2016 年度 12 月期(第 3 号) 京都大学フォーミュラプロジェクト KART 月例活動報告書 12 今月の活動概要 新設計 KZ-RR14 全体像 ○名古屋大学静的交流会 ご挨拶 ○第 24 回フロムセブン ミーティング ○SolidWorks 講習会 ○エントリー報告 新年明けましておめでとうございます.旧年中は格別 のご高配を賜り,誠にありがとうございました.本年も変 わらぬご指導・ご鞭撻の程を何卒宜しくお願い申し上げ ます. 今月ご支援頂きました方々 さて,12 月は車両の詳細な設計を行うとともに,製作の 手配を進めてまいりました.車両の設計製作は,講習会 今月の各班報告 や勉強会,チームの広報活動などと両立して進めてい かなければなりません.今年のチームコンセプトである 「クリティカルシンキング」を念頭に置き,じっくりと現状と 計画を見比べ,検討しながら活動してまいります. 今年も京都大学 KART をよろしくお願いいたします. 1 2016 年度 12 月期(第 3 号) 今月の活動概要 名古屋静的交流会 5 日に,名古屋大学の学生フォーミュラチー の設計手順や各諸元の決定方法などについ ム主催の静的審査対策に関する交流会が行 て発表いたしました. われ,KART から 4 名が参加しました.午前の 4 名のメンバーは,入れ替わりながら 3 つの 部では大会の車検員の方々による車検講習 分科会の講演とディスカッションを拝聴してま 会が行われました.今年度に関しましては,昨 いりました.各校の静的審査への取り組みを知 年度のレギュレーションの変更に比べて変更 るいい機会であり,とても良い刺激となりました. 点は少なく,主に SES の書き方や燃料系周り 昨年度はコスト審査が 15 位と足を引っ張り,成 の注意点などについてのご指導をいただきま 績が芳しくなかった要因のひとつに挙げられま した.午後からは,デザイン・コスト・プレゼンテ す.これから車両製作に追われる時期に突入 ーションの 3 つの分科に分かれて,それぞれ しますが,静的審査の 3 つ全てで好成績を収 の成績上位校の担当者による講演とフリーデ めることが出来るよう,早期から準備を進めて ィスカッションが行われました. 参りたいと考えております. KART はデザイン分科会で講演を行い,車両 第 24 回フロムセブンミーティング 6 日,嵐山―高尾パークウェイにて京都市 の方から私たちの車両に対するアドバイスや 中心の自動車愛好家団体,フロムセブン様主 激励の言葉をいただきました.この場をお借り 催による第 24 回フロムセブンミーティングが開 してフロムセブンの皆様に厚く御礼申し上げま 催されました.フロムセブンミーティングでは, す. 多くのスーパーカーやレトロカーが全国各地 から集まり,チャリティーオークション・臓器提 供意思カードの配布・じゃんけん大会などが行 われ,オークションの収益金と来場者による募 金を歳末ふれあい募金に全額募金するという 主旨で行われています. KART からは 5 名が参加しました.例年通り 来場された車両の誘導をお手伝いし,車両展 示も行わせていただきました.日頃あまり拝見 憧れのスーパーカーが並ぶ することのない憧れの車が多数集まる中で楽 しくお手伝いさせていただきました.また,多く 2 2016 年度 12 月期(第 3 号) SolidWorks 講習会 23 日 に 大 阪 大 学 に て 開 催 さ れ ま し た SolidWorks は私たちが普段から使用させて SolidWorks 講習会に KART から 1 回生 2 名 いただいているソフトウェアではありますが,今 が参加いた しました . CAD ,CAE のプロの 回の講習会で新たに知った機能も多くありまし 方々から SolidWorks の使い方や機能につい た.また,解析の基本的な方法について教え て教えていただく大変貴重な機会となりました. ていただいただけでなく,得られた解析結果か 午前には CAD コース,CAE 流体解析コース, ら考察できることがたくさんあるということに感 CAE 構造解析コースの 3 コースに分かれて講 銘を受けました.さらには,CAD,CAE の講習 習が実施され,私たちは CAE 構造解析コース だけでなく,エンジニアリング一般に関わる講 に参加いたしました.午後の構造解析コース 義をしていただき,大変勉強になりました.今 では,パスタを使用して橋を製作し,その強度 回の講習会で学んだことを反芻し,設計に生 を実際に計測しました.さらにその構造につい かせるよう努めてまいります.また,最後になり て SolidWorks を用いて解析することで,解析 ましたが,今回の講習会を企画,実施してくだ 値と実測値の差を実感することができました. さったすべての方々に厚く御礼申し上げます. 大会エントリー 第 14 回全日本学生フォーミュラ大会のエン ーション(加速),スキッドパッド(旋回),オートク トリー受付が 12 月 21 日より開始されました.ま ロス(コース走行),エンデュランス(耐久走行)の た同時に,今年度の大会日程も公開されまし 動的審査の,全 7 競技です. た. KART も早速大会エントリーを行いました. 今年度大会は,9 月 6 日~10 日までの 5 日 KART の 1 年間の活動の集大成を発揮する 間,静岡県の小笠山総合運動公園で行われ 場ですので,ぜひ会場にお越しいただければ ます.競技は例年通り,デザイン(設計),コスト, と思います. プレゼンテーションの静的審査と,アクセラレ 第 14 回 全日本学生フォーミュラ大会 開催日程 : 2016 年 9 月 6 日(火)~10 日(土) 開催地 : 静岡県 小笠山総合運動公園 大会公式 HP:http://www.jsae.or.jp/formula/jp2/ 3 2016 年度 12 月期(第 3 号) 今月支援していただきました方々 今月は以下の方々にご支援をいただきました.厚く御礼を申し上げますとともに,今後とも温かい ご声援のほど,よろしく願い致します. スポンサー様 ソリッドワークス・ジャパン株式会社 様 (講習会を開催していただきました) サポーター様 中澤 知哉 様 今月の各班報告 シャシ班 12 月はシャシの設計において,特にサスペ ンションのレイアウトを大幅に変更いたしました. 今年度車両の設計目標の 1 つであるハイダウ ンフォースを実現するために,エアロデバイス に流れ込む空気流を乱すことがないように徹 底的にカウルの中にパーツを隠すことを再検 討いたしました.その結果,フロントベルクラン クを従来のように地面に対して垂直に配置す るのではなく,地面に対して寝かせる形で配置 リアサスペンション することによりカウルで完全に覆う設計に変更 ーム構造をとることにより,以前はカウルの外 いたしました.リアに関しましてはロッキングア へ大きく突き出していたベルクランクを無くし, 後方に控えるエアロデバイスへの空気流の乱 れを可能な限り抑制いたしました. しかしながら従来の設計から大きく変更する ことは大きなリスクを伴う事でもあります. よって今年は実走において問題点が浮上した 場合に備えて設計変更が行えるよう,余裕を 見て設計しております. フロントサスペンション 4 2016 年度 12 月期(第 3 号) エンジン班 今月エンジン班では,冷却系のラジエータ を達成するため,今年度はラジエータを両側 サイズの選定,ステアリング電装のタコメータの のサイドポンツーン内に搭載し,ラジエータに 調整を致しました. 当たる空気流量を増やし,ラジエータ面積も 2 まず,冷却性能に関しまして,昨年度車両 つ合わせて昨年度の 1.4 倍程度にいたしまし のエンジン温度が高く,そのことがエンデュラ た.また,ウォーターポンプサイズについても ンスリタイアの原因になったことも踏まえ,自作 再検討を行いました.現在は 15l/min のポンプ の設計シートを用いてラジエータサイズの見直 を使用しておりますが,30l/min 程度まで冷却 しを行いました.さらに今年度は過給を行うた 水流量を上げれば放熱量が 4kW 上昇するこ め,出力増による冷却損失の増大を加味し. とが分かり,来年度車両走行時に冷却性能が 必要放熱量に余裕を持たせ,目標放熱量を昨 足りない場合,ウォーターポンプの変更で対応 年度の 28kW から 38kW としました.その目標 できるように設計します. 次にステアリング電装のタコメータにつきまし て,昨年度プログラミングが完了していなかっ たため,タコメータのプログラミングを行いまし た.まず,タコメータに必要なエンジン回転数 のデータは Motec より出力します.オシロスコ ープで測定した結果,エンジンの回転と信号 の周波数が一致していることが分かり,それに KZ-RR14 の上面図 およびラジエータ配置図 合わせてプログラムを書きました.来月は回路 を組み立て,実際に点灯実験を行います. エアロダイナミクス班 今月は,3DCFD を用いてのリア部の形状の 法やマウントを反映した詳細な CAD の作成を 変更と,ラジエータ流路の検討,そして製作方 行いました. まず先月作成したカウル内部の気流も評価 できる解析モデルを用いて,マシンリア部の形 状の変更を行いました.中空化したモデルを 用いることで,カウル内部を流れてきた気流と マシン底面を流れてきた気流の合流部をより 詳細に検討することができました. 続いて,ラジエータ流路の検討を行いました. 昨年度車両では,ラジエータ流路の検討を十 分に行っていなかったために,エンジンのオー フロントセクションの様子 バーヒートが問題となりました.それを踏まえ今 5 2016 年度 12 月期(第 3 号) 年度車両では,ダクトを用いて独立した流路を サイドウイングの内部に設定し,その入り口は 乱流を抑え正圧に,出口は負圧になるように 設計しました. 最後に,詳細な CAD の作成を行いました. 昨年度のエアロパーツは脱着にフロントアーム とリアプッシュロッドを外す必要があったため, 走行の準備や車両に問題が発生した時の対 処に,多くの時間が必要となっていました.そ こで今年度は,エアロ―パーツの脱着にアー ム類を外す必要がないことを条件とし,可能な 限り剛性を損なうことがないように CAD の作成 を行いました.昨年度軽量に製作できたウイン グの構造は昨年度の構造を引き続き採用しま した. 来月からは,各パーツのメス型の設計をおこ なってまいります. 6
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