンビジョンライティング株式会社/増村茂樹
従来、きわめて困難であった、金属表面や光沢表面をもつ物体の微細な表面状態や凹凸
に対して、その3D画像が1ショットで撮像できる画期的な照明が登場した。VISAメソッド注1
を用い、照明から被写体表面までの距離に依らず、被写体表面の各点に対する照射立体
角注2を任意の形状で、しかも均一に制御することが可能になり、従来型照明では不可能
であった、金属表面や光沢表面をもつ物体上の微小なキズや凹凸など、特に検出条件の
厳しい特徴情報を安定に撮像することができる。
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背景と課題
明るく照らすための照明ではないからである。特
に、マシンビジョンシステムで多用する明視野時
の照明系および撮像光学系の最適化に関しては、
20 年ほど前から、LED を中心としたマシンビ
照明や光学機器メーカでさえ、手探りの状態が続
ジョン用途向けの照明が特化され始め、現在では
いている。
様々な形や特性をもつ照明が、複数の照明メーカ
そのために、日本インダストリアルイメージン
から供給されている。しかし、その種類や製品の
グ協会 JIIA を通じて世界規格に認証された世界
数は膨大といってもいいほどで、どの場合にどん
初の照明規格 JIIA LI-001-2013 があるが、メーカ
な照明を使用していいかは、もはやユーザには判
そのものが従来型の、物を照らす照明としての既
別が困難であろうと思われる。
成概念から抜け出せないでいるのが現状である。
なぜなら、マシンビジョン用途向けの照明は、
マシンビジョン用途向けの照明系の最適化を行
人間の視覚用途向けの一般照明のように、物体を
うには、物体の光物性に着目し、物体から返され
注1 V ISAメソッドとは、
テレセントリック光学系を応用し、特殊なマスクパターンを用いて、被写体上の特徴情報、
およびそれぞれの撮像
条件に応じて、最適な照射立体角を均一に形成する照射光学系のことで、現在、特許出願中である。
注2 照射立体角とは、物体面の各点に対して照射される光の角度範囲で、各点を頂点とする任意の底面形状を持つ錐体で表され、
この形状や大きさと、撮像光学系で形成される観察立体角との相関関係で決まる立体角要素で、明視野時の物体の各点の明る
さの変化量を最適化することができる。
(詳しくは、増村茂樹著「マシンビジョンライティング基礎編、応用編、実践編」および、増村茂
樹著「連載『光の使命を果たせ』第122回〜第140回・映像情報インダストリアル誌、
およびJIIA照明規格、JIIA LI-001-2013を
参照されたい。)
38 ︱December 2015
eizojoho industrial