JED project JEDプロジェクトの概要 • 近年の医療用カルテの電子化の波に伴い、内視鏡デー タベースが多くの病院等で使用されているが、内視鏡分 野での大規模データ収集・解析の試みは未だ行われて はいない • 今回我々は、日本消化器内視鏡学会の一事業として、 Japan Endoscopy Database Project委員会主導で、日本全 国の内視鏡関連手技・治療情報を登録・集計・分析し、 医療の質の向上に役立て、患者に最善の医療を提供す ることを目指すために、データベースを構築する試みを 開始した。 JEDプロジェクトの目的 • 世界最大の内視鏡診療データベースの構築 • 二重入力を要することなく、内視鏡データベースの出 力データを活用する • 日本の内視鏡診療の実態(抗凝固剤使用状況の把 握・偶発症の頻度も含めた)を把握 • 内視鏡診療実態から保険診療の妥当なあり方を始め とする政策、施策への提言を可能にする。 • 臨床研究レジストリーのデータ化 治療手技に伴うデータだけでなく、診断法と しての内視鏡検査関連データも収集管理を行 う(外科系のNCDとはここが違う) 方法 • 異なるベンダー間(オリンパスメディカルシステムズ社 製Solemio ENDOと富士フイルムメディカル社製NEXUS) でのCSV形式で出力されたファイルを、学会事務局内の サーバーに取り込みをおこなった後に、解析をおこなう。 • 第一期のトライアル施設(計8施設)は… • 東京大学医学部附属病院・国立がん研究センター中央病 院・北里大学病院・虎の門病院・京都大学医学部附属病院・ 東京医科歯科大学医学部附属病院・東京慈恵会医科大学 葛飾医療センター・埼玉医科大学国際医療センター • 2015年1月よりデータ収集 個人情報保護ロジック 富士フィルム NeXus Olympus Solemio ENDO 個人情報-Hush化処理プログラム ゲートウェイ サーバ ネットワーク回線 データベースサーバ 解析用サーバ 本プロジェクトで達成可能と思われる案件は… • 学会の専門医制度事業とリンクすることで、客観的データに基づ いた、国民及び社会に信頼される専門医の育成・認定をおこなうこ とが可能になる。 • 全国レベルでの内視鏡関連手技にともなうリスクを把握した上で、 患者・家族とともに治療の方針を決定することが可能になる。 • 偶発症調査の完全自動化や、適切な診療報酬決定のための情 報提供が可能になる。 • 各施設は、自施設の特徴や課題を理解した上で,改善にとりくむこ とが可能になる。 • 医療圏・地域・全国レベルで医療の水準を明らかにすることで地 域・国単位での比較が可能になる。 事前調査で明らかになった問題点 • 上位二社のシェアは回答のあった施設の68%に及ぶ • PACSレポートシステムへの入力を行っている施設が 169と非常に多く、小規模PACSも利用されているため、 これらのベンダーに対する対応も必要である。 • 画像のみを保管している施設も多数存在する • 独自のファイル管理をしている施設が55施設ありこち らに対する対応も考慮すべき • 手書き、紙媒体による施設が38施設存在する 対応方針① -手書き・小規模施設対応- • 独自ファイル管理のご施設 • 手書きを行っているご施設 -JED集積データのGradingにおいて、情報量の少ない 低いGradeをしっかりと作成する。 ⇒専門医研修の実績把握を必須として下記の項目の 入力を義務付けする。 • • • • • • • 患者名(ID) 検査種別 施行医 指導医(副実施医) 質的診断 治療手技名 早期合併症の有無 これらの項目を入力し やすい形で用語も含め た展開を行う Excel®, File Maker®で ホームページからのダ ウンロードを可能に。 (Hush化プログラムも実装) 今後の対応② -健診施設対応- • JEDプロジェクトにおいて、治療ではなく検査を中心に行っ ている健診施設からどのようにデータを取得するかは大き な鍵になると思われる。 • がん発見の中心はこのような施設にあると考えられ、国民 衛生の動向を語るうえで非常に重要な施設であると思わ れる。 • またこれらの施設に対する方針はクリニックにも応用でき ると思われる。 • 一般施設と同様のシステムを使用している健診施設と健 診システムを使用している施設の二種類があり双方を対 象として検討を開始する Data Typingの骨子 • 広くすべての指導施設からのデータを得ることを第一義と する。 • 全ての指導施設における内視鏡件数を把握する。 • TypeI,II施設においては、学会のデータ収集事業である • 『偶発症の発生率』『抗血栓剤に対する対応』のデータは 収集可能となる • 古いバージョンのシステムを運用していたり、独自のデー タファイルで運用している施設には、電子化された統一 データシートを配布し、データ変換で対応できる形にする • 健診を主に行っている施設への対応策を考慮する Typing(案) • Type I (試行8施設と同一レベル) • JEDフルデータ収集 • 現行のMSED‐J決定の用語を全て収集する • type II (type Iに準ずるデータレベル) • 内視鏡検査、処置に関わる所見レベルはGrade Iと同様 • 年齢、生年月日、性別などの患者基本情報のみを対象とし背景情報は問わない • ただし偶発症、抗血栓薬に関する情報に関しては、従来学会収集事業で取得している情報 であるため、これらの情報はGrade IIでも必須とする • Type III (独自ファイル管理、古いシステムの運用施設) • Type IIとそん色ない内視鏡関連データ粒度 • 個別調査を行いつつ、独自ファイルやシステムから出力可能なデータを変換するツールを作 成し、施設に配布する形をとる • Type IV (手書き運用施設、小規模施設に適応) • 入力可能なツールをホームページから配布する。個人情報の保護の方法論も組み込む。 • 用語展開も行うためほかのGrade 施設のデータ統合も可能 • 学会総会時にCDなどの媒体にて提出して頂く方針で • Type V (小規模施設に適応) ←原則このTypeは廃止の方針 • 基本的にアンケート、メール、はがきベースで対応する。 • 総検査数。癌の件数。緊急内視鏡の件数。これらのみを記載する Typingと専門医に向けた項目の具体的整理 • 検査施行日 • 患者名(ID) • 検査種別 • 施行医 • 指導医(副実施医) • 質的診断 • 治療手技名 • 合併症の有無 Hush化をLocalで行う 上下部の別、緊急か否かetc 検査を実際に行った医師名 指導医、助手の医師名 ファイルの用語から選択 ファイルの用語から選択 早期合併症は必須 (後期合併症は重篤なもののみ)
© Copyright 2024 ExpyDoc