低温にたえるコクワガタよう虫の研究

全国都道府県教育委員長協議会会長賞
低温にたえるコクワガタよう虫の研究
長野県千曲市 戸倉小学校 3 年 柳沢
★研究のきっかけ
匠吾
実けんけっか
コクワガタのよう虫がとう明にな
去年の研究で,とう明なコクワガタのよう虫は
るじきでも,ノコギリクワガタのよう虫は茶色の
冬みんのためのすがただと分かった。しかし,新
ままだった。
(死なずに,8月には成虫になった。)
しいナゾが見つかった。また,ほかのしゅるいの
■秋から春までの気温と地温のへんか
クワガタのよう虫は,茶色のままでもさむさに強
◎よう虫の色がちがうのは,すむ場所の温度がち
いかもしれないと思った。
がうせいらしく,温度をはかってよう虫たちの
★研究の目てき
冬の間の生活を考える。(温度は 10 月 20 日ごろから
とう明なコクワガタのよう虫は,冷とうすれば
5月 20 日ごろまで測定)
ずっと生きられるのか,どんなさむさにでもたえ
・気温のさ
けっか
られるのかを調べる。
い低はマイナスに
■冷とうできる日数を調べる
はなるが,1日中
◎とう明になるコクワガ
マイナスになるこ
タのよう虫と,とう明
とはなかった。
にならない
(茶色の)
・土の中の温度は,
ノコギリクワガタの
気温のさい高とさい低の中間くらい。⇨マイナ
よう虫で,冷とう庫で
▲実けんのようす
生きていられる日数をくらべる。
コクワガタ
ノコギリ
クワガタ
4週間後
2か月後
3びき生き, 1ぴき生き, 4ひき全ぶ
1ぴき死ぬ。 3びき死ぬ。 死ぬ。
4ひき全ぶ
死ぬ。
4ひき全ぶ
死ぬ。
4ひき全ぶ
死ぬ。
1週間後
4ひき全ぶ
死ぬ。
2週間後
4ひき全ぶ
死ぬ。
スにならないので,茶色のノコギリクワガタの
よう虫でも生きられるような気がする。
■冬のくち木の中を調べる
実けんけっか (­5℃∼­8℃に冷とう)
よう虫
▲きろくしたグラフの一部
・ノコギリクワガタのよう虫は1週間も生きられ
ない。とう明なコクワガタのよう虫も1∼2週
間がげんかい。
・日数がたつほど黒くなって死んだよう虫がふえる。
■どのくらい低い温度まで生きていられるか調べる
◎コクワガタのよう虫がとう明になったら,冷と
う庫でこおらせる
(−18℃と−40℃)
。ノコギリ
クワガタのよう虫もいっしょにくらべる。
実けんけっか
どちらの温度でも,1週間の実け
んで,よう虫は全部死んでいた。からだが黒く
なるようすにはちがいがあった。
■庭の日かげにおいてへんかを調べる
◎ノコギリクワガタのよう虫は,地面の下のくち
◎秋に見つけたくち木を真冬に雪の中からほり出
し,中を調べる。また,温度計のセンサーを入
れくち木の中を調べ,外の温度とくらべる。
・よそうどお
けっか
り,とう明なコクワ
ガタのよう虫をはっ
見した。
・ 気 温 が −3.2 ℃ の と
き,くち木の中は,
−0.4℃だった。
けつろん
▲くち木の中のコクワガタのよう虫
・とう明なコクワガタのよう虫は,さむさにむて
きではない。
・体が大きいほど,体の中のとう明なえき体がお
おく入っていて,それがこおるまでの日数が生
きていられる日数らしい。
かんそう
木や立ちがれの木のねにい
クワガタのよう虫が冬に生きていることは,こ
る。
風とおしのよい庭のウッ
おらないことだとわかった。これは,おもしろい
ドデッキの下においておく
はっ見だと思う。よう虫の体の中のとう明なえき
と,とう明になるか調べる。
体の正体は何か調べてみたいと思う。