一億総中流?

一億総中流?
階層帰属意識
社会意識(1)
なぜ中流なのか
一億総中流?
に関する意識
一億総中流?
平成26年国民生活に関する世論調査(内閣府)
平成26年国民生活に関する世論調査(内閣府)
一億総中流?
中(中の上・中の中・中の
下)が
一億総中流?
日本人の階層意識(イメージ)
一億総中流社会
格差社会
平成26年国民生活に関する世論調査(内閣府)
1
一億総中流?
一億総中流?
日本人の階層意識(イメージ)
疑 問
人びとの意識に注目す
ると、
一億総中流社会
どのような人びとが、自分のことを平均だと
思っているのだろうか?
格差社会
一億総中流?
一億総中流?
%
中卒
高卒
大卒
14.3
55.3
30.4
16.6
55.9
27.3
中の下
(2231)
全体
(5742)
%
様々な学歴の人が含ま
中卒
高卒
れるており、
大卒
14.3
55.3
30.4
16.6
55.9
27.3
中の下
(2231)
全体
(5742)
2005年SSM調査(SSM調査研究会)
2005年SSM調査(SSM調査研究会)
一億総中流?
一億総中流?
%
専門 管理 事務 販売 熟練
%
半熟 非熟
農業
練
練
専門 管理 事務 販売 熟練
半熟 非熟
農業
練
練
中の下
(2231)
11.4
5.7
16.1 10.9 10.8
9.1
4.3
4.0
中の下
(2231)
11.4
様々な職業の人が含ま
れるており、
5.7
16.1 10.9 10.8 9.1
全体
(5742)
9.9
5.9
14.7
9.6
5.7
4.1
全体
(5742)
9.9
5.9
無職、分類不能
は記していない
9.8
12.0
2005年SSM調査(SSM調査研究会)
14.7
9.8
12.0
9.6
4.3
4.0
5.7
4.1
2005年SSM調査(SSM調査研究会)
2
一億総中流?
一億総中流?
%
専門 管理 事務 販売 熟練
中の下
(2231)
全体
(5742)
半熟 非熟
農業
練
練
11.4
年齢、収入をみても
職業はあまり関係がな
5.7
16.1 10.9 10.8 9.1 4.3
はっきりとした特徴は観
いのか??
察できない
4.0
9.9
5.9
4.1
14.7
9.8
12.0
9.6
5.7
“中”だと思っている人びと
2005年SSM調査(SSM調査研究会)
一億総中流?
一億総中流?
“中”だと思っている人びと
“中”だと思っている人びと
人びとは、
実際は、さまざまな階層の出身者がそこに
含まれている
実際は、さまざまな階層の出身者がそこに
含まれている
地位の非一貫性
地位の非一貫性
地位の非一貫性に注目した議論
典型的な“上”のイメージ
今田高俊・原純輔
「社会的地位の一貫性と非一貫性」
富永健一・友枝敏雄
「日本社会における地位非一貫性の趨勢1955‐1975と
その意味」
 高学歴である
 職業のプレスティージが高い
 所得が高い

3
地位の非一貫性
地位の非一貫性
地位が一貫している
典型的な“上”のイメージ
典型的な“上”のイメージ

v 高学歴である

v 職業のプレスティージが高い

v 所得が高い

v
 高学歴である

v 職業のプレスティージが高い

v 所得が高い

地位の非一貫性
地位の非一貫性
階層クラスター別の階層センター・パターン
新しい視角
5
A
B
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
4
3
2
様
力
生
活
勢
式
産
財
得
所
歴
学
威
信
1
出典:今田・原(1979:173)
地位の非一貫性
地位の非一貫性
階層クラスターの構成(1975年)
9.0
その他
計
191
2421
7.9
100.0
出典:今田・原(1979:173)
1
力
218
2
勢
Ⅳ
3
式
14.5
18.8
様
351
455
活
Ⅱ
Ⅲ
A
B
4
産
8.8
財
212
生
Ⅰ
5
得
30.0
所
726
歴
B
階層クラスター別の階層センター・パターン
学
%
11.1
信
実数
268
威
階層クラスター
A
出典:今田・原(1979:173)
4
地位の非一貫性
地位の非一貫性
階層クラスターの構成(1975年)
階層クラスター
A
実数
268
%
11.1
階層クラスターの構成(1975年)
階層クラスター
A
実数
268
%
11.1
30.0
B
726
30.0
B
726
Ⅰ
212
8.8
Ⅰ
212
8.8
Ⅱ
Ⅲ
351
455
14.5
18.8
Ⅱ
Ⅲ
351
455
14.5
18.8
Ⅳ
218
9.0
Ⅳ
218
9.0
その他
計
191
2421
7.9
100.0
その他
計
191
2421
7.9
100.0
出典:今田・原(1979:173)
出典:今田・原(1979:173)
地位の非一貫性
地位の非一貫性
階層クラスターの構成(1975年)
階層クラスター別の階層センター・パターン
階層クラスター
A
5
4
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
3
2
様
力
生
活
勢
式
産
財
所
歴
学
信
威
得
1
出典:今田・原(1979:173)
地位の非一貫性
%
11.1
30.0
B
726
Ⅰ
212
8.8
Ⅱ
Ⅲ
351
455
14.5
18.8
Ⅳ
218
9.0
その他
計
191
2421
7.9
100.0
出典:今田・原(1979:173)
地位の非一貫性
階層クラスターの構成(1975年)
階層クラスター
A
実数
268
実数
268
%
11.1
30.0
B
726
Ⅰ
212
8.8
Ⅱ
Ⅲ
351
455
14.5
18.8
Ⅳ
218
9.0
その他
計
191
2421
7.9
100.0
• 全体の半分以上を、地位非一貫者が占
めている
地位一貫者
<
地位非一貫者
出典:今田・原(1979:173)
5
地位の非一貫性
地位の非一貫性
この人びとは、
地位一貫者
<
階層クラスター
A
地位非一貫者
階層帰属意識
3.8
階層満足度
3.9
B
2.8
3.2
Ⅰ
3.2
3.6
Ⅱ
Ⅲ
3.1
3.0
3.6
3.6
Ⅳ
3.0
3.5
今田・原(1979:190)をもとに作成
地位の非一貫性
階層クラスター
A
階層帰属意識
3.8
地位非一貫性
階層満足度
3.9
自分たちを“中”だと考
中間に集中し、かつよく似
階層クラスター
階層帰属意識
える人たち
た値に示している
A
3.8
階層満足度
3.9
B
2.8
3.2
B
2.8
3.2
Ⅰ
3.2
3.6
Ⅰ
3.2
3.6
Ⅱ
Ⅲ
3.1
3.0
3.6
3.6
Ⅱ
Ⅲ
3.1
3.0
3.6
3.6
Ⅳ
3.0
3.5
Ⅳ
3.0
3.5
今田・原(1979:190)をもとに作成
地位非一貫性
急激な社会構造の変動
今田・原(1979:190)をもとに作成
「中の上」と「中の下」
依然として“中”と思っている人が多数派を占める一方
で、多くの人が格差について問題意識を高めている
“中”意識をもつ人びとが増える
6
「中の上」と「中の下」
探求課題
「中の上」と「中の下」
探求課題
“中”だと考える人が多くなる理由を明らか
にし、そのように考える人が増えることで生
じる問題が何であるかを明らかにする
階層帰属意識を規定するメカニズムの解明
を通じて、
「中の上」と「中の下」
「中の上」と「中の下」
• 手がかり1
中の上
中の中
• 手がかり1
同じ“中”だと考え
てもよいのだろ
か?
中の下
中の上
中の中
中の下
「中の上」と「中の下」
“上”と回答する人
はほとんど存在し
ない
「中の上」と「中の下」
実質的には、
7
「中の上」と「中の下」
「中の上」と「中の下」
“中の上”と回答す
る人は10~15%
程度しか存在しな
い
「中の上」と「中の下」
• 方針1
実質的には、
「中の上」と「中の下」
• 手がかり2
“中”を一括りにせず、“中”のなかの差異に
注目する
「中の上」と「中の下」
• 手がかり2
1970年代以降、現在に至るまで
「中の上」と「中の下」
• 方針2
社会的・経済的地位と階層意識の対応関
係は、次第に強まっている
階層帰属意識分布に反映されない、
Cf. 次回以降、参照
8