ブリーダー通信 ㊴ 高性切葉 葉牡丹 「F₁フェザー」 の登場で ますます充実の タキイの葉牡丹 前田 裕行 タキイ研究農場 まえ だ ひろ ゆき ↑「フェザーレッド」のアレンジメント。 葉牡丹はキャベツやブロッコリーと同じ仲間で はれ すがた はつ べに 」初紅」 を発表し、花壇品目のみならず切 の定番品種 「晴姿「 Brassica oleraceaに属します。1700年初頭にオランダナの り花品目としても利用されるようになりました。2000年代 では世界各地で楽しまれる園芸植物です。 して、 「ルシール」シリーズ、 「グロッシーレッド」 を 『プラチ 名で日本に伝わった食用ケールを元に改良が続けられ現在 タキイ種苗では1950年代から育成が始まり、1972年に葉 牡丹で初のF₁ 品種 「さぎ」 「たか」 を発表し、その後1980年代 にニュータイプ葉牡丹として従来にない葉形の切葉系 「かん は葉牡丹の枠にとらわれない照葉形質に特徴をもつ品種と ナケール』の総称で発売しました。葉牡丹の発展にはタキ イ種苗の品種が大きく貢献しています。 そして各頁にてご紹介する 「F₁フェザー」シリーズは、高 ざし」 「くじゃく」 を育成し葉牡丹の需要拡大につなげました。 性切葉タイプの品種でさらに活用の場を広げてくれます。 1990年代に入ると切り花用の高性種の育成が進み、高性種 「F₁フェザー」 シリーズ (TB-702、TB-703) わい 花壇用に利用される矮性種には、ち りめん、切葉、大阪丸葉と葉型にも幅 ます。草丈は70㎝とよく伸びます。草 勢は従来品種より強くなります。 花特性 (伸長性、小葉) にすぐれた品種 の開発にも取り組んでいます。 ●新規提案型品種 今後の育成の流れ 温暖化の影響で夏の播種、育苗が難 があります。高性切り花用品種は、東 ●従来品種の改善 しくなってきています。従来品種には 京丸葉系統の 「晴姿」 「初紅」が主に栽培 高性種の紅色は、草丈が伸びにくく ない伸長性をもつ品種を育成すること され、年末を中心に出荷されます。 「フェザー」 シリーズは、切り花用に 改良された本格的なF₁色別切葉系の高 性種です。切葉のもつ雰囲気からクリ スマスシーズンの切り花などの花材と しても幅広い利用が期待されます。ま た、着色前の切り花をアレンジグリー ンとして利用してはいかがでしょうか。 栽培が難しいイメージがあります。 「晴 姿」 のように草丈が伸び、観賞部が小さ くまとまりやすい紅色が以前から求め られています。この要望に応える品種 をいち早くタキイ種苗から発表できる ように育成に取り組んでいます。 で、8月下旬~9月上旬播種で草丈が 確保でき葉姿も異なるニュータイプを 近々提案します。 今後も、定番品種の改良はもとより、 葉牡丹の育成をリードしてきたリーデ ィングカンパニーとして新規形状や生 ●葉型の追加 態的改良を含めた現行品種にはない特 丸葉、切葉に加えフリンジ系の切り 徴ある品種を開発します。 ● 「F₁フェザーレッド (TB-702)」 (高性切葉紅色) 発色は明紅色です。葉は短くコンパ クトで立性、着色部のまとまりにすぐ れます。紅系の品種は草丈確保が難し い傾向にありますが、草丈がよく伸び 作りやすい品種です。 ● 「F₁フェザーホワイト (TB-703)」 (高性切葉白/中心桃色) 発色は白地に中心濃桃色です。葉は 立性で着色部もコンパクトにまとまり ↑高性切葉タイプの 「F₁フェザー レッド」 ( TB - 702) ↑高性切葉タイプの 「F₁フェザー ホワイト」 ( TB - 703 ) ↑グリーン花材として新し い使い方を提案できる葉 牡丹 23 2015 タキイ最前線 秋号
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