県内業界から見る【原油安の影響】について 石川県中小企業団体中央会

県内業界から見る【原油安の影響】について
石川県中小企業団体中央会
<調査対象>
◎調査期間:平成28年1月下旬~平成 28年2月上旬
◎調査対象:当会情報連絡員(業界組合)58 団体
回答 47団体
・製 造 業:31団体中23団体
・非製造業:27団体中24団体
<結果のポイント>
(1)原油安の影響について
2014 年後半から下がり始めた原油価格だが、OPECの減産見送り・米国の利上げ・中国経済の鈍化・中東の地政
学リスクの高まりによるエネルギー需要の減少観測、米国の原油輸出解禁、イランに対する欧米の制裁解除等で今後も
低い水準で推移しそうである。そこで、原油安が事業者にどのような影響を与えているのか、業界組合に聞いてみたと
ころ、次の通りであった。
○全業種では、
「好影響」が53.2%と最も多く、
「影響はない」が38.3%、
「悪影響」が8.5%と続いた。
急速に価格低下が進んだため、
「好影響」が多いと想定していたが、
「影響はない」との回答が想定以上に多く、製
造業においても非製造業においても一定数の業界では、事業において原油関連のコストは大きなウエイトを占めて
いないこと、原料代も下がらないと効果は限定的なのだと考えられる。
(2)業種別詳細
○製造業においても、
「好影響」との回答が52.2%と最も多く、
「影響はない」が34.8%と続き、
「悪影響」
との回答は全業種よりも多く13.0%であった。
「好影響」の理由は、運送費や輸送費を中心とした“経費を抑
えられる”が幅広い業界で見られ、また製造業らしく装置を動かすための“燃料代が抑えられる”との理由も多か
った。
“原料代が抑えられる”との回答は僅かで、そこまでの波及にはまだ時間がかかりそうである。なお、
「悪影
響」との回答を見てみると、製造業は輸出に関する業界もあるため、
“新興国・資源国の減速による輸出・現地生
産の鈍化”と言う理由であった。
○非製造業においても、
「好影響」との回答が54.2%と最も多く、
「影響はない」が41.7%と続き、
「悪影響」
との回答は4.2%であった。
「好影響」の理由は、運送費や輸送費を中心とした“経費を抑えられる”が最も多
く、幅広い業界で見られた。特に運輸業における軽油と旅館ホテル業における暖房費やボイラー費おいてはその恩
恵がとても大きいようである。なお、個人消費の影響を大きく受ける非製造業では、ガソリン代が安くなることで
マイカーのお客様が増えること、ガソリン代や電気代が安くなって家計負担が減り、個人消費が上向くことを期待
するなど、コスト削減とは異なる効果も期待しているようである。
■原油安の影響について
全業種
製造業
8.5%
(4)
38.3%
(18)
非製造業
4.2%
(1)
13.0%
(3)
53.2%
(25)
1.好影響
2.影響はない
34.8%
(8)
3.悪影響
52.2%
(12)
1.好影響
2.影響はない
3.悪影響
41.7%
(10)
54.2%
(13)
1.好影響
2.影響はない
3.悪影響
■上記 好影響の理由(複数回答)
<製造業>
経費が抑えられる
燃料代が抑えられる
原料代が抑えられる
個人消費の改善が期待できる
<非製造業>
7
5
3
1
経 費 が 抑 え ら れ る 12 マ イ カ ー 利 用 の お 客 様 の 増2加 原 料 代 が 抑 え ら れ る 1 個人消費の改善が期待できる 1