京のお正月 お正月の準備は事始め(12 月 13 日)から始まります。注連縄や松、餅など、 買うことが多くなった今でも、昔からお商売をやっている店など手の空いたと きに手作業でそれらを作っているところもあります。餅つきは一家親戚総出の 賑やかな行事で、鏡餅や雑煮用の小餅のほか、神棚に飾る「星付き」などに 丸められます。また、お正月のために棒鱈を炊き、野菜の煮染め、魚の味噌 漬けなどを作ります。元旦 の雑煮は白味噌で、丸餅 のほか、出世を願って頭芋 が入れられます。 ←棒鱈煮 京野菜 ←聖護院大根は、江戸時代から聖護院周辺で栽培さ れ、甘味があり、長時間炊いても煮崩れせず、とろける ような味わいになります。 千本今出川の千本釈迦堂で は、12 月半ば中風除け祈願の大根焚が行われます。 豊臣氏滅亡後、聚楽第の堀に捨てられた野菜屑を堆肥と して、中にあった牛蒡が芽を出して太くなり、これを2年越 しで栽培するようになったのが堀川牛蒡→の始まりと言 われています。 くわい ←慈姑は「芽が出る」の縁起物として、京都のお節料理 に欠かせません。昔は標高が低く低湿地であった京都 市南区の東寺の周辺で栽培されていました。 茶道の歴史 喫茶が本格的に普及したのは鎌倉時代に栄西が中国から茶種と喫茶法を伝 とがのお えたことがキッカケです。寺院を中心に喫茶が広まり、京都の栂野や宇治な ど各地で茶が生産されるようになり、鎌倉末期から南北朝時代にかけて、本 茶とされた栂野と他の産茶を飲み分けて掛け物を争う茶寄合(闘茶)が、武家 や庶民の間に流行しました。この頃から茶礼と称する茶会の方式が次第に定 まり、室町時代末期に村田珠光が禅の精神を取り入れた草庵の茶が創始し、 安土桃山時代に千利休により茶の湯が大成されました。江戸時代には茶の湯 は大名に好まれて全盛を極め、表千家、裏千家、武者小路千家の三千家も大 名の保護を受けつつ京都を拠点に活動し、現在まで受け継がれています。
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