ナス 半促成栽培では定植前の一二〜一月 に施設内の雑草を除草して、約一カ月 間閉め切り、施設内の温度を上昇させ てアザミウマを羽化させ、餌のない状 態で餓死させる。 育苗は、育苗専用施設を設けて行な う。定植を予定している施設内では育 1のナスの診断フローチャートに従 ロ、ヒラズハナの四種である。図Ⅳ― 発生する主なアザミウマは、ミナミ キイロ、ネギアザミウマ、ミカンキイ 隣接地の圃場や家庭菜園などでナス などの作物が栽培されていると、そこ 圃場管理 施設栽培 ると侵入防止効果が高くなる。 施設および育苗専用施設の天窓や側 面開口部には、目合い一㎜以下の防虫 ◆防除の実際 い、被害症状からアザミウマの種類を がアザミウマの発生源になる。前作で 育苗専用施設には紫外線カットフィ ルムを被覆し、アザミウマ成虫の侵入 ◆診断のポイント 診断する。初期の被害症状はよく似て はアザミウマが多発する作物を栽培せ を防ぐ。なお、紫外線カットフィルム 苗しない。 いるので、ルーペなどを用いて雌成虫 ず、同一施設内ではアザミウマが発生 を被覆した施設ではナス果実の着色が 果頂部全体が 着色不良 ミカンキイロ アザミウマ 図Ⅳ- 1 ナス(ナス科)の診断フローチャート 不良になったり、受粉用のミツバチが 図Ⅳ- 2 ナスにおけるアザミウマの加害時期 (○は播種、◎は定植、□は収穫を示す) 11 10 ネットを展張する。赤色ネットを用い の体長や体色を観察する。アザミウマ しやすい作物を混作しない。 水なす果頂部に 円形脱色斑 で、作型により加害時期が異なる。 ミナミキイロ アザミウマ のとおり 飛翔しないなどの悪影響があるため、 果面に茶褐色の 縦筋状の傷 9 8 7 6 5 4 3 2 種類 栽培管理 ミナミキイロ 施設(促成) ネギアザミウマ ミカンキイロ ヒラズハナ 栽培管理 ミナミキイロ 施設(半促成) ネギアザミウマ ミカンキイロ ヒラズハナ 栽培管理 ミナミキイロ 露地 ネギアザミウマ (トンネル早熟) ミカンキイロ ヒラズハナ 1 作型 ヒラズハナ アザミウマ 種別の加害時期は図Ⅳ― 促成栽培では定植前の八月に施設内 の雑草を除草して閉め切り、太陽熱に 育苗専用施設のみに被覆する。 葉裏全体の白斑 ミカンキイロ アザミウマ 葉裏の葉脈間の 白斑 ルを敷くと効果が高まる。 より温度を上昇させてアザミウマを殺 ミナミキイロ アザミウマ 74 75 Ⅳ 品目別 防除マニュアル▷ナス 虫する。同時に土壌表面に透明ビニー 葉の奇形、葉裏 が広範囲に銀灰 色に光る 12 雑草はアザミウマの発生源になるの で、施設の内外の雑草は定植前に除草 葉表と葉裏の葉 脈沿いの白斑 被害小、緊急 の対処不要 がく下の果面に 白斑 果実 ネギアザミ ウマ 被害大、水ナ スではすみや かに防除、そ の他の品種で は多発前に防 除 花弁の白斑 2 葉裏の葉脈沿い にも白斑 被害大、発生 初期にすみや かに防除 葉表の葉脈沿い の白斑 被害小、緊急 の対処不要 多発時症状 葉 ミカンキイロ アザミウマ 花 対処 発生種 初発時症状 発生部位
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