7 特集:中部だより(421.4 KB)

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中経連事務局員が、担当するエリアでお聴きした、
各県の最新トピックや地域特有の情報を紹介するコーナーです。
三重の食を拓く!
「みえフードイノベーション」
三 重 県では、県 内 の 豊 富な農 林 水 産 資 源を活 用し、
“ 食 ”を起 点とする新たな価 値 創 造や、地 域 が 抱える
課題を解決するために「みえフードイノベーション」を展開している。
「みえフードイノベーション」
とは
「みえフードイノベーション」は、三重県が主体と
なって設立した
「みえフードイノベーション・ネットワー
ク」
というプラットフォームを通じて産学官連携を促
し、新たな価値創造を目指す仕組みのことである。
この取り組みは2012年にスタートし、今では会員375
社・団体までに成長した
( 2015 年6月30日時点)。
飲食店
行政
農林漁業者
旅館
ホテル
機械
メーカー
大学
食品
メーカー
スーパー
商社
情報提供
相 談・支 援
連携促進
三重県農林水産部フードイノベーション課
また、この取り組み
は単なる 食 のマッ
チングに留まらず、独
自の創 意 工 夫が盛り
から立ち直るべく、産学官が一体となって開発した
込まれている。以下に
独自の飼料を与えることにより、高品質なブランド
その事例を紹介する。
鯛「伊勢まだい」の養殖に成功した。
事例1 獣害 フードイノベーション
「みえジビエ推進プロジェクト」
ジビエ肉の品質・衛生管理マニュアルを行政主
「みえフードイノベーション」では、
こうしたプロジ
ェクトが既に43 件進んでおり、各プロジェクトから
を促進することで地域資源を活用した新たなビジ
様々な商品が次々と開発されている。
事例2 医療 フードイノベーション
「医療食プロジェクト」
メーカー、研究機関、医療機関の連携により、腎
三重県が誇る 食 による新たな価値創造に向
けた取り組みが、一層魅力ある地域づくりへ拍車
をかけ、地方創生を推し進める原動力となることを
期待したい。
不 全や骨 粗しょう症などへの食 事 療 法に有 効な
そのような中、来年の伊勢志摩サミットは三重県
「低リン米」
(リンやカリウムの含有率を通常米の
の 食 をPRする絶好の機会である。中経連として
4割以上低減させたもの)を開発。
この低リン米は
も伊勢志摩サミットを通じて三重県はもとより、地
医療現場だけでなく、市販もされている。
域の魅力をしっかりとPRできるよう、積極的に協
事例3 復興 フードイノベーション
力して行きたい。
「伊勢まだいプロジェクト」
東日本大震災の際に押し寄せた津波によって、
三重県の水産業は甚大な被害を受けた。
この被害
中経連 2015.9
さらなる知名度の向上に向けて
導で策定し、捕獲した鹿肉、猪肉の食肉利用など
ネスを確立した。
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(本プロジェクトの詳細は本誌2014年7月号にて掲載、
http://www.chukeiren.or.jp/magazine/ を参照。)
(三重担当 中村 哲史)
取材協力・写真提供:三重県農林水産部フードイノベーション課
※「伊勢まだい」の写真は、三重県漁業協同組合連合会 提供
中経連 2015.9
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