教員名 齋藤 康輝(さいとう こうき) 所属学科 地域政策学科 【ゼミでは何を学ぶのか】 憲法は(1)自由と秩序の基礎法、(2)制限規範(政府に対する命令)、(3) 最高法規という特質をもっており、民主主義を実現するための統治の基本法であると 同時に人権保障の砦でもある。本ゼミでは、日本国憲法を素材とし、重要箇所の条文 解釈を行うが、最新の憲法問題(判例)もたくさん取り上げる。また、世界各国の憲 法も勉強していく。リーガルマインド(法的・論理的思考力)を身につけるためのゼ ミにしたい。 【どのように学ぶのか】 憲法の重要問題について、毎回テーマを設定して全員で討論をする。毎回のテーマ に応じて、ディスカッション方式、ディベート方式など授業形態を変えるが、授業の 主役はあくまで諸君一人ひとりである。そして、主役であるからには、それなりの努 力も必要とされる。すなわち、参考文献を読み、学説や判例を十分に検討した上で、 自分の意見を形作るということである。 テーマは、各自関心のあるものを選ぶ。たとえば、「国民主権と天皇制をどう考え るか?」「日本国憲法第9条は一切の戦争を放棄したといえるか?」、「外国人にも 人権の保障はおよぶか?」、「男女差別は解消できるか?」、「信教の自由は絶対的 なものか?」、「死刑制度は存続すべきか?」、「生存権保障規定は何らかの法的意 味をもつか?」、「国会は国権の最高機関であるとはいかなる意味か?」、「内閣総 理大臣は国会議員でなければならないか?」、「統治行為は違憲審査権の限界となる か?」、「地方自治の本旨とは?」、「日本国憲法は改正すべきか?」、など。 また、日本国憲法以外に、外国の憲法や憲法問題を扱ってもよいし、憲法の歴史に ついての報告でもかまわない。成文憲法にとどまらず、不文憲法に関する報告、その 他憲法思想に関する報告などもおもしろいだろう。 なお、裁判傍聴、自衛隊基地見学などのフィールドワークも実施する。 【学んだことはどのように生かせるのか】 法律学、とくに憲法学の勉強をすることで、将来、社会情勢の変化に対応し得る法 的思考能力と判断力および深い教養と豊かな人間性・国際性を兼ね備えた人材として 公務員、民間企業問わずあらゆる分野でリーダーシップを発揮できるであろう。 また、学説や判例を学ぶ意義は、異なる意見に耳を傾け問題や紛争を解決するため の手がかりを得る点にある。 【おすすめの入門書・基本テキスト】 齋藤康輝他共著『増補 ゼミナール憲法』(南窓社)、齋藤康輝他共編『Next教科書 シリーズ 憲法』(弘文堂)、初宿正典他共編『新解説世界憲法集 第3版』など。 【まだ見ぬ君へのメッセージ】 君は「立憲主義」という言葉を知っているか。「権力の濫用を防ぐ国家の設計図」 とか「憲法による政治」ということに興味があるなら、ぜひ憲法を勉強しよう。最高 法規(さいこうほうき)=齋藤康輝(さいとうこうき)が君を待っているぞ。
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