「フクギの里宣言」全文

フクギの里宣言
フクギは、古くから防風や防潮、防火の考えのもと、住民の安全な生活環境
を支えるものとして、沖縄県全域の特に海に面する地域で多く植えられてきま
した。
しかし、近年の生活様式の変化や、大型開発による都市化等により、現存す
る地域は全県的に減少しつつある中で現在では、本部町内の集落がフクギを代
表する地域として広く認知されております。
整然と植樹されたフクギは、古いもので樹齢250年を超えるものもありま
す。その濃緑の凛とした樹形や、長い年月をかけて逞しく成長した樹幹が南国
特有の雰囲気を醸し出します。木漏れ日の射すフクギ並木の中を歩くとき、訪
れる人は、どこか懐かしく穏やかな気持ちに満たされるといいます。それは「ゆ
いまーる精神」で支え合って生きてきた古き良き時代の“うちなー”の心や風
景が、今なおこの集落の佇まいの中に魅力的な空間として守られ、活かされ続
けているからにほかなりません。
本町では、昭和62年にフクギを町木として選定しました。
わたくしたちは、先人が守り育ててくれたフクギのある暮らし、またフクギ
への愛着に想いを寄せ、これを大切に受け継いでいきます。そして、フクギを
通して、本部町に住むことへの誇りを感じ、自然と共生する豊かなまちづくり
をめざし、ここに「フクギの里宣言」を行います。
わたくしたち本部町民は
1. 先人たちがこれまで築きあげた歴史に感謝し、その想いを忘れることなくフ
クギを活用したまちづくりに務めます。
1. 先人たちの知恵と努力で築きあげたフクギに囲まれた生活環境を守り、将来
にわたり、その環境を大切にします。
1. フクギをとおして豊かな自然との共生をめざし、その価値を後世に伝えてい
きます。
1. フクギのある環境と、そこで育まれた地域文化に愛着と誇りを持ち、優しさ
と活力に満ちたまちづくりに邁進します。
以上「フクギの里」本部町を高らかに宣言します。
平成27年2月9日
本
部
町