国家食品医薬品監督管理総局が「2014 年医薬品登録審査レポート」を発表

国家食品医薬品監督管理総局が「2014 年医薬品登録審査レポート」を発表(仮訳)
2015 年 3 月 6 日、国家食品医薬品監督管理総局は「2014 年医薬品登録審査レポー
ト」を発表した。全文は以下のとおりである。
「2014 年医薬品登録審査レポート」
(仮訳)
2014 年、国家食品医薬品監督管理総局医薬品審査センター(以下「薬審センター」と
略称。)は国家食品医薬品監督管理総局(以下「総局」と略称。)の指導のもとで、品質確
保、公平、高能率という原則を堅持し、医薬品審査評価管理体制の整備をめぐって改革を
推し進め、法律と規定に基づき科学的かつ規範的に審査を行い、審査の水準と能率を引き
続き高め、公衆の健康を維持、促進してきた。総局の関係業務要求に従い、
「2014 年医薬
品登録審査レポート」を発布する。
一、2014 年医薬品審査の基本状況
(一)組織の基本状況
薬審センターは総局の医薬品登録技術審査機構で、医薬品登録申請に関する技術審査の
実施を担当する。薬審センターは 13 の部署を持ち、そのうちの 9 部署は技術審査を行う。
職員定員は 115 人で、技術審査に携わるのは 89 人である。技術審査に携わる職員のうち、
高級技術資格を持っている職員は 48 人、副高級技術資格をもっている職員は 31 人、平均
年齢は 45 歳である。高級審査員は 68 人で、その内、主審審査員資格を持つ職員は 65 人
で、審査業務に携わる平均勤続年数は 14 年である。2014 年年末の時点で、薬審センター
は審査待ち任務の総件数が 18597 件に達し、2013 年年末と比べて、4362 件が増加された。
(二)審査任務受け入れ状況
2014 年、薬審センターが受け入れた新しい登録申請件数は 8868 件だった(受理番号で
算定。以下同様。)暦年登録申請を受けれた件数との比較は図 1 のとおりである。
10000
8000
6000
7829
5944
5884
6409
4000
2000
651 419
178
519 456 166
594 526
81
495 454 90
0
2011年
化学医薬品
図1
2012年
漢方薬
2013年
バイオ製品
2014年
再審査
2014 年審査任務受け入れ状況と過去 3 年間との比較
1 1、化学医薬品審査任務の受け入れ状況
(1)化学医薬品審査任務の分類状況
受け入れた化学医薬品審査任務の分類状況は図 2 のとおり。そのうち、検証性臨床申請、
ジェネリック医薬品および剤形変更申請(ANDA)と補充申請は、受け入れた化学医薬品審
査任務の 87.8%を占めた。
IND
381
検証性臨床申請
1837
NDA
265
ANDA
2572
補充申請
2461
輸入再登録
313
再審査
60
0
図2
500
1000
1500
2000
2500
3000
2014 年受け入れた化学医薬品審査任務の分類状況
過去の3年間と比べて、新薬臨床申請(IND)と新薬市販申請(NDA)の受けいれた件数
は安定しているが、検証性臨床申請、ANDA と輸入再登録申請の受け入れた件数は明らか
に増加した。具体的には図3を参照。
3000
2572 2511
2461
2428
2432
2117
2014
2065
2500
1837
2000
1500
1213
839
718
1000
500
382
273
235 381
313
52 48 110
134 122 44 60
261
258 258 265
0
2011年
図3
2012年
2013年
2014年
2014 年化学医薬品各類審査任務受け入れ状況と過去 3 年間との比較
(2)化学医薬品 IND の各治療分野において任務を受け入れた状況
2 2014 年受け入れた化学医薬品 IND 申請の治療分野構成状況は図 4 のとおりである。
図4
2014 年受け入れた化学医薬品 IND 申請の治療分野構成
国産 IND 申請を受け入れた件数が上位 5 位になった治療分野に属する医薬品は抗癌薬、
抗感染薬、消化器疾患治療薬、循環器疾患治療薬、内分泌器疾患治療薬だった。
国際共同治験の申請を受け入れた件数が上位 5 位になった治療分野に属する医薬品は
抗癌薬、循環器疾患治療薬、神経系疾患治療薬、内分泌器疾患治療薬だった。
(3)化学医薬品関係重複申請の状況
化学医薬品 ANDA 申請と検証性臨床申請のうち、重複申請は大量に存在している。2014
年年末まで、審査待ち化学医薬品 ANDA 申請は計 8713 件で、審査待ち申請の総量の 46.9%
を占め、1061 の活性成分にかかわる。重複申請が酷かった活性成分は 112 で(同種な活
性成分品目にかかわる審査待ち任務は 20 以上)、審査待ち任務は 4829 件で、化学医薬品
ANDA 関係審査待ち任務の 55.4%を占めた。そのうち、同種活性成分品目にかかわる審査待
ち任務が 100 以上になったのはエソメプラゾール、アトルバスタチンカルシウム、硫酸ク
ロピドグレル、エンテカビル、ファスジル、セフジニル、アンブロキソール、モキシフロ
キサシンである。具体的には表 1 のとおりである。
表 1 ジェネリック化学医薬品重複申請の状況
重複状況グル
ープ分け
活性
成分数
関係
任務数
重複状況グル
ーフ分け
活性
成分数
関係
任務数
申請件数が 100
以上
8
983
申請件数が
20-29
51
1232
申 請 件 数 が
50-99
23
1535
申請件数が
10-19
115
1580
申 請 件 数 が
30-49
30
1079
申請件数が 10
件以下
834
2304
3 2014 年年末まで、審査待ち化学医薬品関係検証性臨床申請は計 3983 件で、審査待ち申
請総件数の 21.4%を占め、関係する活性成分は 675 だった。重複申請が酷かったのは 42
の活性成分(審査待ち同種活性成分品目任務が 20 以上)で、関係する審査待ち任務は 1608
件で、審査待ち化学医薬品関係検証性臨床申請任務件数の 40.4%を占めた。そのうち、審
査待ち同種活性成分品目関係任務数が 50 以上になったのはアジルサルタン、ロフルミラ
スト、イブプロフェン(注射剤)、ルラシドンである。具体的には表 2 のとおりである。
表 2 化学医薬品関係検証性臨床重複申請の状況
重複状況グル
ープ分け
活性
成分数
関係
任務数
重複状況グルー
プ分け
活性
成分数
関係
任務数
申請件数が 50
件以上
4
389
申 請 件 数 が
20-29 件
19
479
申 請 件数が
40-49 件
9
401
申 請 件 数 が
10-19 件
64
845
申 請 件数が
30-39 件
10
339
申 請 件 数 が 10
件以下
569
1530
2、漢方薬関係審査任務の受け入れ状況
2014 年、受け入れた漢方薬登録申請は 521 件で、
そのうちの 69.3%は補充申請だった。
具体的には図 5 のとおりである。
IND
64
NDA
38
ANDA
18
照合審査
361
輸入再登録
14
再審査
26
0
図5
50
100
150
200
250
300
350
400
2014 年受け入れた漢方薬関係審査任務の分類状況
過去 3 年間と比べて、IND と NDA 関係任務の受け入れ件数は安定していたが、ANDA と補
充申請関の受け入れ件数はある程度下がった。具体的には図 6 のとおりである。
4 600
485
500
432
388
361
400
300
200
75
100
56
85
64
34 31 32 38 36 26 25 18
4 10 4 14
35 36 31 26
0
IND
NDA
ANDA
2011年
図6
2012年
補充申請 輸入再登録
2013年
再審査
2014年
2014 年漢方薬審査任務の受け入れ状況と過去 3 年間との比較
3、バイオ製品申請の受け入れ状況
2014 年、受け入れたバイオ製品登録申請は 458 件だった。そのうち、補充申請は 49.1%
を占め、治療用バイオ製品 IND は 32.5%を占めた。具体的には図 7 のとおりである。
予防用IND
37
予防用NDA
9
治療用IND
149
治療用NDA
28
補充申請
225
輸入再登録
6
再審査
4
0
図7
50
100
150
200
250
2014 年受け入れたバイオ製品関係審査任務の分類状況
2013 年と比べて、2014 年はバイオ製品が治療用 NDA を除けば、ほかの各種審査任務
の受け入れ件数はいずれもある程度減少した。具体的には図 8 のとおりである。
5 300
259 261
244
225
250
200
173
149
150
114
100
100
50
27
41 40 37
5 3
24 22 24 28
17 9
3
20 11
6
9 8 6 4
0
予防用IND
予防用NDA
治療用IND
2011年
図8
治療用NDA
2012年
補充申請
2013年
輸入再登録
再審査
2014年
2014 年各種バイオ製品関係審査任務の受け入れ状況と過去 3 年間との比較
(三)審査任務の達成状況
2014 年、薬審センターは 5261 件の登録申請に対する技術審査を行い、2013 年の審査済
み数より 12.9%増加したものの、受け入れた任務の総件数は 2013 年より 16.5%増加し、審
査待ち任務の件数も一層増えた。2014 年の任務受け入れた状況、審査済み状況、審査待
ち状況と過去 3 年間との比較は図 9 のとおりである。
18597
20000
14235
15000
10000
11286
9746
7125
7609
7050
8868
5000
0
2011年
2012年
受け入れた状況
10000
8000
6000
4000
2000
0
4783
5510
2011年
2012年
2013年
2014年
審査待ち状況
4660
5261
2013年
2014年
審査済み状況
図9
2014 年任務受け入れ状況、審査済み状況、審査待ち状況と過去 3 年間との比較
6 2014 年、薬審センターが審査済みで、総局に市販承認可、又は臨床研究承認可を提
案する状況は表 3、表 4 のとおりにである。
表3
2014 年審査済みで市販承認可と提案した医薬品状況
登録分類
新薬
剤形変更
ジェネリック
輸入医薬品
小計
化学医薬品
128
26
256
68
478
漢方薬
11
0
0
0
11
2
12
バイオ製品
10
合計
501
表4
2014 年審査済みで臨床研究承認可と提案した薬物状況
登録分類
臨床試験
生物学的同等性試験
小計
化学医薬品
583
159
742
漢方薬
28
0
28
バイオ製品
110
0
110
合計
880
1、化学医薬品審査状況
2014 年、審査済みで、承認のため総局に送致した化学医薬品関係申請は計 4091 件で、
審査済みで現場検査通知を出した登録申請は 156 件で、審査済みで関係企業に補充資料を
求める登録申請は 625 件だった。具体的には図 5 のとおりである。
表5
承 認 可
の結論
2014 年化学医薬品関係審査状況
不承認の
結論
その他
総局に送致
現場検
査通知
企業に補
充資料を
求める通
知
承 認 の
ため、総
局 に 送
致
承認のた
め、総局
に送致
総局に
送致※
※
合計
IND
211
48
27
286
——
31
検証性臨床
356
68
12
436
——
81
NDA
184
31
16※
231
61
79
ANDA
391
180
16
587
10
139
補充申請
1741
471
199
2411
85
189
輸入再登録
63
2
19
84
——
106
再審査
14
42
0
56
0
0
2960
842
289
4091
156
625
類別
合計
※3つの審査済みである医薬品と医療機器との組み合わせる製品を含む。
※※企業による申請撤回、薬審センター所管任務ではない事項等。
7 明確な審査結果がある登録申請のうち、承認可と提案したのは 2960 件で、不承認と提
案したのは 842 件で、全体的な不承認率は 22.1%だった。2013 年と比べて、2014 年、再
審査を除いた化学医薬品関係申請は、審査済みで総局に送致した各類申請の件数がいずれ
も増加した。2014 年、各類化学医薬品関係審査済みで、総局送致申請の件数と過去 3 年
間との比較は図 10 のとおりである。
3000
2587
2411
2136
2500
1922
2000
1500
1000
500
471 436
325 292
274
194234 286
744 740
585 587
212 231
194 196
89 56 47 84 225 147121 56
0
IND
検証性臨床
NDA
2011年
補充申請 輸入再登録
ANDA
2012年
2013年
再審査
2014年
図 10 2014 年各類化学医薬品審査済みで総局送致申請の件数と過去 3 年間との比較
2、漢方薬関係審査状況
2014 年、漢方薬関係審査済みで、総局による承認のため、総局に送致した登録申請は
計 637 件で、審査済みで、現場検査通知を提出した登録申請は 8 件で、審査済みで、企業
に補充資料の提出を求める登録申請は 100 件だった。具体的には表 6 のとおりである。
表6
2014 年漢方薬関係申請審査状況
承認可の
結論
不承認の
結論
承認のた
め、総局
に送致
承認のた
め、総局に
送致
総局に
送致
合計
IND
22
33
10
NDA
11
7
ANDA
0
補充申請
その他
総局に送致
現場検査
通知
企業に補
充資料を
求める通
知
65
——
15
2
20
6
5
31
71
102
0
6
159
205
59
423
2
64
輸入再登
録
5
0
0
5
——
10
再審査
3
24
5
32
0
0
合計
200
300
147
647
8
100
類別
8 明確な審査結論がある登録申請のうち、承認可と提案したのは 200 件で、不承認と提案
したのは 300 件で、全体的な不承認率は 52.5%だった。2014 年、各類漢方薬関係審査済み
で、総局送致件数と過去 3 年間との比較は図 11 のとおりである。
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
447 454 464
423
80 76
49 65
IND
29 39 42
20
NDA
2011年
102
54
41 36
ANDA
2012年
79
18 8 0 5
補充申請 輸入再登録
2013年
37 41 32
再審査
2014年
図 11 2014 年各種漢方薬関係審査済みで、総局送致件数と過去 3 年間との比較
3、バイオ製品関係審査状況
2014 年、バイオ製品関係申請のうち、審査済みで、総局による承認のため、総局に送
致した登録申請は計 523 件で、審査済みで、現場検査通知を提出した登録申請は 22 件で、
審査済みで、企業に補充資料を求める通知は 58 件だった。具体的には表 7 のとおりであ
る。
表 7 2014 年バイオ製品関係審査状況
承認可の
結論
不承認の
結論
その他
承認のた
め、総局
に送致
承認のた
め、総局
に送致
総局に
送致
予防用バイ
オ製品 IND
29
12
4
予防用バイ
オ製品 NDA
2
7
治療用バイ
オ製品 IND
69
治療用バイ
オ製品 NDA
総局に送致
現場検査
通知
企業に補
充資料を
求める通
知
45
——
17
2
11
1
3
36
27
132
——
12
11
5
5
21
14
2
補充申請
213
40
32
285
7
19
輸入再登録
14
4
4
22
——
5
再審査
0
7
0
7
0
0
338
111
74
523
22
58
類別
合計
合計
9 明確な審査結論がある登録申請のうち、承認可と提案したのは 338 件で、不承認と提案
したのは 111 件で、全体的な不承認率は 24.7%だった。2014 年、各類バイオ製品関係審査
済みで、総局送致件数と過去 3 年間との比較は図 12 のとおりである。
285
300
244 234
250
196
200
132
150
100
50
79
45
252423
1013 3 11
93
83
45
20 2521
6 4 9
22
12 8 7 7
0
予防用IND 予防用NDA 治療用IND 治療用NDA
2011年
2012年
補充申請
2013年
輸入再登録
再審査
2014年
図 12 2014 年各種バイオ製品関係審査済みで、総局送致件数と過去 3 年間との比較
二、2014 年主要業務、措置およびその進捗状況
(一)医薬品審査メカニズム改革を推し進め、審査のレベルと能率を向上
改革案の制定及び改革の基本的な業務をしっかりと行った。統一的な業務割当によって、
医薬品審査承認制度総合改革案の起草、制定業務を積極的に実施した。医薬品審査制度改
革の主体として、「技術審査管理メカニズム改革」、「技術審査能力向上の強化」など 8 つ
のサブ案の起草作業を完了した。現在の審査業務で最も問題になっている滞積審査任務と
いう矛盾点をめぐって、滞積審査任務を解消する 3 年業務案を研究し、制定した。医薬品
審査承認制度の改革を推し進め、社会の投資及び医薬産業構造が良質に発展するよう導く
ために、市販承認された品目と審査待ち品目を整理して比較を行い、重複申請になった医
薬品の登録申請をまとめ、総局に「過度重複医薬品品目目録」を提出した。審査権委譲の
ための技術サポートをきちんと行い、29 名の地方審査員を相手に研修を実施した。
医薬品のイノベーションを推奨するメカニズムを整備させた。創薬臨床試験申請の審査
を速めること、つまり新薬臨床試験申請の審査方法を改善し、段階を分けて臨床試験審査
をメインとするモデルから逐次に一括で臨床試験審査をメインとするモデルへ転換した。
リスク制御のプロセスに力を入れた。創薬の薬理的・毒理的評価の審査モデルを改善した。
創薬臨床開発期間中に年次報告書の形で薬学研究資料を提出するという業務メカニズム
をより一層改善した。漢方新薬の研究、開発、評価の構想と戦略を積極的に模索した。
「重
大新薬開発」特別品目に関する審査メカニズムのスピディー化を研究、実現した。
化学ジェネリック医薬品「形式審査」業務を試行した。試行を通して、化学ジェネリッ
10 ク医薬品形式審査の基準を制定し、必要な人的資源と時間的コストを評価し、いかに受理
の段階から申請資料の品質を保証するかを検討し、今後の医薬品登録受理メカニズム改革
を実施するための礎を築いた。それと同時に、試行を通じ、形式審査の標準を化学ジェネ
リック医薬品の快速審査の基準とするのを模索し、化学ジェネリック医薬品の審査任務の
滞積矛盾解消のための実践的な参考を提供した。
審査任務の管理を最適化させた。審査計画周期の長短結合という任務管理モデルを模索
し、審査任務管理の目標性と予期可能性を高めた。各級業務チームの管理を強化し、審査
業務の協調性を高めた。市販後補充申請に対する審査資源の投入に力を入れ、市販後品目
の品質を速やかに改善するよう保証し、公衆の医薬品使用可能性を保障した。
専門家によるオンライン審査および質疑応答の業務メカニズムを模索した。専門家とい
う審査資源をより能率的に利用するために、調査、研究、分析によって、詳細な業務案を
制定し、専門家によるオンライン書類審査と質疑応答のシステムの構築を模索し、ネット
と情報技術を利用し、専門家が便利に質疑応答し、審査に参加するよう促進した。
(二)難問である歴史遺留問題を整理し、各種矛盾の解消を促進
遺留品目と難問品目を徹底的に整理し、複方高血圧治療薬、複方抗生剤、抗生物質含有
去痰薬複方、特許の問題がある品目、「医薬品登録管理弁法」第 72 条にかかわった品目、
資料の類似で再審査が必要な品目およびモキシフロキサシン、ダプトマイシン、ラブリカ
イなどの難問難品目に対しての特別審査業務を実施し、関係機関との連絡と協力をした上
で、審査、解消の原則を研究、分析し、審査業務を積極的に推し進めた。
(三)制度の規範化を強化し、技術標準体制を整備
薬審センターで既存している 200 以上の制度と規定を整理してまとめ、「薬審センター
制度確立三年間業務計画」と「薬審センター制度確立 2015 年‐2017 年業務実施案」を制
定し、秩序を以って規定と制度の「確立、改正、廃止」を行った。技術指導原則の制定と
修正を引き続き推し進め、2014 年に総局による審査後、12 の指導原則を発布し、オンラ
インで意見募集をするのは5つである。国際バイオシミラー研究の進捗状況をめぐって、
薬審センターの各専門分野の職員および社会の関係業界機構を統率して「バイオシミラー
研究技術指導原則」を起草、制定した。漢方薬の研究と開発のより一層規範化と科学化を
促進するために、「漢方新薬による悪性腫瘍治療臨床研究技術指導原則」の意見募集用原
稿を起草し、オンライン意見募集も開始した。
「化学医薬品新薬臨床試験一般指導原則」
の編成作業を行い、初稿を完成させた。
(四)人材起用メカニズムの改革を積極的に促進し、人材チーム育成を全面的に強化
資源ルートを増え、審査の力を増強させた。2014 年、新しく招聘した審査員は 10 人
であり、初回の契約審査員招聘の試行を完了した。関係技術団体と省レベルの食品医薬品
監督管理局から技術者 37 人が出向し、審査業務の実施に尽力した。サービスの購入を積
極的に模索し、北京薬学会などの協力機関から専門家を派遣してもらい、形式審査の試行
を協力し、法律関係機構と協力して弁護士チームを組んだ。社会の資源を十分に利用し、
11 医薬品審査の社会共同管理体制を確立し、北京大学第一病院、中国薬科大学、瀋陽薬科大
学と協力枠組み契約を締結し、審査業務の開放性を高め、審査人材チームの育成を促進し
た。
(五)審査品質保証体制を引き続き整備し、審査の品質を保証
専門家諮問会議制度を引き続き実施し、整備させた。専門家諮問会議制度は審査品質保
証体制の重要な部分である。2014 年、薬審センターは諮問回答専門家バンクの整備、専
門家招聘モデル、専門家会議風紀の取締り、専門家諮問会議の操作規程などの面で速い進
歩を遂げた。去年の一年で、11 回の専門家を集めて諮問会議を開いた。また、43 回の単
独品目並びに指導原則関係の特別諮問会議を開き、177 品目にかかわり、延べ 1736 人の
専門家を招いた。
世界保健機構(WHO)の NRA 再評価義務をきちんと実施した。2014 年 4 月、WHO は我国
のワクチン国家監督管理体制(NRA と略称する。
)に関する再評価を行った。初評価と比
べて、再評価は基準が高くなり、評価の内容もより一層整備なものになった。WHO の NRA
評価業務要求と総局の NRA 業務実施全体計画に従い、統率と準備作業をしっかりと行った。
WHO の専門家が検査を行った間は、市販許可(MA)業務に関する各項目の現場検査に協力
し、評価で高い点数を獲得し、我国が順調に NRA 再評価に合格するよう手厚いサポートを
提供した。
審査品質体制の確立および ISO9001 認証関係業務の実施を推し進めた。2014 年、薬審
センターのワクチン審査品質管理体制は再び順調に審査に合格し、確認証明書を取得した。
それと同時に、医薬品審査制度改革の要求に従い、審査品質管理業務をワクチン体制から、
漢方薬、化学医薬品とバイオ製品まで拡大させ、薬審センターの品質管理体制全体をカバ
ーした。医薬品審査品質管理目標をより一層明確にし、「薬審センターが医薬品審査品質
管理体制を確立する業務実施案」を制定し、サービス購入の方式を積極的に採用し、外部
専門機構から力を借り、薬審センターの審査品質管理体制を構築した。
情報化の建設に一層力を入れた。情報化の発展規律に従って技術審査体制のレベルアッ
プを実現させ、審査員人数の増加および多場所、多ルートで審査業務を展開するために有
効的な情報化サポートを提供し、情報技術が審査業務品質保証レベルを高めた。情報標準
化体制の確立を推し進め、テーダー化手段を利用して審査標準の科学性と審査基準の一致
性を高め、審査の品質と能率を向上させた。情報システムセキュリティー保護業務をきち
んと行い、公安部のテストに合格し、国家情報セキュリティー保護第三級の要求に適い、
薬審センターのネットおよびシステムのセキュリティー保護の水準を高めた。
三、2014 年重要治療分野医薬品の承認状況
2014 年、薬審センターの審査を経て、以下のとおりに多種類の重点治療分野医薬品の
市販承認が提案され、患者が最新な治療手段を受診することを可能にし、患者が医薬品を
入手できるように重要な保障を提供した。
12 (一)抗腫瘍医薬品
1、メタンスルホン酸アパティニ錠。我国が自主開発した初の血管内皮細胞増殖因子受
容体(VEGFR)抑制剤で、世界中で初めて胃癌末期治療に使用することを承認された小分
子標的製品でもある。胃癌は我国で発病率の高い腫瘍で、胃癌末期の化学療法失敗後も有
効な治療手段がまだ一つも公認されていないため、臨床ニーズが存在している。当該製品
の市販は、胃癌患者の治療に医薬品使用の新しい選択肢を提供した。
2、シダミデ錠。我国が自主開発した初のヒストン脱アセチル化酵素抑制剤で、国内で
初めて再発で治療難な末梢性 T 細胞リンパ腫 の治療に使用されることを承認された薬物
である。再発で治療難な末梢性 T 細胞リンパ腫は有効的な治療方法があまりなく、予後も
不良であるため、当該製品の市販は同リンパ腫の治療法に新しい機会を提供した。
3、ドセタキセル注射液。パクリタキセル類化学療法用薬と微小管重合抑制剤は我国で
乳癌、非小細胞肺癌および非ホルモン依存前立腺癌の治療で使用することが承認された。
現在、国内では胃癌末期の適応症の増加が承認され、胃癌患者の治療に医薬品使用の新し
い選択肢を提供した。
4、塩酸パロノセトロン注射液。5-セロトニン 3(5-HT3)受容体の競争性拮抗剤で、我
国で癌患者の化学療法による吐き気と嘔吐の予防に使用することが承認された。現在、国
内では手術後 24 時間の吐き気と嘔吐を予防するための新しい適応症が増加し、外科手術
を受ける患者に手術後の吐き気と嘔吐を予防するための新しい治療手段を提供した。
(二)ワクチン分野
5、Sabin 急性灰白髄炎不活化ワクチン(sIPV)。我国が自主開発した世界初の Sabin 急
性灰白髄炎不活化単独ワクチンで、我国の急性灰白髄炎不活化ワクチン生産分野の空白を
埋め、現在の免疫計画で使用されている数千万剤の経口急性灰白髄炎滅毒不活化ワクチン
に潜んでいる病気誘発リスクを制御し(例えば、ワクチン株または派生株が誘発した病例)、
安全性を一層高めた。薬審センターは特別審査手順によって当該ワクチンの市販登録申請
を審査し、WHO グローバル急性灰白髄炎ウィルス撲滅行動計画に有効的に協力した。それ
と同時に当該ワクチンの市販承認取得は、我国そして世界、特に発展途上国における急性
灰白髄炎撲滅に積極的な影響を及ぼした。
(三)内分泌系用医薬品
6、塩酸シナカルセト錠。当該製品は慢性腎臓病で持続的に透析を受ける患者の続発的
副甲状腺機能亢進症の治療に使用することが承認された。今まで、我国では、血液透析を
受ける慢性腎不全患者の続発的副甲状腺機能亢進症の治療に使用することが承認された
のはパリカルシトール注射液だけで、その投薬ルートは静脈注射である。当該製品は我国
で上記の病気の治療に使用することが承認された初の経口薬品で、患者に新しい治療手段
を提供した。
(四)眼科用医薬品
13 7、チフセマ点眼液。当該製品は成人開放隅角緑内障の治療または高眼圧症患者の眼圧
低減に使用することが承認され、β受容体阻害薬または前立腺素類似物局所治療効果が良
くない患者に適用する。当該製品は既存の医薬品よりも良い治療後 24 時間薬物眼圧低減
効果をあげ、眼部の充血による不具合の発生を減らし、当該疾病分野の医薬品使用の選択
肢を有効的に増やした。
(五)消化器用医薬品
8、複方くじん結腸溶解カプセル。当該製品は新型漢方複方製剤で、軽度、中度潰瘍性
結腸炎(活動期)の治療に使用することが承認され、漢方医学で体内湿熱症と診断された
患者に適用する。潰瘍性結腸炎は伝統的漢方医学が治療に長けている疾病である。当該製
品は伝統的漢方医薬の理論を受け継ぎ、現代の製薬技術を通して薬物が溶ける局所を結腸
にし、その市販承認取得は潰瘍性結腸炎患者に新しい治療手段を提供した。
(六)心血管系用医薬品
9、注射用ヒト遺伝子組み換え型変異体組織プラスミノーゲン活性因子(rhTNK-tPA)。国
産テネクテプラーゼ(TNK-tPA)製剤は、天然 tPA の構造を改めてできたもので、第三世
代繊維タンパク特異性座薬に属し、急性心筋梗塞発症後 6 時間以内に使用することが承認
され、ST 部分上昇または左脚ブロックによる心筋梗塞患者の血栓溶解治療に使用するこ
とが承認された。国内外で販売された alteplase(アルテプラーゼ、rt-PA)と比べて、
当該製品は新しく形成した血栓の溶解により強い効果を与え、プラスミノーゲン活性化因
子 I(PAI-I)への抵抗力、より高い溶解力、より長い半減期を持ち、投薬方法もより簡
単で、単独弾丸式静脈注射だけで血栓溶解治療ができるため、入院しなくても血栓溶解が
可能で、心筋保護液再度注入の時間を短縮するなどのメリットも持っている。同様な製品
はすでにアメリカと欧州連合で市販承認を取得した。国産製品も市販承認を取得したこと
は我国患者の医薬品入手可能性を高めた。
(七)生殖系用医薬品
10、国産シルデナフィル錠。勃起障害(ED)治療の主流になる薬物で、特許保護で市場
が独占されているため、長い間に輸入先発医薬品は国内で高い価格で販売されていた。
2014 年、開発者の特許期限が切れた際に、当該医薬品の中国国内での生産と市販が承認
され、中国 ED 患者にとって医薬品使用の選択肢が一つ増えた。
(八)麻酔と鎮痛用医薬品
11、塩酸デクスメデトミジン注射液。選択性α2 アドレナリン受容体刺激剤の一種で、
我国では全身麻酔で手術を受ける患者の気管挿管と機械通気時の鎮静に使用することが
承認された。現在、国内では、集中治療期間中の挿管と呼吸器使用患者の鎮静による新し
い適応症に使用することが承認され、集中治療を受ける患者の鎮静に新しい医薬品使用の
選択肢を提供した。
14 (九)抗リウマチ用医薬品
12、ゼンジャンドジカプセル。新型チベット薬複方製剤で、関節リウマチ、チベット医
学で判定された冷え症の治療に使用することが承認され、その症状は関節痛、関節腫れ、
朝のこわばりだった。チベットはリウマチ性疾患が頻発する高冷地であるため、伝統的な
チベット医学は「シンプ」(チベット医学における関節リウマチの名称)の治療に関する
豊かな経験を積み、関節リウマチはチベット医学が治療に長ける疾患と言える。当該製品
は知名なチベット医薬の専門家が歴代の処方を研鑽して開発した新薬で、その市販が承認
されたことは関節リウマチの治療に新しい選択肢を提供した。
四、終わり
中国共産党第 18 期中央委員会第 3 回、第 4 回全体会議の精神に導かれ、総局のしっか
りした指導のもとで、薬審センターは引き続き改革の深化を推し進め、職責をきちんと果
たし、積極的に医薬品技術審査業務を実施し、大衆の健康を切実に維持、促進するようと
考えている。
(出所:CDE サイト 2015-03-13)
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