23 設計・監理業務に係る指名型プロポーザル 審査

平成 27 年 7 月 21 日
広島県薬剤師会館
設計・監理業務に係る指名型プロポーザル
審査報告書
広島県薬剤師会館 設計・監理業務に係る
指名型プロポーザル審査委員会
1. 広島県薬剤師会館 設計・監理業務に係る指名型プロポーザルの実施:
現在の広島県薬剤師会館は、旧耐震基準により耐震性能が不足するために、新築による会館建設整備を予定
していた。行政からの勧めで、東区の二葉の里地区へ医療・福祉ゾーンを設置したいので、国有地を購入され
てはとの提案に基づき、平成 25 年 6 月に、広島駅北口の同地区内:第 3 街区の北東側の土地を取得した。
そこで、広島県薬剤師会を事業者(発注者)とし、広島県薬剤師会館整備方針(案)を踏まえ、優れた設計
企業の選定に当たることとした。具体的には、創造力、技術力、組織体制、豊かな経験等を有する優秀な民間
の企業・技術者の参加を求めて、設計により、高品質確保、効率的建設等を図るために、公平性、透明性を持
った形式である「設計・監理業務に係る指名型プロポーザル」を実施することにした。
2. 第 1 次の選考に臨んだ設計企業の参画状況:
広島県薬剤師会館の「設計・監理業務に係る指名型プロポーザル」実施に際して、会員から推薦のあった設
計企業8者に対して、プロポーザル関連資料を、平成 27 年 6 月 1 日(月)に、手交・配布した。その結果、
後日、2 者が辞退し、結局、6 者が第 1 次の選考に臨んだ。
3.第 1 次審査について:≪参考:平成 27 年 6 月 15 日(月)(参加表明書等の提出)≫
参加表明書等の提出者は、A 者から F 者の 6 者であった。
(提出順に、A 者、B 者、等とした。
)慎重審査の結
果、C 者・D 者・E 者の3者は、第 1 次の評価項目に対して、何れも高く評価され、結果として、3者何れも、
第2次審査への提案者として選定した。A 者・B 者・F 者の3者は、評価結果から、非選定とした。
4.第2次審査について:≪参考:平成 27 年 7 月 15 日(水)(技術提案書等の提出)≫
第 2 次審査への辞退者は無く、技術提案書等の提出者は、C 者・D 者・E 者の3者であった。提出者である3
者は、第2次の評価項目に対して、何れも高く評価されたが、慎重審査の結果、次項の通り、総合的に高い評
価が得られた D 者を最優秀者、次点の C 者を優秀者として特定した。E 者は、評価結果から、非特定とした。
5.第2次審査の審査概評:
審査の対象は、提出された技術提案書等の記載内容を主とし、ヒアリングにおける説明と質疑応答の内容と
を含めた全体とした。また、内容的には、≪建築に係る要素≫を主としつつも、≪まちづくりに係る要素≫の
検討を加えた2側面を重視した。後者の≪まちづくりに係る要素≫は、敷地の立地上、広島駅新幹線口周辺の
地区計画への対応が求められている点から設定した。以上については、何れも、この度の「広島県薬剤師会館
整備方針(案)」及び「広島県薬剤師会館 設計・監理業務に係る指名型プロポーザル説明書」に記載の枠組
みである。本枠組みにより審査を行ったが、具体的な審査の内容に係る概況を、審査評価の項目・基準から、
技術提案を大きく6つの側面に分けて示すと、次の通りである。
・第1に、
「設計計画力に係る評価」については、C 者と D 者の評価の差は殆どみられなかったが、D 者の方が、
優れているとする意見がやや多くみられた。E 者の評価は、前 2 者に比較して、少々低いものであった。
・第2に、
「環境・安全・防災等への計画力に係る評価」については、D 者と E 者の評価の差は殆どみられなか
ったが、E 者の方が、優れているとする意見がやや多くみられた。C 者の評価は、前 2 者に比較して、少々
低いものであった。
・第3に、
「コスト計画力に係る評価」については、C 者と E 者の評価の差は殆どみられなかったが、C 者の方
が、優れているとする意見がやや多くみられた。D 者の評価は、前 2 者に比較して、低いものであった。
・第4に、「工程計画力に係る評価」については、D 者が、優れているとする評価がみられた。それに次いで、
C 者と E 者の評価がみられたが、両者の差は殆どみられなかった。
・第5に、第 1 次に求めた内容確認の為に改めて求めた「技術者力に係る評価」については、3者の差は殆ど
みられなかった。
・第6に、「技術提案書等の全体評価、及び、ヒアリング時に感じられた企業の信頼性ほかに係る総合評価」
については、C 者と D 者の評価は、互いに拮抗する高い評価であった。一方、E 者の評価は、前 2 者に比較
して、少々低いものであった。
・以上から、全体的にみて、C 者と D 者の評価は共に高いものであった。そこで、2者の評価について、≪建
築に係る要素≫を主としつつも、≪まちづくりに係る要素≫の検討を加えた2側面から、再度、精査した。
その結果、僅差ながら、D 者は総合的に高い評価が得られ、C 者はそれに次ぐ評価が得られた。故に、D 者を
最優秀者、C 者を優秀者として特定した。E 者は、評価結果から、非特定とするに至った。
6.最優秀者として特定した D 者の提案内容の特徴:
これについては、以下のようにまとめることができる。
・プロポーザルの精神・意味について、明確に記載しており、このことをよく認識していた。
・延床面積は約 2,000 ㎡で、鉄骨造4階建(地階:無)の建物を、敷地南側に配置・提案していた。
・敷地計画は、よく整理・提案しており、一定の高い質を持っていた。特に、敷地内の北側のグリーンスペー
スの提案は、
「二葉の里 歴史の散歩道」との連続性を意識したもので、特徴といえる。
・平面計画も、よく整理・提案しており、各部門の計画も明確に提案していた。なお、平面において、各階の
廊下等は変化・表情があり、また、吹抜け部分の計画にも変化・魅力があり、その廻りのスペースは、空間
利用上、よく検討されていた。
・大ホールは、4階に設置していた。その前のホワイエは、広さも変化もあり、機能上もよく計画されていた。
・敷地の南側の広島県医師会との敷地境界部では、両敷地に共通の「外構空間の統一」が提案されていた。
・工程計画については、≪建築≫と≪まちづくり≫の両面にわたり、具体的な日程提示がなされ、よく検討さ
れていた。
・特に、まちづくりに係る日程提案は堅実であると共に、
「二葉の里地区まちづくりガイドライン」等との対
応内容を、明確に提示していた。更に、二葉の里地区まちづくりに係る「エリアマネジメント協議」につい
ては、本件に係る行政との対応経験のある設計企業担当者が、本会館の設計業務に当ることが示されていた。
・コストについては、
「オプション提案」を主としたコスト提示がなされていたが、
「オプション提案」を縮小
した「代替案」の方を、寧ろ主にした提案を基本に、提示した予算規模に合った工事費の再提案を求めるも
のとした。
・今後、以上の特徴をよく確認・認識し、全体的に、≪建築≫と≪まちづくり≫の両面の計画上の質の高さを
保持しつつ、コスト(工事費)等の課題について、実質的な協議が必要である。
7.特定された最優秀者及び優秀者の企業名:
・最優秀者:(D 者)
・優秀者 :(C 者)
株式会社
株式会社
あい設計
感性舎
8.今後の対応事項:「薬剤師会館・審査報告書(審査結果)の通知・公表」:
・審査結果については、機関決定後に、最優秀者(D 者)及び優秀者(C 者)に対して「特定通知書」
、E 者
に対して「非特定通知書」をもって通知する。更に、本会ホームページに、「設計・監理業務に係る指
名型プロポーザルの実施」、その「審査結果の報告」、「最優秀者及び優秀者の企業名」、及び、「最優秀
者の外観イメージ図(1枚)」を公開する。
・今後、最優秀者(D 者)と、契約前に、平面計画及びそのコスト(工事費)等の課題について、具体的に協
議し、契約について検討・決定の上で、契約締結の運びとすることを期待したい。
【参考】審査委員会:審査委員
(公社)広島県薬剤師会
同 上
同 上
同 上
広島工業大学
(順不同、敬称略)
副 会 長 木平 健治
同
上 大塚 幸三
同
上 野村 祐仁
同
上 村上 信行
名誉教授 森保 洋之
【参考】審査委員会:開催実績
第 1 回:平成 27 年 6 月 14 日(日)(事前審議) ≪参考:6 月 15 日(月)(参加表明書等の提出:6 者)≫
第 2 回:平成 27 年 6 月 16 日(火)(審議:設計企業の選定 3 者、非選定 3 者)
第 3 回:平成 27 年 7 月 15 日(水)(事前審議) ≪参考:7 月 15 日(水)(技術提案書等の提出:3 者)≫
第 4 回:平成 27 年 7 月 18 日(土)(直前審議) ≪参考:7 月 18 日(土)(ヒアリング:3 者)≫
第 5 回:平成 27 年 7 月 18 日(土)(審議:設計企業の特定(最優秀者1者・優秀者1者)・非特定 1 者、
及び、審査報告書に係る審議)
第 6 回:平成 27 年 7 月 21 日(火)(メール審議:審査報告書に係る確認・確定(決定)に関する審議)
≪参考:7 月 21 日(火)機関決定≫
以上
平成 27 年 7 月 17 日
各建築施工企業殿
(ご担当者殿)
公益社団法人
広島県薬剤師会
会長 前田泰則
広島県薬剤師会館 施工技術提案方式(準 ECI 方式)による
「設計技術支援者選定に係る指名型プロポーザル(仮称)
」の実施について(お願い)
時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、私ども、広島県薬剤師会は、新しい会館の建設敷地を、広島駅北口の第 3 街区の北東側に求め、新会館の
建設を致すべく、鋭意、進めているところであります。
この程、施工技術提案方式(準 ECI 方式)による「設計技術支援者選定に係る指名型プロポーザル」(仮称)を
実施することになりました。
つきましては、下記により、私共の会館にて、その実施に係わる説明会を開催しますので、ご案内申し上げます。
記
状況及び準 ECI 方式:【参考】ECI 方式(Early Contract Involvement)
平成 27 年 7 月 21 日に、薬剤師会館の「設計・監理業務プロポーザル」に係る「最優秀設計企業」が、
薬剤師会として、特定される予定である。
本会と、その「最優秀設計企業」の設計・監理技術者とも協働し、施工者の立場から、適切な技術提案、
技術支援等を頂き、実効があり、将来、確実な工事施工に結び付けて行くことを目的に、所謂「ECI 方
式」に準じた、「準 ECI 方式」による設計技術支援者(「施工予定者」という。)選定に係る指名型プロ
ポーザル(仮称)を実施する。なお、「施工予定者」は、工事請負契約を締結する予定者を意味する。
具体的には、
「最優秀設計企業」が提案した「基本設計(原案)」を基礎に、基本設計・実施設計等の設
計技術に対して、施工技術側から、各種の提案・支援等を行う、設計技術支援者(施工企業)の選定を
行うものである。(この点に、「準 ECI 方式」とする事由の一つがある。)更に具体には、実施設計等の
設計段階から施工者を特定して、アドバイザー契約を結び、そのアドバイスにより、実効ある設計の質
の確保、実効ある施工計画の確保、実質的な工事費の算定、実質的な施工期間の短縮、等々に結び付け
るものである。施工企業との工事契約は、実施設計がまとまった後、工事費の積算・その確認、その上
での工事費の合意、等の後に、工事契約の運びとなる。
以上のことから、工事の発注に際して、円滑な進行を期待するものである。
応募資格:広島県・広島市の施工企業:Aランクの施工企業(但し、広島県内に本店・支店等を有する約 10 数社)
。
業績・実績(庁舎・会館・事務所等の類似施設の建設実績、更に、検査機能を持つ施設の建設実績等):
規模、件数(特に広島県内の建設実績)等を一定程度、有する企業。
新たなシステムへの対応意欲を有する企業。(例)ECI 方式、定借、ほか。その実績・意欲。
指名停止等を受けていない企業。
将来、施工を担当する場合、一定の能力(資格)・経験(実績)等を有する技術者を配置可能な企業。
単独企業にての応募を基本とする。
説明会:(日時)平成 27 年 7 月 22 日(水)19:00
(場所)広島県薬剤師会館・4階ホール(所在地:広島市中区富士見町 11 番 42 号。電話:082-246-4317)
(参加者)各企業:2 名以下。参加の場合、当日:22 日 13:00 までに、本会事務局(事務局長 石原
<[email protected]>)まで、メールにて、会社名・参加者氏名を連絡されたい。
(内容(案)
)選考基準・条件等の提示・説明
*前提:設計・監理業務は、この度のプロポにて特定された最優秀設計企業が当たる。
*その設計企業の現段階での提案内容を、
「計画概要」
「基本設計(原案)」として位置づけ、
これに対する基本設計・実施設計等に係る施工側としての技術提案・支援、及び、今後、
施工を想定した場合の工事予算、等を求めたい。
*延床面積:約 2,000 ㎡
*工事費(予算):5 億円程度以内(税込み)
*「募集要項」、「審査要領・選考基準」
*「参加表明書、提案書、見積書、各種提出書類の作成要領、それらの各種様式」
*質問への対応。
*選定委員会:委員構成。
*選考結果の公表:最優秀施工企業(第 1 位)
、優秀施工企業(第 2 位)のみ公表
(提出締切)8 月中旬
(ヒアリングの案内) 8 月中・下旬
(ヒアリングの実施) 8 月中・下旬
(参考:企業選定・決定)8 月中・下旬
(選定結果の連絡・公表)8 月中・下旬
【備考】説明会当日に、具体日程を示します。
提出内容(案):設計全般に対する技術指導・提案内容。(含、設計支援対応の仕方・内容、等々)。
総合施工計画の検討・提案内容。
工事工程の計画・検討・提案(工程表の作成・提案)。
コスト管理計画の支援・検討・提案(施工工事費の算出・見積・提案)。
工事関連事項:技術者の配置(案)。施工中の周辺への配慮(案)。施工後のメンテナンス対応(案)。
企業の実績:歴史、施工実績、経営状況(当年度受注高ほか)。
本件の問合せ先:薬剤師会 事務局長 石原(上記:電話、メール参照のこと。なお、Fax:082-249-4589)
以上