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物理化学III 演習問題(6月 29日)2015年度 前期
黒体放射に関する問題
太陽など非常に高温の物体から放射される電磁波(光)のエネルギー(強度)を説明するために、
レイリーとジーンズは古典理論を用いて以下の式を導き出した。
上の式において、k はボルツマン定数(1.38 x 10-23 J K-1)、T は温度、c は光の速度(3.0 x 108 m s1)である。この式の解釈の仕方として、ある温度 T のとき、振動数 ν の電磁波(光)のエネル
ギー(強度)がρ(ν)である。しかし、この式は振動数が大きくなるとエネルギーも大きくなって
しまい(発散する)現実にはありえない(下図)。
ρ(ν)
レイリーとジーンズの式
観測結果
電
磁
波
の
強
度
プランクの式
0
1
2
3
4
5
ν/1014
6
7
8
9 10
Hz
実際に放射された電磁波の強度を測定すると、強度が最大となる振動数があり、それより大きい
振動数の光は強度が小さくなる。そこでプランクは、電磁波のエネルギーはその振動数に比例す
ると仮定したところ、実際の電磁波の放射をうまく説明する以下の式を導くことができた。
レイリーとジーンズが古典理論から導き出した式はまったく間違っているわけではない。上の図
から見て分かる通り、振動数が小さいときは観測結果やプランクの式とよく一致する。
問1 νが小さいときには、プランクの式がレイリーとジーンズの式と一致することを示せ。ヒン
ト:関数 exp(x) は x が小さいときには以下の式が成り立つ(マクローリン展開)。この第2項まで
を近似値として使うとよい。
つまり、
として計算する。
問2 プランクの式において、強度が最も大きい電磁波の波長を求めることができる。強度が最も
大きい電磁波は前ページのグラフの頂点部分なので、グラフの傾きが0である。グラフの傾きを表
す式は、プランクの式を微分することで求める。まず、以下のプランクの式を微分すると、
以下のようになる。
強度が最も大きい電磁波の波長を求めるためには上の式を0とし、νを求めたい。
両辺を 8πh/c3 と ν2 で割り、{exp(hν/kT)-1}2 をかけると、以下の式になる。
ここで、
とおくと、
となり、上の方程式を解くと、
である。つまり、
となる。この式を用い、太陽の温度を 6,000 K として、強度の最も大きな電磁波の波長を求めよ。
問3 シリウスは地球から見て太陽の次に明るい星で、青く見える。この星の温度はどのくらいか。
ただし、青色の光の波長を 500 nm として計算せよ。ヒント:上で導き出した式を用いて計算す
る。