ごあいさつ 鹿児島市で設立総会 - 人工内耳友の会[ACITA]大分支部

創刊号 人工内耳友の会[ACITA]鹿児島支部 会報誌 平成27年9月30日発行
人工内耳友の会[ACITA]鹿児島支部
支部長:徳永 優
みらい
〒891-0105
鹿児島県鹿児島市中山町2278-3
May you be content with yourself just the way you are.
TEL&FAX:099-266-5212
ごあいさつ
平成27年5月16日に人工内耳装用者でつくる全国組織である人工内耳友の会[ACITA]の鹿児島支部
が発足しました。鹿児島支部会員15名の小さなスタートです。そのうちC会員(18歳未満の装用者)は10
名という若いメンバーのスタートとなりました。
「人工内耳に関することを良くしよう」という共通の思いのもと、会員相互の交流・親睦を図り、福祉助
成制度の拡大や人工内耳に関する理解を広め、人工内耳装用者が安心して暮らせる鹿児島県にして
いけるよう会員の皆様と力を合わせて活動していきたいと思います。
鹿児島市で設立総会
5月16日(土)鹿児島市谷山北公民館にて鹿児島支部設立総会が開催されました。当日は正会員10
名、家族関係者等合わせて29名の方々に参加いただきました。全国で23番目の支部として、九州では
福岡・熊本・大分に続いての発足です。
本部の松田会長より本年度の重点課題である「組織の法人化、9月9日の人工内耳の日における啓蒙
活動、人工内耳機器の買い替えに関する健康保険適用及び助成に関する要望活動」について祝辞を
いただきました。
続いて伯川副会長より「これまでの九州ブロックではC会員(18歳未満の装用者)が少なかったため、
親子の部の活動がほとんど出来ていなかった。昨年の大分支部と今回の鹿児島支部の設立により、大
きく変わりつつある。今後の活動に期待している」とお話いただきました。
九州ブロック ブロック長代理として熊本支部長の林田様にもご参加いただきました。林田支部長は鹿
児島支部設立以前より鹿児島県での人工内耳体外機用の亜鉛電池やスピーチプロセッサーの買い替
え助成について活動していただいておりました。そして今回の鹿児島支部設立の原動力となっていただ
いた方です。
多くの来賓の方々にもご参加いただきました。誌面にて御礼申し上げます。お忙しい中ご参加いただき
まして、誠にありがとうございました。
総会終了後は場所を変えて懇親会を行い、総会には参加できなかった会員関係者も加わり、活気あ
ふれる鹿児島支部設立の日となりました。(文責:徳永優)
来賓紹介
① 鹿児島県保健福祉部障害福祉課
課長 橋口秀仁様
②鹿児島市健康福祉局福祉部障害
福祉課課長 牧野謙二様
③鹿児島市議会議員 白賀郁代様
④鹿児島県立鹿児島聾学校校長
釘田雅司様(代理 土井靖之様)
⑤鹿児島市立病院耳鼻咽喉科医師
鹿島直子様
祝電
人工内耳友の会[ACITA]大分支部
様
創刊号 人工内耳友の会[ACITA]鹿児島支部 会報誌 平成27年9月30日発行
鹿児島支部初代支部長に任命されました、C会員徳永綾花の父です。娘は先天性の
感音性難聴で、2歳になる前に先天性難聴であることが分かりました。気づくのが遅かっ
支部長挨拶
たかもしれません。でも娘は元気いっぱい生きています。クヨクヨしても何も変わりませ
ん。前を向くしかないのです。その後、補聴器を装用して聾学校へ通いました。小児手話と口話でなんとか娘とコ
ミュニケーションを取りながら発語と言葉の訓練をしました。しかし、補聴器を装用しても音への反応はほとんどあ
りませんでした。
市立病院では早い段階から人工内耳手術を勧められました。しかし、簡単に決断できるようなことではありませ
ん。相談したくても病院や聾学校ではなく、実際に人工内耳装用者へ相談したかったのですが、そんな知り合い
はいませんでした。当時はまだ鹿児島での人工内耳装用者が少なかったのかもしれません。反対意見も多く聞こ
えてきました。倫理的なことや、個性のこと、ろう文化のこと。親としても初めての経験なので判断しようがありま
せんでした。また、聾学校での指導や補聴器での効果を期待して手術へ踏み切れませんでした。
そうこうしているうちに4歳の誕生日まであと5ヶ月となってきました。市立病院からは「言語獲得のためには3歳
のうちに音入れをしないと難しくなる」と言われ、娘の将来を考え手術を決断しました。手術は娘が3歳8ヶ月のと
きでした。
術後の経過は良好で音入れも比較的順調に進み、今では手話を使うことなく娘とコミュニケーションがとれるよ
うになりました。補聴器のころと比べると驚くほどに音への反応や言語獲得、発語ができるようになりました。それ
でも不安や葛藤がまだまだたくさんあります。費用負担も重くのしかかります。
鹿児島支部が設立されました。相談できる仲間がいます。共に活動できる仲間がいます。娘は人工内耳を装用
することで完全ではないですが音を獲得しました。大変感謝しています。今後、同じような境遇で人工内耳手術を
悩む方もいるでしょう。そんな方の相談に乗ってあげられたらいいなと思います。絶対的なことは言えませんが、
私たち家族が経験したことをお話することはできます。装用者の家族それぞれに実体験があると思います。仲間
が増えれば増えるだけその実体験が蓄積されます。
数は力です。福祉助成制度の獲得にもつながると信じています。その獲得ができれば今後、同じ境遇の方が費
用負担の心配がなくなるでしょう。人工内耳の正しい理解も社会に広められるでしょう。支部設立がゴールではな
く、ここからが始まりです。
5月17日付の南日本新聞に設立総会
の記事が掲載されました。
ご寄付をいただきました。
お祝い金
・鹿児島市立病院 耳鼻咽喉科医師 鹿島直子 様
・人工内耳友の会[ACITA] 様
ありがとうございました。大切に使わせていただきます。
創刊号 人工内耳友の会[ACITA]鹿児島支部 会報誌 平成27年9月30日発行
6月13日(土)に愛媛県松山市にて人工内耳友の会
[ACITA]2015年度愛媛大会定期総会が開催されました。入
会して4年経ちますが、今年は鹿児島支部が設立されたとい
うことで支部設立承認と会旗の授与もありましたので、初めて
の全国大会に参加をさせていただきました。
車で熊本経由で林田支部長を乗せ、大分県別府で大分支
部の沢田支部長と合流し、三人で別府発のフェリーで一路愛
媛県へ。アクセスの悪さに四苦八苦しながら愛媛大会への珍
道中が始まりました。
宿泊先は夏目漱石の「坊ちゃん」で有名な道後温泉。
少しの観光と道後温泉を楽しみながら、目的の全国大会へ初参
加。
人工内耳といえば医療に関わることですが、国の医療制度を管
轄しているのが厚生労働省。その厚生労働省の現在の大臣であ
る塩崎恭久大臣は愛媛県選出ということで、お膝元で[ACITA]の
全国大会があるということで、塩崎大臣もご臨席されました。厚生
労働大臣へ直接、要望書を手渡すことができたことはとても意義
のある会になったのではないでしょうか。
基調講演では愛媛大学耳鼻咽喉科の羽藤直人教授、愛媛大学
名誉教授の高橋信雄先生、広島大学保健福祉学部の佐藤紀代
子先生の三名から講演がありました。
人工内耳の歴史から現在の人工内耳の状況、そしてこれからの
人工内耳の可能性についてお話がありました。
支部長になっていなければ参加していなかったであろう全国大
会でしたが、参加しなければ学べなかったことが多く学べたので
はないかと思っています。多くの情報を収集し鹿児島
の支部活動に活かすことが大事になってくると思いま
す。医療の地域格差を感じることがありますが、情報
も地域格差があるようです。自ら学び活かしていきま
しょう。
今回、参加して一番驚いたことは人工内耳装用者
の言葉の聞き取りがとても上手なことでした。先天性
と中途、失聴時期や失聴期間、手術やリハビリ、マッ
ピングなどいろいろな状況は三者三様なのですが、
装用者と会話していることを忘れてしまうほどの感覚
でした。
たくさんの方と出会い、たくさんの方のお世話になり、
たくさんの思い出をいただきました。参加して良かったと思い
ます。これも役得だと思います。
メーカー各社も展示ブースを設け、様々な商品を展示してい
ました。とても参考になりました。誰もが共通しているのはより
よい聴こえの追求なのだと思います。
聴こえることに感謝をしながら、帰りは愛媛から鹿児島への
(フェリー~車)珍道中で無事に帰りました。
皆様、ありがとうございました。
(支部長:徳永)
創刊号 人工内耳友の会[ACITA]鹿児島支部 会報誌 平成27年9月30日発行
6月28日(日)鹿児島心身障害者総合福祉センターにて鹿児島県中途失聴者・難聴者協会との初めて
の交流会を開催されました。
難聴者協会会員10名、一般7名をお迎えし、[ACITA]会員とその家族合わせて22名、全体で39名の参
加となりました。
徳永支部長の司会のもとに交流会は始まり、まず最初に難聴者協会の奥吉会長よりご挨拶をいただ
いたあと、初めての交流会ということもあり、一人ずつ自己紹介をしていただきました。
それぞれの失聴体験から現在の様子などの話をしてくださり、参加者は熱心な様子で聞き入り、活発
な質疑応答、意見交換が行われました。
人工内耳を検討されている方や、人工内耳装
用者にとって正しい情報が入りにくく、誤解や不
安を抱えている方が多少なりともいらっしゃるの
が現状であり、今後このような交流会や、勉強会
を通じての情報交換や人的ネットワークを広げて
いく必要性を再確認するとともに、このすばらしい
人の絆がこれからより発展していくよう、心から
願った一日でした。
今後の活動予定として、難聴者協会と[ACITA]
の共催で人工内耳相談会を開催予定です。詳細
が決まりましたら、会員の皆様にご連絡致しま
す。(文責:成松麻美)
8月10日(月)鹿児島サンロイヤルホテルにて公明党鹿児島県本部政策要望懇談会が開催されまし
た。様々な業界団体がそれぞれ持ち時間を30分程度いただき、公明党鹿児島県本部との政策要望に
ついて意見交換する場となっています。
[ACITA]鹿児島支部においては、支部設立以前より鹿児島市議会議員の白賀郁代議員と様々な交
流を通じて懇意にさせていただいており、そのご縁により国会議員の濵地雅一議員ともこれまで人工内
耳体外機の買い替えについての意見交換をしてきました。今回もそのご縁により政策要望懇談会に参
加いたしました。
要望内容としましては、人工内耳体外機の買い替えに関する健康保険適用もしくは補装具としての買
い替え助成。また、修理及び故障による人工内耳体外機に関する健康保険適用の徹底。人工内耳に
精通している言語聴覚士の育成・配備について意見交換しました。
今後も継続的に行政に働きかけ声を挙げていく
ことで、人工内耳に関する理解が広がり、社会的
地位の向上につながるのではないかと考えてい
ます。一生付き合っていくことになるであろうこの
人工内耳は正に私たちの体の一部である耳なの
です。情報保障が約束されていない状況におい
て、自らよりよい聴こえを求めることは当然の欲
求であり権利であると考えます。
人工内耳装用者が安心して暮らせる社会環境
の実現を目指して活動していきたいと思います。
(文責:徳永優)