日税メルマガ通信 平成27年3月2日発行 特別号 編集:日税メルマガ事務局 ㈱日税ビジネスサービス 総合企画部 ~税務のチェックポイント Q&A13~ 東京都新宿区西新宿 1-6-1 新宿エルタワー29階 以 上 号 本メルマガは山下税理士に日常業務の中から「間違いやすい・見落としがちな」税務のチェックポイントをQ&A形式で ご寄稿頂いたものになります。ぜひご参考になさってください。 『質問』 レンタル業者のブルドーザー等の建設機械の耐用年数の適用 ≪内容≫ 当税理士事務所の新規関与先であるA社は、ブルドーザー、油圧ショベルなどの建設機械をレ ンタルすることを目的とするために新設した法人ですが、このA社のこれらの建設機械の耐用 年数は何年を適用することになるのでしょうか。 貸与資産については、貸与を受けている者の資産の用途等に応じて耐用年数を判定すると聞い ていますが、A社の場合レンタル業者ですので建設機械の貸与先は総合工事業者、農業者、採 石業者、港湾運送業者等にも貸し出しており、同じ建設機械であっても貸与先業用は個別に異 なります。このようなことから、貸与を受けている者の資産の用途等に応じて耐用年数を区分 して償却計算することは面倒と考えられます。 何か簡便な方法が適用できないのでしょうか。 『答』 平成25年4月1日以後に開始する事業年度からは、レンタル会社は、レンタル先の使用状況に かかわらず、全てのレンタル用建設機械について一括して、同別表第二「55 前掲の機械及び 装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」「ブルドーザー、パワーショベルその他の自 走式作業用機械設備」の8年を耐用年数とすることができます。 (解説) 1 耐用年数の取扱通達において、貸与している減価償却資産の耐用年数は、耐用年数省令別 表において貸付業用として特掲されているものを除き、原則として、貸与を受けている者の資 産の用途等に応じて判定することとされています(耐用年数通達1-1-5)。 したがいまして、ブルドーザー、油圧ショベル等の建設機械のレンタル会社は、建設機械ごとに、 レンタル先での使用状況に応じて同別表第二に掲げられている業用設備の耐用年数を適用する こととなります(耐用年数通達1-4-2)ので、レンタル会社はレンタル建設機械がレンタル 先でいずれの業種用の機械として通常使用されているかを把握しておくことが必要となります。 2 しかし、平成25年度税制改正により、耐用年数省令別表第二「55 前掲の機械及び装置 以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」に区分される機械及び装置について、「ブルドー ザー、パワーショベルその他の自走式作業用機械設備 8年」が特掲され(改正前は17年)、 -1- 平成25年4月1日以後に開始する事業年度から適用されています(改正耐用年数省令附則 (2))。 この場合、 「前掲の区分によらないもの」とは、法人が同別表第二の機械及び装置について「設 備の種類」又は「細目」ごとに区分しないで、機械及び装置の全部を一括して償却する場合の これらの資産をいうこととされています。ただし、当該その他のものに係る「構造又は用途」、 「細目」又は「設備の種類」による区分ごとの耐用年数の全てが、 「前掲の区分によらないもの」 の耐用年数より短いものである場合には、その短い年数が適用されます (耐用年数通達1-1-6)。 したがいまして、平成25年4月1日以後に開始する事業年度からは、レンタル会社は、レンタ ル先の使用状況にかかわらず、全てのレンタル用建設機械について一括して、同別表第二「55 前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」「ブルドーザー、パワーショ ベルその他の自走式作業用機械設備」の8年を耐用年数とすることができます。 〈著者プロフィール〉 山下 德夫 氏 税理士、長崎県出身、旧大蔵省在職時には、法人税法関係の法律の企画立案事務に従事し、税 務大学校教授在職中に公益法人課税・減価償却関係等に関する論文発表。 -2-
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