第2部 第 9章 ご購入はこちら ベースバンド・ディジタルIQ 信号を FPGA ボードからピッ ! ソフトウェアならコピーも加算も簡単! FM3波同時出力に挑戦! 藤井 義巳 ソフトウェアでベースバンド変調を行い 1.1025MHzと,1.1025MHz−12.5kHz, 1.1025kHz+12.5kHzの I/Q信号を出力 bladeRF (nuand社) FMで422.050M,422.0625M, 422.0750MHzの3チャネル同時 に受信 MATLAB/ Simulink 音声 ファイル (MP3) USB パソコン USB 3.0 コントローラ FPGA トランシーバ IC RF信号 422.050M,422.0625M, 422.0750MHzにする 同軸ケーブル 広帯域受信機 AR3000 (エーオーアール) 違法電波を出さないように 同軸ケーブルとした 図 1 ソフトウェア無線の威力を体感してみる…3 波同時送信に挑戦 MATLAB/Simulink を使うと,ブロック図をその まま動かす感覚で信号処理アルゴリズムを試せま す.作成したブロックはコピー&ペーストで簡単に 複製することもできます. 本章では,第 8 章で作成した FM 送信機用のベー スバンド変調処理のブロック・モデルを 3 台分コ ピーして,1 台の bladeRF 基板から 3 台分の FM 放送 を出力してみます.一見複雑なアルゴリズムも動か すのは簡単です. (編集部) こんな実験 ● ソフトウェア無線の威力を体感してみる… 3 波同時送信に挑戦 第 8 章まで,ソフトウェア無線(SDR)を使って FM 変調された電波(RF 信号)の受信方法について解説し てきました.SDR は受信だけでなく,送信もできま す.この章では SDR トランシーバ(送信,受信とも可 能)となる FPGA ボード bladeRF(以下,SDR トラン シーバ)を使い,FM 変調をかけた RF 信号を送信する 実験を行ってみます. ただ普通に FM 波を送信するだけなら何も SDR を 使わなくてもよいわけです.そこで,SDR の特徴を 生かして,図 1 のように 3 チャネルの狭帯域 FM 信号 2016 年 2 月号 を 1 台の SDR トランシーバで同時に送信してしまう という,ちょっと複雑なことを試します(写真 1) . 中国語講座,NHK の講座番組,英会話番組の 3 チャ ネルの音源を,12.5kHz おきにベースバンド変調して トランシーバ基板制御ブロックに IQ 信号として送信 します.そしてトランシーバ基板で RF キャリア変調 して送信します.受信した電波をスペクトラム・アナ ライザで表示したものを図 2 に示します. なお,以下では前章と同様に MATLAB/Simulink の DSP Systems Toolbox と Communication Systems Toolbox を使用します. ● 基本アイデア…ベースバンド FM 変調信号を 3 波加算する 図 3 に示す信号処理を行います.三つの AF 信号源 (マイクでも音声ファイルでも何でも OK)をそれぞ れ,ベースバンドで FM 変調します.FM 変調した ベースバンド信号をそれぞれ必要なだけ周波数シフト してその結果を合成(加算)します. ● FPGA で生成した IQ 信号をトランシーバ IC から RF 出力 ここまでの処理はすべてソフトウェアで行います. 出力はベースバンドのディジタル IQ 信号,つまり, 91
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