ゲノムで「共生」を理解する 重信 秀治 博士 基礎生物学研究所・生物機能解析センター 日時: 7月31日(金曜日)16:30~17:30 場所: 農学・生命科学研究棟 (京都大学北部構内) セミナー室(2) (1階 104号室) 20世紀までの共生研究は記載的な博物学的・生態学的研究が主で あったが 、21世紀に入るとゲノム解析技術等の発展により、複雑な共 生のシステムを遺伝 子や分子の言葉で理解できるようになってきた。 特に最近では、次世代シーケンシング技術などにより共生のゲノム科 学は急速に発展しつつある。そのような背景で登場した「共生ゲノム 学」は、ゲノム科学的アプローチで共生を理解することを目指した、 新しい研究領域である。本講演の前半では、多様な共生系の共生ゲノ ム学的研究の動向を紹介する。後半では、共生研究のモデルであるア ブラムシとその共生細菌ブフネラの細胞内共生において、両方 のゲ ノムを解読して明らかになったゲノムの共進化のプロセスとメカニズ ムについて報告する。例えば、一部のアミノ酸合成などの代謝は宿主 アブラムシと共生細菌ブフネラの遺伝子がそろってはじめてひとつな がりの代謝ネットワークとなることがわかった。共生進化の普遍原理 ~プリンシプル~についても議論したい。 連絡先:生命科学研究科 河内 孝之 遺伝子特性学分野 075-753-6389
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