第一章 ボルチモア放浪記

第一章 ボルチモア放浪記
Act.1
ボルチモアについたけど・・・
Dr.Goldmanのいるボルチモアは、北米大陸の東海岸で首都
ワシントン DC に近くにある独立戦争以前から栄えている古い都市で
す。日本からの直行便は無いため、まずワシントンDC郊外のダレス
国際空港(映画DieHard2の舞台となった)で入国しました。そこでタク
シーに乗り換え約 1 時間移動し、ボルチモアに到着しました。
ボルチモア Downtown のインナーハーバー
前述した通り、米国がまだ英国植民地時代より栄えていた古い街で、独立戦争で活躍した船や城(Fort Mc
Hnerry)があります。 Downtownは Inner Harbor を中心に観光地が整備されています。私的には米国留学時代
に 2 回訪問していて、今回 3 回目の訪問になります。 6 年前に比べ港湾が整備されていて、非常にきれいになっ
た印象です。ただ治安はそれほど良くは無く、Downtownを離れると古い街並みの中に廃墟が点在するのが車
越しにも見受けられ、道中雰囲気はどん底となってきました。ちなみに一説では全米 6 番目に危ない街とも評され
ているようです。
Act.2
Johns Hopkins Hospital Medical Center の訪問
米国到着翌日に、歓迎会までの間の空き時間があるという
ので、現地のスタッフが急遽用意してくれた Tour で、念願の
Johns Hopkins Medical Center (ジョンホプキンス医療セ
ンター;以下、JH 病院)の見学する機会がありました。 この J-H
病院は長年全米病院ランキングで名だたる大学病院を押さえ、
常に「Best(一番)」の評価を得ている病院です。(私が留学して
いたPittsburgh大学は当時 No.10 でした)。 日本では米国整形
外科では Mayo Clinic が有名ですが、Mayo はいつも第二位で、
J-H 病院が No.1 であることは以前から知っていました。ですから
▲高い天井と高級そうな装飾品とソファーが並び、高級ホ
テルを思わせるような外来棟のロビーに一同唖然とせざる
をえませんでした。
当時より一度見学したいと思っていました。
JH 病院は、ボルチモア Downtown のやや北部に位置していま
す。病院の敷地は、都市部でありながら 30 ブロックもある巨大な街
を形成しており、ボルチモア都市周囲に多くの Branch Hospital もあ
るようです。現在いるブロックには総勢 3 万人の従業員が稼動してい
るとのことです。
今回は急遽お願いしたところなので、見学は、Out Patients(外
来棟)、旧病院棟、眼科棟、腫瘍部門のみとなりました。歴史と名誉
▲
泉工医科貿易の林
さん(皆にアンパンマン
と呼ばれています)
▲病院施設内の Tour は、事前に予約をすれば誰でも
参加できるようです。(林さんは何故前に立つ?)。
のある病院なのか、見学 Tour が用意されており、事前に予約をすれ
ば J-H 病院施設の一部を誰でも見学できるようです。我々もそれに
漏れず見学ツアーに参加し、病院の理念や歴史などの説明を受け
ました。
各施設は通路で繋がっているものの建物ごとに設置されていて、
Entrance には業績や功労者、開発した使用した医療機器などが博物
館のように展示されています。 その大きさと各施設歴史を垣間見て、
非常に驚きと同時に益々敬愛の念を抱
かざるを得ません。この後に会う
Dr.Woldmam も こ の JH 病 院 Medical
School の出身で、入学に際しては非常に
大変であったと後で聞きました。
■Johns Hopkins 氏の胸像 彼
はボルチモアの資産家で、彼
の寄付で作られた病院なので、
彼の名が刻まれている。
旧外来棟での記念撮影
Act.3
Sinai Hospital Medical Center で、Dr.Goldman の手術見学
Sinai Hospital Medical Center はボルチモアの中心部よ
り北に自動車で 30 分ほど郊外にある、中堅規模の病院です。
救急を行う外傷部門と、関節置換や脊椎をあつかう整形外科、
そして各科がそろった総合病院です。
今回は、残念ながら3D knee TKA の手術は見ることはで
きず、人工関節感染による入れ替えの手術と、人工股関節の
手術を見学してきました。 使用されている手術機器は日本
で使用できるものとほぼ同じでした。だた手術前の Time-out
(手術患者と部位、術式をスタッフ全員で確認する作業)やガ
ーゼカウウンターなど初めて拝見するものもあり、Pittsburgh と
また異なりさまざまな面で勉強になりました(詳細は写真の説明を参考)。
今後、山近記念総合病院での人工関節手術で、参考になるものと思います。