物理学の常識を破る波動の発見と応用

山中研HP http://www.material.tohoku.ac.jp/~hyoka/lab.html
物理学の常識を破る波動の発見と応用
超音波には、物体中を伝搬するバルク波と表面を伝搬する表面波があります。
普通の表面波は、伝搬するにつれて拡がって弱くなります。ところが、ボールの
表面で、ある条件で発生させた表面波は、拡がらずに同じ幅を保って伝搬を続
けます。その結果、赤道に沿って何100回も周回するという、不思議な現象を発
見しました。この現象を応用して、水晶のボールに電極を形成し、ガスによる感
応膜の変化を表面波で計測する、ボールSAWセンサーを開発しました。ガスの
有無による伝搬時間の差が小さく分かりにくい場合でも、100周後の伝搬時間
では、大きな差ができるので、検出感度が飛躍的に向上します。
方式
半導体(FET)センサ
電気抵抗型センサ
従来のSAWセンサ
ボールSAWセンサ
水素検出濃度範囲
0.001%~10%
1%-100%
0.1%-100%
0.001-100%
応答時間
2s
5s
>100 s
1s以下
各種水素ガスセンサの性能比較:従来は複数のセンサの組み合わせが必要
だった0.001%から100%まで5桁の濃度の水素検出を、はじめて単独のセン
サで実現(上表)。高圧水素が存在する環境でも安全な唯一の水素ガスセン
サとして、流量調節弁で実用化推進。
(共同研究先:凸版印刷(株)、ボールセミコンダクター(株)、(株)山武)
障害物に
当たらず、
ぐるぐる
回る。
1mm
音源
(超多重周回現象)
地震の表面波
拡がらずに周回する表面波
100m
ワイドレンジ水素ガスセンサと応用例
平面SAWセンサ
差が分かりにくい
ガス無
ガス有
ガス無
ガス有
1
周の伝搬時間
ボールSAWセンサ
差がはっきり分かる
100周の
伝搬時間
ボールSAWガスクロの概念
天然ガス成分の分析
大都市近郊の
天然ガス掘削現場
(Fortworth,TX,USA)
MEMS
カラム
Amplitude change (dB)
0
ボールSAWセンサと
インピーダンス整合回路
キャリアガス
ボンベ
C7H16
C8H18
-2
-4
CH4+C2H6+C3H8
オープンチューブ
MEMSカラム
OT
MEMS Column
0
C3H8
-1
CH4
パックドMEMSカラム
Paced
MEMS Column
5
10
C2H6
0
Time (min)
consentration (%)
オープンチューブMEMSカラム
カラム
・流路断面 0.15×0. 24 mm2
・内壁にポリジメチルシロキサンを塗布
・高分子量のガスの分析に使用
5 cm
・流路断面 0.44×0.50 mm2
・スチレンジビニルベンゼンの
ビーズを充填
・低分子量のガスの分離に使用
Amplitude change (dB)
試料
吸着剤
C7 H16
0.5
C8 H18
0.5
C7H16
-1
CH4+C2H6+C3H8
0
C8H18
オープン
OT MEMSチューブ
Column
MEMSカラム
C2H6
C3H8
-1
シックハウスガスの分析
カラム
C3 H 8
33.0
40.1
68.7
68.9
0
3方バルブ
ボールSAWガスクロマトグラフ
パックドMEMSカラム
C2 H 6
33.0
MCP
calorific value (MJ/m3)
WI
固定相
Amplitude change (dB)
試料
CH4
33.0
CH4
0
パックドMEMSカラム
Paced
MEMS Column
5
10
Time (min)
0
–2
–4
0
Benzene
consentration (%)
Toluene
–1
CO2+C2H6+C3H8
オープンチューブMEMSカラム
5
Time (min)
10
–2
0
C3H8
MCP
calorific value (MJ/m3)
WI
C2H6
パックドMEMSカラム
CO2
5
Time (min)
10
CH4
88.6
C2 H 6
4.9
C3 H8
4.9
43.4
57.3
37.2
様々なガスを
短時間に分析可能
C7 H16
0.8
C8H18
0.7