実務で使いこなせる法律を 法学部出身者である養成課程第一部生は,書記官として実務で働くた めに必要となる手続法や規則を中心に学んでいます。また,学生時代に 勉強したことのなかった破産法や民事執行法などの実務に直結する法律も 学んでいます。裁 判所 職 員総合 研修 所では, 前 期研修で書記 官として働くための基礎知 識を学び, その 後,実務修習として各地の裁判所で,実際の書記官事務を経験することができます。そこで,研修所で学ん だ知識の理解を深め,また,自分に足りないものも確認することができるので,研修所に戻ったあとの後期研修 では,その部分を勉強することができます。 通所生としての工夫 私は入寮せずに自宅から通っている通所生なので,寮生との間に壁 ができてしまわないか不安でした。しかし,研修中は,みんなで一緒に 議論や検討をすることも多く,講義後にバレーボールをしたり,休日に 旅行に行ったりするうちに,寮生,通所生を問わず,打ち解けること ができました。また,通所生は,寮生と比べて,勉強時間が少なくな ってしまう不安がありましたが,通所途中の電車の中で勉強をしたり, 朝早く登庁して勉強したりと,隙間時間をうまく使うように工夫してい ます。 間違いを恐れないこと 研修当初は,「間違えたらどうしよう」と恐くてびくびくしていましたが,教 官から「研修所では間違えても大丈夫だよ。実務で間違えないために今 研修しているのだから,間違えることを怖がらなくてもいいよ。」と言っていた だき,自分の意見を積極的に述べて議論できるようになりました。 研修所に入所してからは,事務官として仕事をしていた時よりも,事務の根拠や目的を意 識するようになりました。法律や社会は変わっていくので,常に勉強が必要になりますが,根 負 け ん 気 と 根 拠 と 人 と 拠や目的を考えなくなったら書記官としての成長は止まってしまうと思うので,考える書記官 に なりたいと思います。 そして,養成課程の同期は,これから先もずっと困ったときに相談でき支えあえる仲間です。 全国に同期のネットワークができたのは何ものにも代えがたい財産です。一方で,同期はライ バルでもあります。私は元々負けず嫌いなので,研修所に来て頑張っている同期に負けない ように頑張りたいと思うことが強くなり,より一層負けず嫌いになったような気がします。 人が人を育てる職場 裁判所は適正・迅速な裁判を実現するための場所であり,職員一人一人に高いプロ意識が求められます。これだ け聞くと,責任が重く,自分には無理だと感じてしまう人がいるかもしれません。しかし,研修所では,書記官とし て,プロとして働けるようになるために,とても恵まれた環境の中で研修を受けることができ,たくさんの方に育てても らえます。 皆さんも,「人が人を育てる職場」である裁判所で働いてみませんか。 鈴木渚紗(すずきなぎさ) 平成24年 採用 東京地方裁判所 所属 裁判所書記官養成課程第一部12期生 趣味は,バレーボール,旅行,かっぱのキャラクターグッズ収集
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