東京農工大学 利益相反マネジメント

東京農工大学
利益相反マネジメント
平成27年1月14日
利益相反委員会
利益相反とは
個人としての利益相反
利益相反(狭義)
利益相反(広義)
大学(組織)としての利益相反
責務相反
• 責務相反
– 教員の勤務に関して、大学以外の責務遂行責任と大学の責務
遂行責任が対立する状態。兼業により大学とそれ以外の組織の
下に入る場合に発生。この状態が適切に管理されず、両立し得
ない兼業は、教員としての責務を全うできないため問題
• 狭義の利益相反(一般的にこれを利益相反と呼ぶ)
– 教員が大学以外から得る私的利益と、大学の利益の対立状態。
大学発ベンチャーなど大学以外の組織と私的利益を持つ関係に
入った時点で発生する危険性のある利害対立の構造。この状態
が適切に管理されず、私的利益を優先させてしまうと問題
利益相反
2
と法規違反
1
4
産学連携に関連する範囲
3
法令、規程違反でも利益相反
でもない領域
1
2
利益相反の領域
4
法令、規程違反の領域
利益相反マネジメントの範囲は、「シロ」でも「クロ」でも
ないグレーゾーン 2 の部分
本来利益相反マネジメントの対象領域ではありません
が、利益相反マネジメントの過程で結果的に判明する法
規違反の領域
4
本学における利益相反マネジメント
農工大は、産学連携を強力に推進する方針。
「利益相反」そのものが問題ではない。
「利益相反による弊害」が問題となる。
マネジメント(自己申告・大学のリスク管理)が必要
生じうる弊害
• 教育における弊害
– 営業活動による休講等、教育がおろそかになる
– 学生をベンチャー企業等で無償又は低廉な対価で
労動させる
• 研究における弊害
– 研究結果にバイアスが持ち込まれる
– 研究成果の公表時期を遅らせる
– 極端に特定の企業に寄った研究を行う
• その他の弊害
– 大学にとって不当に不利な契約を締結する
– 大学の資産(施設、設備等)を無償提供する
– 利益相反は、教員が大学の業務以外の活動を
行う過程や、株式保有、現金収入、研究成果ラ
イセンスなど、私的利益を得る関係に入った時
点で自ずと発生する。それ自体は問題ではなく、
弊害が生じると問題となる
– 利益相反状態を適切に把握し、弊害が生じな
いようにすることが必要
利益相反マネジメントの目的
• 大学の社会的信頼の確保
–大学が社会的責任を果たすためのリスクマネ
ジメントの仕組み
• 教員が複数の業務に従事する場合の指針
–教員個々人ではなく、大学としての統一的な
マネジメントの仕組み
–教員が適正な産官学連携活動に安心して
積極的に取り組むための重要な前提
• 社会から、弊害が生じている?との疑念を抱
かれた場合、それが疑念であって弊害が生
じていないということを十分説明できることが
必要
• 実効性のあるマネジメントを行うためには、
利益相反マネジメントの目的を正確に理解し、
過度に抑制しないことが必要
• 本来の意義を失った悪しき例(まずい例)
「教職員が出資している企業との共同研究は、
一切認めない」
「兼業先との共同研究は認めない」
⇒利益相反自体を問題視したルール設定であり、
本来の意義を見失っている
マネジメント手法
• 利益相反の状態の把握
– 網羅性、簡便性が重要 ⇒自己申告方式が有効
– 全役職員からの私的利益の申告が必要
– プライバシーに配慮
• 事後統制型マネジメントは制度の基本
– 社会への説明責任を果たす方策
– 私的利益の申告を受けただけで終わらないことが大切
⇒後日 ヒアリングを行い、弊害が生じないよう専門家に
よりアドバイス
【第1次申告】対象者と開示内容
対 象 者(1)全役職員(役員、教員、事務職員、技術職員)
(2)(1)の「配偶者」および(1)と「生計を一にする一親等
の者(両親および子供)」
対象期間:毎年1月1日から12月31日までの1年間
開示内容:
①持株比率5%以上の公開株保有の有無
②持株比率5%以上の未公開株保有の有無
③企業への資金の貸付、又は債務保証の有無
④1企業での100時間以上又は100万円以上の兼業活動の有無
⑤上記④以外の1企業あたり100万円以上の収入の有無
⑥厚生労働科学研究の応募予定の有無
※ 対象者(1)は①~⑥のすべてについて開示する必要があります。
対象者(2)は①~③について開示するとともに、当該配偶者等が会社役員等である場合は、
⑤についても開示する必要があります。
※ ⑤の収入には、個人保有の特許権やプログラム等著作権の実施をした場合の実施料収入を
含みます。
【第2次申告】対象者と開示内容
対 象 者(1)第1次申告の上記①~⑥で1つ以上該当項目のある
役職員、その他利益相反委員会が指定する役職員
(2)(1)の「配偶者」および(1)と「生計を一にする一親等
の者(両親および子供)」
対象期間:毎年1月1日から12月31日までの1年間
開示内容:
①公開株式の保有状況の詳細
②未公開株式の保有状況の詳細
③資金の貸付、債務保証の詳細
④個人有特許の実施収入(ロイヤリティ)の状況
⑤兼業活動の詳細
⑥その他の収入の詳細
⑦厚生労働科学研究の応募の詳細
⑧学生雇用の有無
⑨施設利用の有無
利益相反マネジメントスケジュール
日 程
委員会等
H26. 10.10
利益相反
委員会
H27. 1.6
1.14
内
容
利益相反の学内マネジメントの実施につい
て了承
教職員ポータル 役員及び教職員を対象に第1次申告書の記
にて案内
入・提出について案内
農学研究院
教授会
府中地区教員を対象に利益相反の説明後、
その場で第1次申告書を記入・提出 ※
工学研究院
教授会
小金井地区教員を対象に利益相反の説明
後、その場で第1次申告書を記入・提出 ※
1月下旬~
2月中旬
事務局
1次申告書のとりまとめ後、対象者への2次
申告書の記入・提出依頼
2月中旬~
利益相反
委員会
ヒアリング対象者選出、対象者へのアドバイ
ス等
※ 1次申告書を本日中に提出できない場合は、1/23(金)までに
研究支援課 研究支援係宛て ご提出をお願いします。
利益相反委員会HP
http://www.rd.tuat.ac.jp/shienka/riekisohan/index.html
ご質問・お問い合わせ
自己申告書の提出
専用アドレス: [email protected]