にくきもの いそぐ事あるをりに来て、長言 するまらうど。あな

2015(平成27)年11月1日発行
第4号
〒250-0124 神奈川県南足柄市生駒330番地1
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毎日さまざまなニュースが報道されていますが、時は確実に移ろい、少しずつ秋も深まり冬の気配さ
え感じる季節になりました。今回は、古典文学講座「平安京の人々~枕草子を通して~」(第2回)
、
「初心者写教室」
、
「おもしろ中国史~中国文化の源流~」
(第1回)の概略を紹介します。
古典文学講座
「平安京の人々~枕草子を通して~」
(第2回)
9月24日(木)の午後1時30分~3時30分まで、会議室で実施しました。今回は、第二十六段
の「にくきもの」について詳しく説明をしました。大変長い内容ですが、一部抜粋して紹介します。
【原文】
にくきもの
ながごと
のち
いそぐ事あるをりに来て、長言するまらうど。あなづりやすき人ならば、「後に」
とてもやりつべけれど、心はづかしき人、いとにくくむつかし。 (中略)
うえ
ちり
物うらやみし、身の上嘆き、人の上言ひ、つゆ塵の事もゆかしがり聞かまほしうして、言ひ知ら
ゑん
せぬをば怨じそしり、また、わづかに聞き得たる事をば、われもとより知りたる事のやうに、こと
人にも語りしらぶるもいとにくし。 (中略)
をんな
わが知る人にてある人の、はやう見し 女 のことほめ言ひ出で
へ
などするも、ほど経たることなれど、なほにくし。 (中略)
あけて出で入る所、たてぬ人、いとにくし。
【現代語訳】
ながばなし
にくらしいもの 急用のある時にやって来て、長 話 をする客。
それが軽く扱ってもいい人ならば、
「あとで」と言っても帰してしま
わかりやすく説明しています
りっ ぱ
うことができるであろうけれど、気のおける立派な人の場合は、ひどくにくらしく、やっかいだ。
(中略)
人のことをうらやましがり、自分の身の上をこぼし、他人のことをあれこれ言い、ちょっとした塵ほ
どのことも知りたがり聞きたがりして、話して知らせないことに対しては、恨んで悪口を言い、また、
ほんのちょっと聞き込んだことは、自分がもとから知っていることのように、別の人にも調子づいて話
すのも、ひどくにくらしい。
(中略)
今の自分の恋人である男性が、以前に関係のあった女のことをほめて口に出して言いなどするのも、
それはもう、時がたってしまってはいるけれど、やはりにくらしい。
(中略)
開けて出たり入ったりする所の戸を閉めない人は、とてもにくらしい。
参加者は、前回と同じく熱心にメモを取ったり、講師の説明に共感して頷いたり
笑ったりして、真剣に学んでいました。感想の一部を紹介します。
・この続きを是非お願いしたいと思います。
・学生の頃を思い出し、また新鮮な気分で勉強させていただきました。またこのような機会に参加
したいと思います。
・清少納言その人が好きです。千年も前の女性とは思われません。彼女が「枕草子」を書いてくれ
たおかげで当時の女性もこのような感性を持っていたのがよくわかります。いたら付き合いたい
くらい、好きです。
「146・うつくしきもの」もとりあげてもらいたかったです。
初心者写真教室
10月7日(水)の午後1時~4時まで、会議室で実施しました。12名の方が参加しました。
講師は、プロジェクターを活用し、まず技術と技能の違いについて話した後、次の3つの項目について
わかりやすく説明しました。
①デジタルカメラの種類と機構を理解しよう。
・カメラの基本構造 ・フィルムカメラとデジタルカメラ
の違い ・デジタルカメラのしくみ ・主な撮像素子
フォーマットや撮像素子の構造 ・必要な画素数の目安
・デジタルカメラの種類とその性質の違い
②基本操作・機能を理解しよう。
ファインダーを覗いて確認しています
・デジタルカメラの特に便利な機能
プログラム・マニュアル)
界深度の関係
・撮影モードの違い(絞り優先・シャッタースピード優先・
・シャッタースピードによる表現の違い
・ホワイトバランス(WB)による表現の違い
・絞り(F値)と被写
・ISO感度とは
③撮影(基本構図、注意点)をしよう。
・何をどう撮るか。⇒主題(主役)と表現方法
・光の向きを意識して撮る(順光と逆光)
・構図について
・良い写真を撮る3つの基本
・手ブレとピンボケの違い
・撮影時のルール
参加者の感想の一部を紹介します。
・カメラだけは、いいものを買ったのに、使いこなす知識と意欲がなくて・・・。今日学ばせてい
ただいたのをキッカケに、楽しいカメラライフが送れそうです。ありがとうございました。基本
からのご説明でカメラの事が理解できました。(まだまだですが・・・)撮影モードを自分で選ん
で、より美しく、楽しい写真をたくさん撮影したいです。また、チャンスがあれば学びたいです。
・写真のことがよく理解でき、撮影することが楽しくなりそうです。
「おもしろ中国史
~中国文化の源流~」(第1回)
10月14日(水)の午前10時~12時まで、会議室で実施しました。27名の方が参加しました。
今回は、中国文化の源流Ⅰとして、漢字の成立までを次の3つの項目で学びました。
【Ⅰ】新石器時代の中国文化
・1910年頃までの中国 ・新石器時代の土器文化 ・初期の中国王朝の土器文化 ・新石器時代
の玉器 ・中原初期王朝の玉器 ・青銅器の発展
いんおうちょう
【Ⅱ】殷 王 朝 の文化
じっかん
・十干の意味(中国古代の十日神話) ・青銅器・玉器
【Ⅲ】出土文字資料
・甲骨文に先立つ文字資料 ・甲骨文の発見
・書体の変遷 ・甲骨文から楷書へ
・漢字の構成
①構造上の分類
詳しく説明しています
しょうけい
し
じ
文(もん)=(漢字の基本)→象 形 文字、指事文字
かい い
けいせい
字(文の組み合わせ)→会意文字、形声文字
②使用法による分類
しょうけい
し
じ
かい い
けいせい
てんちゅう
かしゃく
・象 形 文字 ・指事文字 ・会意文字 ・形声文字 ・転 注 文字 ・仮借文字
かなり高度な内容でしたが、講師は、詳しい資料や図版や大判の掛け地図などを参照しながら、時代
背景や土器や器物や漢字の成立などについてわかりやすく説明をしました。最後に、漢字で表した地域
や島や川や国名やその他いろいろな漢字の読み方についての問題を、みんなで解いていきました。