23 レールに乗った県央基幹病院 池 田 稔 県央応急診療所は燕市、加茂市、見附市南蒲原 なかなかむずかしいと各方面から言われますが、 郡、三条市の四医師会会員の有志の先生方88名 (平 新幹線燕三条駅に歩いて行けることや北陸自動車 成27年度)に診療をお願いしております。 道三条燕インターに近いなどの立地条件が生きて 年末にアンケートを取り次年度当番表を作成し くると思われます。現に県央地区の病院勤務の先 ます。先生方のアンケートの要望事項で一番多い 生方、開業医の先生方の多くが新潟市内から通勤 のが「二次救急に連絡しても受け入れてもらえな しておられます。新幹線は値段が高すぎ、通勤に い」、「専門以外の疾患を診察することに不安があ 高速道路は使わない、もっぱら一般道路と言われ る。責任が取れない」 、 「昼に診察に行けないだけ ますが、利便性がよく、特に冬場のアクセス道路 の患者が来る」等々です。 が複数あるのは大きな強みです。 これは、一次救急がここ県央地区では深夜早朝 看護師確保の問題も現在三条市では市内の大崎 を除きある程度充実してきているが、二次救急病 中学校跡地を一つの候補地として、看護系高等教 院の医師不足、看護師不足で疲弊している状況で 育機関の設置を早ければ平成31年4月に予定して このままでは何年も持たないことを示しています。 おり、正看護師養成3年コースと歯科衛生士コー この状況下で、ようやく県央基幹病院基本計画 ス、医療事務コースが開設予定であります。 策定委員会において、県央基幹病院の場所が三条 三条市医師会准看護学院は県内に2つとなった 市上須頃に決定いたしました。 准看護師養成学校です。第53期は35名募集で卒業 これから病院間の役割分担が話合われます。燕 生の半数は、県立吉田病院付属看護専門学校に入 労災病院、三条総合病院が中心になる経営母体の 学し正看護師を目指しております。 話合い、新潟大学中心の医師確保、看護師の確保、 同じ市内に正看護師の学校ができること、いま などがこれから部会を通じて討論されます。 でも実習先が十分ではないが、県央基幹病院が大 場所の決定は基幹病院がレールに乗ったことに きな実習先になること、介護や在宅医療関係の需 なり、病院のイメージがすぐ頭に浮かぶようにな 要で一時受験者が増加したが、安定したものでは りました。上越新幹線の燕三条駅を下り、プラッ ない事など准看護学院の今後は大きな変化が予想 トホームから(弥彦山側)地場産業センターや結 されます。先輩の先生方が苦労しながら運営され 婚式場の長岡側(西側)に基幹病院が建ちます。 てきた学院を終わらせることなく、できれば発展 このことは県央地区の医療関係者は勿論のこと、 させたいと臨機応変な対応を考えてまいります。 県央地区の住民のモチベーションが更に高まるこ レールに乗った県央基幹病院はこれからが正念 とと思います。 場です。今後とも皆様のご協力をおねがいいたし 次に問題となるのが医師、看護師の確保です。 ます。 医師については魚沼基幹病院に引きつづき新潟大 (三条市医師会長) 学にお願いすることが多くなると思われ、これは 新潟県医師会報 H28.2 № 791
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