日本軍「慰安婦」問題の早期解決 をめざす宮城の会 御中 被災者・県民が

日本軍「慰安婦」問題の早期解決
をめざす宮城の会 御中
被災者・県民がきずくあったかい宮城の会
宮城知事選挙候補者 佐藤正明
質問へのご回答
1、1993 年の慰安婦問題に関するいわゆる河野談話は、慰安所の設置、管理及
び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接的に関与したこと
を明確に認めたものです。この談話は、政府が 1992 年から 93 年にかけて政
府を挙げて行った事実調査に基づいて出されたものであり、歴代首相はその
立場を踏襲することを内外に表明してきました。その意味では、国際的にも
日本政府の立場として公認されているものです。
近年、第二次安倍内閣のもとで河野談話を見直す動きが浮上しています。
しかし、すでに第一次安倍内閣当時、安倍首相の旧日本軍の犯罪行為を免罪
する発言に対し、米国など国際社会から批判が噴出し、訪米先で安倍首相は
「元慰安婦の方々に申し訳ない気持ちでいっぱい」と表明せざるを得ません
でした。会談したブッシュ大統領、河野談話の継承を前提に首相の謝罪を受
け入れるとまで述べた経緯があります。
しかもごく最近、河野談話の基になった公的資料(バタビア裁判・第 106
号事件)が国立公文書館により開示され、
「軍の強制」を裏付ける資料が明ら
かになっています。
またぞろ安倍内閣のもとで河野談話の見直しの動きが出ていることは、安
倍内閣の歴史の事実に背を向けた反動的性格を示すものと言わざるを得ませ
ん。
2、1995 年のいわゆる村山談話は、戦後 50 年目に当たり、村山首相が閣議決
定を経て発表したもので、
「国策を誤り、植民地支配と戦争によってアジア諸
国民に多大の損害と苦痛を与えた」とお詫びを表明したものです。
この談話の見直しを言い出したのも安倍首相ですが、安倍首相は昨年末、
産経新聞のインタビューに答えて、「私は 21 世紀にふさわしい未来志向の安
倍内閣としての談話を発出したい」と述べました。これは、村山談話が閣議
決定に基づくものだけに破棄するとは言えず、新しい「安倍談話」を出すと
いうものです。
しかし、安倍首相は、戦前の日本の侵略戦争を美化し、靖国神社に合祀さ
れた「A級戦犯」も「国内法では戦犯ではない」とまで言い放つ根っからの
「靖国派」です。安倍首相が村山談話を骨抜きにし、自らの歴史認識に基づ
く新しい「安倍談話」を出すことになれば、国際社会から厳しい批判の声が
上がることは必至だといわなければなりません。
3、橋下氏はこれまでも日本軍「慰安婦」問題について、
「強制連行のような事
実はなかった」と発言し批判を受けてきましたが、軍隊に「慰安婦は必要だ
った」と述べるに至っては、女性を性の対象としてしか見ず、人間扱いしな
い暴言以外の何ものでもありません。
橋下氏はその後も、「必要だった」という発言を撤回しておらず、批判の矛
先をマスコミや「日本人の読解力不足」に向けるなど、およそ公人の資格がな
いだけでなく、人間としても失格です。少なくとも大阪市長は即刻辞任すべき
と考えます。
4、私は弁護士として 40 年間、人権擁護を基軸に活動してきました。私の知事
としての基本的な立脚点は日本国憲法を県政に活かすことです。憲法は言う
までもなく戦前の軍国主義と侵略戦争に突き進んだ痛苦の反省の上にありま
す。
私は県政において、歴史を後戻りさせる動きにはきっぱり対峙し、憲法に基
づく地方自治の推進に全力をあげます。