「Womenomics(女性経済学) :日本人女性による日本経済を復活させる道」 サムエル・ギルダート 氏(フェリス女学院大学) 昨今、安倍晋三政権が、日本経済を回復し成長させるために、日本人女性のさらなる 社会進出の必要性を謳っていることは周知の事実である。政府自民党の日本経済再生本 部が、2015 年 6 月にまとめた「日本再生ビジョン」案において、女性の活躍支援促進の ための政策は注目を集めている。この背景には、2010 年に日本の人口がピークとなっ て以来、人口減少が止まらない状況となっており、少子・高齢化による日本経済を担う 人材不足の深刻化があり、そのため女性と外国人の雇用拡大を促すことが必要となって きている。 今後、日本経済・社会を再生させるのは日本人女性の活躍であることは間違いない。 近年、女性の社会進出と彼女らによる社会経済効果は、1999 年に米国大手投資銀行 Goldman Sachs の Kathy Matsui 氏によって使用された「Womenomics」という語で示さ れている。日本において、「Womenomics」の動きはある程度出てきているが、管理職レ ベルにおいては女性がまだまだ少ない。Goldman Sachs の 2014 年のレポートによると、 日本人女性の社会進出がうまく進めば、日本の経済成長率は 10%以上になると予測さ れている。日本政府は、日本経済団体連合会等との共催により、女性の経済、社会、政 治参画についての国際シンポジウムを開催する等して、政策を進めている。 (例えば 2014 年の「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」等がある)。 現在、日本社会は、女性の仕事と家庭内の役割の両立を阻む様々な問題を抱えている が、これからの日本経済再生に向けて、男女共に女性が働きやすい環境・社会構造を作 る努力をすることは必須である。 本発表では、政府がどのように女性の活躍の場を改善、促進できるかを考察するとと もに、それによってどのような効果が生み出されるかについて示す。
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