高品質・良食味米収穫に向けての穂肥のポイント

平成 27 年 7 月 17 日発行
おいしい
情報
づくり
米
No.9
●南魚沼市 ●NOSAI魚沼 ●JA魚沼みなみ
現在の生育情報
【コシヒカリ】 (7月9日現在)
調査内容
草 丈(㎝)
今年
53.7
前年
62.5
指標値
65.0
前年比 指標値比
86%
83%
茎数(本/坪)
1,643
1,651
1,470
100%
112%
葉 数(葉)
10.6
10.8
10.4
99%
102%
葉色(SPAD値) 38.1
35.3
36.0
108%
106%
現在のコシヒカリ生育
は指標値に比べ、草丈は
「短い」
、茎数は「多い」
、
葉色は「濃い」
、葉齢は
「並」状態です。
【五百万石】 (7月8日現在)
調査内容
草 丈(㎝)
今年
53.5
前年
61.4
指標値
55.0
前年比 指標値比
87%
97%
茎数(本/坪)
1,509
1,580
1,270
96%
119%
葉 数(葉)
9.7
12.0
10.3
81%
95%
葉色(SPAD値) 41.9
37.8
41.5
111%
101%
現在の五百万石生育
は 指 標 値 に 比 べ、 草 丈
は「並」
、茎数は「多い」
、
葉色は「並」
、
葉齢は「並」
状態です。
高品質・良食味米収穫に向けての穂肥のポイント
① 施用時期の判断
● 出穂期予想を参考に大まかな時期をつかむ!
【コシヒカリの出穂期予想(7月5日現在)
】
田植え日
出穂期予想
5 月 15 日
5 月 20 日
5 月 25 日
5 月 30 日
8月 3日
8月 7日
8 月 11 日
8 月 16 日
穂肥施用時期の目安
1回目
2回目
7 月 19 日 ~ 7 月 22 日
7 月 27 日
7 月 23 日 ~ 7 月 26 日
7 月 31 日
7 月 27 日 ~ 7 月 30 日
8月 4日
8月 1日~ 8月 4日
8月 9日
出穂期は気象等の
影響を受け前後す
る場合があります。
幼穂長を確認して
施用しましょう。
※出穂期は圃場の 50%が出穂した時期です。
※出穂期は今後の気象条件等により前後する場合があります。
● 幼穂を確認し、圃場ごとの施用時期をつかむ!
【幼穂長からみる出穂前日数】
幼穂長
0.02㎝
0.1㎝
出穂前日数
30 日前
24 日前
0.2 ~ 0.4㎝ 0.5 ~ 1.0㎝ 4.0 ~ 6.0㎝
20 日前
18 日前
12 日前
8.0㎝
10 日前
幼穂は「穂の赤ちゃん」
。茎の中で成長し、やがて「出穂」となります。
幼穂長を確認することで、出穂前日数を判断することができます。
【幼穂の確認方法】
① 圃場内の平均的な生育の株から、
最も長い茎を根っこから採取する。
(3 ~ 5か所から採取)
② カッターで茎を割るか、手でむいて幼穂を確認する。
(1)カッターなどで割る
(2)手で葉さやをむく
(茎を縦に割り薄く削いでいく)
ここから
測定 ➡
ここから
測定 ② 稲姿による 1 回目穂肥施用の判断
【幼穂1㎝(出穂18日前)時の理想の稲姿】
草丈
75㎝以内
茎数
400本/㎡
(60株植え=22本/株・50株植え=26本/株)
葉色
SPAD値=33.0 ~ 34.0・葉色板(群落)=3.0 ~ 3.5
生育量(草丈㎝×葉色 SPAD 値の合計値)で 1 回目穂肥施用の有無を判断しましょう!
【1 回目穂肥施用の目安】
幼穂形成期の生育量 幼穂伸長期間の気象予報別の穂肥対応
(草丈㎝×SPAD値) 低温・少照・多雨
平年並
高温・多照・少雨
2500未満
○△
◎
◎
2500以上2800未満
×
△×
○
2800以上
×
×
△×
◎:出穂15日前に基準量を施用
○:出穂12日前に基準量を施用
△:天気予報や葉色の推移等を
考慮し判断
×:施用しない
【SPAD 値と葉色カラ―スケールの読替表】
SPAD 値
28
30
32
34
36
38
40
42
葉色カラ―スケール(葉色板)
単葉
群落
出穂24 出穂14 ~ 21日前 ~ 12日前
3.2
3.6
3.9
4.2
4.6
4.9
5.2
5.6
3.6
3.9
4.2
4.5
4.8
5.1
5.4
5.7
出穂期
3.4
3.8
4.3
4.7
5.1
5.6
出穂24 出穂14 ~ 21日前 ~ 12日前
2.2
2.6
2.9
3.3
3.6
4.0
4.3
4.7
2.4
2.8
3.2
3.6
4.0
4.3
4.7
5.1
出穂期
2.5
2.9
3.3
3.8
4.2
4.6
SPAD計を持って
圃場にお伺いし
ます!多くのお問
い合わせお待ち
してます。
③ 1回目は生育に合わせた施用、2 回目は確実に施用‼
品質確保には、倒伏させないこと、登熟後期まで栄養を維持することが必須です。その
ために 2 回の分施で品質向上に努めましょう!
成分(%)
肥料名
1回目(出穂前15 ~ 12日) 2回目(出穂前7 ~ 5日)
N
P
K
幼穂長
施肥量
幼穂長
施肥量
有機 30 魚沼ロマン
穂肥専用
12
4
10
約2㎝~ 6㎝
9 ~ 13㎏
約18㎝~ 20㎝
9 ~ 13㎏
魚沼ロマン 有機穂肥
10
4
12
約2㎝
10 ~ 15㎏
約18㎝
10 ~ 15㎏
アグリフラッシュ
14
14
14
約6㎝
7 〜 10㎏
約20㎝
7 〜 10㎏
時期
1回目の穂肥(出穂15 ~ 12日前)
2回目の穂肥(出穂7 ~ 5日前)
効果
①有効茎歩合の向上 ②籾数の確保
①登熟の向上 ②千粒重の増大
特徴
・生育状況に合わせて施用時期・量を決め ・2回目の施用時期に穂肥を行っても、下
ましょう。
(場合によっては施用を見送る) 位節間は伸長しません。また、稈の強度
・施用の時期が早いと下位節間の伸長を促
を高め、倒伏軽減につながります。
し、倒伏を助長する恐れがあります。
※湛水状態で散布してください。
※ 1 回の施用で窒素成分 1 ~ 1.5㎏が目安です。
※元肥一発を施用された方でも葉色が淡い場合は、施用を検討してください。
※高温が予想される場合は 3 回目の穂肥(出穂期頃:硫安 5㎏)を検討しましょう。
◎ 病害虫防除…幼穂を確認し適期散布を!
■ 斑点米カメムシ類
今年はカメムシの発生が多くなっています。畦畔の草刈りと合わせて薬剤散布を行い、
米の格落ちを防ぎましょう。
薬剤名
キラップ
スタークル
散布量
散布適期
(10a当り)
粒剤
3㎏
出穂期~出穂期7日後
5割減使用可
粉剤
3㎏
出穂期3日~ 10日後
5割減使用可
粒剤
3㎏
出穂期~出穂期7日後
粉剤
3㎏
出穂期3日~ 10日後
備考
カメムシに吸汁さ
れると斑点米にな
ります。斑点米の
混入は格落ちにつ
ながるため必ず薬
剤防除を行ってく
ださい。
※両剤とも液剤があります。
※粒剤は浅水状態(3㎝程度)で散布しましょう。
※薬剤防除は、畦畔沿いだけでなく圃場全体に散布してください。
※本田内のヒエ・ホタルイ等もカメムシ繁殖の原因となるので、取り除いてください。
■ 稲こうじ病
穂ばらみ期~出穂期にかけて低温・多雨が続くと多発生しやすくなります。
また、前年多発生圃場では薬剤による予防防除に努めましょう。
薬剤名
10a 当り散布量
散布時期
撒粉ボルドー
ラテラ粉剤 DL
3 ~ 4㎏
出穂期 20 ~ 10 日前
3 ~ 4㎏
出穂期 12 ~ 8 日前
※葉が濡れている状態や高温時の散布は、薬害が出る場合があるため避けましょう。
※稲こうじ病が発生してから農薬を散布しても効果はありません。
■ 紋枯病
梅雨の温度が高く、また高温が続く気象条件・過繁茂の圃場・前年度多発生した圃場等
では発生しやすくなります。
薬剤名
10a 当り散布量
バリダシン粉剤 DL
バリダシン液剤 5
3 ~ 4㎏
1000 倍液を 150ℓ
散布時期
出穂期 10 日前頃~出穂期直前
JA からのお願い
∼栽培記録カードの提出について∼
栽培記録カード 1 回目がまだ未提出の方に
つきましては、JA 米穀課もしくは JA 各事
業所まで提出いただきますようお願いいた
します。
※苗を購入されている方、作業を委託され
ている方につきましても、該当欄のみ記入
し提出ください。
∼ JA 水稲苗箱の返却について∼
(自己取りの方)
JA 水稲苗をご購入いただき、大変ありが
とうございました。まだ苗箱を返却されて
いない方につきましては至急返却をお願い
します。
※返却の際は、苗箱を洗い10枚ごとに縛っ
て指定の場所までお持ちください。
用水は大切に使用してください
水は限りある資源です。用水は大切に使い、かけ流しは絶対に行わないで
ください。
※刈り草等は用水や河川に流さないようにしましょう。
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