沖縄地方で冬(12月~2月)の降水量の多い記録を更新

報 道 発 表 資 料
平成 28 年 3 月 1 日
沖 縄 気 象 台
沖縄地方で冬(12月~2月)の降水量の多い記録を更新
この冬(2015年12月~2016年2月)は、宮古島、石垣島、西表島、
与那国島において「冬の降水量の多い方から」の記録を更新しました。沖縄地
方の冬の地域平均降水量平年比は199%となり、統計を開始した1947年
以来最も多い記録を更新しました。
1.沖縄県での冬(2015年12月~2016年2月)の降水量
・沖縄地方の冬の降水量の地域平均平年比
199%(第1位)
冬としてのこれまでの1位は 162%(1998年)でした。
なお、沖縄地方の地域平均平年比とは、那覇、久米島、宮古島、石垣島、与
那国島の5地点の観測値の平年比を平均した値です。
宮古島、石垣島、西表島、与那国島では、冬の降水量の多い方からの記録を
更新しました。下表に各地点のこの冬の降水量観測値を示します。
沖縄県内における冬(2015年12月~2016年2月)の降水量
観測地点
那覇
名護
久米島
南大東島
宮古島
石垣島
西表島
与那国島
冬の降水量 平年値 平年比 統計開始以来の 冬としてのこれまでの1位
注
統計開始年
(mm)
(mm)
(%) 順位(10位以内) 降水量( m m )
年注
503.0
466.0
822.5
376.5
877.0
784.5
832.5
1214.0
327.7
332.2
404.2
295.1
403.6
396.4
489.9
541.5
153
140
203
128
217
198
170
224
第6位
第2位
第1位
第1位
第1位
第1位
682.2
808.5
827.0
897.0
681.5
764.3
749.5
932.0
1903年
1998年
1998年
1983年
1942年
1922年
1985年
1998年
・値は速報値であるため修正される可能性があります。
・平年値の統計期間は 1981~2010 年です。
・3か月別値の統計は、気象官署及び特別地域気象観測所のみで行っています。
注:前年の12月~記載年の2月の間の統計値のことを示しています。
1890年
1966年
1958年
1942年
1938年
1896年
1954年
1956年
2.多雨となった要因
この冬の沖縄地方の天候は、2015年11月から12月にかけて最盛期を
迎えたエルニーニョ現象の影響を大きく受けました。太平洋赤道域の日付変更
線付近で積乱雲の活動が平年より活発となった一方、インドネシアからフィリ
ピン付近では積乱雲の活動が平年より弱く、その付近で(対流圏下層の)高気
圧の勢力が平年に比べ強まり、沖縄付近は南からの暖かく湿った空気が流れ込
みやすくなりました(下図)。このため、沖縄地方のこの冬は、低気圧や前線、
湿った空気の影響で曇りや雨の日が多くなり、気温は高く、降水量はかなり多
く(前項のとおり、記録的な多雨)、日照時間はかなり少なく(地域平均平年比
は72%、1947年の統計開始以来少ない方から第5位)なりました。
この冬(12月~2月)の大気の流れ(沖縄地方の天候に関係した主な部分の模式図)
(エルニーニョ現象の詳細については、以下のホームページをご覧ください。)
エルニーニョ/ラニーニャ現象 http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/elnino/
(月別、旬別の沖縄県の天候についての詳細は、
「沖縄地方の天候」や「沖縄県
農業気象旬報」をご覧ください。)
http://www.jma-net.go.jp/okinawa/menu/syokai/toukei/tenkou.htm
本件に関するお問い合わせ先:地球環境・海洋課
電話:098-918-4012