IF: 2.77 2015.1.20 Yuki Mori

2015.1.20 Yuki Mori
IF: 2.77
background ER Stress
and Diseases
従来のアミロイドベータ検出法
PET
脳脊髄液
Introduc.on ER Stress
and Diseases
血液 0.5mL
Aβの蓄積
Previous study Table 1 被験者の人口統計 PiBで分類したところ、PiB(+)群ではアルツハイマー病の危険因子であるAPOEの対立遺伝子であるε4の
頻度が高かった。 NIA-­‐AAの診断基準による臨床的分類では、MMSE(精神状態短時間検査)、ADAS-­‐Jcog(アルツハイマー
病評定尺度)、LM2(論理的記憶検査)、APOEの対立遺伝子であるε4の頻度においてグループ間で有意
差がみられた。 PiB: Pi3sburgh Compound B HC: healthy controls MCI: mild cogniRve impairment MMSE: Mini-­‐Mental State ExaminaRon ADAS-­‐Jcog: Alzheimer’s Disease Assessment Scale-­‐CogniRve LM2: Logical Memory 2 GDS: Geriatric Depression Scale AD: alzheimer’s disease Na.onal Ins.tute on ER
Aging-­‐Alzheimer’s Associa.on (NIA-­‐AA)の基準 Stress and Diseases
Table 1 被験者の人口統計 PiBで分類したところ、PiB(+)群ではアルツハイマー病の危険因子であるAPOEの対立遺伝子であるε4の
頻度が高かった。 NIA-­‐AAの診断基準による臨床的分類では、MMSE(精神状態短時間検査)、ADAS-­‐Jcog(アルツハイマー
病評定尺度)、LM2(論理的記憶検査)、APOEの対立遺伝子であるε4の頻度においてグループ間で有意
差がみられた。 PiB: Pi3sburgh Compound B HC: healthy controls MCI: mild cogniRve impairment MMSE: Mini-­‐Mental State ExaminaRon ADAS-­‐Jcog: Alzheimer’s Disease Assessment Scale-­‐CogniRve LM2: Logical Memory 2 GDS: Geriatric Depression Scale AD: alzheimer’s disease Fig.1,2 AβsとAβAPsの測定 Amyloid precursor protein (APP: P05067)
Baseline Aβ1-­‐40 and Aβ1-­‐42 levels might be predictors of higher rates of progression to AD, and should be further b PiB+(AD)の被験者から得られた質量スペクトル explored as potenRal biomarkers. (Song et al., 2011)
a PiB-­‐(HC-­‐)の被験者から得られた質量スペクトル Aβ1-­‐42やAβ1-­‐40に加え、 Aβ1-­‐38, Aβ3-­‐40, Aβ1-­‐39, OxAβ1-­‐40やAPP669-­‐711などのAβAPsも両群で検出された。 かつてはAβ1-­‐42/Aβ1-­‐40 がバイオマーカーの候補として考えられていたが、今回の
測定においてはAPP669-­‐711/Aβ1-­‐42のほうが、2群間で大きな有意差がみられた。 Aβ: amyloid β protein AβAPs: Aβ-­‐approximate pepRdes ROC曲線 検査ではどこからを陽性、陰性にするか、カットオフ値(cut-­‐off point)を決めなければならない。カットオフ値(縦線)より右が陽
性で左が陰性になり、有病者(上のヒストグラム)と健常者(下の
ヒストグラム)を、それぞれ陽性と陰性に分割する。 カットオフ値を上げた時(縦線を右へずらした時)とカットオフ値を
下げた時(左へずらした時)における、感度と特異度の関係を散
布図にプロットしたものをROC曲線(Receiver OperatoraRng CharacterisRc curve:受信者動作特性曲線)と呼び、縦軸(上向
き)が感度、横軸(右向き)が偽陽性率(=1-­‐特異度)になる。 感度と特異度をともに上げるためには、左へ強い曲率を持った曲線となる必要がある。
検査が優秀かどうかは、「感度と特異度をともに上げられる」かどうか、言い換えれば
「より左へ強い曲率を持った曲線」かどうかで決まる。
どれだけ曲率の強い曲線かを「AUC(Area Under the Curve:曲線下面積)」で表し、AUC
の大きな検査が精度の高い検査になります。
Table 2, Fig.3 ANCOVAやROC曲線を用いたバイオマーカー評価 年齢調節後の共分散分析(ANCOVA)によって、そ
れぞれがバイオマーカーとして適しているかを理想
値であるPiB-­‐mcSUVRと比較することにより調べた。 SUV(standardized uptake value)は、PETやSPECTに
て放射性薬剤の腫瘍や臓器への集積の強さを表
すための簡易的な指標
Aβ1-­‐42、Aβ1-­‐42/Aβ1-­‐40 ではPiB+とPiB-­‐の2群を判別
することができなかったが、APP669-­‐711/Aβ1-­‐42は
PiB-­‐mcSUVR同等のレベルで判別することができた。
感度と特異度も同様の結果を示した。 PiB-­‐mcSUVR: Mean corRcal standardized uptake value raRo Table2, Fig.4 重回帰分析によるバイオマーカー評価 Table 3, Fig.6 臨床的分類におけるバイオマーカー評価 Fig.5 臨床的分類におけるバイオマーカー評価 Summary + Discussion 血中から検出したAβ1-­‐40、Aβ1-­‐42、アミロイド前駆体タンパク質から切り出された
★ approximate pepRdes(AβAPs)の量と被験者の特性の相関解析に拠って、Aβ1-­‐42の病
理学的変化の良い指標として、AβAPsの中からAPP669-­‐711を選び出すことが出来た。 ★ Aβ蓄積のバイオマーカーの観点から、APP669-­‐711/Aβ1-­‐42の比を評価したとこ
ろ、APP669-­‐711/Aβ1-­‐42がPiB+の集団で有意に増加した。 ★ PiB+の被験者とPiB-­‐の被験者を判別する感度(sensiRbity)と特異度
(specificity)もそれぞれ0.925と0.955に達することを確認できた。 脳脊髄液やPETに代わり、APP669-­‐711/Aβ1-­‐42はAβ蓄積のバイオマーカーとなる。
★
★Comments ★
★ 本手法によって、これまで、侵襲的な骨髄穿刺で採取する脳脊髄液の分析や、
装置が大規模で高額なPETに依存せざるを得なかったAβ蓄積の判定を、非侵襲
的かつ精密に行うことが可能になった。大規模な診断への実用化が期待される。
★ 本研究により早期診断は可能となったが、早期治療や早期予防の方法は現時
点では確立されていないため、倫理的に実用化が難しいと考えられる。 ★ かつてはAβ1-­‐42/Aβ1-­‐40 がバイオマーカーの候補として考えられていたが、今回
の測定においてはAPP669-­‐711/Aβ1-­‐42のほうが2群間で大きな有意差がみられた。
論文では、methodの違いによるものだろうと記載されていたが、先行論文と同様の
methodで実験を行った場合も今回の結果が得られるのだろうか? ★ 今回は長寿医療研究センター1施設で集めた検体なので、ほかの施設の試料
でもきちんと同じ結果が出ることを確かめる必要がある。
★ 本手法は前処理が煩雑であるため、前処理の簡便化をはかる必要がある。 前処理を簡便化することで、新規バイオマーカーで分類できなかった2群も分類
できるようになるのではないか。