グリム童話から見る 仏普独 発表者:myv 1800年ごろのフランス ・絶対王政によりいち早く中央集権 化、国家の仕組みを作りヨーロッパ の中心となった ・フランス革命後の混乱を収束させ たナポレオンが実権を握る ・ナポレオン法典による法律の整備 ・国民軍(徴兵制)の創設 フランスのここがすごい! =中央集権的な国家体制 強力なカリスマ的指導者のもと、愛国心で国民を団結させた 1800年ごろのドイツ ・中世以来、多数の領邦からなる神聖ローマ帝国 ローマ・カトリック教会による搾取 聖職者の腐敗 ↓ ・1517年 ルターによる宗教改革 ・1525年 ドイツ農民戦争 ・1618年~三十年戦争 ↓ 1648年 ウェストファリア条約により 領邦の主権・外交権が認められる →事実上の神聖ローマ帝国の形骸化 300以上の小さな領邦国家が群立 1806年 ナポレオン軍によるドイツ占領 神聖ローマ帝国の消滅 ドイツのここがよくない! =各領邦の足並みがバラバラでまとまらない! 19世紀初頭の仏普独関係おさらい ナポレオン軍による占領 神聖ローマ帝国内の一部 フランス ナポレオンのもと欧州ほぼ全 土を制圧 戦争 プロイセン 宗教対立でカトリック圏 (主にフランス)を追われた 新教徒(ユグノー)を大量 に保護し発展 オーストリア 婚姻政策で領土を広げた多 民族国家。 プロイセンとはライバル 英と手を組み対仏大同盟 打倒ナポレオン! グリム兄弟 ヤーコプ・グリム(長男) ヴィルヘルム・グリム(次男) 大学で法学を研究するさなかにナポレオンによるドイツ占領を体験 ドイツの文化が他のヨーロッパ諸国に 比べて遅れているのは、国がまとまっ ていないからでは? 歴史的にずっとバラバラだったドイツの 人々が共有できるアイデンティティとは なんだろうか? そうだ、ドイツ語だ! 「言葉の力が民族を形成し、民族をまとめている」 (1851年ヤーコプ・グリム 『言語の起源について』) →ドイツ語で民族を団結させよう! ドイツ語の体系的な文法の確立→比較言語学の創始・ドイツ語辞典の編纂 ドイツに伝わる民話の収集→いわゆる『グリム童話』 『グリム童話』序文 初版 第二巻 「集められた話は全てreindeutsch(純ドイツ起源)である」 第二版(1819年) 序文 「疑わしいものは調べ直し、外国起源の話や、付け加えによって改竄されて いると思われる話は取り除きました。…収集の仕方についていえば、私たちに は忠実と真実が最も重要でした。 …何も付け加えたり美化したりせず、私たちが受け取った通り再現しました。」 ・グリム兄弟がドイツ各地を回ってその土 地に古くから伝わる伝承や民話を収集し、 そのまま掲載した ・「子供たちに昔話を伝えるおばあさん」と いうイメージ グリム兄弟による捏造だった L・カッツェンシュタインの絵に基づく木版画 グリム童話の嘘 ①収録されている民話は「純粋にドイツ的なもの」 →「赤ずきん」「いばら姫(眠れる森の美女)」など 多くの話がフランス伝承の民話に類似 ②子供たちに民話を口承する地元の老人というイメージ →グリム兄弟は各地を回っていない 何人かの知人を家に招いて話を聞いた →最も重要な協力者マリー・ハッセンプフルークと ドロテア・フィーマンはフランス語圏から亡命したユグノー フランス語を話し、教養のある若い女性だった グリム兄弟はこの事実を隠ぺいし、 意図的にイメージ操作を図った なぜそのような嘘を書いたのか? →ドイツの文化を権威づけるため 文化的に後進国だと思われていたドイツにも 伝統的な文化があるということを示したかった グリム童話編纂の背景にあるもの →フランスに対するライバル心と劣等感 →ロマンス語圏の文化に対抗するゲルマン文化の探求 ドイツ民族としてのアイデンティティ ナショナリズムの目覚め 一方そのころのプロイセン ・フリードリヒ二世の時代に宗教的に寛容で自由な国として繁栄 →もともとナショナリズムとは対照的な国 ・ナポレオン軍との戦いで屈辱的な敗北 →1807年ティルジット条約で領土と人口の半分を失う 王家はベルリンを追われ東プロイセンのケーニヒスベルクに遷都 このままじゃヤバい…!!! 国が一丸となって近代化を進める必要性を痛感 プロイセン国内で改革が進む ・領邦内で税金を統一 ・商業の自由化 ・農奴解放 ・教育改革 ・フランスをモデルに兵役制を実施 「ドイツ民族全員が一丸となって独立を勝ち取ら なければ、諸外国の食い物にされてしまう」 フィヒテ『ドイツ国民に告ぐ』 1807年 自分たちの国家、自分たちの文化を持ちたい! ナポレオンの侵略により民族主義が高まる中、 プロイセンの思惑とドイツの民衆たちの希望が合致 ・1864年 対デンマーク戦争でドイツ北部を獲得 ・1866年 普墺戦争で多民族国家のオーストリアを排除 ・1870年 普仏戦争でドイツ南西部を獲得 1871年 ドイツ統一 ベルサイユ宮殿でプロイセン王を皇帝とするドイツ帝国樹立を宣言 ・結論 ナポレオンの侵略戦争によって… ・ドイツ民族の自覚と自立が促された ・プロイセンの近代化が進んだ ・結果的にプロイセンがドイツを統一する原動力となった つまり… グリム童話も プロイセン改革も ドイツ帝国も ワシが育てた ご静聴ありがとうございました! 画像出典 ・キタユメ 日丸屋秀和 ・ヘタリアWorld Stars 1巻 集英社 日丸屋秀和 ・ヘタリア Asxis Power Hetalia 4巻 幻冬舎 日丸屋秀和 ・ヘタリア キャラクターCD II Vol.5 フランス ジャケットイラスト フロンティアワークス 日丸屋秀和
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