第166号 - 尾鷲市

共創・共育・共感
尾鷲市教育長だより
2016.3.4.(金)
第166号
中学校を巣立つ君たちへ
中学校を卒業するみなさん!みなさんが3月8日(火)に手にする卒業証
書は、社会に出るための大事なパスポートです。
義 務 教 育 9 カ 年 を 修 了 す る と い う こ と は 、「 こ の 人 は 、 日 本 国 民 と し て 、 社
会で生活していく上で、必要な基礎を身につけましたよ」という、人生の中
でも、重要な、とても値打ちのあることなのです。
みんなで大いに祝福したいと思います。
中学校を卒業するということは、自分で選んだ新しい道を、自分の責任の
もとに歩いていくという、これまでとは違った人生への、大きな節目です。
これからの道は、新しい道ですから、これまでの経験や知識だけでは、乗
り越えられない壁に何度もぶつかると思います。
しかし、あきらめてはいけません。あきらめないで挑戦する。そこに必ず、
解決の道が拓かれます。ピンチをチャンスととらえチャレンジする生き方を
してほしいと思います。
そこで、中学校を巣立つみなさんにお話したいことがあります。それは、
可能性を信じ、夢や希望を持ちチャレンジすることの大切さについてです。
人間にはとても大きな可能性があります。
例えば、事故で両手両足の自由が奪われ、絶望のどん底にいた人が、ある
時、小鳥が餌を食べているのを見て、
「そうだ!手や足が使えなくても私も口を使うことができる!」というこ
とに気づきました。やがて、絵筆を口にくわえ、さまざまな試練や困難を乗
り越えながら、多くの人に感動を与えるような、すばらしい絵を描くことが
できるようになりました。
あれもできない、これもできないと落ち込んでいた人が、悩みながらも、
ある時ふと、
「これならできる!」と、新しい自分の可能性に気づき、奥底に潜んでい
た可能性をどんどん大きく伸ばしていったのです。
人 間 は 、 こ の よ う に 壁 に ぶ つ か り 、 悩 み 揺 れ な が ら も 、「 も の の 見 方 や 考 え
方 」 を 少 し 変 え て み る こ と で 、 新 た な 可 能 性 に 気 づ き 、 そ れ を 伸 ば し て 、「 夢
や希望」を持つことができるのです。
私 た ち に と っ て 「 夢 や 希 望 」 を 持 つ こ と は 大 切 で す 。「 夢 や 希 望 」 は 、 生 き
るためのエネルギーです。生きる元気や勇気を与えてくれます。
さ ま ざ ま な 出 会 い も ま た 、「 夢 や 希 望 」 を 生 み だ し て く れ ま す 。
人との出会い、すばらしい音楽やよい本との出会いにより、これまでにな
いような感動や発見を味わい、自分もこうありたい、こうしたいという「夢
や希望」が生まれてきます。
私もこれまで、さまざまな方々との出会いの中で、多くの感動や元気をも
らいました。みなさんにも、自分の可能性を信じ、夢や希望を持ち、さまざ
まな出会いを大切にしながら、これからを生きていってほしいと思います。
また、人間というのはオモシロイもので、一つのことをするにも、ぶつぶ
つ不満を言いながら、何ともダルそうに、仕方なくやる人と、そういう気持
ちは、表情や行動に表さずに、やるとなったら明るく元気いっぱいにやる人
がいます。
明るく元気よくやっているから、その人がそのことが好きでたまらないか
と い う と 、 決 し て そ う で は な く 、 嫌 な こ と で も 、「 自 分 に 力 を つ け る の に 、 い
い チ ャ ン ス だ ! 」 と 考 え 、「 ど う せ や る な ら 明 る く 楽 し く や ろ う 」 と 、 そ ん な
気持ちでチャレンジしているのです。
そ の 根 本 は 、「 も の ご と を 、 自 分 が 大 き く 成 長 す る チ ャ ン ス だ ! 」「 自 分 に
力 を つ け る チ ャ ン ス だ ! 」 と 、 前 向 き に 、 明 る く 受 け 止 め る か 、「 な ん で こ ん
なことせんなんのやろ?」と、後ろ向きに暗く受け止めるかの違いです。
や っ て み れ ば 、 ど ん な こ と で も 、 自 分 の た め に な っ て い る も の で す 。「 ど う
せやるのなら、明るく、楽しくやってみよう!」とチャレンジしていく。
そうしているうちに、気持ちまで明るくなって、生き生きとやっているの
が、人間の不思議なところです。どうか、みなさんも、ものごとを、明るく
受け止めて、前向きにチャレンジしていってほしいと思います。みなさんの
これからの活躍を大いに期待しております。卒業おめでとうございます!