品質カイゼン室の 花のソコが知りたい! ラナンキ ュラス編 ●「Ranunculus」はラテン語で蛙の意味である「rana」から。 ⇒蛙が多くいるような湿地に自生することや 葉の形が蛙の足に似ていることなどが由来。 は な き ん ぽ う げ ●和名は花金鳳花 ●原産地は中近東~ヨーロッパ東南部 ⇒日本へは明治中頃に渡来 ●キンポウゲ科ラナンキュラス属 ⇒クリスマスローズ、クレマチスも同じ科の仲間 大輪になると 10cmを超える花の大きさが一際、存在感を増します! 1968 年に超巨大輪の「ビクトリアストレイン」という品種が発表されたのをきっかけに、 多くの人にラナンキュラスが知られるようになりました。 やわらかく薄い花弁の質感や花弁の重なり方がとてもかわいらしく、 変わり咲きや色のバリエーションも豊富なラナンキュラスは、 一足早く春の到来を感じる花として、2~3 月にかけて出荷のピークを迎えます! 生産地は、宮崎県、香川県、長野県など多県に及んでいます。 栽培スケジュール 注 温度管理がポイントです! 過湿や過乾燥に注意 ↓ 30日程度冷蔵 8月 球根管理 採花せず球根の充実を促す こまめな水分管理 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 5℃ 球根冷蔵開始 終了 球根 養成開始 球根掘上げ 収穫 栽培管理 定植 適温は20℃以下 夜温5℃管理 ※寒さに当てないと花 芽が形成されない性質 ※風通しを良くし、換気を行い調節する 葉が全て黄花したら ●良いラナンキュラスの選び方 ・茎が細く花頭が重いので、花首までしっかり水が上がり、花弁少しほころんでいるもの ●扱い方 ・ 葉は弱いので、あらかじめ取り除く ・ 茎は細くやわらかいため水平に切る ・ こまめな茎のきり戻しや水かえ ・ 切り花栄養剤を使用することも有効で、つぼみも開く ●咲き方のバリエーション 変わり咲きや色のバリエーションも豊富なラナンキュラスは、その場の雰囲気に合わせて選ぶことができます。 オルレアン スポット 花弁1枚1枚に小さく コルテ ちほの舞 ピコティ フリンジ咲き 花弁の縁に色がついているもの 花弁の縁がぎざぎざしもの 色が入ったもの シャルロット カーネーション咲きとも呼ぶ アルボア エズ ピオニー咲き バラ咲き バイカラー シャクヤクのような バラのように花弁がカールした 花弁の裏表で色が異なる フリル状の花弁 咲き方でカール咲きとも呼ぶ もの。角度によって色の 配分が変わる ~香るラナンキュラスご存知ですか~ シバス 種類によっては、すっきりとしたシトラス系の香りがありましたが、 さらに強い香りが楽しめる、「香るラナン」も注目されています! (参考文献) 照屋博康(2003)「農業技術大系 花卉 第 10 巻 シクラメン・球根」農文協 宍戸・長塩(2011)「花屋さんの花材が全てわかる アレンジ図鑑」株)世界文化社 日持ち試験を行いました! ラナンキュラス 高温耐性が低く、冬から春にかけて流通されます。 色のバリエーションや咲き方が豊富で、ブライダルや花束、お部屋などさまざまなニーズに 答えてくれ、一足早く春を感じさせてくれる花としてとても人気です。 そこで、花弁がやわらかく、繊細なラナンキュラスはどのくらい楽しめるのか、実験してみました! 実験概要 ● 品種: ピンク/ホワイト ● ● 環境条件:【試験室A】平均温度25℃ 湿度60%前後 【試験室B】平均温度19.3℃ ● 試験区分 水のみ/切り花栄養剤(クリザールを使用) 【試験室A】各2本 【試験室B】各3本 実験結果・まとめ 今回の実験では、試験室Bの切り花栄養剤を使用した区分が最も日持ちしホワイトで12日以上、 ピンクで10日でした。また、試験室Aでも切り花栄養剤の区分でどちらの品種も約1週間日持ちし、 切り花栄養剤を使用することで日持ちの延長が認められました。 日持ち終了理由は花弁の萎れ、茎折れおよび散りでした。 本来、ラナンキュラスは寒さに強い花なので、常温の環境条件では1週間程度の日持ち期間とされていますが、 今回の実験ではどちらの品種でも10日間楽しめました。 以前までは、水が落ちやすい、花首が折れやすい、つぼみが咲かないなど敬遠されがちでしたが、切り前を1 度咲かせて花首をしっかりさせてから収穫することで、日持ちの良い品種が多くなりました。これは花の開閉 を繰り返しながら花を大きくし、花首が硬くなる習性があるためです。 常温でも楽しめますが、なるべく涼しい場所、玄関や直接エアコンの風が当たらない部屋に飾り、 一足早く春を感じ、春まで長く楽しみましょう! 【試験室B】8日目の様子(切り花栄養剤)
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