〈資料1〉真壁 仁「峠への思慕」(『みちのく山河行』1982年

2015(平成27)年12月1日発行
第5号
〒250-0124 神奈川県南足柄市生駒330番地1
TEL:0465-73-8136
FAX:0465-73-8138
多目的広場の桜もすっかり落葉し、その間から白く輝く富士山が青空を背景に美しい姿を見せていま
す。今年もあと一ヶ月あまりとなりました。今回は、地域理解講座「峠をめぐる話」第1回、第2回と
「身体障がい者・高齢者のためのパソコン教室」第5回の様子を紹介します。
地域理解講座「峠をめぐる話」(第 1 回)
10月29日(木)の午前10時~12時まで、会議室で実施しました。18名の方が参加しました。
最初に、講師が『峠』に対するいろいろな思いについて、さまざまな地域や場所などの例をたくさん挙
げて具体的に話をしました。概略は次のような内容です。
ぎ
し
さんとう
よ
こくゆう
な
・中国の古典(
『魏志』
)に、
「山島に依りて国邑を為す」とあるが、我国の地勢を伝えて適切である。関
東平野とか濃尾平野、越後平野などいくつかの平野を除けば、○○平野と呼ばれていても、そう広汎
なものではない。何時間か歩けば直ぐに行く手を山に遮られてしまう。従って、何処かに出向くとす
れば、山越えをしなくてはならない。その山越えに峠が生まれるわけである。そして、その峠のこち
ら側は、日常の生活(世界)であるが、峠の向こう側は、非日常の世界であった。
・峠は、未知の世界=非日常的な世界への入り口であったのである。
・現代は、鉄道や高速道路など、交通機関の発達に伴い、峠をゆっくりと越える
ことが少なくなってきている。すなわち、文明の発達とともに心情的なものが失われてきている。
次に、峠について記された資料について説明しました。講義資料から抜粋して紹介します。
〈資料1〉真壁 仁「峠への思慕」(『みちのく山河行』1982年)
・・・・・人は川をさかのぼって山に分け入り、川筋に道をつくったが、その源はかならず地の高み
によって、行手をさえぎられていた。そこを越えずには向こうに行きつくことのできない地の高み、
そこにも人は道をつくった。峠である。峠で、人は一つの世界に別れ、別個の世界に入っていく。
風景はそこで背中あわせに綴じあっていて、未知の世界への入口をなしている。・・・・・
〈資料2〉清水武甲「水野さんの峠」(『水野千香写真集 峠』1972年)
峠ほど人間の心に何かを、語りかけてくるものは少ないと思います。山麓の村の道や、登山道を
歩いているとはそれほど深くものを思わぬのに、峠に立ち峠を越えるその折りは、他の道では感じ
なかった“ふるさとの心”というようなものを強く感じるの
です。それは峠の現実ではなく、峠の持っている心だと思い
ます。
やなぎだ く に お
ふか だ きゅうや
なお ら
最後に、日本の峠の数について、柳田国男や深田久弥、直良
のぶ お
信夫の著した文献などから紹介していきました。
『峠』について記されたたくさんの書籍や写真集を紹介する
とともに、講師の豊富な体験や文献研究に基づいた具体的な話
で、2時間があっという間に過ぎていきました。
『峠』についての書籍を紹介しています
地域理解講座「峠をめぐる話」(第 2 回)
11月12日(木)の午前10時~12時まで、会議室で実施しました。16名の方が参加しました。
前回に引き続いて、
“峠”について記されたいくつかの書籍を紹介しました。その後、峠の研究として、
柳田国男と直良信夫について紹介しました。主な内容項目は次のとおりです。
〔A〕柳田国男の研究 「峠に関する二三の考察」(『太陽』16-3
1910年3月 『定本 柳田国男集 2 1968年』)
二 たわ・たを・たおり
五 峠の裏と表
三 昔の峠と今の峠
四 峠の衰亡
六 峠の趣味
〔B〕直良信夫の研究 「峠と人生」(1976年)
第1章「峠の文化」の 21 項目の中から、次の項目について説明をしました。 「峠の型」の説明です
①「峠という字」 ②「峠の型」 ③「峠名の由来と考え方」 ④「峠の高度」
⑩「峠はけじめをつけるために利用される」 ⑫「峠は物資の中継所」 ⑭「峠の可動性」
参加者の感想の一部を紹介します。
・峠の衰亡―自分の生活に何の関係がないと思っていたが、山村、地方の衰退
につながり、現在の地方格差へも大きく影響していることを知った。
・地域の知らないことを沢山知ることが出来まして、本当に勉強になりました。
だんだん峠が少なくなる様で、峠のロマンを感じました。
・峠について、こんなに豊富な事項があり感心した。今後、峠(山登り時も含めて)を行く(通る)
時に、そこにある歴史を感じながら(事前学習も必要だが・・・)通りたいと思いました。
「身体障がい者・高齢者のためのパソコン教室(第5回)
9月12日(土)から12月12日(土)までの期間に、全8回(いずれも土曜日)に実施していま
す。この講座は、NPO法人パソボラサークルと中部公民館の共催で実施しています。目的は「パソコ
ンの基礎からインターネットの活用まで」です。主な内容は次のとおりです。
○第1回:パソコンの基礎の勉強
○第2回:キーボードの使い方や文字の打ち方の練習
○第3回:文書作成ソフトを使って簡単なお知らせ文を作る
○第4回:デジカメ写真をパソコンに取り込み加工する
○第5回:表計算ソフトの基本を学ぶ
○第6回:表計算ソフトを使用して名簿などの作成をする
○第7回:年賀状の作成をする
○第8回:インターネットの活用、パソコン困りごと対応
真剣に課題に挑戦しています
第5回目は11月14日(土)の午前10時~12時まで、研修室で実施しました。
13名の方が参加しました。内容は次のとおりです。
1.表計算ソフトとは・・・表計算ソフトで出来ること。画面から文字や数値、計算式を入力
することにより、表の作成、計算、グラフ作りなど、また写真を貼り付けたりすることも出来る。
2.ソフトの起動の仕方・・・ディスクトップ画面からの起動の仕方。
3.表計算ソフトの画面・・・行と列、数式バー、メニュー画面、アクティブセル、セル、シート見出し。
4.表計算をする前に・・・計算で使用する記号の入力方法(足し算、引き算、掛け算、割り算など)
。
5.計算の仕方・・・文字の入力方法、数字の入力方法、計算式の入力方法、計算式のコピー方法、総和
(合計)の出し方など。
6.罫線の引き方・・・範囲の指定、罫線の種類の選び方など。
講師は、パソコンから表計算ソフトの画面をスクリーンに拡大して、わかりやすく説明
しました。受講者は、講師の話やテキストを参照しながら、また不明なところは講師や2名
のアシスタントに聞きながらパソコンに向かって課題に挑戦していました。