実験のインストラクション 以下はファイナンス市場の実験のインストラクションです。トレイダーは、現金と 証券を受け取ります。証券からは将来の配当が得られます。トレイダーは、証券がい くらぐらいの価値があるのかについて判断をしなければなりません。その判断に基づ いて、トレイダーはいくらで証券を売ったり買ったりするのかの意思決定をします。 になります。各取引期間の終わりに、証券1単位当たり1万円の配当が支払われた後、 各々の証券についてサイコロを振ります。もしサイコロの目が1だとするならば、そ の証券は廃棄されます。そうでないならば、トレイディングチームはその証券を引き 続き保持することになります。10回目の取引期間の後に廃棄されずに残った証券に 対しては、最後に1単位当たり6万円が支払われます。 「実験の流れ」の図も参照してください。 プレイヤーと証券 トレイディングチーム:ここでは5つのトレイディングチームを考えます。トレイデ トレイディングチーム ィングチームは、A,B,C,D,Eの5つです。チームのメンバーは、証券を売買 したり、記録をつけたり、時間を計ったりする人々から構成されます。 取引ルール 2分間ある各々の取引期間においては、1単位の証券の売買を行う、以下のような「ラ ウンド」を繰り返します。 証券:各チームは(1)3単位の証券と(2)40万円のキャッシュを持ちます。 証券 ・ 注文を出したい方は、手を上げてください。 ・ 実験者は一番早く手を上げた方を指名します。指名された方は、売りたいのか買い たいのか、チーム名、希望する売値または買値の順に、声に出してください。例えば、 「売ります、チームB、20.5万円で」といった感じで。実験者はこの注文をオー クションシートに記入します。なお、証券を1単位も持っていないチームが売り注文 を出すことや、保有しているキャッシュ以上の価格で買い注文を出すことは出来ませ ん。 ・ この注文を見た後、注文を出したい方は再び手を上げてください。ただし、売り注 文はオークションシートに残っている他の売り注文よりも安く、買い注文は高くなけ ればなりません。 収入:トレイディングチームは以下の要領でお金を獲得します。 収入 (1)各取引期間の最後において、証券1単位あたり1万円の配当を得ます。 (2)証券の売買 (3)10回目の取引期間の最後まで証券を保有した場合には、その証券と引き替え に、1単位当たり6万円を獲得します。 廃棄:配当が支払われた後、各々の証券は6分の1の確率で消滅してしまいます。も 廃棄 しこれが起こればその証券は価値がなくなり、その場で実験者がその証券を破ること ・ 売り注文と買い注文が同じ価格になったとき、その価格で、その注文を出した2チ ームの間での1単位の証券の売買が成立します。これで一つのラウンドが終了します。 このようにして1つのラウンドが終わると、新たなオークションシートを使って、次 のラウンドの取引を開始します。最初の売り注文、買い注文の価格は自由に行えます。 このようなラウンドが繰り返され、2分経ったらその回の取引期間が終了します。 記録法 (1)各取引期間用の記録用紙があります。1回目の取引期間用と2回目の取引期間 用のサンプルの用紙を見てください。違う期間用の用紙を使わないようにしてくださ い。 (2)左上にチーム名が書かれています。このサンプルは、チームBのものです。 (3)1回目の取引期間用の用紙の「0」と書かれた列を見てください。証券の保有 量が3単位で、キャッシュの保有額が40万円であることが分かります。 (4)「1」と書かれた行には、チームBが、まず1単位の証券を10.5万円で売却 したことが書かれています。証券保有量は3単位から2単位に、キャッシュは40万 円から50.5万円になります。チームBは、取引が成立すると即座にこのことを記録 します。 (5)「2」と書かれた行には、チームBが、次に1単位の証券を13.3万円で購入 したことが書かれています。証券保有量は2単位から3単位に、キャッシュは50. 5万円から37.2万円に減少しています。チームBは、取引が成立すると即座にこの ことを記録します。 (6)「3」と書かれた行には、チームBが、次に4単位目の証券を12.6万円で購 入したことが書かれています。 (7)取引期間が終了すると、まずその時点でのキャッシュの額を「A」と書かれた 行の一番右に書きます。次に、「B」と書かれた行の一番右に、取引終了時の証券保 有量に1万円を掛けた額、つまり証券から得られる配当総額を書きます。ここでは、 4単位×1万円=4万円です。最後に、この二つの額の和を、「C」と書かれた行の 一番右に書きます。 (8)次に、保有している各証券が廃棄されるか決めるために、1単位の証券につき 1回サイコロを振ります。1が出たらその証券は廃棄されます。廃棄されずに残った 証券の量を、次の取引期間用の記録用紙の「0」と書かれた行に、この期の最終的な キャッシュの額とともに書き写すことになります。次の取引期間は、これらの値から スタートします。 (9)取引期間は10回あります。10回目の取引期間の終わりに、サイコロを振り、 最終的に残る証券の量を決めます。残った証券が1単位当たり6万円と交換された後、 実験は終了します。
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