6 オプション付属品の構造 トルクアーム /T H2O 6 オプション付属品の構造 6.1 トルクアーム /T 軸上取付型のギヤ減速機の場合、反抗トルクを支持するために、オプションでトルク アームが用意されています(寸法は 433 ページを参照)。トルクアームは、圧縮荷重と 同様に引張荷重も受けられます。 トルクアームの長さは一定の範囲内で調節できます。 トルクアームは、ボルト付きヨーク [1]、スタッドボルト [2]、メンテナンス不要のジョ イントヘッド [3]、ボルト付きヨークプレート [4] からなります。ジョイントヘッドを 使った設計では、取付許容差、および、運転中に生ずる変位を吸収できます。こうし て、出力軸へ無理な応力が作用しないようにしてください。 0° ±1° 1° [1] 90 ° +5 -5 ° ° [2] [3] [4] 60983AXX [1] [2] ボルト付きヨーク ナット付きスタッドボルト [3] [4] ジョイントヘッド ボルト付きヨークプレート 注記 取り付けの際には、トルクアームに無理な力がかからないように注意が必要です。ト ルクアームの変形は出力軸へ応力がかかる原因になり、このため出力軸ベアリング の寿命が短くなる可能性があります。 相手軸への曲げモーメントを可能な限り低く抑えるために、トルクアームは常に駆動 される相手側に取り付けます。 トルクアームはギヤ減速機の上または下に取り付けられます。 注記 ファン X.K..Advanced 型はトルクアームと一緒に使用できません。なぜなら、ファ ンカバーがトルクアームの取付点に固定されているからです。 ヘリカル / ベベルヘリカルギヤ減速機 X.. シリーズ – カタログ 125 6 6 6.2 オプション付属品の構造 フランジ /F フランジ /F ギヤサイズ 210 までのギヤ減速機には、脚取付の代わりに、フランジ取付が提供され ています。 標準の B14 型のフランジは相手機械との連結のために、インローと固定用タップが加 工されています。 62522AXX 注記 • フランジは、全てのタイプの出力軸と組み合せられますが、標準シーリングシス テムと一緒には使用できません。 中空軸ギヤ減速機の場合は、 「中空軸ギヤ減速機の場合のギヤ減速機固定」 (→ 22 ページ)の章の制約を参照してください。 • フランジ仕様のギヤ減速機の場合は、130 ページのモータアダプタに取り付けた モータの最大許容重量を遵守してください。 脚取付とフランジ取付の組み合せは許容されていません。 • 126 フランジの寸法は 130 ページに記載されています。 ヘリカル / ベベルヘリカルギヤ減速機 X.. シリーズ – カタログ 6 オプション付属品の構造 締り嵌めフランジカップリング /FC 6.3 締り嵌めフランジカップリング /FC フランジカップリング [1]は、2 本の軸 [2]を連結するためのリジットカップリングです。 これは両方向に回転する運転に適していますが、軸ずれを補正することはできません。 軸とカップリングの間のトルクは、締り嵌めで伝達されます。 両方のカップリングは、フランジで相互にネジ止めされます。締り嵌めを油圧で分解 するために、カップリングには複数の取外し用ボア [3] があります。 [2] [1] [2] 6 [3] 64015AXX 注記 フランジカップリングと相手軸の寸法に関する補足的な注意事項は、439 ページに記 載されています。 ヘリカル / ベベルヘリカルギヤ減速機 X.. シリーズ – カタログ 127 6 6.4 オプション付属品の構造 バックストップ /BS バックストップ /BS 注記 バックストップの正確な位置、回転方向、寸法は、440 ページに記載されています。 6.4.1 用途 バックストップの目的は、逆方向の回転を防止することです。運転中には設定された 方向にしか回転しません。 6.4.2 説明 バックストップは遠心力により浮き上がるカムで機能します。リフトオフ回転速度に 達すると、アウターリングの接触面からカムが完全に浮き上がります。バックストッ プの潤滑にはギヤオイルを使用します。 6.4.3 回転方向 [1] [1] CCW CW 60357AXX バックストップは、注文データに従って、SEW-EURODRIVE が取り付けます。また 必ず、出力軸の回転方向の表示がされています。お客様は、接続した電気モータが正 しい方向に回転するかどうかを、事前に確認する必要があります。電気モータの回転 方向が正しくないと、バックストップが損傷します。 回転方向は出力軸(LSS)に対して定義します。 • CW = 右回り • CCW = 左回り 許容される回転方向 [1] はハウジングに記載されています。 注記 出力軸両軸を持つギヤ減速機の場合、バックストップの回転方向は軸配列 3 に対し て定義します。 128 ヘリカル / ベベルヘリカルギヤ減速機 X.. シリーズ – カタログ 6 オプション付属品の構造 バックストップ /BS 6.4.4 設計 バックストップの設計は、以下の仕様に基づきます。 • ギヤ減速機入力軸の回転速度 :0 ∼ 1,800 min-1 • バックストップの出力軸最大許容トルク:ギヤ減速機トルクの最低 1.8 倍(例外は 除く) ギヤサイズ 定格ギヤ比 iN X2F140 6.3 / 7 X2F150 8/9 X2F260 8 X2F280 10 X2K220 8 / 10 X2K230 9 / 11.2 / 12.5 X3F180 20 X3F230 45 X3F260 20 X3F270 22.4 X3F280 25 / 28 X3F300 56 X4F120 100 X4F130 125 X4F290 100 X4F300 112 6 上記と異なる要望がある場合は、SEW-EURODRIVE までお問い合わせください。 リフトオフ回転速度以下の運転では、バックストップが摩耗する可能性があります。 保守間隔を確定するため、以下の場合は必ず SEW-EURODRIVE までお問い合わせく ださい : • 入力軸の回転速度が n1 < 950 min-1 の場合 • または、以下の形式のギヤ減速機の場合 n1 [min-1] ギヤサイズ X2K.. X3K../ X3T.. X4K../ X4T.. X2K100 ∼ 230 iN ≥ 10 X100 ∼ 130 X140 ∼ 170 X180 ∼ 320 全ての iN iN ≥ 31.5 iN ≥ 50 X120 ∼ 190 X200 ∼ 320 全ての iN iN ≥ 200 1150 ∼ 1400 - X100 ∼ 110 X120 ∼ 130 X140 ∼ 170 X180 ∼ 320 iN ≥ 25 iN ≥ 40 iN ≥ 50 iN ≥ 63 X120 ∼ 170 X180 ∼ 320 全ての iN iN ≥ 200 > 1400 - X100 ∼ 130 X140 ∼ 170 iN ≥ 35.5 iN ≥ 63 X120 ∼ 130 X140 ∼ 250 全ての iN iN ≥ 200 950 ∼ 1150 n1 =入力軸回転速度(HSS) iN = 定格ギヤ比 注記 例えばダブルドライブ用などの、入力トルク制限のあるバックストップに関する情 報は SEW-EURODRIVE までお問い合わせください。 ヘリカル / ベベルヘリカルギヤ減速機 X.. シリーズ – カタログ 129 6 6.5 オプション付属品の構造 モータアダプタ /MA モータアダプタ /MA モータアダプタ [1] はギヤサイズ 270 以下で入手可能です。 • IEC (B5)- モータ、サイズ 100 ∼ 355 • NEMA ("C"- フェース)- モータ、サイズ 182 ∼ 449 注記 • ギヤサイズ 260 ∼ 270 では、モータアダプタはユニバーサルハウジング /HU と の組み合せの場合のみ使用可能です。 • 下 方 向 に 懸 架 さ れ る モ ー タ を 持 つ 取 付 姿 勢 の ギ ヤ 減 速 機 の 場 合 は、SEWEURODRIVE までお問い合わせください。 • 供給範囲には、弾性カップリング(クローカップリング)が含まれます。 • 全てのモータアダプタは、2 段および 3 段のギヤ減速機用にファンを装備できま す。 • モータアダプタの寸法表は 448 ページにあります。 次の図は、モータアダプタの基本構造を示しています。 X.F.. [1] X.K.. [1] [1] X.T.. 65672AXX 130 ヘリカル / ベベルヘリカルギヤ減速機 X.. シリーズ – カタログ 6 オプション付属品の構造 モータアダプタ /MA 6.5.1 最大許容モータ重量 ギヤ減速機にモータを取り付ける際には、下記基準を確認しなければなりません。 1. ギヤ減速機の形式と固定方法に応じた最大モータ重量 2. モータアダプタのサイズに応じた最大モータ重量 注記 モータ重量は両方の基準のどちらも超えてはいけません。 1. ギヤ減速機の形式と固定方法に応じた最大モータ重量 注記 水平ギヤ減速機 • 次の表は、固定されたアプリケーションに対してのみ有効です。可動式のアプリ ケーション(トラベルドライブなど)の場合は、SEW-EURODRIVE までお問い 合わせください。 • 取付姿勢/取付面が異なる場合は、SEW-EURODRIVEまでお問い合わせください。 表の値は、取付姿勢 M. / 取付面 F. の以下の組み合せに対して有効です :M1 / F1 および M3 / F2 X.F.. X.K.. X.T.. 脚取付 X../ B GM ≤ 1.5 GG GM ≤ 1.75 GG GM ≤ 2.0 GG 軸上取付 X../ T GM ≤ 0.5 GG GM ≤ 1.5 GG GM ≤ 1.5 GG フランジ取付 X../ F GM ≤ 0.5 GG GM ≤ 0.5 GG GM ≤ 0.5 GG ギヤ減速機の固定方法 GM = モータの重量 GG = ギヤ減速機の重量 垂直ギヤ減速機 注記 • 軸上取付の場合は、SEW-EURODRIVE までお問い合わせください。 • 取付姿勢M. /取付面 F.のギヤ減速機:M5 / F4 およびM6 / F3は、SEW-EURODRIVE までお問い合わせください。 表の値は、取付姿勢 M. / 取付面 F. の以下の組み合せに対して有効です :M5 / F3 および M6 / F4 ギヤ減速機の固定方法 X.F.. X.K.. X.T.. 脚取付 X../ B GM ≤ 2.0 GG GM ≤ 1.5 GG GM ≤ 1.75 GG フランジ取付 X../ F GM ≤ 1.5 GG GM ≤ 0.75 GG GM ≤ 1.25 GG GM = モータの重量 GG = ギヤ減速機の重量 ヘリカル / ベベルヘリカルギヤ減速機 X.. シリーズ – カタログ 131 6 6 直立ギヤ減速機 オプション付属品の構造 モータアダプタ /MA 表の値は、取付姿勢 M. / 取付面 F. の以下の組み合せに対して有効です :M4 / F6 X.F.. X.K.. 脚取付 X../ B GM ≤ 1.25 GG GM ≤ 1.75 GG GM ≤ 1.5 GG 軸上取付 X../ T GM ≤ 0.75 GG GM ≤ 1.0 GG GM ≤ 0.75 GG フランジ取付 X../ F GM ≤ 1.0 GG GM ≤ 1.25 GG GM ≤ 1.0 GG ギヤ減速機の固定方法 X.T.. GM = モータの重量 GG = ギヤ減速機の重量 2. モータアダプタのサイズに応じた最大モータ重量 X [1] [2] GM 61569AXX [1] モータの重心 X = 重心からの距離 [2] モータアダプタ GM = 取り付けられたモータの重量 注記 表は、固定されたアプリケーションに対してのみ有効です。可動式アプリケーショ ン(トラベルドライブなど)の場合は、SEW-EURODRIVE までお問い合わせくださ い。 モータアダプタ GM X IEC NEMA [kg] [mm] 100/112 182/184 60 190 132 213/215 110 230 160/180 254/286 220 310 200 324 280 340 225 326 400 420 250/280 364 ∼ 405 820 480 315S-L 444 ∼ 449 1450 680 315 2000 740 355 2500 740 重心からの距離 X が大きい場合は、最大許容重量 GM は距離に比例し低減します。重 心からの距離 X が小さい場合でも、最大許容重量 GM を増やすことはできません。 132 ヘリカル / ベベルヘリカルギヤ減速機 X.. シリーズ – カタログ 6 オプション付属品の構造 V ベルトドライブ /VBD 6.6 V ベルトドライブ /VBD V ベルトドライブは、通常、全体の減速比の微調整が必要な場合、または取付スペー スの理由から特定のモータ配置が必要とされる場合に使用します。 標準供給範囲には、モータコンソール、ベルトプーリ、V ベルト、V ベルト保護カバー が含まれます。オプションとして、ドライブをモータ組付け済みユニットとして供給 することもできます。 次の図は、V ベルトドライブギヤ減速機の基本的構造を示します。 X.F.. X.K.. 6 69215AXX 注記 • 標準型の V ベルトドライブは、フランジやファンと干渉するため組み合せる事は できません。 • V ベルトドライブに関しては、SEW-EURODRIVE までお問い合わせください。 ヘリカル / ベベルヘリカルギヤ減速機 X.. シリーズ – カタログ 133 6 6.7 オプション付属品の構造 ドライブパッケージ ドライブパッケージ 水平取付姿勢のギヤ減速機用として、スチールフレーム(スイングベースまたはベー スフレーム)の上に組み付けたドライブパッケージを提供できます。 注記 スイングベースとベースフレームに関しては、SEW-EURODRIVE までお問い合わせ ください。 6.7.1 スイングベース /SB スイングベースは、ギヤ減速機、カップリング(油圧)、モータ(場合によってはブレー キも)を、保護カバーなどを一緒に取り付けるためのスチールフレーム [1] です。 • 中空軸ギヤ減速機、または • フランジカップリングで取り付ける中実軸ギヤ減速機 スチールフレーム [1] はトルクアーム [2] が支えます。 注記 以下にご注意ください: • 装置構造は、トルクを受けるのに十分な寸法を持たなければなりません。 • 取り付けの際に、スイングベースを変形させてはいけません(ギヤ減速機とカッ プリングが損傷する危険があります)。 例: カップリング付き スイングベース [5] [3] [4] [1] [2] 60797AXX [1] スイングベース [4] 保護カバー付きカップリング [2] トルクアーム(オプション) [5] モータ [3] ベベルヘリカルギヤ減速機 134 ヘリカル / ベベルヘリカルギヤ減速機 X.. シリーズ – カタログ 6 オプション付属品の構造 ドライブパッケージ 6.7.2 ベースフレーム /BF 水平取付姿勢のギヤ減速機用として、ベースフレーム上に組み付けたドライブパッ ケージを提供できます。 ベースフレームは、ギヤ減速機、カップリング(油圧)、モータ(場合によってはブ レーキを含む)、保護カバーなどを一緒に取り付けるためのスチールフレーム [1] です。 スチールフレームは、複数の脚取付 [2] で支えられます。基本的には、出力軸に弾性 カップリングが取り付けられる中実軸ギヤ減速機が対象となります。 注記 以下にご注意ください: • 脚取付の支持構造は十分な寸法と強度を持たなければなりません。 • 取り付けの際に、スイングベースを変形させてはいけません(ギヤ減速機とカッ プリングが損傷する危険があります)。 例: ベースフレーム カップリング [5] [1] [3] [4] [2] 60798AXX [1] ベースフレーム [2] 脚取付 [3] ベベルヘリカルギヤ減速機 [4] 保護カバー付きカップリング [5] モータ ヘリカル / ベベルヘリカルギヤ減速機 X.. シリーズ – カタログ 135 6
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