HPLC用メタルフリーカラム使用のすすめその2

LC Technical Note
HPLC用メタルフリーカラム使用のすすめ
155
その２
GL Sciences Inc.
テクニカルノートNo.152 『HPLC用メタルフリーカラム使用のすすめその１』にてメタルフリーカラムの効果につい
てご紹介いたしました。
今回はテクニカルノートNo.152の続編として、充填剤の不活性度（残存金属量など）の違いに着目した比較例につ
いてご報告いたします。
（K.Kanno）
逆相分析例① オキシン銅
オキシン銅はゴルフ場等で使用されている農薬のひとつで、金属配位性化合物であるためメタルフリーカラムの効
果が期待できる分析対象成分になります。下のクロマトグラムは、不活性度の異なる２種類の充填剤でメタルフリーカ
ラムとステンレスカラムを比較した例になります。
オキシン銅のような金属錯体を含む分析では、不活性度の高い充填剤を使用した方がピーク高さの増加率が高く、
メタルフリーカラムの効果がより得られる結果となりました。
不活性度
★★★
不活性度
★★★★★
Brand-A 粒子径：2 mm
InertSustain C18 粒子径：2 mm
2200
2200
2000
2000
2000
2000
1800
1800
1800
1800
1600
1600
1600
1600
1400
1200
1400
1200
Intensity, cps
2200
Intensity, cps
2200
Intensity, cps
Intensity, cps
メタルフリー
カラム
ステンレス
カラム
メタルフリー
カラム
ステンレス
カラム
1400
1200
1400
1200
1000
1000
800
800
800
800
600
600
600
600
400
400
400
400
200
200
200
200
1000
0
1
2
0
1
Time, min
2
Time, min
0
1
1000
0
2
1
Time, min
2
Time, min
HPLC条件
カラム
: ODSカラム (2 μm, 50 x 2.1 mm I.D.)
移動相
: A) 0.1 % HCOOH in CH3CN
1. オキシン銅
B) 0.1 % HCOOH in H2O
N
A/B = 5/95 – 5 min – 100/0 , v/v
流量
: 0.4 mL/min
カラム温度
: 40 ℃
検出
: LC/MS/MS (ESI, Positive, MRM)
注入量
: 5 mL
サンプル
:
1. Oxine copper
: 2.0 mg/L
濃度
O
Cu
Q1
146
O
N
Q3
128
Structures are created using Chemistry 4-D Draw which is
provided by ChemInnovation Software, Inc.
※本テクニカルノートのデータは接液部の金属を不活性化した装置で取得しています。詳細はお問い合わせください。
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GL Sciences LC Technical Note
逆相分析例② 農薬類
不活性度
★★★
不活性度
★★★★★
Brand-A 粒子径：2 mm
InertSustain C18 粒子径：2 mm
9 e5
9 e5
8 e5
8 e5
8 e5
8 e5
7 e5
7 e5
7 e5
7 e5
6 e5
6 e5
6 e5
6 e5
5 e5
5 e5
5 e5
5 e5
4 e5
4 e5
Intensity, cps
9 e5
Intensity, cps
9 e5
Intensity, cps
Intensity, cps
農薬17成分を一斉分析にてカラム材質と充填剤の不活性度を比較した例になります。
ピーク高さに分析例①オキシン銅ほどの差は見られませんが、不活性度の高いカラムで分析することで全体的
にピーク高さの向上につながっています。
金属配位性を示さない農薬の分析においても、不活性度の高い充填剤を使用することでメタルフリーカラムの効
果がより発揮できる場合がある結果となりました。
4 e5
4 e5
3 e5
3 e5
3 e5
3 e5
2 e5
2 e5
2 e5
2 e5
1 e5
1 e5
1 e5
1 e5
0
1
1 2 3 4 5 6 7 8 9
0
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9
Time, min
Time, min
1 2 3 4 5 6 7 8 9
: ODSカラム (2 μm, 50 x 2.1 mm I.D.)
移動相
: A) 0.1 % HCOOH in CH3CN
B) 0.1 % HCOOH in H2O
A/B = 5/95 – 5 min – 100/0 – 3 min , v/v
流量
: 0.4 mL/min
カラム温度
: 40 ℃
検出
: LC/MS/MS (ESI, Positive, MRM)
CUR CAD
IS
TEM
10
7
5500
500
注入量
: 5.0 mL
サンプル濃度 : 各20 mg/L
GS1
80
1 2 3 4 5 6 7 8 9
Time, min
Time, min
HPLC条件
カラム
0
GS2
80
1. Oxine Copper
2. Asulam
3. Methomyl
4. Tricyclazole
5. MPP oxon sulfone
6. Thiodicarb
7. Carbofuran
8. Thiuram
9. MPP oxon
10. Bensulfuron methyl
11. Flazasulfuron
12. Siduron
13. Azoxystrobin
14. Dymron
15. Iprodione
16. Bensulide
17. Carpropamid
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Q1
146
231
163
190
295
355
222
241
263
411
408
233
404
269
330
398
334
Q3
128
156
88
163
217
88
165
88
231
149
182
137
372
151
245
314
139
DP
80
61
41
76
60
56
50
60
60
71
60
81
65
64
61
71
66
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CE
34
17
13
33
20
33
19
20
20
29
20
23
19
20
21
17
27
GL Sciences LC Technical Note
逆相分析例③ テトラサイクリン
テクニカルノートNo.152でご紹介した通り、テトラサイクリン類は金属配位しやすい化合物で、LC分析カラム
の充填剤表面の残存金属やカラムの金属材質への吸着による悪影響が発生します。
逆相分析例①オキシン銅の例と同様に、シリカゲル中の残存金属が少ない不活性度が高いカラムほど、メ
タルフリーカラムを使用した場合のピーク高さが増加します。金属配位性化合物の分析では、カラム材質だけ
でなく充填剤の不活性度もカラム選択において重要なポイントになります。
1.
2.
3.
不活性度
★★★
不活性度
★★★★★
Brand-A 粒子径：2 mm
InertSustain C18 粒子径：2 mm
2800
2400
2400
2400
2000
2000
2000
1200
ピーク高さ増加率
最大12 %（1.OTC）
1200
12
3
1
2
800
400
3
400
0
1.0 2.0 3.0 4.0 5.0
Time, min
0
2
2800
2400
1
1600
3
800
400
400
0
1.0 2.0 3.0 4.0 5.0
Time, min
3
1200
800
1.0 2.0 3.0 4.0 5.0
Time, min
1
2000
1600
1200
2
Intensity, cps
1600
Intensity, cps
Intensity, cps
Intensity, cps
2800
2800 ピーク高さ増加率
最大55 %（2.TC）
1600
メタルフリー
カラム
ステンレス
カラム
メタルフリー
カラム
ステンレス
カラム
800
オキシテトラサイクリン
テトラサイクリン
クロルテトラサイクリン
0
1.0 2.0 3.0 4.0 5.0
Time, min
HPLC条件
カラム
: ODSカラム (2 μm, 50 x 2.1 mm I.D.)
移動相
: A) 0.1 % HCOOH in CH3CN
2. テトラサイクリン（Tetracycline）
B) 0.1 % HCOOH in H2O
A/B = 10/90 – 1 min – 10/90 – 3 min – 90/10 , v/v
流量
: 0.4 mL/min
カラム温度
: 40 ℃
検出
: LC/MS/MS (ESI, Positive, MRM)
CUR
10
CAD
7
IS
5500
注入量
: 10 mL
サンプル
:
1. Oxytetracycline(OTC)
2. Tetracycline(TC)
3. Chlortetracycline(CTC)
TEM
700
Q1
460
445
479
GS1
80
GS2
80
Q3
326
410
444
Structures are created using Chemistry 4-D Draw which is
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※テクニカルノートNo.152 テトラサイクリン類の分析条件とは一部異なります。
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GL Sciences LC Technical Note
＜メタルフリーPEEKカラム価格表＞
UHPLC-PEEK カラム（粒子径3 μm以下に対応）
粒子径
2 μm
(1.9 μm)＊
3 μm
内径（mm）
2.1
4.6
5020-00531
5020-00527
5020-00532
5020-00528
5020-00533
5020-00529
5020-00534
5020-00530
5020-00539
5020-00535
5020-00540
5020-00536
5020-00541
5020-00537
5020-00542
5020-00538
長さ
（mm）
50
100
150
250
50
100
150
250
充填剤
PEEK
ステンレス
UHPLC-PEEK カラム
注）標準カラムジョイント形式は、UP型です。
＊InertSustainSwift C18を選択された場合は、2 μmではなく1.9 μmになります。
PEEKカラム（粒子径4 μm以上に対応）
粒子径
4 μm
5 μm
10 μm
から選択
内径（mm）
2.1
4.6
5020-00520
5020-00521
5020-00510
5020-00522
5020-00511
5020-00512
5020-00523
5020-00513
5020-00524
5020-00515
5020-00516
5020-00525
5020-00517
5020-00526
5020-00518
長さ
（mm）
30
33
50
75
100
150
200
250
300
充填剤
PEEK
PEEKカラム
注）標準カラムジョイント形式は、UP型です。
＜対応可能な充填剤＞
InertSustain®シリーズ
・InertSustain C18
・InertSustainSwift C18
・InertSustain AQ-C18
・InertSustain C8
・InertSustain NH2
・InertSustain Phenylhexyl
・InertSustain Phenyl
Inertsil® シリーズ
・Inertsil C8-4
・Inertsil NH2
・Inertsil ODS-4
・Inertsil WP300 C4
・Inertsil C8-3
・Inertsil WP300 Diol
・Inertsil ODS-3
・Inertsil Peptides C18
・Inertsil Ph-3
・Inertsil SIL-100A
・Inertsil ODS-SP
・Inertsil HILIC
・Inertsil WP300 C18
・Inertsil WP300 SIL
・Inertsil ODS-P
・Inertsil Amide
・Inertsil WP300 C8
・Inertsil CN-3
・Inertsil ODS-EP
・Inertsil Diol
注）その他の充填剤も対応可能です。
各充填剤ごとに対応可能な粒子径が異なります。詳細については、別途お問い合わせください。
ジーエルサイエンスでは、分析ノウハウときめこまやかなフォローもお付けしたシステム提案を行っております。
お近くの営業所やカスタマーサポートセンターまでお気軽にお問い合わせください。
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TEL.024(534)2191
TEL.029(858)3700
TEL.043(248)2441
TEL.048(667)1611
TEL.052(931)1761
TEL.082(233)1101
TEL.092(738)6633
FAX.03(5323)6622
FAX.06(6357)4580
FAX.045(985)7901
FAX.024(536)1518
FAX.029(858)3780
FAX.043(248)2485
FAX.048(667)1656
FAX.052(931)1814
FAX.082(233)1110
FAX.092(738)6636
ｶｽﾀﾏｰｻﾎﾟｰﾄｾﾝﾀｰ T E L . 0 4 ( 2 9 3 4 ) 1 1 0 0
FAX.04(2934)3361
東
大
横
東
筑
千
北
名
広
九
京営業
阪
支
浜
支
北営業
波営業
葉営業
関東営業
古屋営業
島営業
州営業
部
店
店
所
所
所
所
所
所
所
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