名誉町民 前町長・故 藤原正幸氏の葬儀に際しての弔辞

弔辞(故
謹んで名誉町民
藤原正幸氏)
故藤原正幸さんのご霊前に額づき、お別れの言葉を申し上
げます。
藤原さんは平成 20 年7月に惜しまれてご勇退するまで4期 16 年の長きにわ
たり、厚真町長という重責を担われ、町民生活の安定、福祉の向上に正に不撓
不屈の精神をもってご尽力を賜りました。その大先輩に、こうしてお別れの言
葉を申し上げなければならない宿命に、ただただ世の無常を嘆き悲しむばかり
であります。
ましてや、お元気になられることを心待ちにし、ひたすら看護・介護にあた
られたご遺族の心中をお察しいたしますと、その悲しみの大きさにお慰めの言
葉が見当たりません。
こうして多くの方から愛されたお人柄を偲ぶ遺影を前にいたしますと、藤原
さんが目指した、災害のないまち・活力あふれるまち・安心して暮らせる明る
い地域社会の実現のために、幾多の困難に立ち向かい、ひたすら本町発展に邁
進されたありし日のお姿が目に浮かんでまいります。
本町では、ただ今厚幌ダム関連事業、国営農業用水再編対策事業、道営ほ場
整備事業と生産基盤整備が着々と進められ、その潜在力が大きく飛躍しようと
しており、また、表町の区画整理事業や厚真川河川改修事業により厚真町の表
情や生活の質が大きく様変わりしています。
また、高規格日高自動車道厚真ICの完成や苫小牧港東港へのフェリーの就
航など交通の要衝としての条件も整い、公共下水道の整備、上厚真・中央両小
学校の建て替え、総合ケアセンター、穀類乾燥調製貯蔵施設、交流促進施設、
全天候型土間体育館の建設、公営住宅の建て替えと本町の主要施設は、藤原町
政において着工し、完成或いは促進された事業であり、何れも厚真町の発展の
礎となるものであります。
その功績は枚挙に暇はありませんが、藤原さんのこうしたご活躍と幾多のご
功績はひとしく町民の認めるところであり、平成 20 年厚真町自治功労賞、平成
21 年に旭日双光章、北海道社会貢献賞と栄えある数多くの賞を受章されており
ます。そして平成 22 年には、ついに厚真町名誉町民の称号が贈られました。こ
れらは、本町の発展に尽くされた藤原さんのご労苦に対する町民の感謝の表れ
でもあります。
こうした藤原さんのご活躍は、奥様をはじめとしたご家族の内助の功があっ
たればこそと、改めて悲しみに沈む町民と共にご遺族の皆様にも衷心より敬意
と感謝を申し上げます。
藤原さんがご逝去された日の枕もとで、奥様から、勇退した以後の藤原さん
の楽しみは、厚真町民の暮らしぶり、四季の移ろいを見て歩くことだったと伺
いました。最後の最後まで厚真町の将来を気にかけていただいた藤原さんに、
厚幌ダムの完成した姿を見ていただけないことが心残りではあります。藤原さ
んが公務員生活と町長職を通じて 55 年の歳月の間心血を注いだ本町は、発展の
条件を整えつつも、暗転する社会情勢のもと地域経済は厳しさを増しています
が、時代を引き継ぐ世代が力を合わせて、必ずや困難を乗り越えて参ります。
藤原さんが良く説いておられた「天の時、地の利、人の和」
「考えてばかりで
は日が暮れる」とその心得を大切にして、こころ豊かな生活と安全・安心なま
ち、子どもたちの笑顔が絶えないまちづくりに全力を尽くすことをここにお誓
い申し上げます。
名誉町民藤原さん、惜別の情は尽きませんが、お見送りをしなければならな
い時が迫っております。どうか安らかにお眠りください。願わくは在天の光と
なって、ご遺族の皆さまと厚真町民の前途に永遠のご加護を賜らんことをお願
い申し上げます。
ここに厚真町民を代表し、改めて藤原さんのご功績を心から讃えるとともに、
これまでのご労苦に心からの感謝の意を表し弔辞といたします。
平成 27 年1月 29 日
厚真町長
宮坂
尚市朗